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良かろう。戦争だ (お題:うどん・蕎麦・全面戦争)
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「タケノコの方が良いに決まってるだろ!」
「いいや、キノコだね」
高校生にもなった友人たちが飲食店の席でそんなくだらない言い争いを始めた。
「何言ってんだ。タケノコの方がクッキーの量が多くてお得だろ!」
「そんなこと言ったらキノコの方がチョコ多いだろ!」
そもそもキノコは…。いや、タケノコは…。そんなくだらない論議が続いて行く。
終いには、お前のそういうところが気に入らなかった。お前だってそういうところあるだろ。等の悪口に発展して行き…。
「「良かろう。戦争だ!」」
友人たちが同時に席を立ちあがり、互いににらみ合う。
「お前らは子どもか!」
俺は堪らず突っ込んだ。
店内の視線がそんな俺に集中する。
俺はその視線に耐えられなくなり「済みません…」と言う謝罪と共に小さくなった。
二人がそんな俺を見て冷静になる。
「そ、そうだよな。たかが御菓子の話ぐらいで何、熱くなってんだろうな俺たち」
「俺たちが悪かった。そろそろ注文した飯も届くだろうから、一旦座るか」
二人が腰を下ろしたのを見計らったように店員さんが注文の品を持ってくる。
きっと二人が言い争っていた為、持ってきにくかったのだろう。
目の前に置かれる三つの器。
俺はうどんで二人は蕎麦だった。
俺はそれを見た時、なんだかんだで二人の好みは似ている所もあるじゃないか。と呆れた。
争いごとの発端など、大抵大した事ではない。
別々の人間だ。理解し合えない事などごまんと存在する。
それらを妥協し合う事で社会と言うものは成り立っているのだ。
俺はまた一つ悟りを開いた気がして、満足した気持ちになる。
俺は二人よりちょっと大人なのだ。
「なんだよ。得意げな顔して。…って、お前、こんなくそ暑い中うどん食べるのか?」
「マジか~。物好きだな。日本の夏と言えばやっぱりザル蕎麦だろ」
二人が俺の器を覗き込んでそんな事を言ってくる。
「何を言う。暑いからこそ熱いうどんを食べるんだ。それに蕎麦は細くて食べてる気がしない。うどんの方がもちもちで美味しいだろ?」
俺は持論を展開するが、二人は訝し気な顔をするばかりだった。
「いや、それはおかしい。何故なら蕎麦の良い所はその細さだ。それに風味もあってうどん程下品じゃない」
その言葉に俺はカチンとくる。
「…うどんが下品だと?お前は一人だとその麺の様になよなよしいのに、仲間がいるといつもつけあがるよな?」
「…あぁ?なんだとこの太麺野郎。下品なのは腹だけにしとけ」
そう言うと友人は俺の腹を突く。
確かに少しは出ているが、責められる程じゃない。と言うか、お前に言われる筋合いもない。
「ふ~ん。そうかそうか。お前が俺をどんな風に見てるか良く分かったぞ」
「あぁ、俺もだ」
俺と友人の視線が熱く交じり合う。
「ちょ、ちょっとやめてよ二人とも!」
「「チビは黙ってろ!」」
「ち、ちび?!」
================
ちび呼ばわりされた少年はショックで座り込む。
如何やら今回の戦争には抑止力が足りなかったようだ。
僕は隣の席でスマホをいじりながらそんな三人の事を観察していた。
人それぞれ好みや、気にするところは違うと言うのに。くだらない。
ふと、僕の好きなアイドルのTwitterが炎上した。と言う通知が入ってくる。
事の発端は愛犬に服を着せた写真をアップした為らしい。
「…虐待?そんな事が虐待なのか?ふざけるなよ!」
僕は机を叩いて、激怒した。
今日も戦争は終わらない。
=============
※おっさん。の小話
こういう事、ありますよね。
ありすぎて困るのさ……。
冷静になれない人間、多いですよね…。
体と自尊心だけ大きくなりやがって…。
これが本当の大童ってか?
