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93 再会
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「えいこサンっ!」
二ヶ月保っていた理性はどこにいったのか。体の中で飼っていた激情に耐えきれなかった。
抱き返しこそされなかったが、そのまま身は任せられたままだった。
「いきなり抱きつかれたのだから、少しくらいは遊んでくれてもいいよね?」
冷たい声がそう、囁いた。えいこサンの声だ。
「!」
殺気を感じで飛び退くと、俺がいた場所に火柱が上がった。
無詠唱?いやそれより、えいこサンなら魔法は使えないだろ。
抱きかかえたまま跳んだはずが、彼女は数十メートル先に立っていた。
「感動の再会にならなくて残念だったね。急で悪いけど貴方の力、見せて。」
背中が総毛立つ。感知されたか。そしてこれはかなり好戦的だ。感知し返すと、弾かれた。
「?!」嘘だろ。感知を弾くなんて不可能だ。
「それで、使える力いっぱい?違うよね?」
そう尋ねてから、投げてよこしたのは魔力の結晶。
「私の事、知りたいんでしょう?力でねじ伏せて。大丈夫。貴方なんかに怪我はしないから。」
ありがたくフル充電した。遠慮無用と言われたから、全力で捕縛する。最新の魔法知識と合わせた魔法を錬成する。彼女は避けなかった。
バチィッと音がして彼女の躯体を締めつけた。しまったやり過ぎたか?と思った次の瞬間、魔力の縄の中はフード付きの外套とフェイスベールだけになった。
「上々。でも、まさかこれが最大限じゃないよね?」
火柱が次々と上がり、それを避けた。構築はえーよ。火力はそれほど強く無い、多少受けても大事にはならなさそうだ。厄介なのは視界が遮られることと、感知使えないこと。見当たらない彼女を探す。先程の場所にはもう当然居ない。ふわっと横に気配を感じたと思ったら、 後ろに回られて首筋を一噛みされた。
「っつう」
翻って彼女と間合いをとって驚く。彼女の髪は茶色だった。赤茶けた斑らの茶髪。そしてアシンメトリーのショート。
ぷっと砂浜に血を吐いて、彼女は腕で口を拭った。
「嘘でしょ。ゲロ弱。」
絶望した表情の彼女に攻撃を撃とうとしたが、体は動かなかった。
いつのまにか膝をついていて、彼女を見上げると首筋をトントンと叩いてみせられた。
「耳朶やられてたら終わり、だったね。」
そう、か、ダヤンなら、忠誠心がなくても無理やり忠誠を誓わせる、方法があるのかもしれない。
なんだ?力が、抜けていく。
「くっ。」
声すらまともに出ねーじゃねーか。
砂が頰に当たり、それでも彼女を見ると彼女は自身の耳朶を晒した。
「またね。ああ、この証くれた人にもよろしく。」
髪を掴まれ、彼女の耳朶にウランさんの証が刻まれているのを見せつけられた。
無造作に頭を放られて、目を閉じる。
「…次会う時は私を殺せるくらい強くなっていてね。」
そう、声が聞こえた。
目が覚めると、城の自室だった。魔力がとんでもなく少ない。
「お目覚めですか?」
ディナが側にいたらしい。
「ああ、俺は?」
「半日ほどお眠りでした。」
そう言ってテキパキと体調をチェックされた。
「しばらくお待ちください。ただ今お食事をお持ちします。」
部屋を出ようとするディナに無意識に口が動いた。
「えいこサンに会った。」
背を向けたまま、ピタリとディナの動きが止まった。
「でも、あれはえいこサンじゃねぇ。魔法はガンガン打ってくるし、髪は茶色いしそれに…」
「声が冷たくて、えいこ様と思えないような発言を?」
ディナはこちらに向き直した。
「なんで知ってんだよ。」
「ジェードさんに聞きました。」
「ああ。」
ジェードの見たえいこサンと同一人物だろう。俺がパニクって今話している事は核心に迫る情報じゃない。言いたいのはそうじゃないんだ。
「むしろ、何故それでえいこ様だと?」
ディナに問われて、いうべき事はそれだったと思い至った。
「ウランさんの証を持っていた。」
ディナが息を飲むのが分かった。
失礼します、と断りがありウランさんが入ってきた。
「起きてらっしゃったんですね。」
ウランさんには疲労の表情が見て取れる。
「悪りぃ。失敗した。」
「とりあえず顔色は良さそうですね。状況をお聞きしても?」
「ああ。」
ウランさん達と別れた後からの事を思い出しながら話す。話すうちに多少頭の中が冷えてきた。
俺の説明を聞いて、ウランさんは「やはりそうでしたか。」と言った。
「ウランさん。えいこサンに会ったのか?」
「いえ。私が馬で駆けつけた時には既に。けれど、私がどうやって貴方の倒れている場所まで行ったと思われますか?」
「えいこサンへの証、感じたんだな。」
ウランさんは頷いた。
「えいこサンがどうなっちまったかは分かんねーけど、1番不味いパターンだよな。」
えいこサン本人は恐らく洗脳されている。強い魔力を持ち、こちらに敵対した。恐らくダヤンのナツ、フユも洗脳されたサタナさんと行方不明の神官代理だろう。二人とも強敵となる。
「不味いパターンですか?」
側に控えていたディナが呟いた。
「えいこ様がこの世界にいらっしゃいます。十分では無いですか?」
驚いて彼女を見ると、目が座っていた。
「えいこ様が洗脳されているなら取り戻すまで。違いますか?」
冷たくそう言って、ディナは失礼しますと出て行った。
「至言、ですね。」
ディナを見送ってウランさんが口にした。
「無茶、だろう。」
俺は自嘲気味に笑うしかない。
「何故ですか?」
「俺らが、弱いからだ。」
「では、武者修行といきましょうか。大丈夫です。傷は塞ぎましたから。」
ウランさんの目も座っていた。
そして、ぽいっと外に放り出された。いや、心情的には蹴り出された気分だ。
ウランさん曰く、これはえいこサンがどうこういう問題じゃ無くなった、らしい。
闇の国が危ない。現状ダヤンが城に乗り込んできたら十中八九城は明け渡す事になるだろう。世界の終わりを止めるも何もあったもんじゃない。
ウランさんはサンサンの僕だ。主人の終焉を汚す事は避けなくてはならないし、国も守らないといけない。だから、継ぐ予定の俺には強くなってもらわないと困る。
サンサンは強い。けれど、それは才能だけでは無いらしい。モートンさんの情報によると聖女との冒険で異様な力をつけたそうだ。それはつまり、祠を周り凶暴化した獣を倒す事によって強くなったと考えられる。確かに俺自身も討伐に出ると体感的にレベルアップを感じる事は多かった。
ウランさんの指示はこうだ。より効率的な訓練法を探りながら強くなって来い、と、その間の仕事は引き受けるから、だそうだ。
あの人本当にえいこサンに愛の証送ったんだよな。その上でその判断か。ウランさんの心は、えいこサンを一刻も早く助けたい、自分が行きたい、と叫んでるんだろう。強くなる方法を立場上俺に譲ったのだ。
サンサンが逝く前に形もつけなきゃなんねぇ。
ウランさんに渡された祠の場所の地図と、魔力聖力の直近の分布図、それから凶暴化した獣の目撃証言一覧。
「とりあえず、魔力の結晶採集して回復が先決だな。食事くらい摂らせてからにして欲しかったぜ。」
独りごちて、自分の馬ケルピーを走らせた。
二ヶ月保っていた理性はどこにいったのか。体の中で飼っていた激情に耐えきれなかった。
抱き返しこそされなかったが、そのまま身は任せられたままだった。
「いきなり抱きつかれたのだから、少しくらいは遊んでくれてもいいよね?」
冷たい声がそう、囁いた。えいこサンの声だ。
「!」
殺気を感じで飛び退くと、俺がいた場所に火柱が上がった。
無詠唱?いやそれより、えいこサンなら魔法は使えないだろ。
抱きかかえたまま跳んだはずが、彼女は数十メートル先に立っていた。
「感動の再会にならなくて残念だったね。急で悪いけど貴方の力、見せて。」
背中が総毛立つ。感知されたか。そしてこれはかなり好戦的だ。感知し返すと、弾かれた。
「?!」嘘だろ。感知を弾くなんて不可能だ。
「それで、使える力いっぱい?違うよね?」
そう尋ねてから、投げてよこしたのは魔力の結晶。
「私の事、知りたいんでしょう?力でねじ伏せて。大丈夫。貴方なんかに怪我はしないから。」
ありがたくフル充電した。遠慮無用と言われたから、全力で捕縛する。最新の魔法知識と合わせた魔法を錬成する。彼女は避けなかった。
バチィッと音がして彼女の躯体を締めつけた。しまったやり過ぎたか?と思った次の瞬間、魔力の縄の中はフード付きの外套とフェイスベールだけになった。
「上々。でも、まさかこれが最大限じゃないよね?」
火柱が次々と上がり、それを避けた。構築はえーよ。火力はそれほど強く無い、多少受けても大事にはならなさそうだ。厄介なのは視界が遮られることと、感知使えないこと。見当たらない彼女を探す。先程の場所にはもう当然居ない。ふわっと横に気配を感じたと思ったら、 後ろに回られて首筋を一噛みされた。
「っつう」
翻って彼女と間合いをとって驚く。彼女の髪は茶色だった。赤茶けた斑らの茶髪。そしてアシンメトリーのショート。
ぷっと砂浜に血を吐いて、彼女は腕で口を拭った。
「嘘でしょ。ゲロ弱。」
絶望した表情の彼女に攻撃を撃とうとしたが、体は動かなかった。
いつのまにか膝をついていて、彼女を見上げると首筋をトントンと叩いてみせられた。
