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前編
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私はごく普通の村に住みごく普通の少女だった。
ほんの少しだけ人と違うところがあるとすれば精霊使いの才能があるということ。
でも同じ村には私なんか比べ物にならないくらいの<<特別>>がいた。
リリス・フラン
彼女は私より5歳年下の精霊の愛し子。
リリスが誕生した時にフラン家に炎の精霊王フレイムが降臨し愛し子であることを告げたという。
リリスの周りには常に精霊がいた。
愛し子なのだから当たり前だ。
素質のない人間には光の玉が集まっているようにしか見えなかったが、それでも神々しさはすさまじかった。
対して私の隣には花の精霊が一人いるだけだった。
「ミミカが大好きだから一緒にいるんだよ!」
花の精霊のカスミにそういわれてどれほどうれしかっただろう。
精霊も村人も愛し子のリリスに夢中で下手に力を持ってしまった私は息苦しかった。
本当は精霊術師になりたい。
一度だけ両親にそのことを告げたらこういわれた。
「リリスちゃんがうらやましいからって嘘をついちゃいけないよ」
精霊術師とは国家試験をパスしたものが名乗ることが出来る専門職の名称である。
そして資格がないが才能があるものは区別のために精霊使いと呼称される。
そのため精霊使いの才能があるものが精霊術師を目指すのは別に不自然ではない。
でも愛し子がいるこの村ではリリス以外に精霊と心通わせることが出来るものがいることなど忘れてしまっていた。
精霊使いの才能があるものは数十人に1人か2人と言われ1つの村に複数人の才能持ちがいる可能性は普通にあるというのに。
大きな光に目を奪われ、小さな光は無いものとして扱われる。それがこの村の現状だった。
両親に精霊術師になりたいということを告げてから数日後、精霊王フレイムからなぜかメッセージが来た。
「愛し子に憧れるくらいなら良いが貶めるような真似をするなら容赦なく消す。これは善意の忠告だ。身の程をわきまえよ何も持たぬ娘よ」
両親が告げ口したのだろうか?
そして伝聞だけでこのメッセージを送ってきた?
そうでなければ精霊王ともあろうものが精霊使いの才能があるものを何も持たぬ娘などと表現するとは思えない。
逆に言えばよくも知りもしない人間に伝聞だけで容赦なく消すなどというメッセージを送ってきたともいえる。
強い力を持つ理不尽な精霊王に私は怖くなった。
それからだんだんと私は村から孤立していった。
両親が告げたことがいつの間にか広がったのだろうか?
噂は誇張され17歳になったときには私は愛し子を妬む嘘つきと呼ばれるようになっていた。
逃げよう。
自分を嘘つきと決めつける両親や村人たちと精霊王から。
私は出稼ぎとして隣国に行くことにした。
元々出稼ぎの話はあったのでスムーズにいくことが出来た。
ただ普通の出稼ぎと違うのはもう村に帰ることが無いと言うだけ。
ほんの少しだけ人と違うところがあるとすれば精霊使いの才能があるということ。
でも同じ村には私なんか比べ物にならないくらいの<<特別>>がいた。
リリス・フラン
彼女は私より5歳年下の精霊の愛し子。
リリスが誕生した時にフラン家に炎の精霊王フレイムが降臨し愛し子であることを告げたという。
リリスの周りには常に精霊がいた。
愛し子なのだから当たり前だ。
素質のない人間には光の玉が集まっているようにしか見えなかったが、それでも神々しさはすさまじかった。
対して私の隣には花の精霊が一人いるだけだった。
「ミミカが大好きだから一緒にいるんだよ!」
花の精霊のカスミにそういわれてどれほどうれしかっただろう。
精霊も村人も愛し子のリリスに夢中で下手に力を持ってしまった私は息苦しかった。
本当は精霊術師になりたい。
一度だけ両親にそのことを告げたらこういわれた。
「リリスちゃんがうらやましいからって嘘をついちゃいけないよ」
精霊術師とは国家試験をパスしたものが名乗ることが出来る専門職の名称である。
そして資格がないが才能があるものは区別のために精霊使いと呼称される。
そのため精霊使いの才能があるものが精霊術師を目指すのは別に不自然ではない。
でも愛し子がいるこの村ではリリス以外に精霊と心通わせることが出来るものがいることなど忘れてしまっていた。
精霊使いの才能があるものは数十人に1人か2人と言われ1つの村に複数人の才能持ちがいる可能性は普通にあるというのに。
大きな光に目を奪われ、小さな光は無いものとして扱われる。それがこの村の現状だった。
両親に精霊術師になりたいということを告げてから数日後、精霊王フレイムからなぜかメッセージが来た。
「愛し子に憧れるくらいなら良いが貶めるような真似をするなら容赦なく消す。これは善意の忠告だ。身の程をわきまえよ何も持たぬ娘よ」
両親が告げ口したのだろうか?
そして伝聞だけでこのメッセージを送ってきた?
そうでなければ精霊王ともあろうものが精霊使いの才能があるものを何も持たぬ娘などと表現するとは思えない。
逆に言えばよくも知りもしない人間に伝聞だけで容赦なく消すなどというメッセージを送ってきたともいえる。
強い力を持つ理不尽な精霊王に私は怖くなった。
それからだんだんと私は村から孤立していった。
両親が告げたことがいつの間にか広がったのだろうか?
噂は誇張され17歳になったときには私は愛し子を妬む嘘つきと呼ばれるようになっていた。
逃げよう。
自分を嘘つきと決めつける両親や村人たちと精霊王から。
私は出稼ぎとして隣国に行くことにした。
元々出稼ぎの話はあったのでスムーズにいくことが出来た。
ただ普通の出稼ぎと違うのはもう村に帰ることが無いと言うだけ。
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