3 / 8
58.5話
しおりを挟む
「それにしたかて、もうちょい免疫つけた方がええで。」
少し呆れられるように言われて、そうかな、と思った自分を呪う。
結果、ラブホで横に裸のサタナさんが寝ている。
ちょっと待って、記憶が曖昧だ。身体は痛くて重だるいし、マリちゃんは?と探すと、結界の中でお休み中。
そうだ、子供には刺激が強いからって眠らせたんだ。それを発端に記憶が蘇った。
ラブホは声が少し漏れる構造らしい。防犯と、何でか知らないけれどそちらの方が人気があるからだそう。
「隣の奴らのオカズになる程度には喘いでや。」
そんな事言われても、喘いだ事なんて無い。前世だって未経験だ。辛うじて秋穂の時に女友達と女性向けのそう言うDVDを見た事あるけれど、何か息が漏れる程度だった気がする。
私の様子を見て、サタナさんは察したようだ。
「えいこサン未経験か。ほな、ちょお壁に耳当ててみ?」
ふむ、と好奇心の赴くままにマリちゃんと壁に耳を当てる。
聞こえた。聞こえたけど、両方男の方。
「ママ、何かムズムズする。」
そう言ったマリちゃんをサタナさんはひょいと持ち上げて、いつのまにか構築された結界に放り込んだ。
「子供には刺激が強いやろ。ここで寝とき。」
確かにβ種には生殖能力が無いから、ある意味永遠の子供だ。
「今日は運が無かったな。お隣さん、ちょっと参考にならへん。」
そう言って、何かの液体を差し出した。
「一応体感出来るように感覚過敏と羞恥減少させる薬や。これ飲んで、自分でちょこっと触ってみ。俺はシーツ被って指示だけだすし。」
「じ、じじじ自分でやるんですか?!」
「何やったら俺がやったろか?」
「いえ、結構です!」
ばさりとシーツを彼におっかぶせて、薬をゆっくり飲み干した。糖蜜のように甘い。魔法薬なのか、直ぐにぽやんとしてきて身体が熱くなる。
「なんだか、熱くなってきました。それからムズムズします。」
「効いてきたみたいやな。先ずは下着の中確認して、あそこ濡れてるか?」
そんなにすぐ濡れる訳ない、そう思ったけれど潤っていて驚く。
「少し濡れて、ます。」
「下は脱いどき。汚れるで。」
上だけ着込むのもアレなので、ブラ1になりシーツを被る。
「…できました。」
「ほな、言う通り触ってみ。どんな声が出るかよう覚えとくんやで。」
先ずは布の上から胸の頂きを触る。じわっと下が反応して、そこがむず痒いけど声なんてでない。サタナさんの指示でまぁるく円を描くように乳房を優しく揉むと、息が漏れた。
「あのっ、直接触りたい、です。」
「ええで。」
少し含み笑いを感じて、いらっとしたけれど欲望が勝った。
直接触ったらやっぱり気持ちよくて、でも、小さい手がもどかしい。
「ええ声やで、でも小さいな。」
あれ、声、出てた?なんだろう注意力が散漫だ。
「指でおしっこでるとこのちょっと下軽く押して。」
「んひゃっ。」
言われた通りにすると、自分でも分かる鼻にかかったような変な声が出た。
「…ええ子や。」
わざとだろうけれど、さっきとは違って低いいい声で囁かれて、マズイ欲望が広がる。
「下、どうなっとる?」
「っびちょびちょですっ。」
恥ずかしいのまで気持ちいい。サタナさんの声が耳元で欲しい。
そう思うと、唾液まで溢れた。
「指一本中に入れて。」
「はい。」
電気が全身を走って、んんんっ♡と唇を噛んだまま叫んだ。
「我慢せんでもええよ。可愛い啼き声や。」
意地悪。見てないくせに。
ヒクヒクとなっている膣から指を抜いて、ふとテーブルを見るとサタナさんの荷物があった。さっき薬を出した袋。口は開いていて、何かもう一本ある?
「サタナさん、すみません。喉乾いたので水一杯だけ。」
「ええよ。」
シーツを軽く被ってコップを取り、その薬を入れて口をつけた。
どくんっ。心臓が飛び出しそう。やばい。毒?身体が熱い。
「さ、タナさん?」
「えいこサン?えいこサン!何しとんねん!」
サタナさんが被っていたシーツを私の身体に被せた。
「アホか。これ水ちゃうぞ。催淫剤や。おまけにフェロモンガンガン出るやつ。薬抜かなしばらく外出れへんぞ。俺みたいに耐性あるやつちごたら、襲われるわ。ホンマにアホの子か。」
「クスリ、抜く?」
「何回かイカなあかんやろな。自分でできるか?」
いらっとする。
「サタナさんは耐性、ある?」
「ちょお、ホンマにラリパッパやな。一口で助かったわ。耐性ゆうても多少や。手伝うんやったらはよう…」
ラリパッパは演技です。隙を見て、ボトルを一気に飲み干した。
「マジか。」
驚いた顔のサタナさんを捕まえて、キスをする。この薬はいけない。どうすれば雄が襲ってくるかが分かる。分かると身体が止められない。
直ぐに後頭部を鷲掴みで、深いキスを返された。半開きだった私の口を彼の舌がこじ開けてそのまま口を犯される。
エッロイ。キスだけなのに音が卑猥。歯の裏、下の付け根と唾液腺。的確に気持ちのいいところが襲われる。
私の両手は彼の片手で拘束されて、頭の上で交差した状態でベッドに押し倒された。
「悪いけど、よう止めへんし。あんたの匂いは元々美味そうやねんて。」
止めるのなんてむしろ望んでない。さっきから感じるいらいらは、もどかしかっただけみたい。
首筋と胸元、少し痛いキスが降る。花弁が散って、所有権を主張される。サタナさんの大きな手に乳房が包まれて、親指で先を弄ばれて、小さくイった。
いきたての秘部に手が伸びて、つぅっとなぞられる。自分の脚が勝手に開いて腰を振ってしまう。
くすっと笑われて、ぬぷっと下から何かが入ってきた。気持ちいい。けど、もっと太いのが欲しい。
「 指二本も余裕やな。吸いついとるで。そんなに俺が欲しいか?」
太くてごつい彼の指も、気持ちいい。けれど初めてだというのに、視界に捉えた彼のモノの大きさに胸が踊っている。
「サタナさんの、欲しい、です。」
私の下から抜かれた人差し指と中指を口に突っ込まれて、泣きながら懇願している自分がいた。
太腿を持ち上げられて、あてがわれて、早く早くと気持ちが急く。彼の胸を抱きしめて、脚を絡ませて、中へ導こうとする。
「この淫乱。よだれ垂らしてホンマ可愛いな。」
侮蔑を含む言葉と裏腹にいつもは鋭い彼の目が柔らかく見つめてきて、声も甘くて、心が満たされる。でも私は声にはならなくて、犬みたいにハッハッとしか言えない。
「っーん♡」
めりめりと痛みが走ったけれど、私の身体はもっともっとときつく彼を抱きしめる。
「見てみ。全部入ったで。繋がってる。わかるか?」
分かる。そして、多分一ミリでも動かれたらイク。彼の先っぽが微かに私の最奥に触れて、おかしくなりそう。
でも、彼は少しも動かずに私を舐め回すように見るだけ。両手で彼の胸を叩いてもビクともしない。
「なんや、ここで止めとくか?」
「サタナさぁんっ」
「ん?どうして欲しいか言うて?」
どうしてほしい?そんなの、
「私の中でっ、出してっ、いっぱいっ。」
あかん子やなぁ。と言いながら抱きしめられ、ピストンされた。
ズドンと快感が駆け巡って、下腹部の筋肉が収縮した。
「んんっんー♡」
私の固く食いしばった歯を、サタナさんの舌が優しく開いた。
「あ、あ、はぁん♡」
「ええ声で啼けたやん。」
大きな手で頭を撫でながら、ゆっくりピストンされる。イッたばかりの中は鋭敏で、その度に声が出る。
「あかん。えいこサンの中気持ち良すぎっ。」
数回ピストンが早くなって、彼はそれを引き抜いた。いつの間にか引き寄せていたタオルに出したようだ。
「どうして?」
なんで中で出してくれなかったの?