「耳朶やられてたら終わり、だったね。」
そう、か、ダヤンなら、忠誠心がなくても無理やり忠誠を誓わせる、方法があるのかもしれない。
なんだ?力が、抜けていく。
「くっ。」
声すらまともに出ねーじゃねーか。
砂が頰に当たり、それでも彼女を見ると彼女は自身の耳朶を晒した。
「またね。ああ、この証くれた人にもよろしく。」
髪を掴まれ、彼女の耳朶にウランさんの証が刻まれているのを見せつけられた。
無造作に頭を放られて、目を閉じる。
「…次会う時は私を殺せるくらい強くなっていてね。」
そう、声が聞こえた。
目が覚めると、城の自室だった。魔力がとんでもなく少ない。
「お目覚めですか?」
ディナが側にいたらしい。
「ああ、俺は?」
「半日ほどお眠りでした。」
そう言ってテキパキと体調をチェックされた。
「しばらくお待ちください。ただ今お食事をお持ちします。」
部屋を出ようとするディナに無意識に口が動いた。
「えいこサンに会った。」
背を向けたまま、ピタリとディナの動きが止まった。
「でも、あれはえいこサンじゃねぇ。魔法はガンガン打ってくるし、髪は茶色いしそれに…」
「声が冷たくて、えいこ様と思えないような発言を?」
ディナはこちらに向き直した。
「なんで知ってんだよ。」
「ジェードさんに聞きました。」
「ああ。」
ジェードの見たえいこサンと同一人物だろう。俺がパニクって今話している事は核心に迫る情報じゃない。言いたいのはそうじゃないんだ。
「むしろ、何故それでえいこ様だと?」
ディナに問われて、いうべき事はそれだったと思い至った。
「ウランさんの証を持っていた。」
ディナが息を飲むのが分かった。
失礼します、と断りがありウランさんが入ってきた。
「起きてらっしゃったんですね。」
ウランさんには疲労の表情が見て取れる。
「悪りぃ。失敗した。」
「とりあえず顔色は良さそうですね。状況をお聞きしても?」
「ああ。」
ウランさん達と別れた後からの事を思い出しながら話す。話すうちに多少頭の中が冷えてきた。
俺の説明を聞いて、ウランさんは「やはりそうでしたか。」と言った。
「ウランさん。えいこサンに会ったのか?」
「いえ。私が馬で駆けつけた時には既に。けれど、私がどうやって貴方の倒れている場所まで行ったと思われますか?」
「えいこサンへの証、感じたんだな。」
ウランさんは頷いた。
「えいこサンがどうなっちまったかは分かんねーけど、1番不味いパターンだよな。」
えいこサン本人は恐らく洗脳されている。強い魔力を持ち、こちらに敵対した。恐らくダヤンのナツ、フユも洗脳されたサタナさんと行方不明の神官代理だろう。二人とも強敵となる。
「不味いパターンですか?」
側に控えていたディナが呟いた。
「えいこ様がこの世界にいらっしゃいます。十分では無いですか?」
驚いて彼女を見ると、目が座っていた。
「えいこ様が洗脳されているなら取り戻すまで。違いますか?」
冷たくそう言って、ディナは失礼しますと出て行った。
「至言、ですね。」
ディナを見送ってウランさんが口にした。
「無茶、だろう。」
俺は自嘲気味に笑うしかない。
「何故ですか?」
「俺らが、弱いからだ。」
「では、武者修行といきましょうか。大丈夫です。傷は塞ぎましたから。」
ウランさんの目も座っていた。
そして、ぽいっと外に放り出された。いや、心情的には蹴り出された気分だ。
ウランさん曰く、これはえいこサンがどうこういう問題じゃ無くなった、らしい。
闇の国が危ない。現状ダヤンが城に乗り込んできたら十中八九城は明け渡す事になるだろう。世界の終わりを止めるも何もあったもんじゃない。
ウランさんはサンサンの僕だ。主人の終焉を汚す事は避けなくてはならないし、国も守らないといけない。だから、継ぐ予定の俺には強くなってもらわないと困る。
サンサンは強い。けれど、それは才能だけでは無いらしい。モートンさんの情報によると聖女との冒険で異様な力をつけたそうだ。それはつまり、祠を周り凶暴化した獣を倒す事によって強くなったと考えられる。確かに俺自身も討伐に出ると体感的にレベルアップを感じる事は多かった。
ウランさんの指示はこうだ。より効率的な訓練法を探りながら強くなって来い、と、その間の仕事は引き受けるから、だそうだ。
あの人本当にえいこサンに愛の証送ったんだよな。その上でその判断か。ウランさんの心は、えいこサンを一刻も早く助けたい、自分が行きたい、と叫んでるんだろう。強くなる方法を立場上俺に譲ったのだ。
サンサンが逝く前に形もつけなきゃなんねぇ。
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