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お屋敷の持ち主は。
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第46話 お屋敷の持ち主は
蛍が同じ高校の同級生を勝手に異世界へ連れ込み、彼らを危険にさらした一件は不測の事態に対応していく上で良い予行練習となったように思う。
今後も似たような事案がいつ起こるか分からない以上何かしらの対策は必要だ。
異世界側の住人は高濃度の魔素に対する耐性が高いものしか地球側へ行く事はできない。
魔素が極端に枯渇している今の異世界にどれだけ高濃度の魔素に耐えうる生物が存在するかわからないけど、タマ様が渡れる以上、異世界にもゴキブリ並みに生命力の強い種が生き残っていてもおかしくないのだ。
今はそれぞれが建築物で隔離されているから良いがポチやどらちゃんみたいな大型の魔獣の侵入さえ防げれば、最悪こちらの生き物が地球に流出しても新種発見と騒ぎになる位だろう。
異世界産の外来種による生態系の変動は気にしても仕方がない。
異世界と地球で交易をするようになれば自ずとそう言った問題は浮上するだろうが、起きてもいない問題を悩んだって仕方がない。
物事なるようにしかならん。
異世界側の屋敷は既に押さえてあるから、後は地球側のあの平屋造りのお屋敷か。
あのお屋敷の所有者を調べる必要があるかもな、第二第三の侵入者を回避するためにも自衛策は必要だろう。
必要ならあの屋敷と土地の権利を買い取れれば、侵入者が出た場合、家宅侵入で警察に被害届を出せるはずだ。
今のままだと下手すれば俺が不法侵入者なんだけどな、あははは……はぁ。
今日も幸広と彰吾と共に午後からあちらの世界へ行く予定になっている。
それなら空いている午前中に出来ることはしておこう。
蛍は学校へ、美枝子は仕事先へ行った後、戸締まりを済ませた俺は、市役所へ訪れた。
あの屋敷の持ち主を調べたくて行ったのだが、管轄が法務局になるらしい。
しかし、最近起業の申込みやら、問合せやら行ったことも無かった法務局によく行くなぁ。
俺は館内の案内表示に従って担当窓口に近付く。
「すいません、不動産の持ち主を調べたくて来たんですが」
「はい、ご住所はお分かりですか?」
受付の綺麗な女性が笑顔で対応してくれる。
この笑顔が只のビジネススマイルだとわかっていても、自分に向けられる笑顔は良いものだ。
「すいません、住所はちょっと……」
「では地図をお持ち致しますね」
そう言って受付嬢の差し出した地図を確認してここです。と指差せば、少々御待ちくださいと言われパソコンを叩き始めた。
こう言った書類を登記簿、今は全て事項証明書と言うらしい。
待つことしばし、受付嬢から返ってきた返答は、既にあの家の持ち主は亡くなっており、親戚なども特に居なかったそうで、競売に掛けられているらしい。
立派な造りのためすぐに買い手がつくのだが、また直ぐに売りにだされるいわくつきの物件だと言う。
あまりに持ち主が入れ替わるため、最近では買い手も現れず、更地にしようと解体業者が現場に入れば、何故か体調を崩す者が続出するため放置されているらしい。
タマ様……なんかやってるんじゃないか?
話を聞いて競売に掛けられている金額を確認して目を見張った。
建物価格が、解体間近と言うことでゼロ円とのこと、土地代は少々取られるがローンを組めれば決して払えない額じゃない。
「あっ、俺買います!」
蛍が同じ高校の同級生を勝手に異世界へ連れ込み、彼らを危険にさらした一件は不測の事態に対応していく上で良い予行練習となったように思う。
今後も似たような事案がいつ起こるか分からない以上何かしらの対策は必要だ。
異世界側の住人は高濃度の魔素に対する耐性が高いものしか地球側へ行く事はできない。
魔素が極端に枯渇している今の異世界にどれだけ高濃度の魔素に耐えうる生物が存在するかわからないけど、タマ様が渡れる以上、異世界にもゴキブリ並みに生命力の強い種が生き残っていてもおかしくないのだ。
今はそれぞれが建築物で隔離されているから良いがポチやどらちゃんみたいな大型の魔獣の侵入さえ防げれば、最悪こちらの生き物が地球に流出しても新種発見と騒ぎになる位だろう。
異世界産の外来種による生態系の変動は気にしても仕方がない。
異世界と地球で交易をするようになれば自ずとそう言った問題は浮上するだろうが、起きてもいない問題を悩んだって仕方がない。
物事なるようにしかならん。
異世界側の屋敷は既に押さえてあるから、後は地球側のあの平屋造りのお屋敷か。
あのお屋敷の所有者を調べる必要があるかもな、第二第三の侵入者を回避するためにも自衛策は必要だろう。
必要ならあの屋敷と土地の権利を買い取れれば、侵入者が出た場合、家宅侵入で警察に被害届を出せるはずだ。
今のままだと下手すれば俺が不法侵入者なんだけどな、あははは……はぁ。
今日も幸広と彰吾と共に午後からあちらの世界へ行く予定になっている。
それなら空いている午前中に出来ることはしておこう。
蛍は学校へ、美枝子は仕事先へ行った後、戸締まりを済ませた俺は、市役所へ訪れた。
あの屋敷の持ち主を調べたくて行ったのだが、管轄が法務局になるらしい。
しかし、最近起業の申込みやら、問合せやら行ったことも無かった法務局によく行くなぁ。
俺は館内の案内表示に従って担当窓口に近付く。
「すいません、不動産の持ち主を調べたくて来たんですが」
「はい、ご住所はお分かりですか?」
受付の綺麗な女性が笑顔で対応してくれる。
この笑顔が只のビジネススマイルだとわかっていても、自分に向けられる笑顔は良いものだ。
「すいません、住所はちょっと……」
「では地図をお持ち致しますね」
そう言って受付嬢の差し出した地図を確認してここです。と指差せば、少々御待ちくださいと言われパソコンを叩き始めた。
こう言った書類を登記簿、今は全て事項証明書と言うらしい。
待つことしばし、受付嬢から返ってきた返答は、既にあの家の持ち主は亡くなっており、親戚なども特に居なかったそうで、競売に掛けられているらしい。
立派な造りのためすぐに買い手がつくのだが、また直ぐに売りにだされるいわくつきの物件だと言う。
あまりに持ち主が入れ替わるため、最近では買い手も現れず、更地にしようと解体業者が現場に入れば、何故か体調を崩す者が続出するため放置されているらしい。
タマ様……なんかやってるんじゃないか?
話を聞いて競売に掛けられている金額を確認して目を見張った。
建物価格が、解体間近と言うことでゼロ円とのこと、土地代は少々取られるがローンを組めれば決して払えない額じゃない。
「あっ、俺買います!」
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