「ん?なけなしの理性と、えいこサンイキまくったから薬弱まってきたらしい。我慢できたわ。」
「我慢しなくていいのに。」
「膨れんとってや。好いてもおらん男の、子ができたらどうすんねん。」
ベッドに腰掛けて、目も合わせないで自嘲気味に笑う彼を背後から抱きしめる。体の中に感じる火照り、多分これは薬に含まれている魔力か魔法。サタナさんの耳朶にキスをして、それを送り込む。
「え?ちょお待って。嘘やろ。」
慌てて鏡で自分の耳朶を確認した彼は、証が刻まれている事に気がついて真っ赤になった。耳まで、赤い。
「愛の証はなんとも思ってない相手には贈れないですよ。」
「…マジか。」
その場でしゃがみこんで、目に手を当てている彼の頭を撫でてみた。思ったより硬い手触り。
「なんでだよ。あんた、相手いるだろ。」
相手?もしかして、
「私の耳にあるのは一方的に意味もわからずに貰ったものです。これあったら、抱いてくれない?」
「そうじゃなくて!くそっ。えいこサンが俺のこと好きなんだったらこんな事しなかった。」
「どうして?」
再びベッドに腰掛けたサタナさんの横に正座で座った。
「…俺の仕事、知ってんな?」
「はい。」
「俺が証贈れないのも。」
「知ってます。」
「今のとこ、えいこサンの事はちょっと可愛いな、好きだな、位しか想ってない。」
「私がサタナさんを好きなのと何の関係もありません。」
「勝手承知だけど、かなり嫉妬深いぞ、俺は。元の世界には帰せなくなる。」
「お側に置いてもらえるなら、ウエルカムです。」
「負けたよ。」
そう言って苦笑いでこちらを見た。
「嫁に、来るか?」
「はい!」
その後は、サタナさん好き好き言いながらラブエッチして中にいっぱい出してもらった記憶がある。
ど、どどどどどどうしよう。そろりと横を見たら、サタナさんがニンマリ笑っている。この人さっきのは寝たふり?!
「おはようさん。嫁はん。言うても小一時間しか寝てへんだけどな。薬は多分抜けたんちゃう?」
「さ、ささささたなさんは起きて…?」
「ずっと寝顔見てた。肩まで赤いで?どうしたん?」
シーツを巻いて背中を向けていたのだけれど、肩ははだけていたらしい。
ぐいっと引き寄せられて、腕の中に収まった。髪にキスされて、まだ体がゾクゾクする。薬、本当に抜けてるのか?今キスされるだけでイク自信がある。
「足腰立たへんやろから、風呂連れてってやるわ。」
「平気です!行けます!」
そう言ってベッドから降りたけど、体はガクガクだ。
「あ、」
股を温かい液体が流れて赤面する。
「どしたん?」
「あの、サタナさんの…が漏れちゃって。」
これは流石にお風呂に運んでもらった方が良いかも、と思ってそう言ったらひょいと持ち上げられた。
「前言撤回してええか?えいこ可愛すぎやわ。」
そう言うと、またベッドに戻された。
少し呆れられるように言われて、そうかな、と思った自分を呪う。
結果、ラブホで横に裸のサタナさんが寝ている。
ちょっと待って、記憶が曖昧だ。身体は痛くて重だるいし、マリちゃんは?と探すと、結界の中でお休み中。
そうだ、子供には刺激が強いからって眠らせたんだ。それを発端に記憶が蘇った。
ラブホは声が少し漏れる構造らしい。防犯と、何でか知らないけれどそちらの方が人気があるからだそう。
「隣の奴らのオカズになる程度には喘いでや。」
そんな事言われても、喘いだ事なんて無い。前世だって未経験だ。辛うじて秋穂の時に女友達と女性向けのそう言うDVDを見た事あるけれど、何か息が漏れる程度だった気がする。
私の様子を見て、サタナさんは察したようだ。
「えいこサン未経験か。ほな、ちょお壁に耳当ててみ?」
ふむ、と好奇心の赴くままにマリちゃんと壁に耳を当てる。
聞こえた。聞こえたけど、両方男の方。
「ママ、何かムズムズする。」
そう言ったマリちゃんをサタナさんはひょいと持ち上げて、いつのまにか構築された結界に放り込んだ。
「子供には刺激が強いやろ。ここで寝とき。」
確かにβ種には生殖能力が無いから、ある意味永遠の子供だ。
「今日は運が無かったな。お隣さん、ちょっと参考にならへん。」
そう言って、何かの液体を差し出した。
「一応体感出来るように感覚過敏と羞恥減少させる薬や。これ飲んで、自分でちょこっと触ってみ。俺はシーツ被って指示だけだすし。」
「じ、じじじ自分でやるんですか?!」
「何やったら俺がやったろか?」
「いえ、結構です!」
ばさりとシーツを彼におっかぶせて、薬をゆっくり飲み干した。糖蜜のように甘い。魔法薬なのか、直ぐにぽやんとしてきて身体が熱くなる。
「なんだか、熱くなってきました。それからムズムズします。」
「効いてきたみたいやな。先ずは下着の中確認して、あそこ濡れてるか?」
そんなにすぐ濡れる訳ない、そう思ったけれど潤っていて驚く。
「少し濡れて、ます。」
「下は脱いどき。汚れるで。」
上だけ着込むのもアレなので、ブラ1になりシーツを被る。
「…できました。」
「ほな、言う通り触ってみ。どんな声が出るかよう覚えとくんやで。」
先ずは布の上から胸の頂きを触る。じわっと下が反応して、そこがむず痒いけど声なんてでない。サタナさんの指示でまぁるく円を描くように乳房を優しく揉むと、息が漏れた。
「あのっ、直接触りたい、です。」
「ええで。」
少し含み笑いを感じて、いらっとしたけれど欲望が勝った。
直接触ったらやっぱり気持ちよくて、でも、小さい手がもどかしい。
「ええ声やで、でも小さいな。」
あれ、声、出てた?なんだろう注意力が散漫だ。
「指でおしっこでるとこのちょっと下軽く押して。」
「んひゃっ。」
言われた通りにすると、自分でも分かる鼻にかかったような変な声が出た。
「…ええ子や。」
わざとだろうけれど、さっきとは違って低いいい声で囁かれて、マズイ欲望が広がる。
「下、どうなっとる?」
「っびちょびちょですっ。」
恥ずかしいのまで気持ちいい。サタナさんの声が耳元で欲しい。
そう思うと、唾液まで溢れた。
「指一本中に入れて。」
「はい。」
電気が全身を走って、んんんっ♡と唇を噛んだまま叫んだ。
「我慢せんでもええよ。可愛い啼き声や。」
意地悪。見てないくせに。
ヒクヒクとなっている膣から指を抜いて、ふとテーブルを見るとサタナさんの荷物があった。さっき薬を出した袋。口は開いていて、何かもう一本ある?
「サタナさん、すみません。喉乾いたので水一杯だけ。」
「ええよ。」
シーツを軽く被ってコップを取り、その薬を入れて口をつけた。
どくんっ。心臓が飛び出しそう。やばい。毒?身体が熱い。
「さ、タナさん?」
「えいこサン?えいこサン!何しとんねん!」
サタナさんが被っていたシーツを私の身体に被せた。
「アホか。これ水ちゃうぞ。催淫剤や。おまけにフェロモンガンガン出るやつ。薬抜かなしばらく外出れへんぞ。俺みたいに耐性あるやつちごたら、襲われるわ。ホンマにアホの子か。」
「クスリ、抜く?」
「何回かイカなあかんやろな。自分でできるか?」
いらっとする。
「サタナさんは耐性、ある?」
「ちょお、ホンマにラリパッパやな。一口で助かったわ。耐性ゆうても多少や。手伝うんやったらはよう…」
ラリパッパは演技です。隙を見て、ボトルを一気に飲み干した。
「マジか。」
驚いた顔のサタナさんを捕まえて、キスをする。この薬はいけない。どうすれば雄が襲ってくるかが分かる。分かると身体が止められない。
直ぐに後頭部を鷲掴みで、深いキスを返された。半開きだった私の口を彼の舌がこじ開けてそのまま口を犯される。
エッロイ。キスだけなのに音が卑猥。歯の裏、下の付け根と唾液腺。的確に気持ちのいいところが襲われる。
私の両手は彼の片手で拘束されて、頭の上で交差した状態でベッドに押し倒された。
「悪いけど、よう止めへんし。あんたの匂いは元々美味そうやねんて。」
止めるのなんてむしろ望んでない。さっきから感じるいらいらは、もどかしかっただけみたい。
首筋と胸元、少し痛いキスが降る。花弁が散って、所有権を主張される。サタナさんの大きな手に乳房が包まれて、親指で先を弄ばれて、小さくイった。
いきたての秘部に手が伸びて、つぅっとなぞられる。自分の脚が勝手に開いて腰を振ってしまう。
くすっと笑われて、ぬぷっと下から何かが入ってきた。気持ちいい。けど、もっと太いのが欲しい。
「 指二本も余裕やな。吸いついとるで。そんなに俺が欲しいか?」
太くてごつい彼の指も、気持ちいい。けれど初めてだというのに、視界に捉えた彼のモノの大きさに胸が踊っている。
「サタナさんの、欲しい、です。」
私の下から抜かれた人差し指と中指を口に突っ込まれて、泣きながら懇願している自分がいた。
太腿を持ち上げられて、あてがわれて、早く早くと気持ちが急く。彼の胸を抱きしめて、脚を絡ませて、中へ導こうとする。
「この淫乱。よだれ垂らしてホンマ可愛いな。」
