13 / 15
2章:上限突破
7
しおりを挟む
毎回同じ光景が広がる召喚島だが、少しずつ成長しているのかもしれない。
何となく上に伸びている気がする朱色の円柱の間からぶら下がっている白布も、幾分高い位置から垂れている。
白い獣の姿で現れた案内人は、座った状態でも私と同程度の背丈になっていた。こっちは、かなりの急成長だ。
「貯蔵するってことは…幻獣レベルも成長するんだっけ」
「そうだね。ステータスを出すよ」
案内人の朱色の目が斜め上を見る。その空間に、半透明の長方形が現れた。画面を映すモニターだ。
そこには、単語と数字と記号だけが並んでいた。
【ステータス】
世界ランク:1
レベル:13
幻獣レベル:58
拠点レベル:10
累積幻力:1805500
術力:1050000
幻力:・・・・5
攻撃力:測定無し
防御力:10000
回復力:10000
生命力:21×()5
スキル:なし(取得待ち)
特殊能力:ランク上限突破
術:
宝石硬貨:0パル
星内貨幣:0シェル
寄付点数:500ポイント
ログインポイント:2
通常ポイント:0
貯蔵幻力:120550
【拠点装備】
●防衛装備
対防御装備:レベル10
軽減装備:レベル1
L属性特化機能:レベル1
無効化装備:レベル10(制限下)
L属性特化機能:レベル10(制限下)
L全属性対応機能:レベル10
L無効化回復機能:レベル10
反射装備:レベル1
L吸収切替機能:レベル1
L吸収回復機能:レベル1
●迎撃装備
●移動装備
速度強化装備:レベル10
速度耐久装備:レベル10
瞬発力強化装備:レベル10
衝撃無効装備:レベル1
飛行移動装備:レベル1
水上移動装備:レベル1
水中移動装備:レベル1
潜水装備:レベル1
打上装備:レベル1
星間移動装備:レベル1
航法
「…長い」
長すぎて目がちかちかしてきた。
ごちゃごちゃしてるし測定できてもいないし頼んでもいない装備がくっついてもいるし多分必要だった装備のレベルが上がってない。
案内人に任せたから、装備については別にいいんだけど。
「見るの疲れるからいいや。必要な時だけ教えてよ」
「分かった。ヴィータは何かスキルを取得する?」
「えーと…何だっけ?」
「レベル10になると1つスキルを覚えることが出来るんだよ。昨日、鑑定スキルの話をしていたけど、鑑定スキルにする?」
「そうだね。それで」
応じると、表示されたままのステータス内に、『スキル:鑑定』が加筆された。
「とりあえず…家の内壁が鉄板なのは、人間にとって辛いと思うんだけど、どう思う?」
「拠点の材質を変更する?内壁を3層構造にして一番内側に衝撃緩和材を入れるよ」
「急発進すると中に居る人も物も飛ぶから、ベルトで固定すべきだと思う」
「発信前に固定するよう変更するね」
レベルが58まで成長した案内人は、最終確認をしてこない。
貯蔵幻力の数字がどんどん減っていくのを眺めながら、召喚できるだけのポイントが残るだろうかと思っていたら、獣は私へ視線を送って来た。
「何を召喚するの?」
「ルーリアは5人実体化してたんだよなぁ…。ミッションやクエストするならやっぱり5人くらい必要なんじゃないの」
「内容によるよ」
「少ないよりは多いほうがいいんじゃない?11回の連続召喚を1回だけして、5個くらいずつ寝台と食器と…食事用の匙とか欲しいな。それで食材と…かはテキトーにシロが召喚回しちゃってよ」
「必要なものはそれだけなの?」
「何が要るかは、みんなに訊かないとわからないな」
画面に映る文字の背面は薄く白光している。何度か瞬きしたけど字がぼやけて見えだした。
「そろそろ寝たいし、任せるよ」
「分かった。『課金召喚【祈】』だね。召喚して」
レベルが58にもなると、あの丁寧な説明はもうしてくれないらしい。
勝手に判断してくれるのは楽だけど、それだと私はなんにも覚えないぞ?
「…ペナルティがあるんだっけ」
自動的に貯蔵幻力を寄付ポイントに変換して、それがまた自動で減算されたのを見つつ、私は白い布の正面に立った。
弱い風が吹き続けて、小さな鈴の音が鳴っている。
召喚にペナルティがある間は、上位の英雄は召喚されにくいと言っていた。
私には一人、呼びたい英雄がいる。けれども、彼女は少なくともスーパーレア以上になるだろう。今、召喚できる確率は低い。
敢えて危険なルートを選ぶ必要も今はないけど、あまりのんびりしている時間もないと思う。
「召喚」
私の言葉に応じて、白い布が捲れる。その向こう側に見える黒い渦は、初めて召喚をした時と同じ光景だ。
光と共に飛んできた11枚のカードは私の手に収まり、私はそれを地面の上に広げた。
「…レアが2枚、ノーマルレアが2枚、ノーマルが7枚…かな」
その全てが、初めて見るカードだった。
前回は初回限定の…無料の召喚だったから、出てくるカードの種類が違うのかもしれない。
「…2人?」
レアのカードもそれぞれ別のカードだったけど、その内の1枚には2人の絵が描かれていた。
【別たれし運命】守護騎士ナギ&歌姫フィレーネ
騎士はその日、歌姫を失った。
今もその魂を追い、守っている。
【カードランク】
シークレットレア
【レベル】
10
【性別】
―
【年齢】
16
【属性】
地/光/聖
【種族】
人間
【所属】
ダルゥザ
【攻撃力】
3000
【防御力】
6000
【回復力】
10000
【通常スキル】
剣/盾
歌唱/光術
【特殊スキル】
糸
「シークレットレアってことは…何だっけ」
「隠された能力を持っているけど、開放にはアイテムが必要だね」
「へぇ…」
歌姫の魂を騎士が護ってるらしいから、歌姫は死んでるのかな。
だから呼び出すのは騎士1人だけで、歌姫は守護霊のような…そういう感じなのかも。
「こっちはただのレアだ」
もう1枚のほうのカードも見てみる。
【鳥籠の王】フェリティック
王として育てられた男。
全てが偽物だと知り、殻に閉じ籠っている。
【カードランク】
レア
【レベル】
5
【性別】
男
【年齢】
48
【属性】
地
【種族】
半人
【所属】
なし
【攻撃力】
10000
【防御力】
1000
【回復力】
1000
【通常スキル】
短剣/格闘
闇術
【特殊スキル】
魔人化
「…どっちも訳ありだなぁ」
「実体化する?」
「歌姫はしたいね。歌が聴きたい」
実体化しても歌姫は出て来ない気もするけど。
「後は…ノーマルレアも別々のカードで…ノーマルは2枚ずつか」
【火の狩人】イギラク
獣を狩って生活する狩人。
火術を得意とする為、何度か森を燃やしている。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
15
【性別】
男
【年齢】
85
【属性】
火
【種族】
耳長
【所属】
なし
【攻撃力】
4000
【防御力】
2000
【回復力】
1000
【通常スキル】
弓
火術
【特殊スキル】
なし
【死鳥】ガリア
白昼堂々と獲物を斃す暗殺者。
上空から飛来する為、死神と呼ばれる事もある。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
10
【性別】
女
【年齢】
19
【属性】
風
【種族】
鳥人
【所属】
寂莫(せきばく)
【攻撃力】
3000
【防御力】
1000
【回復力】
2000
【通常スキル】
短剣
暗殺
風術
【特殊スキル】
なし
「…ん~…?」
2枚ずつあるノーマルのほうは、軽く文章だけ読む。
【貧困街の商人】ロート
金銭的に貧しい人々が集う通りで店を構える商人。
通りに住む人々を雇おうとしている。
【カードランク】
ノーマル
【修道娘】ララ
修道院で身寄りのない子供たちの世話をしている修道女。
未来に希望が持てず悩んでいる。
【カードランク】
ノーマル
「シロ。このカードって全部…何かある感じ?訳ありとか、悩んでるとか、追われてるとか…そういう感じがする」
「寄付ポイントで召喚する『課金召喚【祈】』は、神への祈り、神からの救済を象徴しているんだ。だから召喚する英雄も、救いを求めていたり、誰かを救おうとしていたりする事が多いよ」
「ちょっと重くない?もう少しラクな人生歩んでる人がいいよ」
「課金召喚の種類を変えれば、違う英雄を召喚出来るよ」
とは言うけれど、現時点では寄付ポイントで召喚するしか無いから、他は選べない。
とりあえず、今回召喚したカードの中で、誰を実体化するかだけど…。
この中ではなんか面白そうな火の狩人は、私のレベル不足で実体化できない。
やっぱり守護騎士&歌姫かな。後はいろいろ面倒そうだ。
「実体化は3人でいいんだね?」
「いいよ。ラーデルも出来るならやっておいて。それから…」
守護騎士&歌姫カードを召喚箱に。残りのカードを待機箱に片付け、私は土の上に座った。
心地よい鈴の音が重複して周囲を包み込む感覚が、心地よい。
「ここで、寝ていい?」
「ダメだよ」
白い獣に後ろ襟を銜えられたまま、私は召喚島から拠点の2階に戻って来た。
拠点に移動した瞬間、私は床に倒れ込む。
案内人はいつも通り拠点兼銀球になっているのだろう。机の辺りから声がした。
「1階に4人いるけど、どうするの?」
「…ねる…」
床に突っ伏しながら、私は軽く手を上げる。
でも、意識があったのはそこまでだ。
やけに体が沈み込む、面している部分を包み込むような床の感触を、衝撃緩和材ってこんなに柔らかいんだぁ…と意識のどこかで感じつつ、私は眠りについた。
何となく上に伸びている気がする朱色の円柱の間からぶら下がっている白布も、幾分高い位置から垂れている。
白い獣の姿で現れた案内人は、座った状態でも私と同程度の背丈になっていた。こっちは、かなりの急成長だ。
「貯蔵するってことは…幻獣レベルも成長するんだっけ」
「そうだね。ステータスを出すよ」
案内人の朱色の目が斜め上を見る。その空間に、半透明の長方形が現れた。画面を映すモニターだ。
そこには、単語と数字と記号だけが並んでいた。
【ステータス】
世界ランク:1
レベル:13
幻獣レベル:58
拠点レベル:10
累積幻力:1805500
術力:1050000
幻力:・・・・5
攻撃力:測定無し
防御力:10000
回復力:10000
生命力:21×()5
スキル:なし(取得待ち)
特殊能力:ランク上限突破
術:
宝石硬貨:0パル
星内貨幣:0シェル
寄付点数:500ポイント
ログインポイント:2
通常ポイント:0
貯蔵幻力:120550
【拠点装備】
●防衛装備
対防御装備:レベル10
軽減装備:レベル1
L属性特化機能:レベル1
無効化装備:レベル10(制限下)
L属性特化機能:レベル10(制限下)
L全属性対応機能:レベル10
L無効化回復機能:レベル10
反射装備:レベル1
L吸収切替機能:レベル1
L吸収回復機能:レベル1
●迎撃装備
●移動装備
速度強化装備:レベル10
速度耐久装備:レベル10
瞬発力強化装備:レベル10
衝撃無効装備:レベル1
飛行移動装備:レベル1
水上移動装備:レベル1
水中移動装備:レベル1
潜水装備:レベル1
打上装備:レベル1
星間移動装備:レベル1
航法
「…長い」
長すぎて目がちかちかしてきた。
ごちゃごちゃしてるし測定できてもいないし頼んでもいない装備がくっついてもいるし多分必要だった装備のレベルが上がってない。
案内人に任せたから、装備については別にいいんだけど。
「見るの疲れるからいいや。必要な時だけ教えてよ」
「分かった。ヴィータは何かスキルを取得する?」
「えーと…何だっけ?」
「レベル10になると1つスキルを覚えることが出来るんだよ。昨日、鑑定スキルの話をしていたけど、鑑定スキルにする?」
「そうだね。それで」
応じると、表示されたままのステータス内に、『スキル:鑑定』が加筆された。
「とりあえず…家の内壁が鉄板なのは、人間にとって辛いと思うんだけど、どう思う?」
「拠点の材質を変更する?内壁を3層構造にして一番内側に衝撃緩和材を入れるよ」
「急発進すると中に居る人も物も飛ぶから、ベルトで固定すべきだと思う」
「発信前に固定するよう変更するね」
レベルが58まで成長した案内人は、最終確認をしてこない。
貯蔵幻力の数字がどんどん減っていくのを眺めながら、召喚できるだけのポイントが残るだろうかと思っていたら、獣は私へ視線を送って来た。
「何を召喚するの?」
「ルーリアは5人実体化してたんだよなぁ…。ミッションやクエストするならやっぱり5人くらい必要なんじゃないの」
「内容によるよ」
「少ないよりは多いほうがいいんじゃない?11回の連続召喚を1回だけして、5個くらいずつ寝台と食器と…食事用の匙とか欲しいな。それで食材と…かはテキトーにシロが召喚回しちゃってよ」
「必要なものはそれだけなの?」
「何が要るかは、みんなに訊かないとわからないな」
画面に映る文字の背面は薄く白光している。何度か瞬きしたけど字がぼやけて見えだした。
「そろそろ寝たいし、任せるよ」
「分かった。『課金召喚【祈】』だね。召喚して」
レベルが58にもなると、あの丁寧な説明はもうしてくれないらしい。
勝手に判断してくれるのは楽だけど、それだと私はなんにも覚えないぞ?
