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柚子と猿豆 対 杏と鴉山椒
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私の目測で言えば、誰も制限時間内に戻れなかっただろうから、やり直しなのだが
東雲の二人は重症過ぎて、処置をしても動かさない方がいいだろう。
制限時間を大幅に超えているので、新人共の再戦は、後日改めて行う事としよう。
取り急ぎ、傷の治療と解毒の処置を行う為、柚子はテントへと向かった。
猿豆に、新人共の再戦は後日行う事を伝えていると、杏と鴉山椒もテントへ戻って
来たので、新人共の治療と解毒の処置が済み次第、杏と鴉山椒の実戦練習を行う事を
伝えたが、新人が使えない為、私と猿豆 対 杏と鴉山椒で、制限時間を設けた対戦を
行うことにした。
場所は、裏山。制限時間は1時間。前半は、猿豆。後半は、柚子。1対2で行う。
ケガ、一部損傷程度なら続行、もし時間内に気絶や致命傷になる部分に負傷があった
場合は、そこで終了とする。
攻撃、防御ともに、無制限。扱える能力は何でも有効とする。
「…ガリッ…ぅうっ辛ぃ。しびれるぅ。」
「私と杏、準備出来ました。お願いします。」
「では、はじめ!」
柚子の声で、鴉山椒と杏の実戦練習は始まった。
猿豆は籠手を身に着け、小柄を持ち、二人の出方を待った。
杏は、柚子の合図と共に、呪文を唱えて幻影を展開した。
「幻影⁈…鴉山椒も居るのに…。ん?この匂い…山椒か?…なるほど考えたな。」
実戦練習の直前に杏は、鴉山椒から山椒の実を貰い、口に入れ嚙み砕いた。
それによって、鴉山椒も杏の幻影に惑わされなくなり、さらに幻影に山椒の匂いが
ある事で、鴉山椒の居場所も探知され難くなる効果があった。
この幻影を活かして、鴉山椒は羽根刀と弓矢の攻撃、杏は幻影を保ったまま、
近付いて行き好機があれば、短刀で狙いを定めて切り込んでみるつもりのようだ。
だが、杏の短刀は未熟なので、猿豆と遣り合える腕はない。
杏が接近戦を仕掛ける目的は、猿豆の影踏みだった。切り込んで来たように見せかけ猿豆の影を踏み、動きを止めさせ拘束すれば、短時間でより効果的な攻撃が出来ると考えた。
案の定、最初は、鴉山椒の羽根刀と弓矢の猛攻撃から始まった。
猿豆も見越していて、鴉山椒の攻撃が飛んで来た方向へ瞬時に小柄を飛ばしていた。
この状況だと慣れている猿豆の攻撃が優位で、鴉山椒は返ってくる攻撃をギリギリ
躱しながら、手を緩めずに羽根刀と弓矢を飛ばし続けた。
猿豆は、鴉山椒と攻防を繰り広げていても、杏の存在を忘れたりはしない。
杏が忍び寄って来る事を想定して、常に自身の影の位置に意識を向けて、鴉山椒へ
攻撃をしていた。
東雲の二人は重症過ぎて、処置をしても動かさない方がいいだろう。
制限時間を大幅に超えているので、新人共の再戦は、後日改めて行う事としよう。
取り急ぎ、傷の治療と解毒の処置を行う為、柚子はテントへと向かった。
猿豆に、新人共の再戦は後日行う事を伝えていると、杏と鴉山椒もテントへ戻って
来たので、新人共の治療と解毒の処置が済み次第、杏と鴉山椒の実戦練習を行う事を
伝えたが、新人が使えない為、私と猿豆 対 杏と鴉山椒で、制限時間を設けた対戦を
行うことにした。
場所は、裏山。制限時間は1時間。前半は、猿豆。後半は、柚子。1対2で行う。
ケガ、一部損傷程度なら続行、もし時間内に気絶や致命傷になる部分に負傷があった
場合は、そこで終了とする。
攻撃、防御ともに、無制限。扱える能力は何でも有効とする。
「…ガリッ…ぅうっ辛ぃ。しびれるぅ。」
「私と杏、準備出来ました。お願いします。」
「では、はじめ!」
柚子の声で、鴉山椒と杏の実戦練習は始まった。
猿豆は籠手を身に着け、小柄を持ち、二人の出方を待った。
杏は、柚子の合図と共に、呪文を唱えて幻影を展開した。
「幻影⁈…鴉山椒も居るのに…。ん?この匂い…山椒か?…なるほど考えたな。」
実戦練習の直前に杏は、鴉山椒から山椒の実を貰い、口に入れ嚙み砕いた。
それによって、鴉山椒も杏の幻影に惑わされなくなり、さらに幻影に山椒の匂いが
ある事で、鴉山椒の居場所も探知され難くなる効果があった。
この幻影を活かして、鴉山椒は羽根刀と弓矢の攻撃、杏は幻影を保ったまま、
近付いて行き好機があれば、短刀で狙いを定めて切り込んでみるつもりのようだ。
だが、杏の短刀は未熟なので、猿豆と遣り合える腕はない。
杏が接近戦を仕掛ける目的は、猿豆の影踏みだった。切り込んで来たように見せかけ猿豆の影を踏み、動きを止めさせ拘束すれば、短時間でより効果的な攻撃が出来ると考えた。
案の定、最初は、鴉山椒の羽根刀と弓矢の猛攻撃から始まった。
猿豆も見越していて、鴉山椒の攻撃が飛んで来た方向へ瞬時に小柄を飛ばしていた。
この状況だと慣れている猿豆の攻撃が優位で、鴉山椒は返ってくる攻撃をギリギリ
躱しながら、手を緩めずに羽根刀と弓矢を飛ばし続けた。
猿豆は、鴉山椒と攻防を繰り広げていても、杏の存在を忘れたりはしない。
杏が忍び寄って来る事を想定して、常に自身の影の位置に意識を向けて、鴉山椒へ
攻撃をしていた。
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