26 / 192
26 早期教育
しおりを挟む
果たして数日が経ちました。
目の前には5センチほどのリス。
私は全力でカードをフラッシュする。
「…ひゃく!ドッツは終わりー。よく見てたね。いい子!マリちゃん天才!」
人差し指でこちょこちょとさすると気持ちよさそうにしている。
何故こんなことをしているかというと、です。
お部屋を一室頂きました。何もすることが無いので、流石に身の回りの事くらいは自分でしたいと申し出ました。
が、しかしです。この世界は魔力がある前提で生活が回ってました。
ハサミすら使えません。
普通は魔力でコーティングして使うんですって。
コーティングしなきゃ切れません。
包丁も同様。調理の火力も魔力です。
洗濯も!掃除も!
全滅。足手纏い以外の何者でも無い。
城内の方々から特に非難めいた声が無いのが救い。
あと、よっぽど大地くんの評判が良いのか時々慰めてくれる人もいる。
が、しかし、働かざるもの何とか。
居た堪れない。
そんな私に大地くんがペットをくれました。
ちょっと入手が難しかったけど、と、
人気のペット マリス
の卵。
何でも卵から育てるとよく懐くとか。
リスみたいな生き物で、ひと月ほどで大人になり、知能は人間の子供並みになると。
秋穂さんて、幼児教室勤務だったのよねー。
する事が無いのでやりました。
世界初マリスの早期教育。
し○だ式?○ーマンメソッド?○ヨコおばあちゃん?我が教室ではIQ150の子供を生み出した事あったのよ!
※他人の子です。
※現在の幼児教育メソッドを使えばわりと普通にできます。
紙と絵の具は使えたので良かったし、こちらの絵本も融通してもらった。
後はする事と言えば、シャルさんとディナさんのお時間がある時に散歩して、ウランさんや大地くんとご飯食べて終わり。
漫画もゲームもネットも雑誌もないんですよ?
2日ほど前に孵った我が子に指を握らせぶら下がらせる。
「いやー!仕事したいー!」
前世で一度も思った事のない願いを叫ぶ。
「では、お願いしたいので部屋に入っても?」
ウランさんがやってきた。
「テルラ殿は確か本日から一週間ほど魔獣討伐に出られるそうですね?」
世界に余った魔力は野生の魔獣を増やし獰猛にする。大物は人間では太刀打ち出来ない。仕事が早く、国のイメージアップもあって大地くんが討伐に出たのだ。
「はい。その間はウランさんもお忙しいからお食事はシャルさん達と摂ることを勧められました。」
「へぇ、私、そんなに忙しい事になってたんですか?」
「…お食事ちゃんと摂る方が効率良いと思いますよ。と寂しさまぎれに言おうかと思ってたところですが、違ったみたいですね。」
ヤキモチなんて可愛い御仁だ。とウランは笑う。
「さて、魔力研究所に私が兼務で在籍してることは言いましたでしょうか?そちらで、是非手伝って頂きたい仕事があるのです。」
「望むところです。」
大地くんがいない隙に頼まれる仕事なんて、きっと少し危なくて、成果は大きい。
でも、
「テルラさんから城から出ないようにとかなり言われてるのですが、研究所って外ですか?何か外に出られない魔法かけられたりしてません?」
くるくる回って見せる。
「大丈夫ですよ。今の貴女は私の物なので、勝手には防御系の魔法でも上書きできません。」
ふーん。そういうものか。建物なら数人で防御魔法かけると思ったんだけど、それは何らかの手順があるんだな。と記憶する。
「では、外に行きましょうか。今日は私がいるのでシャル達は留守番です。あ、研究所にはマリスもいるので連れて行っても良いですよ。」
マリちゃんを服に入れる。初めての城外だ!
目の前には5センチほどのリス。
私は全力でカードをフラッシュする。
「…ひゃく!ドッツは終わりー。よく見てたね。いい子!マリちゃん天才!」
人差し指でこちょこちょとさすると気持ちよさそうにしている。
何故こんなことをしているかというと、です。
お部屋を一室頂きました。何もすることが無いので、流石に身の回りの事くらいは自分でしたいと申し出ました。
が、しかしです。この世界は魔力がある前提で生活が回ってました。
ハサミすら使えません。
普通は魔力でコーティングして使うんですって。
コーティングしなきゃ切れません。
包丁も同様。調理の火力も魔力です。
洗濯も!掃除も!
全滅。足手纏い以外の何者でも無い。
城内の方々から特に非難めいた声が無いのが救い。
あと、よっぽど大地くんの評判が良いのか時々慰めてくれる人もいる。
が、しかし、働かざるもの何とか。
居た堪れない。
そんな私に大地くんがペットをくれました。
ちょっと入手が難しかったけど、と、
人気のペット マリス
の卵。
何でも卵から育てるとよく懐くとか。
リスみたいな生き物で、ひと月ほどで大人になり、知能は人間の子供並みになると。
秋穂さんて、幼児教室勤務だったのよねー。
する事が無いのでやりました。
世界初マリスの早期教育。
し○だ式?○ーマンメソッド?○ヨコおばあちゃん?我が教室ではIQ150の子供を生み出した事あったのよ!
※他人の子です。
※現在の幼児教育メソッドを使えばわりと普通にできます。
紙と絵の具は使えたので良かったし、こちらの絵本も融通してもらった。
後はする事と言えば、シャルさんとディナさんのお時間がある時に散歩して、ウランさんや大地くんとご飯食べて終わり。
漫画もゲームもネットも雑誌もないんですよ?
2日ほど前に孵った我が子に指を握らせぶら下がらせる。
「いやー!仕事したいー!」
前世で一度も思った事のない願いを叫ぶ。
「では、お願いしたいので部屋に入っても?」
ウランさんがやってきた。
「テルラ殿は確か本日から一週間ほど魔獣討伐に出られるそうですね?」
世界に余った魔力は野生の魔獣を増やし獰猛にする。大物は人間では太刀打ち出来ない。仕事が早く、国のイメージアップもあって大地くんが討伐に出たのだ。
「はい。その間はウランさんもお忙しいからお食事はシャルさん達と摂ることを勧められました。」
「へぇ、私、そんなに忙しい事になってたんですか?」
「…お食事ちゃんと摂る方が効率良いと思いますよ。と寂しさまぎれに言おうかと思ってたところですが、違ったみたいですね。」
ヤキモチなんて可愛い御仁だ。とウランは笑う。
「さて、魔力研究所に私が兼務で在籍してることは言いましたでしょうか?そちらで、是非手伝って頂きたい仕事があるのです。」
「望むところです。」
大地くんがいない隙に頼まれる仕事なんて、きっと少し危なくて、成果は大きい。
でも、
「テルラさんから城から出ないようにとかなり言われてるのですが、研究所って外ですか?何か外に出られない魔法かけられたりしてません?」
くるくる回って見せる。
「大丈夫ですよ。今の貴女は私の物なので、勝手には防御系の魔法でも上書きできません。」
ふーん。そういうものか。建物なら数人で防御魔法かけると思ったんだけど、それは何らかの手順があるんだな。と記憶する。
「では、外に行きましょうか。今日は私がいるのでシャル達は留守番です。あ、研究所にはマリスもいるので連れて行っても良いですよ。」
マリちゃんを服に入れる。初めての城外だ!
0
お気に入りに追加
1,000
あなたにおすすめの小説
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
異世界召喚されたけどヤバい国だったので逃げ出したら、イケメン騎士様に溺愛されました
平山和人
恋愛
平凡なOLの清水恭子は異世界に集団召喚されたが、見るからに怪しい匂いがプンプンしていた。
騎士団長のカイトの出引きで国を脱出することになったが、追っ手に追われる逃亡生活が始まった。
そうした生活を続けていくうちに二人は相思相愛の関係となり、やがて結婚を誓い合うのであった。
公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。
木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。
時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。
「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」
「ほう?」
これは、ルリアと義理の家族の物語。
※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。
※同じ話を別視点でしている場合があります。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる