13 / 15
2章:上限突破
7
しおりを挟む
毎回同じ光景が広がる召喚島だが、少しずつ成長しているのかもしれない。
何となく上に伸びている気がする朱色の円柱の間からぶら下がっている白布も、幾分高い位置から垂れている。
白い獣の姿で現れた案内人は、座った状態でも私と同程度の背丈になっていた。こっちは、かなりの急成長だ。
「貯蔵するってことは…幻獣レベルも成長するんだっけ」
「そうだね。ステータスを出すよ」
案内人の朱色の目が斜め上を見る。その空間に、半透明の長方形が現れた。画面を映すモニターだ。
そこには、単語と数字と記号だけが並んでいた。
【ステータス】
世界ランク:1
レベル:13
幻獣レベル:58
拠点レベル:10
累積幻力:1805500
術力:1050000
幻力:・・・・5
攻撃力:測定無し
防御力:10000
回復力:10000
生命力:21×()5
スキル:なし(取得待ち)
特殊能力:ランク上限突破
術:
宝石硬貨:0パル
星内貨幣:0シェル
寄付点数:500ポイント
ログインポイント:2
通常ポイント:0
貯蔵幻力:120550
【拠点装備】
●防衛装備
対防御装備:レベル10
軽減装備:レベル1
L属性特化機能:レベル1
無効化装備:レベル10(制限下)
L属性特化機能:レベル10(制限下)
L全属性対応機能:レベル10
L無効化回復機能:レベル10
反射装備:レベル1
L吸収切替機能:レベル1
L吸収回復機能:レベル1
●迎撃装備
●移動装備
速度強化装備:レベル10
速度耐久装備:レベル10
瞬発力強化装備:レベル10
衝撃無効装備:レベル1
飛行移動装備:レベル1
水上移動装備:レベル1
水中移動装備:レベル1
潜水装備:レベル1
打上装備:レベル1
星間移動装備:レベル1
航法
「…長い」
長すぎて目がちかちかしてきた。
ごちゃごちゃしてるし測定できてもいないし頼んでもいない装備がくっついてもいるし多分必要だった装備のレベルが上がってない。
案内人に任せたから、装備については別にいいんだけど。
「見るの疲れるからいいや。必要な時だけ教えてよ」
「分かった。ヴィータは何かスキルを取得する?」
「えーと…何だっけ?」
「レベル10になると1つスキルを覚えることが出来るんだよ。昨日、鑑定スキルの話をしていたけど、鑑定スキルにする?」
「そうだね。それで」
応じると、表示されたままのステータス内に、『スキル:鑑定』が加筆された。
「とりあえず…家の内壁が鉄板なのは、人間にとって辛いと思うんだけど、どう思う?」
「拠点の材質を変更する?内壁を3層構造にして一番内側に衝撃緩和材を入れるよ」
「急発進すると中に居る人も物も飛ぶから、ベルトで固定すべきだと思う」
「発信前に固定するよう変更するね」
レベルが58まで成長した案内人は、最終確認をしてこない。
貯蔵幻力の数字がどんどん減っていくのを眺めながら、召喚できるだけのポイントが残るだろうかと思っていたら、獣は私へ視線を送って来た。
「何を召喚するの?」
「ルーリアは5人実体化してたんだよなぁ…。ミッションやクエストするならやっぱり5人くらい必要なんじゃないの」
「内容によるよ」
「少ないよりは多いほうがいいんじゃない?11回の連続召喚を1回だけして、5個くらいずつ寝台と食器と…食事用の匙とか欲しいな。それで食材と…かはテキトーにシロが召喚回しちゃってよ」
「必要なものはそれだけなの?」
「何が要るかは、みんなに訊かないとわからないな」
画面に映る文字の背面は薄く白光している。何度か瞬きしたけど字がぼやけて見えだした。
「そろそろ寝たいし、任せるよ」
「分かった。『課金召喚【祈】』だね。召喚して」
レベルが58にもなると、あの丁寧な説明はもうしてくれないらしい。
勝手に判断してくれるのは楽だけど、それだと私はなんにも覚えないぞ?
