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婚約破棄編
19 3年
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「…なぜ私の活躍が無いのだ…」
聖獣の巫女アルマリアは室内でだらけながら口にした。
「活躍って何のことさ~?君ちょくちょく悪いやつとかぶちのめしてるじゃん」
「そうだが、それらは子悪党だったり禁術使いのブラフだったりで大したことはなかっただろう?私は禁術使いや魔族と派手にどんぱちやりたいのだ!」
初陣からすでに3年の月日がたっていた。
あの戦いの後も禁術使いたちが関わっているとみられた事件はいくつも起こり、その都度解決してきた。
その為ディートたち4人はすでに一人前と言える腕前になっており、戦力的には十分と言える状態だ。
だが禁術使いたちや魔族につながる手がかりは全くつかめず進展はなかった。
「旦那様、お手紙です」
「誰からかな~どれどれ…お、アレクシスからジャン~正式派遣が決定か~よかった~」
アルマのために3年前に雇ったメイドが手紙を渡してきた。
彼女はそのまま静かに退出していく、ルナライズ家から紹介された一流のメイドであるためその動きは洗練されてる。
大聖人アレクシスは大聖女シャーリィを手放さざる得なかったソラリヤ王国のために一時的に派遣されてきていた。
そのため、シャーリィの抜けた穴を埋められるだけの人材の育成がすんだので一度本拠地であるヴァンディア帝国に戻っていたのだ。
それがこの度禁術使い討伐のために再び派遣することが決定したのだった。とはいっても実際は彼自身が魔族との決着を強く望み皇帝に直談判した結果なのだが。
「そういえばレイヴンよ。今日はシェリィ達は来るのか?」
「ん?い~や、確か今日は進級式だから修行はお休みのはずだよ~シェリィちゃんやジャンくんが中等部1年でディートくんが高等部2年でイリスちゃんが高等部3年になったんだっけ?」
修行や戦いをしながらの勉学は大変であったが4人とも無事に進級できていた。
特にジャンはあれから魔法剣士としての才能に目覚めたのをきっかけに、中等部では魔法騎士科に変更したという。
本来は子爵家の跡取りで商会のための勉強をしなければいけないはずなのだが、そういったものは家での教育で十分らしく元々学園で学ぶものは無かったのだとか。
むしろ大切なものを守るために力が必要だと剣をふるう彼に家族が学科の変更を促したのだ。
「そういえばさ~僕一つだけ気になってることあるんだよね~」
「気になること?」
「フィリアちゃんの事件の時と同じくらいに合った中等部での事件~あれだけなんかずーっと引っ掛かってるんだよね~」
レイヴンのこの引っ掛かりがのちに奴らに近づく大きな手掛かりになることをまだ誰も知らない。
聖獣の巫女アルマリアは室内でだらけながら口にした。
「活躍って何のことさ~?君ちょくちょく悪いやつとかぶちのめしてるじゃん」
「そうだが、それらは子悪党だったり禁術使いのブラフだったりで大したことはなかっただろう?私は禁術使いや魔族と派手にどんぱちやりたいのだ!」
初陣からすでに3年の月日がたっていた。
あの戦いの後も禁術使いたちが関わっているとみられた事件はいくつも起こり、その都度解決してきた。
その為ディートたち4人はすでに一人前と言える腕前になっており、戦力的には十分と言える状態だ。
だが禁術使いたちや魔族につながる手がかりは全くつかめず進展はなかった。
「旦那様、お手紙です」
「誰からかな~どれどれ…お、アレクシスからジャン~正式派遣が決定か~よかった~」
アルマのために3年前に雇ったメイドが手紙を渡してきた。
彼女はそのまま静かに退出していく、ルナライズ家から紹介された一流のメイドであるためその動きは洗練されてる。
大聖人アレクシスは大聖女シャーリィを手放さざる得なかったソラリヤ王国のために一時的に派遣されてきていた。
そのため、シャーリィの抜けた穴を埋められるだけの人材の育成がすんだので一度本拠地であるヴァンディア帝国に戻っていたのだ。
それがこの度禁術使い討伐のために再び派遣することが決定したのだった。とはいっても実際は彼自身が魔族との決着を強く望み皇帝に直談判した結果なのだが。
「そういえばレイヴンよ。今日はシェリィ達は来るのか?」
「ん?い~や、確か今日は進級式だから修行はお休みのはずだよ~シェリィちゃんやジャンくんが中等部1年でディートくんが高等部2年でイリスちゃんが高等部3年になったんだっけ?」
修行や戦いをしながらの勉学は大変であったが4人とも無事に進級できていた。
特にジャンはあれから魔法剣士としての才能に目覚めたのをきっかけに、中等部では魔法騎士科に変更したという。
本来は子爵家の跡取りで商会のための勉強をしなければいけないはずなのだが、そういったものは家での教育で十分らしく元々学園で学ぶものは無かったのだとか。
むしろ大切なものを守るために力が必要だと剣をふるう彼に家族が学科の変更を促したのだ。
「そういえばさ~僕一つだけ気になってることあるんだよね~」
「気になること?」
「フィリアちゃんの事件の時と同じくらいに合った中等部での事件~あれだけなんかずーっと引っ掛かってるんだよね~」
レイヴンのこの引っ掛かりがのちに奴らに近づく大きな手掛かりになることをまだ誰も知らない。
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