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Ⅶ
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休みの日は、孤児院に行って子供たちの世話をしたり掃除や料理の手伝いをして、エマと話したり
仕事の日は、ナタリー達とお喋りしながら掃除をして、一人で豪華な昼食を食べて休憩時間にフレッドと花の世話をして、また屋敷の掃除をしたり
サマンサは毎日楽しく過ごしていた。
しかし、サマンサは忘れていた。
自分の身体が1つしかないという、当たり前のことを…
女中仲間に「ねぇ、サミー。奥様って居るのよね…?」と聞かれて、訳もわからず「もちろんよ」と答えたのだが
女中は納得のいかない顔をする。
「サミーがお休みの日は私達が交代で食事を届けているんだけど、いつも部屋に居ないみたいなのよ」
サマンサは孤児院に行って屋敷に居ないのだから、部屋は無人だ。
「お部屋に入ったの…?」
サマンサが恐る恐る尋ねると
女中は「返事がないのに入れるわけないじゃない。そのまま引き返しているわ」と、笑って言う。
「それなら持って行かなくても良いわよ。昼食が勿体ないわ」
部屋には近付いて欲しくないサマンサは
「でも…」と渋る女中に「私が伝えておくから大丈夫よ」と言って、なんとかその場を誤魔化そうとした。
「サミーがそう言うなら大丈夫ね。本当は嫌だったから、助かるわ。みんなにも言っておくわね」
納得してくれて良かった。部屋の中を確認されないで良かった。サマンサは一安心する。
「奥様は傲慢でサミー以外は寄せ付けないらしいよ。他の使用人達とは口も聞きたくないんだって」
そんな噂話が蔓延する中、これからは細かいことまで気を付けよう。
そう思った矢先の出来事だった。
まだみんなが仕事を始める前の、日が昇ったばかりの時間。
誰もいないのを確認して、こっそりと部屋を出るサマンサ。
薄暗い廊下を歩いて、誰にも見つからないように足早に歩いて屋敷を出て、孤児院に向かった。
その姿を、たまたま朝早くに目が冷めて、水を飲みに行こうとしていた住み込みの女中が見てしまう。
(なんで休みのサミーが女中の制服を着て奥様の部屋から出てきたの…?もしかして……)
サマンサが貰った給金を使って、朝早くから開いている市場で子供たちにあげるお菓子を選んでいた頃
屋敷ではサミーの話題で持ち切りだった。
「おはよう、エマ。今日は美味しそうなお菓子を持ってきたわ!」
いつもの様に、エマとお喋りして、子供たちと遊んで、孤児院の手伝いをして
「今日も楽しい一日だったわ」と、満足して屋敷に戻り
誰にも見つからない様にこっそりと部屋に戻る。
「やっぱりそうだわ…」
サマンサが部屋に入る様子を女中達が隠れて見ていた。
翌日、サマンサが朝食を食べに休憩室に向かうと、ナタリーや他の女中達が待ち構えていた。
「サミー、聞きたい事があるんだけど」
みんなの顔が強張っていて、緊張しているのが伝わってきた。
「どうしたの?」と尋ねると、みんなが顔を見合わせて頷きあう。
「あなた、お休みの日も奥様に世話を強要されているんでしょう?」
「朝早い時間から奥様のお部屋から出てくるのを見たわ」
「夜遅い時間にも奥様に呼ばれていたでしょう?」
「休日なのに女中服を着ていたもの。無理矢理働かされているのよね?」
どうしよう…。気をつけていたのに、見られてしまったんだ…。
サマンサがなんて返そうか考えていると、ナタリーに抱き締められてしまう。
「可哀想なサミー。頼み事を断れないサミーに無理矢理従わせるなんて…。どんな酷い事を言われているの?私が奥様にあったら言ってやるわ。クビにされたって良いの。優しいサミーをこんな目に合わせるなんて、許せないわ」
ナタリーがそう言うと、女中達も次々に
「気が付かなくてごめんね」
「サミーに頼ってばかりだったわ」
「奥様は酷い人ね。私も会ったら絶対に注意するわ!」
と言って……
サマンサは自分を思ってくれるナタリー達に感激したのだが、みんなの言う酷い奥様は自分だ。
勝手に自分がとんでもない悪女になって行くのに、サマンサは何もできなかった。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
そう言うのがやっとだった。
その数日後
掃除をしているサマンサを執事のセバスチャンが呼び出した。
「君一人に無理をさせて申し訳ないね。その分の手当ては出すよ。実は、奥様にこれを届けて欲しいんだ」
そう言って渡したのは、大きな箱と小さな箱。
「来週に大きな夜会が開かれるから、クロード様も参加しなければならない。奥様にこのドレスを着て夜会に行くように伝えてくれるね?」
サマンサが呆気に取られていると、セバスチャンは苦笑した。
「君にしか頼めないんだ。クロード様に恥をかかせない様に、当日の準備も頼んだよ。」
サマンサは部屋に戻って箱の中身を確認すると、大きな箱にはクロードの瞳の色の綺麗なドレス
小さな箱にはクロードの髪色の豪華な宝石が入っていた。
前回の夜会では侍女たちが世話をしてくれていたから、夜会の準備も手伝ってくれた。
でも、今は誰も手伝ってくれる人がいない。
女中サミーに頼まれたって、化粧はなんとか出来ても、サマンサ自身の着付けは出来ない。
「どうしましょう…」
サマンサはそっと呟いて、箱を仕舞う。
契約書通り、夫人の仕事はこなさないといけない。
その日のサマンサは夜会のことで頭がいっぱいで、注意力散漫だった。
だから…
昼食を一人で食べていた時、コップを落として割ってしまった。
ガチャンッ
大きな音を立ててコップが割れてしまい、サマンサは慌てて破片を拾って綺麗にした。
細かい破片は食べ終わってから片付けようと、食事を再開する。
「サミー!大丈夫!」
ナタリーはずっと気にしていた。
仕事もできて気遣いのできるサミーに奥様の世話を押し付けてしまったこと。
休日も無理矢理働かされているのに、文句も言わないサミー。
何かあったら自分が助けようと、サミーが奥様の部屋に入った時は、近くで見張っていた。
ガチャンッ
何かが割れる音が部屋から聞こえてきて
奥様がサミーに八つ当たりをして、物を投げたと思って、ナタリーはノックもしないで扉を開ける。
今日こそ奥様に言ってやる。サミーを助けなきゃ。
そう意気込んで扉を開けると
サミーが奥様の昼食を食べようと、手にフォークを持って口を開いていた。
「え…?なんでサミーが奥様の昼食を食べているの?奥様は何処……?」
部屋にはサミーしかいない。ナタリーは混乱した。
仕事の日は、ナタリー達とお喋りしながら掃除をして、一人で豪華な昼食を食べて休憩時間にフレッドと花の世話をして、また屋敷の掃除をしたり
サマンサは毎日楽しく過ごしていた。
しかし、サマンサは忘れていた。
自分の身体が1つしかないという、当たり前のことを…
女中仲間に「ねぇ、サミー。奥様って居るのよね…?」と聞かれて、訳もわからず「もちろんよ」と答えたのだが
女中は納得のいかない顔をする。
「サミーがお休みの日は私達が交代で食事を届けているんだけど、いつも部屋に居ないみたいなのよ」
サマンサは孤児院に行って屋敷に居ないのだから、部屋は無人だ。
「お部屋に入ったの…?」
サマンサが恐る恐る尋ねると
女中は「返事がないのに入れるわけないじゃない。そのまま引き返しているわ」と、笑って言う。
「それなら持って行かなくても良いわよ。昼食が勿体ないわ」
部屋には近付いて欲しくないサマンサは
「でも…」と渋る女中に「私が伝えておくから大丈夫よ」と言って、なんとかその場を誤魔化そうとした。
「サミーがそう言うなら大丈夫ね。本当は嫌だったから、助かるわ。みんなにも言っておくわね」
納得してくれて良かった。部屋の中を確認されないで良かった。サマンサは一安心する。
「奥様は傲慢でサミー以外は寄せ付けないらしいよ。他の使用人達とは口も聞きたくないんだって」
そんな噂話が蔓延する中、これからは細かいことまで気を付けよう。
そう思った矢先の出来事だった。
まだみんなが仕事を始める前の、日が昇ったばかりの時間。
誰もいないのを確認して、こっそりと部屋を出るサマンサ。
薄暗い廊下を歩いて、誰にも見つからないように足早に歩いて屋敷を出て、孤児院に向かった。
その姿を、たまたま朝早くに目が冷めて、水を飲みに行こうとしていた住み込みの女中が見てしまう。
(なんで休みのサミーが女中の制服を着て奥様の部屋から出てきたの…?もしかして……)
サマンサが貰った給金を使って、朝早くから開いている市場で子供たちにあげるお菓子を選んでいた頃
屋敷ではサミーの話題で持ち切りだった。
「おはよう、エマ。今日は美味しそうなお菓子を持ってきたわ!」
いつもの様に、エマとお喋りして、子供たちと遊んで、孤児院の手伝いをして
「今日も楽しい一日だったわ」と、満足して屋敷に戻り
誰にも見つからない様にこっそりと部屋に戻る。
「やっぱりそうだわ…」
サマンサが部屋に入る様子を女中達が隠れて見ていた。
翌日、サマンサが朝食を食べに休憩室に向かうと、ナタリーや他の女中達が待ち構えていた。
「サミー、聞きたい事があるんだけど」
みんなの顔が強張っていて、緊張しているのが伝わってきた。
「どうしたの?」と尋ねると、みんなが顔を見合わせて頷きあう。
「あなた、お休みの日も奥様に世話を強要されているんでしょう?」
「朝早い時間から奥様のお部屋から出てくるのを見たわ」
「夜遅い時間にも奥様に呼ばれていたでしょう?」
「休日なのに女中服を着ていたもの。無理矢理働かされているのよね?」
どうしよう…。気をつけていたのに、見られてしまったんだ…。
サマンサがなんて返そうか考えていると、ナタリーに抱き締められてしまう。
「可哀想なサミー。頼み事を断れないサミーに無理矢理従わせるなんて…。どんな酷い事を言われているの?私が奥様にあったら言ってやるわ。クビにされたって良いの。優しいサミーをこんな目に合わせるなんて、許せないわ」
ナタリーがそう言うと、女中達も次々に
「気が付かなくてごめんね」
「サミーに頼ってばかりだったわ」
「奥様は酷い人ね。私も会ったら絶対に注意するわ!」
と言って……
サマンサは自分を思ってくれるナタリー達に感激したのだが、みんなの言う酷い奥様は自分だ。
勝手に自分がとんでもない悪女になって行くのに、サマンサは何もできなかった。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
そう言うのがやっとだった。
その数日後
掃除をしているサマンサを執事のセバスチャンが呼び出した。
「君一人に無理をさせて申し訳ないね。その分の手当ては出すよ。実は、奥様にこれを届けて欲しいんだ」
そう言って渡したのは、大きな箱と小さな箱。
「来週に大きな夜会が開かれるから、クロード様も参加しなければならない。奥様にこのドレスを着て夜会に行くように伝えてくれるね?」
サマンサが呆気に取られていると、セバスチャンは苦笑した。
「君にしか頼めないんだ。クロード様に恥をかかせない様に、当日の準備も頼んだよ。」
サマンサは部屋に戻って箱の中身を確認すると、大きな箱にはクロードの瞳の色の綺麗なドレス
小さな箱にはクロードの髪色の豪華な宝石が入っていた。
前回の夜会では侍女たちが世話をしてくれていたから、夜会の準備も手伝ってくれた。
でも、今は誰も手伝ってくれる人がいない。
女中サミーに頼まれたって、化粧はなんとか出来ても、サマンサ自身の着付けは出来ない。
「どうしましょう…」
サマンサはそっと呟いて、箱を仕舞う。
契約書通り、夫人の仕事はこなさないといけない。
その日のサマンサは夜会のことで頭がいっぱいで、注意力散漫だった。
だから…
昼食を一人で食べていた時、コップを落として割ってしまった。
ガチャンッ
大きな音を立ててコップが割れてしまい、サマンサは慌てて破片を拾って綺麗にした。
細かい破片は食べ終わってから片付けようと、食事を再開する。
「サミー!大丈夫!」
ナタリーはずっと気にしていた。
仕事もできて気遣いのできるサミーに奥様の世話を押し付けてしまったこと。
休日も無理矢理働かされているのに、文句も言わないサミー。
何かあったら自分が助けようと、サミーが奥様の部屋に入った時は、近くで見張っていた。
ガチャンッ
何かが割れる音が部屋から聞こえてきて
奥様がサミーに八つ当たりをして、物を投げたと思って、ナタリーはノックもしないで扉を開ける。
今日こそ奥様に言ってやる。サミーを助けなきゃ。
そう意気込んで扉を開けると
サミーが奥様の昼食を食べようと、手にフォークを持って口を開いていた。
「え…?なんでサミーが奥様の昼食を食べているの?奥様は何処……?」
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