「…ペナルティがあるんだっけ」
自動的に貯蔵幻力を寄付ポイントに変換して、それがまた自動で減算されたのを見つつ、私は白い布の正面に立った。
弱い風が吹き続けて、小さな鈴の音が鳴っている。
召喚にペナルティがある間は、上位の英雄は召喚されにくいと言っていた。
私には一人、呼びたい英雄がいる。けれども、彼女は少なくともスーパーレア以上になるだろう。今、召喚できる確率は低い。
敢えて危険なルートを選ぶ必要も今はないけど、あまりのんびりしている時間もないと思う。
「召喚」
私の言葉に応じて、白い布が捲れる。その向こう側に見える黒い渦は、初めて召喚をした時と同じ光景だ。
光と共に飛んできた11枚のカードは私の手に収まり、私はそれを地面の上に広げた。
「…レアが2枚、ノーマルレアが2枚、ノーマルが7枚…かな」
その全てが、初めて見るカードだった。
前回は初回限定の…無料の召喚だったから、出てくるカードの種類が違うのかもしれない。
「…2人?」
レアのカードもそれぞれ別のカードだったけど、その内の1枚には2人の絵が描かれていた。
【別たれし運命】守護騎士ナギ&歌姫フィレーネ
騎士はその日、歌姫を失った。
今もその魂を追い、守っている。
【カードランク】
シークレットレア
【レベル】
10
【性別】
―
【年齢】
16
【属性】
地/光/聖
【種族】
人間
【所属】
ダルゥザ
【攻撃力】
3000
【防御力】
6000
【回復力】
10000
【通常スキル】
剣/盾
歌唱/光術
【特殊スキル】
糸
「シークレットレアってことは…何だっけ」
「隠された能力を持っているけど、開放にはアイテムが必要だね」
「へぇ…」
歌姫の魂を騎士が護ってるらしいから、歌姫は死んでるのかな。
だから呼び出すのは騎士1人だけで、歌姫は守護霊のような…そういう感じなのかも。
「こっちはただのレアだ」
もう1枚のほうのカードも見てみる。
【鳥籠の王】フェリティック
王として育てられた男。
全てが偽物だと知り、殻に閉じ籠っている。
【カードランク】
レア
【レベル】
5
【性別】
男
【年齢】
48
【属性】
地
【種族】
半人
【所属】
なし
【攻撃力】
10000
【防御力】
1000
【回復力】
1000
【通常スキル】
短剣/格闘
闇術
【特殊スキル】
魔人化
「…どっちも訳ありだなぁ」
「実体化する?」
「歌姫はしたいね。歌が聴きたい」
実体化しても歌姫は出て来ない気もするけど。
「後は…ノーマルレアも別々のカードで…ノーマルは2枚ずつか」
【火の狩人】イギラク
獣を狩って生活する狩人。
火術を得意とする為、何度か森を燃やしている。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
15
【性別】
男
【年齢】
85
【属性】
火
【種族】
耳長
【所属】
なし
【攻撃力】
4000
【防御力】
2000
【回復力】
1000
【通常スキル】
弓
火術
【特殊スキル】
なし
【死鳥】ガリア
白昼堂々と獲物を斃す暗殺者。
上空から飛来する為、死神と呼ばれる事もある。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
10
【性別】
女
【年齢】
19
【属性】
風
【種族】
鳥人
【所属】
寂莫(せきばく)
【攻撃力】
3000
【防御力】
1000
【回復力】
2000
【通常スキル】
短剣
暗殺
風術
【特殊スキル】
なし
「…ん~…?」
2枚ずつあるノーマルのほうは、軽く文章だけ読む。
【貧困街の商人】ロート
金銭的に貧しい人々が集う通りで店を構える商人。
通りに住む人々を雇おうとしている。
【カードランク】
ノーマル
【修道娘】ララ
修道院で身寄りのない子供たちの世話をしている修道女。
未来に希望が持てず悩んでいる。
【カードランク】
ノーマル
「シロ。このカードって全部…何かある感じ?訳ありとか、悩んでるとか、追われてるとか…そういう感じがする」
「寄付ポイントで召喚する『課金召喚【祈】』は、神への祈り、神からの救済を象徴しているんだ。だから召喚する英雄も、救いを求めていたり、誰かを救おうとしていたりする事が多いよ」
「ちょっと重くない?もう少しラクな人生歩んでる人がいいよ」
「課金召喚の種類を変えれば、違う英雄を召喚出来るよ」
とは言うけれど、現時点では寄付ポイントで召喚するしか無いから、他は選べない。
とりあえず、今回召喚したカードの中で、誰を実体化するかだけど…。
この中ではなんか面白そうな火の狩人は、私のレベル不足で実体化できない。
やっぱり守護騎士&歌姫かな。後はいろいろ面倒そうだ。
「実体化は3人でいいんだね?」
「いいよ。ラーデルも出来るならやっておいて。それから…」
守護騎士&歌姫カードを召喚箱に。残りのカードを待機箱に片付け、私は土の上に座った。
心地よい鈴の音が重複して周囲を包み込む感覚が、心地よい。
「ここで、寝ていい?」
「ダメだよ」
白い獣に後ろ襟を銜えられたまま、私は召喚島から拠点の2階に戻って来た。
拠点に移動した瞬間、私は床に倒れ込む。
案内人はいつも通り拠点兼銀球になっているのだろう。机の辺りから声がした。
「1階に4人いるけど、どうするの?」
「…ねる…」
床に突っ伏しながら、私は軽く手を上げる。
でも、意識があったのはそこまでだ。
やけに体が沈み込む、面している部分を包み込むような床の感触を、衝撃緩和材ってこんなに柔らかいんだぁ…と意識のどこかで感じつつ、私は眠りについた。
何となく上に伸びている気がする朱色の円柱の間からぶら下がっている白布も、幾分高い位置から垂れている。
白い獣の姿で現れた案内人は、座った状態でも私と同程度の背丈になっていた。こっちは、かなりの急成長だ。
「貯蔵するってことは…幻獣レベルも成長するんだっけ」
「そうだね。ステータスを出すよ」
案内人の朱色の目が斜め上を見る。その空間に、半透明の長方形が現れた。画面を映すモニターだ。
そこには、単語と数字と記号だけが並んでいた。
【ステータス】
世界ランク:1
レベル:13
幻獣レベル:58
拠点レベル:10
累積幻力:1805500
術力:1050000
幻力:・・・・5
攻撃力:測定無し
防御力:10000
回復力:10000
生命力:21×()5
スキル:なし(取得待ち)
特殊能力:ランク上限突破
術:
宝石硬貨:0パル
星内貨幣:0シェル
寄付点数:500ポイント
ログインポイント:2
通常ポイント:0
貯蔵幻力:120550
【拠点装備】
●防衛装備
対防御装備:レベル10
軽減装備:レベル1
L属性特化機能:レベル1
無効化装備:レベル10(制限下)
L属性特化機能:レベル10(制限下)
L全属性対応機能:レベル10
L無効化回復機能:レベル10
反射装備:レベル1
L吸収切替機能:レベル1
L吸収回復機能:レベル1
●迎撃装備
●移動装備
速度強化装備:レベル10
速度耐久装備:レベル10
瞬発力強化装備:レベル10
衝撃無効装備:レベル1
飛行移動装備:レベル1
水上移動装備:レベル1
水中移動装備:レベル1
潜水装備:レベル1
打上装備:レベル1
星間移動装備:レベル1
航法
「…長い」
長すぎて目がちかちかしてきた。
ごちゃごちゃしてるし測定できてもいないし頼んでもいない装備がくっついてもいるし多分必要だった装備のレベルが上がってない。
案内人に任せたから、装備については別にいいんだけど。
「見るの疲れるからいいや。必要な時だけ教えてよ」
「分かった。ヴィータは何かスキルを取得する?」
「えーと…何だっけ?」
「レベル10になると1つスキルを覚えることが出来るんだよ。昨日、鑑定スキルの話をしていたけど、鑑定スキルにする?」
「そうだね。それで」
応じると、表示されたままのステータス内に、『スキル:鑑定』が加筆された。
「とりあえず…家の内壁が鉄板なのは、人間にとって辛いと思うんだけど、どう思う?」
「拠点の材質を変更する?内壁を3層構造にして一番内側に衝撃緩和材を入れるよ」
「急発進すると中に居る人も物も飛ぶから、ベルトで固定すべきだと思う」
「発信前に固定するよう変更するね」
レベルが58まで成長した案内人は、最終確認をしてこない。
貯蔵幻力の数字がどんどん減っていくのを眺めながら、召喚できるだけのポイントが残るだろうかと思っていたら、獣は私へ視線を送って来た。
「何を召喚するの?」
「ルーリアは5人実体化してたんだよなぁ…。ミッションやクエストするならやっぱり5人くらい必要なんじゃないの」
「内容によるよ」
「少ないよりは多いほうがいいんじゃない?11回の連続召喚を1回だけして、5個くらいずつ寝台と食器と…食事用の匙とか欲しいな。それで食材と…かはテキトーにシロが召喚回しちゃってよ」
「必要なものはそれだけなの?」
「何が要るかは、みんなに訊かないとわからないな」
画面に映る文字の背面は薄く白光している。何度か瞬きしたけど字がぼやけて見えだした。
「そろそろ寝たいし、任せるよ」
「分かった。『課金召喚【祈】』だね。召喚して」
レベルが58にもなると、あの丁寧な説明はもうしてくれないらしい。
勝手に判断してくれるのは楽だけど、それだと私はなんにも覚えないぞ?
「…ペナルティがあるんだっけ」
自動的に貯蔵幻力を寄付ポイントに変換して、それがまた自動で減算されたのを見つつ、私は白い布の正面に立った。
弱い風が吹き続けて、小さな鈴の音が鳴っている。
召喚にペナルティがある間は、上位の英雄は召喚されにくいと言っていた。
私には一人、呼びたい英雄がいる。けれども、彼女は少なくともスーパーレア以上になるだろう。今、召喚できる確率は低い。
敢えて危険なルートを選ぶ必要も今はないけど、あまりのんびりしている時間もないと思う。
「召喚」
私の言葉に応じて、白い布が捲れる。その向こう側に見える黒い渦は、初めて召喚をした時と同じ光景だ。
光と共に飛んできた11枚のカードは私の手に収まり、私はそれを地面の上に広げた。
「…レアが2枚、ノーマルレアが2枚、ノーマルが7枚…かな」
その全てが、初めて見るカードだった。
前回は初回限定の…無料の召喚だったから、出てくるカードの種類が違うのかもしれない。
「…2人?」
レアのカードもそれぞれ別のカードだったけど、その内の1枚には2人の絵が描かれていた。
【別たれし運命】守護騎士ナギ&歌姫フィレーネ
騎士はその日、歌姫を失った。
今もその魂を追い、守っている。
【カードランク】
シークレットレア
【レベル】
10
【性別】
―
【年齢】
16
【属性】
地/光/聖
【種族】
人間
【所属】
ダルゥザ
【攻撃力】
3000
【防御力】
6000
【回復力】
10000
【通常スキル】
剣/盾
歌唱/光術
【特殊スキル】
糸
「シークレットレアってことは…何だっけ」
「隠された能力を持っているけど、開放にはアイテムが必要だね」
「へぇ…」
歌姫の魂を騎士が護ってるらしいから、歌姫は死んでるのかな。
だから呼び出すのは騎士1人だけで、歌姫は守護霊のような…そういう感じなのかも。
「こっちはただのレアだ」
もう1枚のほうのカードも見てみる。
【鳥籠の王】フェリティック
王として育てられた男。
全てが偽物だと知り、殻に閉じ籠っている。
【カードランク】
レア
【レベル】
5
【性別】
男
【年齢】
48
【属性】
地
【種族】
半人
【所属】
なし
【攻撃力】
10000
【防御力】
1000
【回復力】
1000
【通常スキル】
短剣/格闘
闇術
【特殊スキル】
魔人化
「…どっちも訳ありだなぁ」
「実体化する?」
「歌姫はしたいね。歌が聴きたい」
実体化しても歌姫は出て来ない気もするけど。
「後は…ノーマルレアも別々のカードで…ノーマルは2枚ずつか」
【火の狩人】イギラク
獣を狩って生活する狩人。
火術を得意とする為、何度か森を燃やしている。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
15
【性別】
男
【年齢】
85
【属性】
火
【種族】
