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学園編
25 事件
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シェリィたちが所属する小等部が何事もなく過ごした日、中等部ではある事件が起きていた。
「なんだこれは」
「ひどい」
「いじめか?」
「…男爵令嬢が…平民の…婚約」
中等部専用の中庭の噴水に教科書などが捨てられていたのだ。
捨てられていた教科書の持ち主は平民の女子生徒で、男爵令嬢から婚約者に近づくなと日ごろから言われていたらしい。
だが、平民の生徒は特別近づいたわけでは無かったため男爵令嬢の嫉妬だと周囲は思っていた。
「はーい!みんなもうすぐ授業の始まる時間です!教室に戻りましょう!」
中等部1年生担任キュリア・バージルは野次馬になっている生徒たちを教室に戻るように呼び掛けた。
とは言っても事件を起こしたのが彼女のクラスの生徒であったため、キュリア自身は事情聴取のため午後の授業では不在となる。
「フレンシア先生、彼女の様子は?」
キュリアは養護教諭のミーシャ・フレンシアに男爵令嬢の状態を訪ねた。
噴水事件後、平民の生徒と言い争いをしていた彼女はキュリア達教師陣が到着した瞬間に気を失ったのだった。
「詳しいことはなにも…ただ、精神的にひどく疲れているみたいだわ。何かよほどのストレスがあったのかもしれないわね」
ここ最近の男爵令嬢の様子はかなりひどく生徒たちからの苦情も相次いでいた。
「入学当初は特に何もなかったし、今回のいじめも嫉妬ではなく過度のストレスが原因だったのかもしれないわね。ご両親には休学を進めておくわ」
「私もその方がいいと思う。あと被害に遭った子も少し休息が必要だと思うわ」
「わかった。フレンシア先生がいうなら彼女にも1週間くらいの休息を進めてみるわね」
その後キュリアは平民の少女とも面談した。
被害者にも関わらず男爵令嬢のことをひどく心配していた。
「あの人は本当は優しい人なんです。どうかひどい処罰だけはやめてください!」
「大丈夫よ。彼女は少し休学するだけでそれ以外に処罰はされないことになったわ」
「本当ですか!良かった!」
「ええ、でもけじめとして使い物にならなくされたあなたの教科書などの弁償や慰謝料は彼女の家から払われることになったからちゃんと受け取るのよ?」
「…弁償はともかく慰謝料はべつに…」
「それはダメよ。慰謝料を受けとらないってことは謝罪を受け取らないってことと同義に取られるから、彼女の家が悪くみられるわ」
「そうなんですか!?わかりました。なんだか心苦しいですが言われた通りにします」
キュリアの助言通り平民の生徒が弁償と慰謝料を受け入れたことにより、事件は終息する。
数日後には何もなかったかのようにこの事件は鎮静化するが、その背景にはキュリア・バージルの活躍があったという。
新人でありながら事件を終息させたその腕前はほかの教師たちからもかなり評価されたのだった。
「実験自体は成功したけれど…すこしやりすぎたわね。次からは気を付けないと」
「なんだこれは」
「ひどい」
「いじめか?」
「…男爵令嬢が…平民の…婚約」
中等部専用の中庭の噴水に教科書などが捨てられていたのだ。
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だが、平民の生徒は特別近づいたわけでは無かったため男爵令嬢の嫉妬だと周囲は思っていた。
「はーい!みんなもうすぐ授業の始まる時間です!教室に戻りましょう!」
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とは言っても事件を起こしたのが彼女のクラスの生徒であったため、キュリア自身は事情聴取のため午後の授業では不在となる。
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キュリアは養護教諭のミーシャ・フレンシアに男爵令嬢の状態を訪ねた。
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「入学当初は特に何もなかったし、今回のいじめも嫉妬ではなく過度のストレスが原因だったのかもしれないわね。ご両親には休学を進めておくわ」
「私もその方がいいと思う。あと被害に遭った子も少し休息が必要だと思うわ」
「わかった。フレンシア先生がいうなら彼女にも1週間くらいの休息を進めてみるわね」
その後キュリアは平民の少女とも面談した。
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「あの人は本当は優しい人なんです。どうかひどい処罰だけはやめてください!」
「大丈夫よ。彼女は少し休学するだけでそれ以外に処罰はされないことになったわ」
「本当ですか!良かった!」
「ええ、でもけじめとして使い物にならなくされたあなたの教科書などの弁償や慰謝料は彼女の家から払われることになったからちゃんと受け取るのよ?」
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「それはダメよ。慰謝料を受けとらないってことは謝罪を受け取らないってことと同義に取られるから、彼女の家が悪くみられるわ」
「そうなんですか!?わかりました。なんだか心苦しいですが言われた通りにします」
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数日後には何もなかったかのようにこの事件は鎮静化するが、その背景にはキュリア・バージルの活躍があったという。
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「実験自体は成功したけれど…すこしやりすぎたわね。次からは気を付けないと」
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