「…ペナルティがあるんだっけ」
自動的に貯蔵幻力を寄付ポイントに変換して、それがまた自動で減算されたのを見つつ、私は白い布の正面に立った。
弱い風が吹き続けて、小さな鈴の音が鳴っている。
召喚にペナルティがある間は、上位の英雄は召喚されにくいと言っていた。
私には一人、呼びたい英雄がいる。けれども、彼女は少なくともスーパーレア以上になるだろう。今、召喚できる確率は低い。
敢えて危険なルートを選ぶ必要も今はないけど、あまりのんびりしている時間もないと思う。
「召喚」
私の言葉に応じて、白い布が捲れる。その向こう側に見える黒い渦は、初めて召喚をした時と同じ光景だ。
光と共に飛んできた11枚のカードは私の手に収まり、私はそれを地面の上に広げた。
「…レアが2枚、ノーマルレアが2枚、ノーマルが7枚…かな」
その全てが、初めて見るカードだった。
前回は初回限定の…無料の召喚だったから、出てくるカードの種類が違うのかもしれない。
「…2人?」
レアのカードもそれぞれ別のカードだったけど、その内の1枚には2人の絵が描かれていた。
【別たれし運命】守護騎士ナギ&歌姫フィレーネ
騎士はその日、歌姫を失った。
今もその魂を追い、守っている。
【カードランク】
シークレットレア
【レベル】
10
【性別】
―
【年齢】
16
【属性】
地/光/聖
【種族】
人間
【所属】
ダルゥザ
【攻撃力】
3000
【防御力】
6000
【回復力】
10000
【通常スキル】
剣/盾
歌唱/光術
【特殊スキル】
糸
「シークレットレアってことは…何だっけ」
「隠された能力を持っているけど、開放にはアイテムが必要だね」
「へぇ…」
歌姫の魂を騎士が護ってるらしいから、歌姫は死んでるのかな。
だから呼び出すのは騎士1人だけで、歌姫は守護霊のような…そういう感じなのかも。
「こっちはただのレアだ」
もう1枚のほうのカードも見てみる。
【鳥籠の王】フェリティック
王として育てられた男。
全てが偽物だと知り、殻に閉じ籠っている。
【カードランク】
レア
【レベル】
5
【性別】
男
【年齢】
48
【属性】
地
【種族】
半人
【所属】
なし
【攻撃力】
10000
【防御力】
1000
【回復力】
1000
【通常スキル】
短剣/格闘
闇術
【特殊スキル】
魔人化
「…どっちも訳ありだなぁ」
「実体化する?」
「歌姫はしたいね。歌が聴きたい」
実体化しても歌姫は出て来ない気もするけど。
「後は…ノーマルレアも別々のカードで…ノーマルは2枚ずつか」
【火の狩人】イギラク
獣を狩って生活する狩人。
火術を得意とする為、何度か森を燃やしている。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
15
【性別】
男
【年齢】
85
【属性】
火
【種族】
耳長
【所属】
なし
【攻撃力】
4000
【防御力】
2000
【回復力】
1000
【通常スキル】
弓
火術
【特殊スキル】
なし
【死鳥】ガリア
白昼堂々と獲物を斃す暗殺者。
上空から飛来する為、死神と呼ばれる事もある。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
10
【性別】
女
【年齢】
19
【属性】
風
【種族】
鳥人
【所属】
寂莫(せきばく)
【攻撃力】
3000
【防御力】
1000
【回復力】
2000
【通常スキル】
短剣
暗殺
風術
【特殊スキル】
なし
「…ん~…?」
2枚ずつあるノーマルのほうは、軽く文章だけ読む。
【貧困街の商人】ロート
金銭的に貧しい人々が集う通りで店を構える商人。
通りに住む人々を雇おうとしている。
【カードランク】
ノーマル
【修道娘】ララ
修道院で身寄りのない子供たちの世話をしている修道女。
未来に希望が持てず悩んでいる。
【カードランク】
ノーマル
「シロ。このカードって全部…何かある感じ?訳ありとか、悩んでるとか、追われてるとか…そういう感じがする」
「寄付ポイントで召喚する『課金召喚【祈】』は、神への祈り、神からの救済を象徴しているんだ。だから召喚する英雄も、救いを求めていたり、誰かを救おうとしていたりする事が多いよ」
「ちょっと重くない?もう少しラクな人生歩んでる人がいいよ」
「課金召喚の種類を変えれば、違う英雄を召喚出来るよ」
とは言うけれど、現時点では寄付ポイントで召喚するしか無いから、他は選べない。
とりあえず、今回召喚したカードの中で、誰を実体化するかだけど…。
この中ではなんか面白そうな火の狩人は、私のレベル不足で実体化できない。
やっぱり守護騎士&歌姫かな。後はいろいろ面倒そうだ。
「実体化は3人でいいんだね?」
「いいよ。ラーデルも出来るならやっておいて。それから…」
守護騎士&歌姫カードを召喚箱に。残りのカードを待機箱に片付け、私は土の上に座った。
心地よい鈴の音が重複して周囲を包み込む感覚が、心地よい。
「ここで、寝ていい?」
「ダメだよ」
白い獣に後ろ襟を銜えられたまま、私は召喚島から拠点の2階に戻って来た。
拠点に移動した瞬間、私は床に倒れ込む。
案内人はいつも通り拠点兼銀球になっているのだろう。机の辺りから声がした。
「1階に4人いるけど、どうするの?」
「…ねる…」
床に突っ伏しながら、私は軽く手を上げる。
でも、意識があったのはそこまでだ。
やけに体が沈み込む、面している部分を包み込むような床の感触を、衝撃緩和材ってこんなに柔らかいんだぁ…と意識のどこかで感じつつ、私は眠りについた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー
ほむらさん
ファンタジー
異世界に勇者として召喚されたコテツ。
しかし本人も知らない所で女神の不興を買い、勇者を剥奪されS級ダンジョンに放り込まれる。
説明も何もない状態からのダンジョンスタート。
いきなり強敵に囲まれた状態から、とりあえずダンジョン脱出を目指すコテツであった。
―――これは、のちに白と黒と呼ばれ恐れられる二人の物語。
小学生+暴走族という異色のコンビが大活躍する正統派ファンタジー小説、ここに爆誕!
(※ガチャを引く回の熱い盛り上がりは必見です!ガチャは話の流れで比較的序盤に登場します。自信を持ってお届け出来る設定だと思いますので、どうかそれまでコテツにお付き合い下さい。)
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
Head or Tail ~Akashic Tennis Players~
志々尾美里
SF
テニスでは試合前にコイントスでサーブの順番を決める。
そのときコインを投げる主審が、選手に問う。
「Head or Tail?(表か、裏か)」
東京五輪で日本勢が目覚ましい活躍をみせ、政府主導のもとスポーツ研究が盛んになった近未来の日本。
テニス界では日本人男女ペアによって初のグランドスラム獲得の偉業が達成され、テニスブームが巻き起こっていた。
主人公、若槻聖(わかつきひじり)は一つ上の幼馴染、素襖春菜(すおうはるな)に誘われテニスを始める。
だが春菜の圧倒的な才能は二人がペアでいることを困難にし、聖は劣等感と“ある出来事”からテニスを辞めてしまう。
時は流れ、プロ選手として活動拠点を海外に移そうとしていた春菜の前に聖が現れる。
「今度こそ、春菜に相応しいペアになる」
そう誓った聖は、誰にも話せなかった“秘密のラケット”の封印を解く。
類稀なる才能と果てしない研鑚を重ね、鬼や怪物が棲まう世界の頂上に挑む者たち
プロの世界に夢と希望を抱き、憧れに向かって日々全力で努力する追う者たち
テニスに生き甲斐を見出し、プロさながらに己の限界を超えるべく戦う者たち
勝利への渇望ゆえ歪んだ執念に憑りつかれ、悪事に手を染めて足掻く者たち
夢を絶たれその道を諦め、それでもなお未だ燻り続ける彷徨う者たち
現在・過去・未来、遍く全ての記憶と事象を網羅した「アカシック・レコード」に選ばれた聖は、
現存する全ての選手の技を自在に操る能力を手に、テニスの世界に身を投じる。
そして聖を中心に、テニスに関わる全ての者たちの未来の可能性が、“撹拌”されてゆく――。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる