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54 クロノの心
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記憶を取り戻すのは一瞬だった。全ての時間軸が同時に感じられて、ついさっきまで泣き叫んでいたクロノは今は少し切なそうな微笑みで立っていた。
「……ク、ロノ?」
「おかえりなさいませ、我が主人様」
稚児の待機部屋には昔私が使っていた椅子がそのままにあって、私はそれに座らされた。埃もなく綺麗な状態である事からずっと手入れをしていたことが分かる。部屋は百年も経ったとは思えない。
「私は……どうして生きているの?生まれ変わって無いよね?」
「主人様が亡くなられた後のことです。私はどうしても貴女を剣様にお渡しする事が出来なかった。そこにエウディが現れた」
「エウディさん?」
「あれの本当の名前はカークリノラースというそうです」
カークリノラースという名前は知っていた。私の兄貴分に当たる、確かこちらも一振りの剣の神だ。
「天へのゲートが開き、こちらに干渉できるようになったと言っていました。エウディの目的は貴女と剣様を天に連れて帰る事。そのために、神でない存在として地に留まれるようにする事と、次代の剣の持ち主……レックスから剣様を奪うためにあちらに取り入る事を提案してきました」
「それを受けたの?」
「はい。その代わり貴女は蘇生され、私は莫大なエネルギーを得る事ができました」
カークリノラースはエウディという名前を偽ったままクロノと婚約し、人間としての地位を得たのだ。婚姻を偽るために慈しみ合う行為をすれば、当然神であるカークリノラースのエネルギーはクロノの体に流れる。常人では使い切れないエネルギーをグールの能力を持っていたクロノは使いこなせた……、いや、使いこなせる事を知っていたからカークリノラースはクロノと契約したのか。
「貴女の修復には時間がかかりました。その間に私は新しいフェラストの長となるレックスの信を得た。そして、世界を統一し、神と名乗るほどの力を得る手伝いをし、レックスは強くなりました。そのままでは剣様を切り離す事が出来ない程彼は強くなってしまった。貴女を修復し終えてなお、我々はレックスから剣様を切り離す事をできず、やむなくエウディは貴女をレックスから遠く、最も安全と思われる場所に隠した。エウディは計画が崩れるのを恐れて、その場所を私には知らせなかった。まさか、貴女を奴隷のままにしているなどっ」
クロノは肘を掴んだ。その手の上に私は手を当てて、解く。記憶にある彼の腕にはなかった痣は濃く深く、そして広範囲に広がっていた。
「けんかの原因はそれ?」
「……だけであれば、まだ。エウディは記録を持たない貴女をレックスから力を奪うための餌にする事を提案しました。しかし、それは……最終的に受け入れた私も同罪です」
額に手を当て、クロノは瞳孔が開く程、自身を嫌悪していた。精神的に潔癖なクロノが、どれ程自分を責めていたかは容易に想像がつく。
「でも、ここまで来た。大丈夫だよ。剣と私、それに記録を揃えてくれた。クロノのおかげ、だよ。エウディとけんかさせて、ごめん。エウディと普通に恋をさせてあげられなかった事をすまなく思ってる。クロノ自身の気持ちの枷になってしまった」
あんな表情になるくらいエウディを好きになったのに、私のせいで恋もままならなかった。100年程の間、彼は私のために苦しみ続けていた。
「それは、違います。……私は他にも罪を背負っています」
「罪?」
「私はエウディを抱けませんでした。私が愛せたのは……貴女の幻だけでした。エウディはどんなものにも姿が変えられる」
「……あ」
クロノのあの表情は、エウディさんが変化した私に向けた物?
