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終章・魔王大戦
55 遺跡都市・ブレイ
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レイヴンを隊長とした神器捜索隊のメンバーはディート、シェリィ、イリス、ジャン、ルーベルトと若手のみになってしまった。
本来ならベテランを中心としたチームになるはずだったのだが、いくつかの偶然がかさなりこのメンバーで行くことになってしまったのだ。
「(…なんか作為的な何かを感じて不穏だな~)」
隊長として神器の発見と子供たちの命を守るという責任も相まってレイヴンは不安を抱えていた。
だが、そんなレイヴンの気持ちを知らないディートたちは憧れの遺跡都市に行けることを楽しみにしてる。
そこはスカイピオ王国南東に位置する小規模な都市で名を「ブレイ」といった。
通称遺跡都市と呼ばれるその街は観光名所として知らない物は居ないと言われるほど有名である。
都市の建物のほとんどが千年以上前に栄えた都市の建物を再利用しており、街に入るだけでもタイムスリップしたような気分を味わえる。
また、都市の周りにもいくつかの遺跡が存在し、現在も発掘調査が進められている。
この都市の歴史は意外と浅く、50年前まではどこの国にも属さない無干渉地帯と呼ばれる場所であった。
無干渉地帯とは人が住むには適さない土地で魔物たちが闊歩する危険地帯…当時はそう思われていた場所である。
50年前、魔物対策のために周辺諸国で分割管理されることが決まり、スカイピオ王国やソラリヤ王国を含む5か国で分割統治と管理を行うようになり、各国で大規模な調査が行われた。
すると無干渉地帯全域で数多くの遺跡や農業等に適した豊かな土地が発見され、それまでの常識が覆ってしまったのだ。
無干渉地帯開発で周辺国は豊かになったのだが、その中で特に遺跡が多かったスカイピオ領では遺跡の調査と同時に有効利用として都市化が行われたことがブレイの始まりなのである。
「あくまで一説ではあるけど、伝説の勇者が最後にたどり着いた街がブレイじゃないかっていわれてるんだよね」
「そうだ。そこから勇者にあやかってブレイと名付けられたのだが…まあ安直ではあるな」
パンフレットを読みながら話すジャンにこたえるルーベルト。
いつの間にか仲良くなっていた二人はため口で話すようになっている。
また二人だけではなくみんなでパンフレットを読みながらわいわいと宿屋を目指している。
「王子様に観光案内させてるみたいな感じでなんか悪いな~」
「気にしなくていいぞ!隊長よ!ブレイの観光開発は一応俺もかかわりがあるからな!この国の王子として魅力を伝えるのは当然よ!」
胸を張ってこたえるルーベルト。
志などは立派に王族なのだが、雰囲気がどうしてもそこらの気のいい兄ちゃんという感じである。
そんなこんなで楽しく歩く一行を静かに見つめる瞳がある。
だが、その視線には一切の悪意はなくむしろ慈愛のような優しさが含まれていた。
「…彼女を救おうとしてくれたあなたたちであれば…」
瞳の持ち主が発した言葉は風に紛れて誰の耳にも届きはしない。
ディートたちは遺跡都市ブレイで随一と言われるホテルを拠点としている。
単純に王族や貴族の子息令嬢がいるからというのもあるが、設備が最新であるため王都ととの連絡や拠点に必要なものをそろえやすいという利点があったからである。
予定では到着日である今日と明日はブレイの街について知り、慣れるための準備期間とし本格的な捜索は明後日からとなっている。
その日はホテルに向かいながら軽く観光し、食事をとった後はそれぞれ体を休めるために早めに就寝することになった。
本来ならベテランを中心としたチームになるはずだったのだが、いくつかの偶然がかさなりこのメンバーで行くことになってしまったのだ。
「(…なんか作為的な何かを感じて不穏だな~)」
隊長として神器の発見と子供たちの命を守るという責任も相まってレイヴンは不安を抱えていた。
だが、そんなレイヴンの気持ちを知らないディートたちは憧れの遺跡都市に行けることを楽しみにしてる。
そこはスカイピオ王国南東に位置する小規模な都市で名を「ブレイ」といった。
通称遺跡都市と呼ばれるその街は観光名所として知らない物は居ないと言われるほど有名である。
都市の建物のほとんどが千年以上前に栄えた都市の建物を再利用しており、街に入るだけでもタイムスリップしたような気分を味わえる。
また、都市の周りにもいくつかの遺跡が存在し、現在も発掘調査が進められている。
この都市の歴史は意外と浅く、50年前まではどこの国にも属さない無干渉地帯と呼ばれる場所であった。
無干渉地帯とは人が住むには適さない土地で魔物たちが闊歩する危険地帯…当時はそう思われていた場所である。
50年前、魔物対策のために周辺諸国で分割管理されることが決まり、スカイピオ王国やソラリヤ王国を含む5か国で分割統治と管理を行うようになり、各国で大規模な調査が行われた。
すると無干渉地帯全域で数多くの遺跡や農業等に適した豊かな土地が発見され、それまでの常識が覆ってしまったのだ。
無干渉地帯開発で周辺国は豊かになったのだが、その中で特に遺跡が多かったスカイピオ領では遺跡の調査と同時に有効利用として都市化が行われたことがブレイの始まりなのである。
「あくまで一説ではあるけど、伝説の勇者が最後にたどり着いた街がブレイじゃないかっていわれてるんだよね」
「そうだ。そこから勇者にあやかってブレイと名付けられたのだが…まあ安直ではあるな」
パンフレットを読みながら話すジャンにこたえるルーベルト。
いつの間にか仲良くなっていた二人はため口で話すようになっている。
また二人だけではなくみんなでパンフレットを読みながらわいわいと宿屋を目指している。
「王子様に観光案内させてるみたいな感じでなんか悪いな~」
「気にしなくていいぞ!隊長よ!ブレイの観光開発は一応俺もかかわりがあるからな!この国の王子として魅力を伝えるのは当然よ!」
胸を張ってこたえるルーベルト。
志などは立派に王族なのだが、雰囲気がどうしてもそこらの気のいい兄ちゃんという感じである。
そんなこんなで楽しく歩く一行を静かに見つめる瞳がある。
だが、その視線には一切の悪意はなくむしろ慈愛のような優しさが含まれていた。
「…彼女を救おうとしてくれたあなたたちであれば…」
瞳の持ち主が発した言葉は風に紛れて誰の耳にも届きはしない。
ディートたちは遺跡都市ブレイで随一と言われるホテルを拠点としている。
単純に王族や貴族の子息令嬢がいるからというのもあるが、設備が最新であるため王都ととの連絡や拠点に必要なものをそろえやすいという利点があったからである。
予定では到着日である今日と明日はブレイの街について知り、慣れるための準備期間とし本格的な捜索は明後日からとなっている。
その日はホテルに向かいながら軽く観光し、食事をとった後はそれぞれ体を休めるために早めに就寝することになった。
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