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我が転生人生に悔いなし!
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サクラの住処となっている竜舎の側にひっそりと建てられた離宮の暖かな陽射しが入り込む居間から、外で寝そべるサクラの姿を眺める。
独身時代にはサクラの背に乗って色々な無茶もしたものだが、積み重ねた年齢による衰えには逆らえなかったようで、上空で誤って落下してからは、サクラは私を乗せて空を飛ぶことをしなくなった。
父から王位を継承し、三人の子供にも恵まれた。
復興していくレイナス王国を立て直すことに注力する過程で、混沌としたままなかなか持ち直せずにいる周辺国家と多少の諍いと言う波風はあったものの、充実した人生だったと思う。
小さかった子どもたちも立派に成人し、王位を譲り渡してこうして隠居してから何年になるだろうか。
子供はそれぞれ伴侶を得ているし、ローズウェル王国の建国の際に、レイナス王国へと助力を求めてきた一団のひとりに惚れ込んでレイナス王国を飛び出して行ったじゃじゃ馬娘の第一王女は、今ではローズウェル王国のダスティア公爵夫人に収まっている。
どうやら夫婦仲は良いようで、たまに届く手紙には孫の話もちらほら書かれているが、文面からは自分の娘のお転婆具合を嘆く内容もあり、間違いなく母親に似たのだろうと側仕えと笑いあった。
最近は老いのせいか、寝ている事も多くなり、外の景色を眺めながら寝椅子に横たわり過ごす時間が増えた。
「お祖父様!」
ばん!っと勢い良く居間の扉を開け放ちながら入室してきたのは、今年5歳になる孫娘だ。
これまた誰に似たのか、新調されているはずのドレスではなく叔母上の男装を引っ張り出して騎士たちの訓練に乱入し、一緒に木刀を振り回すお転婆姫である。
今日も道なき道を抜けて王女教育から脱走してきたのだろう、綺麗に結われてあったはずの髪の毛に瑞々しい葉っぱが付いている。
「リーゼロッテ、また抜け出してきたのかい?」
孫娘の名前を呼べば、嬉しそうに走り寄ってくる。
「だって、頭の上に本を乗せて歩くなんてつまらないんですもの!」
ぷりぷりと怒る姿も可愛くて、その頭に触れながら葉っぱを取り払う。
「ねぇお祖父様! また若い頃の冒険のお話を聞かせてください!」
そのように強請られる度に、走馬灯のように浮き上がる記憶の中から、ポツリポツリと話して聞かせる。
楽しげに話を聞いてくれる孫の頭をゆっくりと撫でれば手のひらにあたる柔らかな猫っ毛がくすぐったい。
サクラの話をしていたからだろうか、こちらを見たサクラが室内に顔だけを入れて来たので、その鼻先をリーゼロッテと撫でる。
「サクラ、良い人生だったよな。 確かに生まれ変わったと分かった時には大往生しようと思ったけれど、まさかこの歳まで生き残るとは思ってなかったわ」
こちらの世界の平均寿命は、五十年程だ。
既に平均寿命を超えている為、立派に大往生といっていいはずだろう。
いつまでも変わらず隣で私に顔をよせて、目を細めるサクラの、額の赤い鱗を撫でる。
「みんな私を遺して先に逝ってしまったけれど、私はお前を遺して逝くのが心残りだよ」
竜と言う生物は現在確認されているのはサクラだけだ。
竜は何年生きるのか見当もつかない。
「あら? お祖父様にはもっともっともーっと長生きして頂かなくてはねサクラ?」
すかさずそんなことを言ってくれるリーゼロッテのような優しい孫を持てて、今世の幸せをかみしめる。
耄碌することなくこの歳までが生きて来れたのは双太陽神の加護だろうか。
人生の伴侶よりも長い時間を共に過ごした相棒は、肯定するように低く低く声を発して鳴く。
走馬燈だろうか鮮明に蘇る記憶はどれもこれも懐かしい。
眠い訳ではないのに、閉じられていく瞼と全身の力が抜け身体が軽くなるような不思議な感覚に囚われる。
それは重たい何かを脱ぎ捨てたような感覚。
「リーゼロッテ、どうやら少し疲れてしまったみたいだ。 誰か手伝いの者を呼んできてくれないか?」
「まぁ大変! すぐに呼んできますね」
慌て過ぎたのか転んでしまったリーゼロッテだったが泣くことなく立ち上がり駆け出していった。
「サクラと……一緒にいられて……楽しかったよ……」
ぽつりぽつりとたどたどしくしか声が出ない。
瞼が下がるのを耐えられず、ふっと意識が切れた。
それでも耳だけは聞こえるようでひときわ高く鳴いたサクラの声と、それに気がついて慌てたように城から使用人達がきて騒いでいるようだ。
良い人生だった……
事切れたと自分でわかる感覚は不思議だ。
「シオル様! シオル様!?」
泣きながら私に駆け寄る者たちを威嚇するサクラの声に慌てたように歩みを止めている。
「さっ、サクラ様! シオル様をお渡しください、早急に医師に見せなければっ」
必死に言い募る者達を決して近付けまいと唸るサクラの常にない行動に、死んだはずなのに困惑する。
「グァァアアア!」
ひときわ高く咆哮したあと、私の亡骸を器用に前足で掴むと、バサリバサリと紅の翼をはためかせ空中に舞い上がった。
「サクラ様! どちらに行かれます」
全てを無視して飛び立ったサクラはレイナス王国の王城よりも北に広がる広大な密林の奥深く、湖に面した開けた場所へ降り立つと、柔らかな草原の上にゆっくりと降ろされた。
目は見えていない筈なのに、なぜかサクラの姿がわかる。
サクラは首を丸めるようにして自分の胸元に隠されるようにあるたった一枚の虹色の小さな鱗をパキッと剥ぐとそれを私の口元へ運びわずかに開いた口へと入れる。
その瞬間ふわふわとしていた感覚が身体に引き戻されていく。
暖かい何かが流れ込んでくる感覚はまるで羊水の中にいるように心地よい。
無性に……眠いや
次に目覚めたとき。
「グルぅぅぅ(やっとやっと会えた俺の最愛の番……)」
割れた卵の殻を被り見えた世界は、キラキラと輝く世界と、愛しげに話すサクラ。
「キュイ?(サクラ?)」
自分の口から出たのは記憶にある自身の声ではなく、小さな頃のサクラの声に似ている。
次に視界に飛び込んできたのはピンク色の小さな小さな鉤爪がついた竜の手。
「……キュイーン!?(……三度目は竜ですか!?)」
私の人生の続きはサクラと紡ぐ竜生でした。
完
独身時代にはサクラの背に乗って色々な無茶もしたものだが、積み重ねた年齢による衰えには逆らえなかったようで、上空で誤って落下してからは、サクラは私を乗せて空を飛ぶことをしなくなった。
父から王位を継承し、三人の子供にも恵まれた。
復興していくレイナス王国を立て直すことに注力する過程で、混沌としたままなかなか持ち直せずにいる周辺国家と多少の諍いと言う波風はあったものの、充実した人生だったと思う。
小さかった子どもたちも立派に成人し、王位を譲り渡してこうして隠居してから何年になるだろうか。
子供はそれぞれ伴侶を得ているし、ローズウェル王国の建国の際に、レイナス王国へと助力を求めてきた一団のひとりに惚れ込んでレイナス王国を飛び出して行ったじゃじゃ馬娘の第一王女は、今ではローズウェル王国のダスティア公爵夫人に収まっている。
どうやら夫婦仲は良いようで、たまに届く手紙には孫の話もちらほら書かれているが、文面からは自分の娘のお転婆具合を嘆く内容もあり、間違いなく母親に似たのだろうと側仕えと笑いあった。
最近は老いのせいか、寝ている事も多くなり、外の景色を眺めながら寝椅子に横たわり過ごす時間が増えた。
「お祖父様!」
ばん!っと勢い良く居間の扉を開け放ちながら入室してきたのは、今年5歳になる孫娘だ。
これまた誰に似たのか、新調されているはずのドレスではなく叔母上の男装を引っ張り出して騎士たちの訓練に乱入し、一緒に木刀を振り回すお転婆姫である。
今日も道なき道を抜けて王女教育から脱走してきたのだろう、綺麗に結われてあったはずの髪の毛に瑞々しい葉っぱが付いている。
「リーゼロッテ、また抜け出してきたのかい?」
孫娘の名前を呼べば、嬉しそうに走り寄ってくる。
「だって、頭の上に本を乗せて歩くなんてつまらないんですもの!」
ぷりぷりと怒る姿も可愛くて、その頭に触れながら葉っぱを取り払う。
「ねぇお祖父様! また若い頃の冒険のお話を聞かせてください!」
そのように強請られる度に、走馬灯のように浮き上がる記憶の中から、ポツリポツリと話して聞かせる。
楽しげに話を聞いてくれる孫の頭をゆっくりと撫でれば手のひらにあたる柔らかな猫っ毛がくすぐったい。
サクラの話をしていたからだろうか、こちらを見たサクラが室内に顔だけを入れて来たので、その鼻先をリーゼロッテと撫でる。
「サクラ、良い人生だったよな。 確かに生まれ変わったと分かった時には大往生しようと思ったけれど、まさかこの歳まで生き残るとは思ってなかったわ」
こちらの世界の平均寿命は、五十年程だ。
既に平均寿命を超えている為、立派に大往生といっていいはずだろう。
いつまでも変わらず隣で私に顔をよせて、目を細めるサクラの、額の赤い鱗を撫でる。
「みんな私を遺して先に逝ってしまったけれど、私はお前を遺して逝くのが心残りだよ」
竜と言う生物は現在確認されているのはサクラだけだ。
竜は何年生きるのか見当もつかない。
「あら? お祖父様にはもっともっともーっと長生きして頂かなくてはねサクラ?」
すかさずそんなことを言ってくれるリーゼロッテのような優しい孫を持てて、今世の幸せをかみしめる。
耄碌することなくこの歳までが生きて来れたのは双太陽神の加護だろうか。
人生の伴侶よりも長い時間を共に過ごした相棒は、肯定するように低く低く声を発して鳴く。
走馬燈だろうか鮮明に蘇る記憶はどれもこれも懐かしい。
眠い訳ではないのに、閉じられていく瞼と全身の力が抜け身体が軽くなるような不思議な感覚に囚われる。
それは重たい何かを脱ぎ捨てたような感覚。
「リーゼロッテ、どうやら少し疲れてしまったみたいだ。 誰か手伝いの者を呼んできてくれないか?」
「まぁ大変! すぐに呼んできますね」
慌て過ぎたのか転んでしまったリーゼロッテだったが泣くことなく立ち上がり駆け出していった。
「サクラと……一緒にいられて……楽しかったよ……」
ぽつりぽつりとたどたどしくしか声が出ない。
瞼が下がるのを耐えられず、ふっと意識が切れた。
それでも耳だけは聞こえるようでひときわ高く鳴いたサクラの声と、それに気がついて慌てたように城から使用人達がきて騒いでいるようだ。
良い人生だった……
事切れたと自分でわかる感覚は不思議だ。
「シオル様! シオル様!?」
泣きながら私に駆け寄る者たちを威嚇するサクラの声に慌てたように歩みを止めている。
「さっ、サクラ様! シオル様をお渡しください、早急に医師に見せなければっ」
必死に言い募る者達を決して近付けまいと唸るサクラの常にない行動に、死んだはずなのに困惑する。
「グァァアアア!」
ひときわ高く咆哮したあと、私の亡骸を器用に前足で掴むと、バサリバサリと紅の翼をはためかせ空中に舞い上がった。
「サクラ様! どちらに行かれます」
全てを無視して飛び立ったサクラはレイナス王国の王城よりも北に広がる広大な密林の奥深く、湖に面した開けた場所へ降り立つと、柔らかな草原の上にゆっくりと降ろされた。
目は見えていない筈なのに、なぜかサクラの姿がわかる。
サクラは首を丸めるようにして自分の胸元に隠されるようにあるたった一枚の虹色の小さな鱗をパキッと剥ぐとそれを私の口元へ運びわずかに開いた口へと入れる。
その瞬間ふわふわとしていた感覚が身体に引き戻されていく。
暖かい何かが流れ込んでくる感覚はまるで羊水の中にいるように心地よい。
無性に……眠いや
次に目覚めたとき。
「グルぅぅぅ(やっとやっと会えた俺の最愛の番……)」
割れた卵の殻を被り見えた世界は、キラキラと輝く世界と、愛しげに話すサクラ。
「キュイ?(サクラ?)」
自分の口から出たのは記憶にある自身の声ではなく、小さな頃のサクラの声に似ている。
次に視界に飛び込んできたのはピンク色の小さな小さな鉤爪がついた竜の手。
「……キュイーン!?(……三度目は竜ですか!?)」
私の人生の続きはサクラと紡ぐ竜生でした。
完
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