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身体が軽い。神様と交渉して、神の力を使って、私は世界を飛ぶ。時間は止めてあるし、目撃はされない。
あの森からホップステップで城に到着。扉を開けて、堂々と入り口から入った。
中の状態はなかなか酷かった。
まず、アッシャー。ナルさんの色香が切れたのか索冥とナルさんと死合って酷い状態だ。勇者の位を取り上げて、怪我は総治癒。以上完了。
次に、ナルさん。総治癒をして、私との忠誠を解消する。最近あまりにも混乱しすぎてたし。
索冥も総治癒。それから、意識を戻す。一番冷静そうなので、私の事情を話したが、どうやらもうすぐ消えるとの事。お礼を言って、また時間を止める。
仕方がない。雨情にお願いしよう。視神経を戻して、総治癒。事情を話して、呆けている間に時間を止める。ごめん、雨情。
アンズは捕縛の網から出して、私の記憶を封じる。使令も解除。
次はソフィア。怪我はしてなさげなので、そのまま意識を戻す。
「っ、何?あなた、何したの?」
驚く彼女に事情説明。へたり込むソフィアには同情を禁じ得ない。神様の力なんて裏技すぎる。
「でね、今私神様の力がある訳なんだけど、ソフィア異世界転生しない?」
「異世界、転生?」
「そう、私が来た世界はここ程身分や性別で苦しまなくて良くて、それなりに実力で勝負できるの。容姿はあちら仕様になるけど、ソフィアの能力なら結構なチートもできると思う」
「……可哀想って言われない?」
「言われてもやり返せる世界だよ。努力は要るけどね」
「やるわ。こっちにいても仕方ないし、アッサム兄様手に入れても結局満たされなかった」
「了解」
命を丸めて私の世界に送る。辛い思いをしすぎてるから、記憶は15歳まで封じておく。何をやってしまったかは、その後にゆっくりと省みて欲しい。
クラリスは両方魔法無効化させてから、意識を戻す。同じく異世界転生を勧めたら断られた。
「カリンが世界を正すのなら、妾の願いはこれで叶った。後は、そうだな贖罪の責か」
やはり根は真面目。罪を償うなら、相手は人よりも何よりも。
兄様にも魔法無効化を施して意識を戻した。
「という訳で、クラリスは森の再生で贖罪と言うのはどうでしょうか?」
「という訳の部分は省略しないでくれ」
仕方なく、ちょっと飽きて来た事情説明。兄様は無表情だけれど、流石に驚いてはいた様だ。
「……そうか。そして、クラリスを預かる事がお前の望みか」
「うん、お願い」
「クラリスは構わないか?」
「散々森を破壊した妾を受け入れるのか?」
「人手がいるのは間違いない。それに、俺やお前の様に魔力の強い者は人には有害だ。瑞獣と共に森の奥にいる方が良い」
よしよし、上手くいきそうだ。索冥もいなくなるそうなので、これで兄様も一人きりにはならないし。そして、アンズを兄様に託す。
さて、
全員の時間を止めて、最後にリオネット様の前に座る。総治癒をかけて、どうするか悩ましい。
今意識を戻す事はしない。きっと私は逆に説得されてしまう。
そっとキスだけ、する。
それだけで、涙が出る程に、辛い。
記憶を奪ってしまうのが、一番リオネット様にとっては辛くないのだと知ってる。だけど、あれらの想い出を消してしまう事はどうしてもできなかった。
「愛しています。だから、ごめんなさい」
死が二人を分つまで、私の心はリオネット様のものです。例え、世界が離れても。
全ての仕事を終えて、私は元の世界に帰った。
神様が眠れる様に祈り続ける事が私の使命。こちらの世界が潰えるまでの時間を、あちらの世界での私の一生に凝縮する。
あちらの1秒がこちらの何十年になるか何百年になるか。
私は死ぬまで祈り続ける。祈り続けられる確信があった。だから、引き受けれた。その期間は決して長くないから。
目を開けると病室の白い天井。私の体に残っていた異世界の魔力はあっという間に尽きてしまった。同時に、悪夢の痛みが襲ってくる。
ナースコースを必死で連打する。
