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同級生と
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俺は少しずつ階段を登る。
声が掠れ、
成長痛が起こり、
様々な性徴を迎えた。
一つ上の段階の義務教育の始まり。
僕だけじゃなく、
周りの環境や、
匂いが変化し、
覚醒が起こる。
先輩後輩の関係性、
男と女の関係性、
親と子の関係性、
身体的なものと比例して、
気付きもまた増幅した。
俺は未だ色白で華奢。
理想の俺に近づくべく、
体育会系の部活に励んでいた。
一向に理想に近づかない俺に比べ、
僕は理解し始めていた。
あの時怖かった変化も、
機能も、
全て理解していた。
僕は俺に求めるものを、
次第に相手へと対象を変えた時だった。
部活の仲間。
ペアを組んだユウイチ。
僕の最初の人。
浅黒い肌の健康的な見た目、
スキンシップがちょっと多い、
おしゃべりな奴。
俺と正反対だ。
ユウイチとのストレッチや練習、
他愛もないじゃれあい、
僕は内心ドキドキしてた。
僕からは決して踏み出せない、
間違いが起きてくれないか、
タイミングを測っていた。
夏休みの部活後、
誰もいない教室で、
2人で着替えをしていた時だった。
まじまじと、
ユウイチの体を、
見たのは初めてだったかもしれない。
出来るだけ見ないように、
最初はしてた。
褐色の肌に汗が浮き、
絶妙な光沢を放つ。
お互いに汗を拭きあったり、
クールダウンのストレッチをしていると、
「なあ、毎日やってるか?」
「ん?」
「シコってるか?」
「ま、まぁな」
「どうやってやってる?」
「こうやってさ」
身振りで答えた。
「気持ちいいか?」
「そりゃそうだろ」
「アレは自分でやるより、もっと気持ちいいらしいぞ」
「そうだろうな」
素気なく、
無関心なフリをした。
すると、
祐一は後ろから抱きつき、
俺の首筋にキスをした。
「気持ちよくなりたくないか?」
「…」
「俺がいつもやってるやり方、教えてやろっか」
「みんな、同じだろ?」
僕は必死に抑えていた。
「違うよ」
ユウイチは優しく俺のモノを握ってきた。
もう、
声なんて出せずにいた。
力の入れ方、
動かし方、
別世界だった。
思わず漏れそうな声を堪え、
俺はひたすら身を委ねた。
あっという間だった。
ユウイチの手の中で、
俺は初めてを迎えた。
「ずるいぞ!俺も」
導かれるままに、
体勢を入れ替え、
俺も同じように、
俺のやり方で挑む。
ユウイチもあっという間だった。
「やっぱり自分でやるのとは全然違うな」
「おぅ、だな」
何事もなかったようないつもの2人に戻っていた。
それから僕は、
何故なのかを考えてしまった。
多感な時期の過ち?
僕と同じ感覚?
それ以上の行為は、
まだユウイチも知らなかったはず。
僕の夢もまだその程度だった。
声が掠れ、
成長痛が起こり、
様々な性徴を迎えた。
一つ上の段階の義務教育の始まり。
僕だけじゃなく、
周りの環境や、
匂いが変化し、
覚醒が起こる。
先輩後輩の関係性、
男と女の関係性、
親と子の関係性、
身体的なものと比例して、
気付きもまた増幅した。
俺は未だ色白で華奢。
理想の俺に近づくべく、
体育会系の部活に励んでいた。
一向に理想に近づかない俺に比べ、
僕は理解し始めていた。
あの時怖かった変化も、
機能も、
全て理解していた。
僕は俺に求めるものを、
次第に相手へと対象を変えた時だった。
部活の仲間。
ペアを組んだユウイチ。
僕の最初の人。
浅黒い肌の健康的な見た目、
スキンシップがちょっと多い、
おしゃべりな奴。
俺と正反対だ。
ユウイチとのストレッチや練習、
他愛もないじゃれあい、
僕は内心ドキドキしてた。
僕からは決して踏み出せない、
間違いが起きてくれないか、
タイミングを測っていた。
夏休みの部活後、
誰もいない教室で、
2人で着替えをしていた時だった。
まじまじと、
ユウイチの体を、
見たのは初めてだったかもしれない。
出来るだけ見ないように、
最初はしてた。
褐色の肌に汗が浮き、
絶妙な光沢を放つ。
お互いに汗を拭きあったり、
クールダウンのストレッチをしていると、
「なあ、毎日やってるか?」
「ん?」
「シコってるか?」
「ま、まぁな」
「どうやってやってる?」
「こうやってさ」
身振りで答えた。
「気持ちいいか?」
「そりゃそうだろ」
「アレは自分でやるより、もっと気持ちいいらしいぞ」
「そうだろうな」
素気なく、
無関心なフリをした。
すると、
祐一は後ろから抱きつき、
俺の首筋にキスをした。
「気持ちよくなりたくないか?」
「…」
「俺がいつもやってるやり方、教えてやろっか」
「みんな、同じだろ?」
僕は必死に抑えていた。
「違うよ」
ユウイチは優しく俺のモノを握ってきた。
もう、
声なんて出せずにいた。
力の入れ方、
動かし方、
別世界だった。
思わず漏れそうな声を堪え、
俺はひたすら身を委ねた。
あっという間だった。
ユウイチの手の中で、
俺は初めてを迎えた。
「ずるいぞ!俺も」
導かれるままに、
体勢を入れ替え、
俺も同じように、
俺のやり方で挑む。
ユウイチもあっという間だった。
「やっぱり自分でやるのとは全然違うな」
「おぅ、だな」
何事もなかったようないつもの2人に戻っていた。
それから僕は、
何故なのかを考えてしまった。
多感な時期の過ち?
僕と同じ感覚?
それ以上の行為は、
まだユウイチも知らなかったはず。
僕の夢もまだその程度だった。
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