「クロノは……私が欲しかった?クロノと私の魂の同調率は高いから、その感情は仕方がない。でも、クロノが番になりたいと……」
「いえ!いいえ。違うんです。私が貴女を欲するはずは無い。ただ初めから私が、私の指先から髪の毛一本まで、貴女の物、なのです。私を人たらしめ、今なお形作っているのは貴女自身なのです」
まさか、と言いかけて口をつぐむ。クロノのサヤに対する行動も、リードに対する慈しみも、全て自分には心当たりがあった。私の愛し方すらクロノは自分の物としていた。
「それに……私は貴女を苦しめる事をした自分が貴女の番になる事は許しがたい。例えそれが貴女のための行動ゆえだとしても」
真面目な子だ。本当に幼い時から変わらない。残していく事が心残りだけれど、幸いクロノは一人では無い。私やクロノと同じ魂の色の仲間がいて、何よりアルバートさんがいる。
「……私が旅立てば、この世界の無駄なエネルギーは連れて帰れる。そうしたら、また、エラスノに戻って、今度は自分の目で世界を感じて欲しい」
「主人様はアルを置いていくのですか?」
唐突にクロノがアルバートさんの名前を出して、私の心臓は正直に跳ねた。記憶を取り戻してなお、私の心の奥が掴まれる。
「どうして?」
「アルは貴女の番ですから」
「……アルバートさんに聞いたの?」
「まさか。アルは死んでも言わないでしょう。そういう人です」
「なら何故?」
クロノは目を伏せた。
「……貴女の番が必要だった。だから、エウディの能力で貴女に近い魂の色の者を集めたのです。……バカな計画のために」
全てはクロノとエウディさんの掌の上……だったのか。
「主人様はアルバートを愛している。アルバートも同じく。番になり、二人で神として世界を導く事は出来ませんか?」
「それは、無理、かな」
私がいる限り、場の過剰なエネルギーはあり続け、マンイーターは人を食べざるを得ない。それを神の力で統制するのは結局レックスがやろうとしていた事と同じだ。
「もしかして、私がその道を選べるように準備もしていた?」
「はい。アルならば、貴女の番として歓迎できたので」
「ごめんね。ありがとう」
私が何も知らないまま逃げ出す道だけでなく、知った上で逃げ出せる道まで用意してくれた。
しかし、私はそれを選ばない。
「もう……、天に帰られるのですか?」
「そうだね。ぐずぐずしてると未練がもっとでてきそうだから」
「……それではゲートまでお供いたします」
「ううん、クロノはここでさよならだよ。天へのゲートを解放したから、神山に続く山道もゲートへの道にも負荷がかかる。普通の……例え神との婚姻してたとしても随伴するのは無理なの」
「主人様……」
「苦労ばかりかけてしまった。私だったらこんな主人に仕えたりできなかったよ。……私には出来すぎた子だった。クロノ、大切な子、どうか生きて」
「主人様……!」
私を抱きしめるクロノは、すっかり大人で見違えた。私の育て方は正解だったかどうかは分からないけれど、いつかクロノが自分の幸せを見つけてくればと願わずにはいられなかった。
背中をさすってしばらくしていると、急にあの香水の香りがした。ゆっくりとクロノの重さが増して、彼が意識を失ったと分かった。長椅子に彼を寝かせてから、私はわざわざご足労をおかけした客に向き合った。
「エウディさん」
「はろー」
「嘘つき、最低」
「あら、ひどい言われよう」
エウディさん、カークリノラースは少しバツの悪そうな顔をしていた。その姿は男性型だったけれど見事な白い羽が生えていた。
「よくも、うちの可愛いクロノをたぶらかしてくれたね」
「子離れしなさいよ。ちゃんと彼を大人相手として契約したんだから」
「分かってる。八つ当たりくらいさせて」
クロノの側にあった小さな箱をエウディは拾って私に渡した。
「これが剣よ。飲み込んで一体になればゲートは潜れるから」
「ちなみに、今回はどの部位?」
「眼球よ、」
「……、飲み込むの、ゲートの前でにする」
「水ぐらいは用意してあげるわね」
全く緊張感が無かった。感謝を述べるのも、恨み言を言うのも違うと感じて、逆にいつもと変わらない。
「……もう行く気なのね?」
「ここには未練ばかりだから」
「アルちゃんは?」
本当に誰も彼も。
「未練の本体に会う勇気無いよ」
「バカね。あんた、天に還って未来永劫アルちゃんを想うの?」
「ずっと想えるなら逆に幸せかも」
「……アルちゃんは?あんたのためなら本当に何でもやるから男よ?クロノから話聞けばあんたを許しはするでしょうけどね」
アルバートさんは……、どう想うだろうか?あんなにお世話になって、私を大切に思ってくれて。私は彼に告白したけど、でも、このまま消えればその程度の気持ちだったって事?彼は許してくれると思う。そもそも、恨んだりもしない。ただ、あの時のように何もかもを諦めた顔になるだけ……。
「っ……」
「まったく、泣くくらい好きなんでしょうに」
彼の顔が見たい。もう一度会いたい。それは許されるの?分からない。だけど、自覚した今、私はこのままゲートには向かえなかった。
「すぐ戻るって言ったの。アルバートさんの所に戻るって」
「アルちゃんは何て?」
「待ってるって」
「じゃあ、悩む事無いじゃない」
エウディさんは私の肩をポンと叩いた。
「ゲートの前で待ってるわ。いつでもいいの。ずっと、いつまでも待っててあげるから」
私は彼の元に駆け出した。
「……ク、ロノ?」
「おかえりなさいませ、我が主人様」
稚児の待機部屋には昔私が使っていた椅子がそのままにあって、私はそれに座らされた。埃もなく綺麗な状態である事からずっと手入れをしていたことが分かる。部屋は百年も経ったとは思えない。
「私は……どうして生きているの?生まれ変わって無いよね?」
「主人様が亡くなられた後のことです。私はどうしても貴女を剣様にお渡しする事が出来なかった。そこにエウディが現れた」
「エウディさん?」
「あれの本当の名前はカークリノラースというそうです」
カークリノラースという名前は知っていた。私の兄貴分に当たる、確かこちらも一振りの剣の神だ。
「天へのゲートが開き、こちらに干渉できるようになったと言っていました。エウディの目的は貴女と剣様を天に連れて帰る事。そのために、神でない存在として地に留まれるようにする事と、次代の剣の持ち主……レックスから剣様を奪うためにあちらに取り入る事を提案してきました」
「それを受けたの?」
「はい。その代わり貴女は蘇生され、私は莫大なエネルギーを得る事ができました」
カークリノラースはエウディという名前を偽ったままクロノと婚約し、人間としての地位を得たのだ。婚姻を偽るために慈しみ合う行為をすれば、当然神であるカークリノラースのエネルギーはクロノの体に流れる。常人では使い切れないエネルギーをグールの能力を持っていたクロノは使いこなせた……、いや、使いこなせる事を知っていたからカークリノラースはクロノと契約したのか。
「貴女の修復には時間がかかりました。その間に私は新しいフェラストの長となるレックスの信を得た。そして、世界を統一し、神と名乗るほどの力を得る手伝いをし、レックスは強くなりました。そのままでは剣様を切り離す事が出来ない程彼は強くなってしまった。貴女を修復し終えてなお、我々はレックスから剣様を切り離す事をできず、やむなくエウディは貴女をレックスから遠く、最も安全と思われる場所に隠した。エウディは計画が崩れるのを恐れて、その場所を私には知らせなかった。まさか、貴女を奴隷のままにしているなどっ」
クロノは肘を掴んだ。その手の上に私は手を当てて、解く。記憶にある彼の腕にはなかった痣は濃く深く、そして広範囲に広がっていた。
「けんかの原因はそれ?」
「……だけであれば、まだ。エウディは記録を持たない貴女をレックスから力を奪うための餌にする事を提案しました。しかし、それは……最終的に受け入れた私も同罪です」
額に手を当て、クロノは瞳孔が開く程、自身を嫌悪していた。精神的に潔癖なクロノが、どれ程自分を責めていたかは容易に想像がつく。
「でも、ここまで来た。大丈夫だよ。剣と私、それに記録を揃えてくれた。クロノのおかげ、だよ。エウディとけんかさせて、ごめん。エウディと普通に恋をさせてあげられなかった事をすまなく思ってる。クロノ自身の気持ちの枷になってしまった」
あんな表情になるくらいエウディを好きになったのに、私のせいで恋もままならなかった。100年程の間、彼は私のために苦しみ続けていた。
「それは、違います。……私は他にも罪を背負っています」
「罪?」
「私はエウディを抱けませんでした。私が愛せたのは……貴女の幻だけでした。エウディはどんなものにも姿が変えられる」
「……あ」
クロノのあの表情は、エウディさんが変化した私に向けた物?
「クロノは……私が欲しかった?クロノと私の魂の同調率は高いから、その感情は仕方がない。でも、クロノが番になりたいと……」
「いえ!いいえ。違うんです。私が貴女を欲するはずは無い。ただ初めから私が、私の指先から髪の毛一本まで、貴女の物、なのです。私を人たらしめ、今なお形作っているのは貴女自身なのです」
まさか、と言いかけて口をつぐむ。クロノのサヤに対する行動も、リードに対する慈しみも、全て自分には心当たりがあった。私の愛し方すらクロノは自分の物としていた。
「それに……私は貴女を苦しめる事をした自分が貴女の番になる事は許しがたい。例えそれが貴女のための行動ゆえだとしても」
真面目な子だ。本当に幼い時から変わらない。残していく事が心残りだけれど、幸いクロノは一人では無い。私やクロノと同じ魂の色の仲間がいて、何よりアルバートさんがいる。
「……私が旅立てば、この世界の無駄なエネルギーは連れて帰れる。そうしたら、また、エラスノに戻って、今度は自分の目で世界を感じて欲しい」
「主人様はアルを置いていくのですか?」
唐突にクロノがアルバートさんの名前を出して、私の心臓は正直に跳ねた。記憶を取り戻してなお、私の心の奥が掴まれる。
「どうして?」
「アルは貴女の番ですから」
「……アルバートさんに聞いたの?」
「まさか。アルは死んでも言わないでしょう。そういう人です」
「なら何故?」
クロノは目を伏せた。
「……貴女の番が必要だった。だから、エウディの能力で貴女に近い魂の色の者を集めたのです。……バカな計画のために」
全てはクロノとエウディさんの掌の上……だったのか。
「主人様はアルバートを愛している。アルバートも同じく。番になり、二人で神として世界を導く事は出来ませんか?」
「それは、無理、かな」
私がいる限り、場の過剰なエネルギーはあり続け、マンイーターは人を食べざるを得ない。それを神の力で統制するのは結局レックスがやろうとしていた事と同じだ。
「もしかして、私がその道を選べるように準備もしていた?」
「はい。アルならば、貴女の番として歓迎できたので」
「ごめんね。ありがとう」
私が何も知らないまま逃げ出す道だけでなく、知った上で逃げ出せる道まで用意してくれた。
しかし、私はそれを選ばない。
「もう……、天に帰られるのですか?」
「そうだね。ぐずぐずしてると未練がもっとでてきそうだから」
「……それではゲートまでお供いたします」
「ううん、クロノはここでさよならだよ。天へのゲートを解放したから、神山に続く山道もゲートへの道にも負荷がかかる。普通の……例え神との婚姻してたとしても随伴するのは無理なの」
「主人様……」
「苦労ばかりかけてしまった。私だったらこんな主人に仕えたりできなかったよ。……私には出来すぎた子だった。クロノ、大切な子、どうか生きて」
「主人様……!」
私を抱きしめるクロノは、すっかり大人で見違えた。私の育て方は正解だったかどうかは分からないけれど、いつかクロノが自分の幸せを見つけてくればと願わずにはいられなかった。
背中をさすってしばらくしていると、急にあの香水の香りがした。ゆっくりとクロノの重さが増して、彼が意識を失ったと分かった。長椅子に彼を寝かせてから、私はわざわざご足労をおかけした客に向き合った。
「エウディさん」
「はろー」
「嘘つき、最低」
「あら、ひどい言われよう」
エウディさん、カークリノラースは少しバツの悪そうな顔をしていた。その姿は男性型だったけれど見事な白い羽が生えていた。
「よくも、うちの可愛いクロノをたぶらかしてくれたね」
「子離れしなさいよ。ちゃんと彼を大人相手として契約したんだから」
「分かってる。八つ当たりくらいさせて」
クロノの側にあった小さな箱をエウディは拾って私に渡した。
「これが剣よ。飲み込んで一体になればゲートは潜れるから」
「ちなみに、今回はどの部位?」
「眼球よ、」
「……、飲み込むの、ゲートの前でにする」
「水ぐらいは用意してあげるわね」
全く緊張感が無かった。感謝を述べるのも、恨み言を言うのも違うと感じて、逆にいつもと変わらない。
「……もう行く気なのね?」
「ここには未練ばかりだから」
「アルちゃんは?」
本当に誰も彼も。
「未練の本体に会う勇気無いよ」
「バカね。あんた、天に還って未来永劫アルちゃんを想うの?」
「ずっと想えるなら逆に幸せかも」
「……アルちゃんは?あんたのためなら本当に何でもやるから男よ?クロノから話聞けばあんたを許しはするでしょうけどね」
アルバートさんは……、どう想うだろうか?あんなにお世話になって、私を大切に思ってくれて。私は彼に告白したけど、でも、このまま消えればその程度の気持ちだったって事?彼は許してくれると思う。そもそも、恨んだりもしない。ただ、あの時のように何もかもを諦めた顔になるだけ……。
「っ……」
「まったく、泣くくらい好きなんでしょうに」
彼の顔が見たい。もう一度会いたい。それは許されるの?分からない。だけど、自覚した今、私はこのままゲートには向かえなかった。
「すぐ戻るって言ったの。アルバートさんの所に戻るって」
「アルちゃんは何て?」
「待ってるって」
「じゃあ、悩む事無いじゃない」
エウディさんは私の肩をポンと叩いた。
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