駆けつけて来た看護師さんに私はモルヒネの追加を懇願した。
あの森からホップステップで城に到着。扉を開けて、堂々と入り口から入った。
中の状態はなかなか酷かった。
まず、アッシャー。ナルさんの色香が切れたのか索冥とナルさんと死合って酷い状態だ。勇者の位を取り上げて、怪我は総治癒。以上完了。
次に、ナルさん。総治癒をして、私との忠誠を解消する。最近あまりにも混乱しすぎてたし。
索冥も総治癒。それから、意識を戻す。一番冷静そうなので、私の事情を話したが、どうやらもうすぐ消えるとの事。お礼を言って、また時間を止める。
仕方がない。雨情にお願いしよう。視神経を戻して、総治癒。事情を話して、呆けている間に時間を止める。ごめん、雨情。
アンズは捕縛の網から出して、私の記憶を封じる。使令も解除。
次はソフィア。怪我はしてなさげなので、そのまま意識を戻す。
「っ、何?あなた、何したの?」
驚く彼女に事情説明。へたり込むソフィアには同情を禁じ得ない。神様の力なんて裏技すぎる。
「でね、今私神様の力がある訳なんだけど、ソフィア異世界転生しない?」
「異世界、転生?」
「そう、私が来た世界はここ程身分や性別で苦しまなくて良くて、それなりに実力で勝負できるの。容姿はあちら仕様になるけど、ソフィアの能力なら結構なチートもできると思う」
「……可哀想って言われない?」
「言われてもやり返せる世界だよ。努力は要るけどね」
「やるわ。こっちにいても仕方ないし、アッサム兄様手に入れても結局満たされなかった」
「了解」
命を丸めて私の世界に送る。辛い思いをしすぎてるから、記憶は15歳まで封じておく。何をやってしまったかは、その後にゆっくりと省みて欲しい。
クラリスは両方魔法無効化させてから、意識を戻す。同じく異世界転生を勧めたら断られた。
「カリンが世界を正すのなら、妾の願いはこれで叶った。後は、そうだな贖罪の責か」
やはり根は真面目。罪を償うなら、相手は人よりも何よりも。
兄様にも魔法無効化を施して意識を戻した。
「という訳で、クラリスは森の再生で贖罪と言うのはどうでしょうか?」
「という訳の部分は省略しないでくれ」
仕方なく、ちょっと飽きて来た事情説明。兄様は無表情だけれど、流石に驚いてはいた様だ。
「……そうか。そして、クラリスを預かる事がお前の望みか」
「うん、お願い」
「クラリスは構わないか?」
「散々森を破壊した妾を受け入れるのか?」
「人手がいるのは間違いない。それに、俺やお前の様に魔力の強い者は人には有害だ。瑞獣と共に森の奥にいる方が良い」
よしよし、上手くいきそうだ。索冥もいなくなるそうなので、これで兄様も一人きりにはならないし。そして、アンズを兄様に託す。
さて、
全員の時間を止めて、最後にリオネット様の前に座る。総治癒をかけて、どうするか悩ましい。
今意識を戻す事はしない。きっと私は逆に説得されてしまう。
そっとキスだけ、する。
それだけで、涙が出る程に、辛い。
記憶を奪ってしまうのが、一番リオネット様にとっては辛くないのだと知ってる。だけど、あれらの想い出を消してしまう事はどうしてもできなかった。
「愛しています。だから、ごめんなさい」
死が二人を分つまで、私の心はリオネット様のものです。例え、世界が離れても。
全ての仕事を終えて、私は元の世界に帰った。
神様が眠れる様に祈り続ける事が私の使命。こちらの世界が潰えるまでの時間を、あちらの世界での私の一生に凝縮する。
あちらの1秒がこちらの何十年になるか何百年になるか。
私は死ぬまで祈り続ける。祈り続けられる確信があった。だから、引き受けれた。その期間は決して長くないから。
目を開けると病室の白い天井。私の体に残っていた異世界の魔力はあっという間に尽きてしまった。同時に、悪夢の痛みが襲ってくる。
ナースコースを必死で連打する。
駆けつけて来た看護師さんに私はモルヒネの追加を懇願した。
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