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終章・魔王大戦
65 前のその後
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あ、これは前の時の<その後>だ。
ディートは前の時でイザベラとイリスがどうなったかは知らなかった。
彼が知っているのは取り調べのために長時間取り調べを受けたこととかなり重い刑罰が下されたこと。
「どうしますお姉さま。明日には処刑されてしまいますわ!」
「今夜中に逃げてしまってもいいけれど…それでは腹の虫がおさまらないわ!」
「…なら処刑を受けるふりをして聖女を殺してしまおう」
話し合う彼女たちのまえに現れたのは魔族ヴァーンズだった。
ディートは目を大きく見開いた。
「ヴァーンズ!」
大きな声を出してしまい慌てて手で口をふさぐが、イザベラ達は気が付いた様子はない。
「もしかして今の僕は幽霊みたいな状態ってことかな?」
よくよく考えればこれは神器の試練なのだから現実では無いのは当然だった。
自身の状態を理解したディートは堂々と彼女たちのそばに向かった。
「処刑には国王や王子、そして憎き聖女が来るのね?」
「ああ、そして人というものは目的が達成されると確定した瞬間に気が抜ける」
「じゃあお姉さまか私に刃が振り下ろされる瞬間が一番のチャンスなのね!」
「そのとおりだ。2人にはできるだけ彼らの注目を集めてほしい。隙が出来た瞬間に我らがすべてを終わらせる」
「頼んだわ」
彼女たちの会話を聞いたディートはシェリィ達に知らせようと足を上げたが、すぐにこれが現実ではないことに行き当たり足を止めた。
「そうだった。僕は試練でその後を見てるだけだったんだ…」
次の瞬間場面が切り替わる。
「…隙が出来た瞬間にオレが時を止めて、お前が聖女たちを殺すってことでいいのか?」
グロリアは確認のためにヴァーンズに聞き返した。
どうやら彼女たちの会話の後その場にいなかったグロリアにヴァーンズが作戦を伝えているようだった。
「ああ、その通りだ」
「だがよ。本当に大丈夫なのか?聖女がいるんだろ?オレの時止めなんざすぐ破られるぜ」
「問題ない」
「お前がいうならまあ大丈夫…か…」
グロリアは歯切れが悪くそういうと去っていった。
また場面が切り替わる。
処刑当日手足を縛られ、処刑台に座らされているジュディ達だ。
みっともなく騒ぐその姿に処刑を見に来た民衆たちは嫌悪感をあらわにしている。
彼女たちのそれが演技であることを彼らは知らない。
そして時間になり処刑人の刃がジュディの入ったイザベラの身体に振り下ろされる。
ディートは前の時でイザベラとイリスがどうなったかは知らなかった。
彼が知っているのは取り調べのために長時間取り調べを受けたこととかなり重い刑罰が下されたこと。
「どうしますお姉さま。明日には処刑されてしまいますわ!」
「今夜中に逃げてしまってもいいけれど…それでは腹の虫がおさまらないわ!」
「…なら処刑を受けるふりをして聖女を殺してしまおう」
話し合う彼女たちのまえに現れたのは魔族ヴァーンズだった。
ディートは目を大きく見開いた。
「ヴァーンズ!」
大きな声を出してしまい慌てて手で口をふさぐが、イザベラ達は気が付いた様子はない。
「もしかして今の僕は幽霊みたいな状態ってことかな?」
よくよく考えればこれは神器の試練なのだから現実では無いのは当然だった。
自身の状態を理解したディートは堂々と彼女たちのそばに向かった。
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「ああ、そして人というものは目的が達成されると確定した瞬間に気が抜ける」
「じゃあお姉さまか私に刃が振り下ろされる瞬間が一番のチャンスなのね!」
「そのとおりだ。2人にはできるだけ彼らの注目を集めてほしい。隙が出来た瞬間に我らがすべてを終わらせる」
「頼んだわ」
彼女たちの会話を聞いたディートはシェリィ達に知らせようと足を上げたが、すぐにこれが現実ではないことに行き当たり足を止めた。
「そうだった。僕は試練でその後を見てるだけだったんだ…」
次の瞬間場面が切り替わる。
「…隙が出来た瞬間にオレが時を止めて、お前が聖女たちを殺すってことでいいのか?」
グロリアは確認のためにヴァーンズに聞き返した。
どうやら彼女たちの会話の後その場にいなかったグロリアにヴァーンズが作戦を伝えているようだった。
「ああ、その通りだ」
「だがよ。本当に大丈夫なのか?聖女がいるんだろ?オレの時止めなんざすぐ破られるぜ」
「問題ない」
「お前がいうならまあ大丈夫…か…」
グロリアは歯切れが悪くそういうと去っていった。
また場面が切り替わる。
処刑当日手足を縛られ、処刑台に座らされているジュディ達だ。
みっともなく騒ぐその姿に処刑を見に来た民衆たちは嫌悪感をあらわにしている。
彼女たちのそれが演技であることを彼らは知らない。
そして時間になり処刑人の刃がジュディの入ったイザベラの身体に振り下ろされる。
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