耳長
【所属】
なし
【攻撃力】
4000
【防御力】
2000
【回復力】
1000
【通常スキル】
弓
火術
【特殊スキル】
なし
【死鳥】ガリア
白昼堂々と獲物を斃す暗殺者。
上空から飛来する為、死神と呼ばれる事もある。
【カードランク】
ノーマルレア
【レベル】
10
【性別】
女
【年齢】
19
【属性】
風
【種族】
鳥人
【所属】
寂莫(せきばく)
【攻撃力】
3000
【防御力】
1000
【回復力】
2000
【通常スキル】
短剣
暗殺
風術
【特殊スキル】
なし
「…ん~…?」
2枚ずつあるノーマルのほうは、軽く文章だけ読む。
【貧困街の商人】ロート
金銭的に貧しい人々が集う通りで店を構える商人。
通りに住む人々を雇おうとしている。
【カードランク】
ノーマル
【修道娘】ララ
修道院で身寄りのない子供たちの世話をしている修道女。
未来に希望が持てず悩んでいる。
【カードランク】
ノーマル
「シロ。このカードって全部…何かある感じ?訳ありとか、悩んでるとか、追われてるとか…そういう感じがする」
「寄付ポイントで召喚する『課金召喚【祈】』は、神への祈り、神からの救済を象徴しているんだ。だから召喚する英雄も、救いを求めていたり、誰かを救おうとしていたりする事が多いよ」
「ちょっと重くない?もう少しラクな人生歩んでる人がいいよ」
「課金召喚の種類を変えれば、違う英雄を召喚出来るよ」
とは言うけれど、現時点では寄付ポイントで召喚するしか無いから、他は選べない。
とりあえず、今回召喚したカードの中で、誰を実体化するかだけど…。
この中ではなんか面白そうな火の狩人は、私のレベル不足で実体化できない。
やっぱり守護騎士&歌姫かな。後はいろいろ面倒そうだ。
「実体化は3人でいいんだね?」
「いいよ。ラーデルも出来るならやっておいて。それから…」
守護騎士&歌姫カードを召喚箱に。残りのカードを待機箱に片付け、私は土の上に座った。
心地よい鈴の音が重複して周囲を包み込む感覚が、心地よい。
「ここで、寝ていい?」
「ダメだよ」
白い獣に後ろ襟を銜えられたまま、私は召喚島から拠点の2階に戻って来た。
拠点に移動した瞬間、私は床に倒れ込む。
案内人はいつも通り拠点兼銀球になっているのだろう。机の辺りから声がした。
「1階に4人いるけど、どうするの?」
「…ねる…」
床に突っ伏しながら、私は軽く手を上げる。
でも、意識があったのはそこまでだ。
やけに体が沈み込む、面している部分を包み込むような床の感触を、衝撃緩和材ってこんなに柔らかいんだぁ…と意識のどこかで感じつつ、私は眠りについた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
『自重』を忘れた者は色々な異世界で無双するそうです。
もみクロ
ファンタジー
主人公はチートです!イケメンです!
そんなイケメンの主人公が竜神王になって7帝竜と呼ばれる竜達や、
精霊に妖精と楽しくしたり、テンプレ入れたりと色々です!
更新は不定期(笑)です!戦闘シーンは苦手ですが頑張ります!
主人公の種族が変わったもしります。
他の方の作品をパクったり真似したり等はしていないので
そういう事に関する批判は感想に書かないで下さい。
面白さや文章の良さに等について気になる方は
第3幕『世界軍事教育高等学校』から読んでください。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める
シロ
ファンタジー
神の都合により異世界へ転生する事になったエノク。『スキルコレクター』というスキルでスキルは楽々獲得できレベルもマックスに。『解析眼』により相手のスキルもコピーできる。
メニューも徐々に開放されていき、できる事も増えていく。
しかし転生させた神への謎が深まっていき……?どういった結末を迎えるのかは、誰もわからない。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる