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向上心
第154話
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「……じゃあ、後は頼んだぞ」
俺はチャンバラに夢中なゴブリン達を横目で見つつ、ゴブスケの肩を糸の髪で叩いた。
「ヴァィ!」
快く、返事を返してくるゴブスケ。
これでは、俺がこいつに指導を任せている様に見えるが、俺は新作の防具と木刀を配布し、使い方を見せに来ただけ。
元々、契約上、こいつらの指導はゴブスケの仕事だ。
これ以上、上司ともおける俺が、こいつの仕事を奪うわけにはいかない。
全て俺がこなして、部下が育たないのも困るしな。
俺は、学びの中心地となりつつある河原を後にして、森の中へと足を進める。
「今日も、飛行訓練と、糸を使った移動訓練をするからな」
俺は歩きながら、いつも通り、俺の脇に抱きついているクリアに視線を下げ、声を掛けた。
こちらを見上げて「うん」と少し声に力を入れて返してくるクリア。
表情ではわかりにくいが、どうやら、やる気十分らしい。
「あ、そうです。前にルリ様に織って貰った翼。再調整して貰えませんか?木の上からの滑空は出来るのですが、いつも、少しずつ右側に傾くので、もう少し重さを調整していただければ、上手く飛べるようになると思うんです」
俺はコグモの要望に「おう、いいぞ!見せてみろ!」と、答える。
それを聞いた彼女は「では、失礼して……」と言って、俺に背中を向ける。
「うううううっ!!」
背中に力を入れて踏ん張るコグモ。
一応、メイド服の背中には、通常時は布同士か被さって見えない、翼用の縦穴を用意してあるのだが、いつも通り、翼が上手く、その間から、出ないらしい。
「うううううっ!!」
穴の間から、白い翼の先が、ちょこんと、覗いた。
「お、見えてきた見えてきた。このまま引っ張るぞ?」
「うえっ?!」
俺の提案に、戸惑いの声を上げるがコグモ。
しかし、放っておくと、それなりに時間がかかることは知っているので、俺は気にせず、翼が覗いている服の間から、糸と腕を入れ、優しく翼を引き出そうとする。
「ひっ!ひゃっ!ひゃめ、ひゃめてくだひゃいっ!!」
こちらに背中を向けたまま、ビクビクと体を震わせるコグモ。
翼と体内の神経が敏感なので、くすぐったいのだろう。
「我慢しろー。どうせ、調整だって、くすぐったいんだからなー」
俺はコグモの声を無視して、翼を引き出していく。
「ッ~~~……!」
声にならない叫びを上げるコグモ。
どうやら、唇を噛みしめて、必死に耐えているようだった。
「…………」
なんか、こう……。コグモのそんな顔を見ていると、色っぽいというか、何というか……。
このまま、中をいじくり回したら、きっと……。
「ちょっ!ちょっと!何してるんですかっ?!早くしてくださいっ!」
俺はコグモの声に、ハッとなる。
「い、いやぁ!悪い悪い!ちょっと、翼が変に引っかかっててな!どうした物かと悩んでたんだよ!」
いつの間にか止まっていた糸と手を動かして、作業を再開する俺。
「ひゃぅっ!」
急に、俺が作業を再開したせいか、コグモは小さく声をこぼしてしまう。
しかし、その後は、再び声を殺して、耐え続ける。
そして、俺も、このよく分からない欲望を抑え続けた。
俺はチャンバラに夢中なゴブリン達を横目で見つつ、ゴブスケの肩を糸の髪で叩いた。
「ヴァィ!」
快く、返事を返してくるゴブスケ。
これでは、俺がこいつに指導を任せている様に見えるが、俺は新作の防具と木刀を配布し、使い方を見せに来ただけ。
元々、契約上、こいつらの指導はゴブスケの仕事だ。
これ以上、上司ともおける俺が、こいつの仕事を奪うわけにはいかない。
全て俺がこなして、部下が育たないのも困るしな。
俺は、学びの中心地となりつつある河原を後にして、森の中へと足を進める。
「今日も、飛行訓練と、糸を使った移動訓練をするからな」
俺は歩きながら、いつも通り、俺の脇に抱きついているクリアに視線を下げ、声を掛けた。
こちらを見上げて「うん」と少し声に力を入れて返してくるクリア。
表情ではわかりにくいが、どうやら、やる気十分らしい。
「あ、そうです。前にルリ様に織って貰った翼。再調整して貰えませんか?木の上からの滑空は出来るのですが、いつも、少しずつ右側に傾くので、もう少し重さを調整していただければ、上手く飛べるようになると思うんです」
俺はコグモの要望に「おう、いいぞ!見せてみろ!」と、答える。
それを聞いた彼女は「では、失礼して……」と言って、俺に背中を向ける。
「うううううっ!!」
背中に力を入れて踏ん張るコグモ。
一応、メイド服の背中には、通常時は布同士か被さって見えない、翼用の縦穴を用意してあるのだが、いつも通り、翼が上手く、その間から、出ないらしい。
「うううううっ!!」
穴の間から、白い翼の先が、ちょこんと、覗いた。
「お、見えてきた見えてきた。このまま引っ張るぞ?」
「うえっ?!」
俺の提案に、戸惑いの声を上げるがコグモ。
しかし、放っておくと、それなりに時間がかかることは知っているので、俺は気にせず、翼が覗いている服の間から、糸と腕を入れ、優しく翼を引き出そうとする。
「ひっ!ひゃっ!ひゃめ、ひゃめてくだひゃいっ!!」
こちらに背中を向けたまま、ビクビクと体を震わせるコグモ。
翼と体内の神経が敏感なので、くすぐったいのだろう。
「我慢しろー。どうせ、調整だって、くすぐったいんだからなー」
俺はコグモの声を無視して、翼を引き出していく。
「ッ~~~……!」
声にならない叫びを上げるコグモ。
どうやら、唇を噛みしめて、必死に耐えているようだった。
「…………」
なんか、こう……。コグモのそんな顔を見ていると、色っぽいというか、何というか……。
このまま、中をいじくり回したら、きっと……。
「ちょっ!ちょっと!何してるんですかっ?!早くしてくださいっ!」
俺はコグモの声に、ハッとなる。
「い、いやぁ!悪い悪い!ちょっと、翼が変に引っかかっててな!どうした物かと悩んでたんだよ!」
いつの間にか止まっていた糸と手を動かして、作業を再開する俺。
「ひゃぅっ!」
急に、俺が作業を再開したせいか、コグモは小さく声をこぼしてしまう。
しかし、その後は、再び声を殺して、耐え続ける。
そして、俺も、このよく分からない欲望を抑え続けた。
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