侮蔑を含む言葉と裏腹にいつもは鋭い彼の目が柔らかく見つめてきて、声も甘くて、心が満たされる。でも私は声にはならなくて、犬みたいにハッハッとしか言えない。
「っーん♡」
めりめりと痛みが走ったけれど、私の身体はもっともっとときつく彼を抱きしめる。
「見てみ。全部入ったで。繋がってる。わかるか?」
分かる。そして、多分一ミリでも動かれたらイク。彼の先っぽが微かに私の最奥に触れて、おかしくなりそう。
でも、彼は少しも動かずに私を舐め回すように見るだけ。両手で彼の胸を叩いてもビクともしない。
「なんや、ここで止めとくか?」
「サタナさぁんっ」
「ん?どうして欲しいか言うて?」
どうしてほしい?そんなの、
「私の中でっ、出してっ、いっぱいっ。」
あかん子やなぁ。と言いながら抱きしめられ、ピストンされた。
ズドンと快感が駆け巡って、下腹部の筋肉が収縮した。
「んんっんー♡」
私の固く食いしばった歯を、サタナさんの舌が優しく開いた。
「あ、あ、はぁん♡」
「ええ声で啼けたやん。」
大きな手で頭を撫でながら、ゆっくりピストンされる。イッたばかりの中は鋭敏で、その度に声が出る。
「あかん。えいこサンの中気持ち良すぎっ。」
数回ピストンが早くなって、彼はそれを引き抜いた。いつの間にか引き寄せていたタオルに出したようだ。
「どうして?」
なんで中で出してくれなかったの?
「ん?なけなしの理性と、えいこサンイキまくったから薬弱まってきたらしい。我慢できたわ。」
「我慢しなくていいのに。」
「膨れんとってや。好いてもおらん男の、子ができたらどうすんねん。」
ベッドに腰掛けて、目も合わせないで自嘲気味に笑う彼を背後から抱きしめる。体の中に感じる火照り、多分これは薬に含まれている魔力か魔法。サタナさんの耳朶にキスをして、それを送り込む。
「え?ちょお待って。嘘やろ。」
慌てて鏡で自分の耳朶を確認した彼は、証が刻まれている事に気がついて真っ赤になった。耳まで、赤い。
「愛の証はなんとも思ってない相手には贈れないですよ。」
「…マジか。」
その場でしゃがみこんで、目に手を当てている彼の頭を撫でてみた。思ったより硬い手触り。
「なんでだよ。あんた、相手いるだろ。」
相手?もしかして、
「私の耳にあるのは一方的に意味もわからずに貰ったものです。これあったら、抱いてくれない?」
「そうじゃなくて!くそっ。えいこサンが俺のこと好きなんだったらこんな事しなかった。」
「どうして?」
再びベッドに腰掛けたサタナさんの横に正座で座った。
「…俺の仕事、知ってんな?」
「はい。」
「俺が証贈れないのも。」
「知ってます。」
「今のとこ、えいこサンの事はちょっと可愛いな、好きだな、位しか想ってない。」
「私がサタナさんを好きなのと何の関係もありません。」
「勝手承知だけど、かなり嫉妬深いぞ、俺は。元の世界には帰せなくなる。」
「お側に置いてもらえるなら、ウエルカムです。」
「負けたよ。」
そう言って苦笑いでこちらを見た。
「嫁に、来るか?」
「はい!」
その後は、サタナさん好き好き言いながらラブエッチして中にいっぱい出してもらった記憶がある。
ど、どどどどどどうしよう。そろりと横を見たら、サタナさんがニンマリ笑っている。この人さっきのは寝たふり?!
「おはようさん。嫁はん。言うても小一時間しか寝てへんだけどな。薬は多分抜けたんちゃう?」
「さ、ささささたなさんは起きて…?」
「ずっと寝顔見てた。肩まで赤いで?どうしたん?」
シーツを巻いて背中を向けていたのだけれど、肩ははだけていたらしい。
ぐいっと引き寄せられて、腕の中に収まった。髪にキスされて、まだ体がゾクゾクする。薬、本当に抜けてるのか?今キスされるだけでイク自信がある。
「足腰立たへんやろから、風呂連れてってやるわ。」
「平気です!行けます!」
そう言ってベッドから降りたけど、体はガクガクだ。
「あ、」
股を温かい液体が流れて赤面する。
「どしたん?」
「あの、サタナさんの…が漏れちゃって。」
これは流石にお風呂に運んでもらった方が良いかも、と思ってそう言ったらひょいと持ち上げられた。
「前言撤回してええか?えいこ可愛すぎやわ。」
そう言うと、またベッドに戻された。
0
お気に入りに追加
214
あなたにおすすめの小説


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる