56 / 178
徹夜しました……。
しおりを挟む
爽やかな朝の日差しを受けながら、私はショボショボと上手に開かない目を擦りながら、机から頭を上げた。
難解なパズルを組み合わせるような授業カリキュラムを組み合わせていたら、どうやらそのまま寝落ちしたらしい。
手元の羊皮紙に水痕が……じゅるり。
しかしまさかカリキュラムで徹夜することになるとは思ってなかったわ……、選択授業恐るべし。
あー、朝日が眩しいわ。
「シオル殿下、おはようございます……、ってはぁ、きちんとベッドで寝ませんでしたね。」
まだ入室の許可を出していないのに、部屋へ入ってきたロンダークさんが私の顔を見るなりため息をついた。
「殿下、顔にカリキュラム内容が書き写してありますよ?」
「えっ、どこに!?」
「右側をしたにしてカリキュラムの上に寝ましたね。お食事の用意は出来ておりますので、顔を洗ってください。」
そう言うと洗面用の金属製の桶に汲まれたお湯を示された。
この世界は給湯器どころか水道が有るわけでもないので、洗面器いっぱい分のお湯を用意するにも井戸から水を汲み上げて、竈に運び込んだ薪を燃やして沸かすのが、一般的だ。
温泉水なら温かいお湯には困らないだろうが、真水となると用意するのは大変なのだ。
冷める前にありがたくお湯で顔を洗うと、スッキリと目が冷める。
「授業カリキュラムの方は出来上がりましたか?」
「大体は、ね……、正直嘗めてたわ。」
「そうですねぇ、出来ればやるべきカリキュラムを終わらせてからにしていただきたかったですね。」
うっ、返す言葉もありませんですはい。
用意してもらった朝食を食べて、昨日着た物よりも若干質素な軍服デザインの制服に袖を通す。
今日から授業が始まるわけだが、最初の一週目は主に学園の説明や、高学年者との交流会などの社交が多い。
今日は式典はないので帯剣出来ることに安堵しながら迎えにきた馬車に乗り込んだ。
ガダンゴトンと言う揺れが、寝不足に効果覿面で学園つくなり、呆れた様子のロンダークに叩き起こされた。
今にも雷を落としかねない様子のロンダークから逃げるように校舎へ駆け込めば、既に多くの学生が半すり鉢状の講堂に座っている。
講堂の中央部に席を取っていたアールベルトを見付けて同席を求めれば直ぐに隣を進めてくれた。
今日はこれから数人ずつに別れて学園内の案内をしてくれるらしい。
はっきり言ってありがたい。今日座学があれば居眠りの醜態をさらす自信がある。
意識を飛ばしかけながら学園長の長い長い話と言う試練をアールベルトに救われながら乗り越えた私は、トイレに寄ったことで新入生から見事にはぐれた。
ここ、どこよ?
難解なパズルを組み合わせるような授業カリキュラムを組み合わせていたら、どうやらそのまま寝落ちしたらしい。
手元の羊皮紙に水痕が……じゅるり。
しかしまさかカリキュラムで徹夜することになるとは思ってなかったわ……、選択授業恐るべし。
あー、朝日が眩しいわ。
「シオル殿下、おはようございます……、ってはぁ、きちんとベッドで寝ませんでしたね。」
まだ入室の許可を出していないのに、部屋へ入ってきたロンダークさんが私の顔を見るなりため息をついた。
「殿下、顔にカリキュラム内容が書き写してありますよ?」
「えっ、どこに!?」
「右側をしたにしてカリキュラムの上に寝ましたね。お食事の用意は出来ておりますので、顔を洗ってください。」
そう言うと洗面用の金属製の桶に汲まれたお湯を示された。
この世界は給湯器どころか水道が有るわけでもないので、洗面器いっぱい分のお湯を用意するにも井戸から水を汲み上げて、竈に運び込んだ薪を燃やして沸かすのが、一般的だ。
温泉水なら温かいお湯には困らないだろうが、真水となると用意するのは大変なのだ。
冷める前にありがたくお湯で顔を洗うと、スッキリと目が冷める。
「授業カリキュラムの方は出来上がりましたか?」
「大体は、ね……、正直嘗めてたわ。」
「そうですねぇ、出来ればやるべきカリキュラムを終わらせてからにしていただきたかったですね。」
うっ、返す言葉もありませんですはい。
用意してもらった朝食を食べて、昨日着た物よりも若干質素な軍服デザインの制服に袖を通す。
今日から授業が始まるわけだが、最初の一週目は主に学園の説明や、高学年者との交流会などの社交が多い。
今日は式典はないので帯剣出来ることに安堵しながら迎えにきた馬車に乗り込んだ。
ガダンゴトンと言う揺れが、寝不足に効果覿面で学園つくなり、呆れた様子のロンダークに叩き起こされた。
今にも雷を落としかねない様子のロンダークから逃げるように校舎へ駆け込めば、既に多くの学生が半すり鉢状の講堂に座っている。
講堂の中央部に席を取っていたアールベルトを見付けて同席を求めれば直ぐに隣を進めてくれた。
今日はこれから数人ずつに別れて学園内の案内をしてくれるらしい。
はっきり言ってありがたい。今日座学があれば居眠りの醜態をさらす自信がある。
意識を飛ばしかけながら学園長の長い長い話と言う試練をアールベルトに救われながら乗り越えた私は、トイレに寄ったことで新入生から見事にはぐれた。
ここ、どこよ?
0
お気に入りに追加
899
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる