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まだなの?
第20話 コランとカーネ
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この頃みんなが変だ。
わたし、コラン・バインはいつもと違う雰囲気のみんなに戸惑っていた。
食べ物が足りなくなりそうだという話はママたちから聞いていた。
聞いてはいたが、どれだけ大変な事なんかは正直あまり分かっていなかった。
でもそんなわたしでも一つ分かることがある。
みんなが変なのは食べる物が少ないからで、食べ物があればいつも通り楽しそうに収穫祭の準備を始めるという事である。
わたしはみんなが楽しそうにしているのが好きだ。
だったら食べ物を集めてくればいい。
何処から集めるかと言えば勿論、森だ。
だってドロボーをするともっと悪い人たちに捕まって攫われちゃうからね。
そんな話を友人のカーネにすると、彼女は少し考えるように顎に手を置き、黙り込んだ。
いや、黙り込んだというよりは元々口数が少ない子なのだ。
今までもわたしが殆ど一方的に話していて、間が開いたためにそう感じてしまっただけかもしれない。
しかし、口数が少ないと言っても無視をしたり、話を流しているわけではなく、こうやってしっかりと聞いて考えてくれる。
私の頼れる相棒なのだ!
カーネちゃんはその黒髪が原因で妹のリリー共々、親に捨てられたと言う過去がある。
長い間、妹と二人で生きてきたが為に、大人びているのも頼りがいがあるのだ。
そんなカッコいいカーネちゃんではあるが、まだ私と同い年の8歳である。
妹に至っては6歳で、よく二年間も放浪していられたな。と、本気で感心する。
こんなことを言うのもなんだが、黒髪はこの村でも忌み嫌われているのだ。
なんでも不幸を呼び込むらしい。
私は気にしないけどね!
でも、他の人は結構気にするみたいだから、そういう面でも生活は厳しかっただろう。
そんな聞くも涙、語るも涙のカーネちゃんだが、最後の最後に盗賊に捕まり、そして今のお父さん。カクタスさんに救出され、引き取られた。
カクタスさんも放浪してこの村に流れ着いたのだが、よそ者の自分を優しく迎えてくれたみんなに感謝して衛兵として働き始めたらしい。
そして村を荒らし始めた盗賊を退治して衛兵長に昇格。
その時に助けたのがカーネちゃんたちなのだ。
運命を感じてロマンチックだし、何よりカッコいいよね!
私もそんな白馬の王子様が現れるのを待っているのだが、残念ながらこの村の男子は万屋のアヴィーぐらいだ。
ずる賢くてお金にがめつくて、あんなちんちくりんじゃ馬にも乗れやしない。
「分かった。私も手伝おう」
わたしが非情な現実に溜息を吐きそうになっていると、いつの間にか顔を上げていたカーネが返事を返してくれた。
「本当?!やった!」
わたしはあまりの嬉しさにカーネの手を握ると、その場で飛び跳ねた。
カーネは何とも言えない表情で苦笑していたが、きっとはしゃぐのが恥ずかしいのだろう。
大人びた雰囲気とは裏腹に可愛げのある子である。
普段から近づいてはいけないと言われている森。
今は危険だからと、度を増してその言い付けが厳しくなっている為、こんな事を頼めるのはカーネちゃんしかいないのだ。
カーネちゃんのお父さんも村のみんなと隣村まで食べ物をもらいに行っている。
それにカーネちゃん自身みんなの目をかいくぐるのが上手く、肝も据わっているので、こんなに頼もしい相棒は他にいないだろう。
「それじゃあ作戦会議しよ!もちろん隊長はカーネちゃんね!」
苦笑しつつも「あぁ」と答えると、まじめな顔に切り替えて作戦を立て始める。
そんなカーネちゃんはとてもかっこよく見えた。
白馬の王子様がカーネちゃんでもいいかも…。と思ってしまったのはわたしだけの秘密だ。
わたし、コラン・バインはいつもと違う雰囲気のみんなに戸惑っていた。
食べ物が足りなくなりそうだという話はママたちから聞いていた。
聞いてはいたが、どれだけ大変な事なんかは正直あまり分かっていなかった。
でもそんなわたしでも一つ分かることがある。
みんなが変なのは食べる物が少ないからで、食べ物があればいつも通り楽しそうに収穫祭の準備を始めるという事である。
わたしはみんなが楽しそうにしているのが好きだ。
だったら食べ物を集めてくればいい。
何処から集めるかと言えば勿論、森だ。
だってドロボーをするともっと悪い人たちに捕まって攫われちゃうからね。
そんな話を友人のカーネにすると、彼女は少し考えるように顎に手を置き、黙り込んだ。
いや、黙り込んだというよりは元々口数が少ない子なのだ。
今までもわたしが殆ど一方的に話していて、間が開いたためにそう感じてしまっただけかもしれない。
しかし、口数が少ないと言っても無視をしたり、話を流しているわけではなく、こうやってしっかりと聞いて考えてくれる。
私の頼れる相棒なのだ!
カーネちゃんはその黒髪が原因で妹のリリー共々、親に捨てられたと言う過去がある。
長い間、妹と二人で生きてきたが為に、大人びているのも頼りがいがあるのだ。
そんなカッコいいカーネちゃんではあるが、まだ私と同い年の8歳である。
妹に至っては6歳で、よく二年間も放浪していられたな。と、本気で感心する。
こんなことを言うのもなんだが、黒髪はこの村でも忌み嫌われているのだ。
なんでも不幸を呼び込むらしい。
私は気にしないけどね!
でも、他の人は結構気にするみたいだから、そういう面でも生活は厳しかっただろう。
そんな聞くも涙、語るも涙のカーネちゃんだが、最後の最後に盗賊に捕まり、そして今のお父さん。カクタスさんに救出され、引き取られた。
カクタスさんも放浪してこの村に流れ着いたのだが、よそ者の自分を優しく迎えてくれたみんなに感謝して衛兵として働き始めたらしい。
そして村を荒らし始めた盗賊を退治して衛兵長に昇格。
その時に助けたのがカーネちゃんたちなのだ。
運命を感じてロマンチックだし、何よりカッコいいよね!
私もそんな白馬の王子様が現れるのを待っているのだが、残念ながらこの村の男子は万屋のアヴィーぐらいだ。
ずる賢くてお金にがめつくて、あんなちんちくりんじゃ馬にも乗れやしない。
「分かった。私も手伝おう」
わたしが非情な現実に溜息を吐きそうになっていると、いつの間にか顔を上げていたカーネが返事を返してくれた。
「本当?!やった!」
わたしはあまりの嬉しさにカーネの手を握ると、その場で飛び跳ねた。
カーネは何とも言えない表情で苦笑していたが、きっとはしゃぐのが恥ずかしいのだろう。
大人びた雰囲気とは裏腹に可愛げのある子である。
普段から近づいてはいけないと言われている森。
今は危険だからと、度を増してその言い付けが厳しくなっている為、こんな事を頼めるのはカーネちゃんしかいないのだ。
カーネちゃんのお父さんも村のみんなと隣村まで食べ物をもらいに行っている。
それにカーネちゃん自身みんなの目をかいくぐるのが上手く、肝も据わっているので、こんなに頼もしい相棒は他にいないだろう。
「それじゃあ作戦会議しよ!もちろん隊長はカーネちゃんね!」
苦笑しつつも「あぁ」と答えると、まじめな顔に切り替えて作戦を立て始める。
そんなカーネちゃんはとてもかっこよく見えた。
白馬の王子様がカーネちゃんでもいいかも…。と思ってしまったのはわたしだけの秘密だ。
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