はっ!こんなこと言ったら炎上する!
もし炎上したら笑ってあげてくださいね。道化としてもそれが本望ですので!
「いいや、キノコだね」
高校生にもなった友人たちが飲食店の席でそんなくだらない言い争いを始めた。
「何言ってんだ。タケノコの方がクッキーの量が多くてお得だろ!」
「そんなこと言ったらキノコの方がチョコ多いだろ!」
そもそもキノコは…。いや、タケノコは…。そんなくだらない論議が続いて行く。
終いには、お前のそういうところが気に入らなかった。お前だってそういうところあるだろ。等の悪口に発展して行き…。
「「良かろう。戦争だ!」」
友人たちが同時に席を立ちあがり、互いににらみ合う。
「お前らは子どもか!」
俺は堪らず突っ込んだ。
店内の視線がそんな俺に集中する。
俺はその視線に耐えられなくなり「済みません…」と言う謝罪と共に小さくなった。
二人がそんな俺を見て冷静になる。
「そ、そうだよな。たかが御菓子の話ぐらいで何、熱くなってんだろうな俺たち」
「俺たちが悪かった。そろそろ注文した飯も届くだろうから、一旦座るか」
二人が腰を下ろしたのを見計らったように店員さんが注文の品を持ってくる。
きっと二人が言い争っていた為、持ってきにくかったのだろう。
目の前に置かれる三つの器。
俺はうどんで二人は蕎麦だった。
俺はそれを見た時、なんだかんだで二人の好みは似ている所もあるじゃないか。と呆れた。
争いごとの発端など、大抵大した事ではない。
別々の人間だ。理解し合えない事などごまんと存在する。
それらを妥協し合う事で社会と言うものは成り立っているのだ。
俺はまた一つ悟りを開いた気がして、満足した気持ちになる。
俺は二人よりちょっと大人なのだ。
「なんだよ。得意げな顔して。…って、お前、こんなくそ暑い中うどん食べるのか?」
「マジか~。物好きだな。日本の夏と言えばやっぱりザル蕎麦だろ」
二人が俺の器を覗き込んでそんな事を言ってくる。
「何を言う。暑いからこそ熱いうどんを食べるんだ。それに蕎麦は細くて食べてる気がしない。うどんの方がもちもちで美味しいだろ?」
俺は持論を展開するが、二人は訝し気な顔をするばかりだった。
「いや、それはおかしい。何故なら蕎麦の良い所はその細さだ。それに風味もあってうどん程下品じゃない」
その言葉に俺はカチンとくる。
「…うどんが下品だと?お前は一人だとその麺の様になよなよしいのに、仲間がいるといつもつけあがるよな?」
「…あぁ?なんだとこの太麺野郎。下品なのは腹だけにしとけ」
そう言うと友人は俺の腹を突く。
確かに少しは出ているが、責められる程じゃない。と言うか、お前に言われる筋合いもない。
「ふ~ん。そうかそうか。お前が俺をどんな風に見てるか良く分かったぞ」
「あぁ、俺もだ」
俺と友人の視線が熱く交じり合う。
「ちょ、ちょっとやめてよ二人とも!」
「「チビは黙ってろ!」」
「ち、ちび?!」
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ちび呼ばわりされた少年はショックで座り込む。
如何やら今回の戦争には抑止力が足りなかったようだ。
僕は隣の席でスマホをいじりながらそんな三人の事を観察していた。
人それぞれ好みや、気にするところは違うと言うのに。くだらない。
ふと、僕の好きなアイドルのTwitterが炎上した。と言う通知が入ってくる。
事の発端は愛犬に服を着せた写真をアップした為らしい。
「…虐待?そんな事が虐待なのか?ふざけるなよ!」
僕は机を叩いて、激怒した。
今日も戦争は終わらない。
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※おっさん。の小話
こういう事、ありますよね。
ありすぎて困るのさ……。
冷静になれない人間、多いですよね…。
体と自尊心だけ大きくなりやがって…。
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