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まだなの?
第31話 メグルとお祭り騒ぎ
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あのお祭りのような騒ぎは空が夕焼けに染まるまで続けられた。
最後の方にはいつの間にか子どもたちまで参加していて…。
大人たちを窘めてくれていた。
本当に助かった。
村の人たちとも話をしたが、まだこの村は教会の教えが浸透していないのか、黒髪をあまり気にした様子がなかった。
それどころか黒髪の姉妹が住んでいると聞いた時は心底驚いた。
その子の親は警備の仕事でこの騒ぎには参加しておらず、妹も人見知りだという事で、姉であるカーネと言う子にしか会えなかったのは誠に残念な事態ではあるが…。
しかしカーネと言う少女が違和感なく村に溶け込んでいる様子を見ると、本当に皆に愛されているようで…。
嬉しく思う反面、ちょっともやもやした気持ちになってしまった。
その後も、ミランさんから娘さんと共に、改めてお礼をされたり、酒場を経営するおじさんに絡《から》まれたり、大変だった。
そうこうしている内に…。やってしまった。
森の入り口に着く頃には日が完全に沈んでしまったのである。
当たり前のことだが、夜の森は危険だ。
そして村人の話によると森の浅い部分で獣が密集し、凶暴化しているのだという。
そのせいで畑は荒らされ、森にも入れず食べ物に困っていた所、僕が現れたと言う訳だ。
しかも本来は山奥にいる大喰らいと呼ばれる熊まで山を下りてきているらしく、いつ村に降りてくるか心配していた為、大量の熊皮を見せた時は感謝された。
その時の僕の顔ときたら…。とってつけたような笑顔だったに違いない。
なんせ、その主な原因は僕達家族にあるのだから。
一言で言うなら暴れまわりすぎました。すいません。という事だ。
村の事なんて全く考えていなかったし、自分たちがそれほど森に影響を与えている感覚もなかった。
危うく村一つ潰すところだったのかと思うと冷や汗が出てきた。
話を戻すが、この辺りの森は今、危険地帯なのである。
姉さんたちとの夜の狩りでも、獣に不意を突かれてヒヤッとする事がある。
そんな奴が、危険地帯を魔導車という良い的で、一人突っ切るのはどう考えても無理があるのだ。
でも、連絡なく帰らない場合に起る母さんの癇癪を想像するのも無理があるのだ。
無理がるのだよ…。
想像するだけで鬱になりかけるので、気持ちを切り替えると、森の中に車を進める。
姉さんたちとは比べ物にならないが、一応僕も気配を感じられるようになった。
精々、半径10m程度ではあるが、生物が発する微量な魔力を感じて、何かいるな。程度には感じ取ることができる。
しかし今回はその気配を避けて通ることもできないのだ。
理由は簡単しっかりとした道でないとこの手作りポンコツ車では進めないからである。
「?!」
やけくそで走っていた僕の目の前に急に現れたのはシバだった。
全く魔力探知に引っかからなかった。シバの速度が速すぎたせいだろうか。
いや、走ってきた感じはしない。魔力を隠して待ち伏せていたのか…。
シバは得意げに鼻を鳴すと荷台に飛び乗り…寝転んだ。
実に頼もしい護衛である。
蹴り落してやろうかとも考えつつも、心配でわざわざ見に来てくれたことには感謝している。
今回は許してやろう。
そんな気持ちで前を向くが、シバに服を引っ張られ、再び後ろを向く。
何事かと思えば、シバが尻尾の先に魔力を溜めて荷台に文字を書いていく。
『魔力感知もできないんですね。セ、ン、パイ♪』
それを読み終えた僕の顔を見てシバは再び鼻をフンと鳴らした。
そしてスッと魔導車の前に降りたち、挑戦的に振り返える。
…よかろう。戦争だ。
この後第24回魔術戦争が起こったのは言うまでもない。
最後の方にはいつの間にか子どもたちまで参加していて…。
大人たちを窘めてくれていた。
本当に助かった。
村の人たちとも話をしたが、まだこの村は教会の教えが浸透していないのか、黒髪をあまり気にした様子がなかった。
それどころか黒髪の姉妹が住んでいると聞いた時は心底驚いた。
その子の親は警備の仕事でこの騒ぎには参加しておらず、妹も人見知りだという事で、姉であるカーネと言う子にしか会えなかったのは誠に残念な事態ではあるが…。
しかしカーネと言う少女が違和感なく村に溶け込んでいる様子を見ると、本当に皆に愛されているようで…。
嬉しく思う反面、ちょっともやもやした気持ちになってしまった。
その後も、ミランさんから娘さんと共に、改めてお礼をされたり、酒場を経営するおじさんに絡《から》まれたり、大変だった。
そうこうしている内に…。やってしまった。
森の入り口に着く頃には日が完全に沈んでしまったのである。
当たり前のことだが、夜の森は危険だ。
そして村人の話によると森の浅い部分で獣が密集し、凶暴化しているのだという。
そのせいで畑は荒らされ、森にも入れず食べ物に困っていた所、僕が現れたと言う訳だ。
しかも本来は山奥にいる大喰らいと呼ばれる熊まで山を下りてきているらしく、いつ村に降りてくるか心配していた為、大量の熊皮を見せた時は感謝された。
その時の僕の顔ときたら…。とってつけたような笑顔だったに違いない。
なんせ、その主な原因は僕達家族にあるのだから。
一言で言うなら暴れまわりすぎました。すいません。という事だ。
村の事なんて全く考えていなかったし、自分たちがそれほど森に影響を与えている感覚もなかった。
危うく村一つ潰すところだったのかと思うと冷や汗が出てきた。
話を戻すが、この辺りの森は今、危険地帯なのである。
姉さんたちとの夜の狩りでも、獣に不意を突かれてヒヤッとする事がある。
そんな奴が、危険地帯を魔導車という良い的で、一人突っ切るのはどう考えても無理があるのだ。
でも、連絡なく帰らない場合に起る母さんの癇癪を想像するのも無理があるのだ。
無理がるのだよ…。
想像するだけで鬱になりかけるので、気持ちを切り替えると、森の中に車を進める。
姉さんたちとは比べ物にならないが、一応僕も気配を感じられるようになった。
精々、半径10m程度ではあるが、生物が発する微量な魔力を感じて、何かいるな。程度には感じ取ることができる。
しかし今回はその気配を避けて通ることもできないのだ。
理由は簡単しっかりとした道でないとこの手作りポンコツ車では進めないからである。
「?!」
やけくそで走っていた僕の目の前に急に現れたのはシバだった。
全く魔力探知に引っかからなかった。シバの速度が速すぎたせいだろうか。
いや、走ってきた感じはしない。魔力を隠して待ち伏せていたのか…。
シバは得意げに鼻を鳴すと荷台に飛び乗り…寝転んだ。
実に頼もしい護衛である。
蹴り落してやろうかとも考えつつも、心配でわざわざ見に来てくれたことには感謝している。
今回は許してやろう。
そんな気持ちで前を向くが、シバに服を引っ張られ、再び後ろを向く。
何事かと思えば、シバが尻尾の先に魔力を溜めて荷台に文字を書いていく。
『魔力感知もできないんですね。セ、ン、パイ♪』
それを読み終えた僕の顔を見てシバは再び鼻をフンと鳴らした。
そしてスッと魔導車の前に降りたち、挑戦的に振り返える。
…よかろう。戦争だ。
この後第24回魔術戦争が起こったのは言うまでもない。
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