お姫様になれない私は

 小学生の『私』は学校の階段でラメサンダルの白昼夢を見る。
 ガラスの靴のようで可愛いけれど、試しに履いてみたら履き心地に慣れなくて、買ってもらうのを諦めた。
 幻のラメサンダルは形を変えながら階段を落ちてくる。デザインや大小をさまざまに変化させるさまはとても楽しそうだ。
 私に抱き止められたサンダルが光の粒となって消えたところで白昼夢が終わる。我にかえった私はまっすぐに、光あふれる階段を昇っていった。
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