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初めての合同実戦練習 木通
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「ぎゃぁぁ!銀ちゃん、生きてる⁈待って、息してるけど意識無いわよ⁈…こんなの死んじゃうでしょ!馬鹿なの?…実戦練習じゃなく、こんなのただの戦闘よ。
新旧裏山の合戦でしょ!」
あまりの銀木犀の姿に、驚きと戸惑いで、パニックのマシンガントーク。
だが次は木通の番だが、どうなるかな…。
「ボクと夏さんで見てますから。」
そう言われて、木通はテントの外へ引きずり出された。
テントから出たらスタートと見なされるが、入り口で中にいる鬼縛りや犬枇杷に、
大声で何かを言っているが、返事がないので諦めたようだ。今度は仕掛けたオレらに
何か言っていたが、そっちも声が返ってこないので、周辺をウロウロとしていた。
木通の質からいって、直ぐには納得しないだろう…。
「うちの銀ちゃんの事、頼んだわよ。…銀ちゃん、勝手に死んだら許さないから。」
取り敢えず、テントの中にいる仲間に銀木犀を託して、気掛かりだがその場を離れたようだ。
木通は仲間思いで優しいが、そこを突かれると弱いとも言える。
木通が裏山に入って、すぐに柚子からの攻撃はなかったが、明らかに銀木犀の事が
気になっているようで、足も進まず、気もそぞろだった。
そんな木通の様子を見て、柚子が手を緩める事などないだろう…。
東雲の式神が主不在の間に、二人共、挫折し仕事を放棄したなどあってはならない
のだが、何事にも徹底して行う柚子の出かた次第では、ありえそうなんだよなぁ。
俯きトボトボと歩く木通は、今が実戦練習という事を忘れているだろう。
柚子と杏のテリトリーの境目辺りに差し掛かった時、それは急に前後の挟み撃ち状態
で始まった。
柚子が背後から苦無を飛ばし。前方から杏が短刀で攻撃するという形に変わった。
ここまでの間、何を考えていたかは知らんが、前方の杏には容赦なく切り掛られ、
足元が覚束ないのでフラフラし、躓きながら応戦していると、何処からともなく
苦無が飛んできて、容赦なく体に突き刺さる。
痛みに正気を取り戻したのか、段々と木通が本調子になって行った。
「ちょっと!アンタ…達…ズルいでしょ。私…一人に…苦無なんて飛び…道具と、
おこちゃまに短刀…持たせ…て、切り込ませるな…んて、後輩の成…長を見守る
…気ないでしょ!」
木通は前後から繰り出される攻撃を話しながら、躱していった。
正に口八丁手八丁といった感じだ。柚子の苦無12本中5本のみ手足に刺さったが、杏の短刀は、全て見切って受け流していた。
アイツ見かけによらず、戦闘向きの式神だったんだな。
動きもキレがあるし、柔軟で無駄がない。幅広い格闘技を身に付けているようだ。
これは面白くなりそうだ。
オレも鴉山椒と一緒に、木通を挟み撃ちして攻めてみるかな…。
それにしても幻影から抜け出せず、ウロウロと同じような所を歩いているが、
いつかは出て来れるんだろうな?
今のうちに鴉山椒と打ち合わせして、準備して置くか…。
新旧裏山の合戦でしょ!」
あまりの銀木犀の姿に、驚きと戸惑いで、パニックのマシンガントーク。
だが次は木通の番だが、どうなるかな…。
「ボクと夏さんで見てますから。」
そう言われて、木通はテントの外へ引きずり出された。
テントから出たらスタートと見なされるが、入り口で中にいる鬼縛りや犬枇杷に、
大声で何かを言っているが、返事がないので諦めたようだ。今度は仕掛けたオレらに
何か言っていたが、そっちも声が返ってこないので、周辺をウロウロとしていた。
木通の質からいって、直ぐには納得しないだろう…。
「うちの銀ちゃんの事、頼んだわよ。…銀ちゃん、勝手に死んだら許さないから。」
取り敢えず、テントの中にいる仲間に銀木犀を託して、気掛かりだがその場を離れたようだ。
木通は仲間思いで優しいが、そこを突かれると弱いとも言える。
木通が裏山に入って、すぐに柚子からの攻撃はなかったが、明らかに銀木犀の事が
気になっているようで、足も進まず、気もそぞろだった。
そんな木通の様子を見て、柚子が手を緩める事などないだろう…。
東雲の式神が主不在の間に、二人共、挫折し仕事を放棄したなどあってはならない
のだが、何事にも徹底して行う柚子の出かた次第では、ありえそうなんだよなぁ。
俯きトボトボと歩く木通は、今が実戦練習という事を忘れているだろう。
柚子と杏のテリトリーの境目辺りに差し掛かった時、それは急に前後の挟み撃ち状態
で始まった。
柚子が背後から苦無を飛ばし。前方から杏が短刀で攻撃するという形に変わった。
ここまでの間、何を考えていたかは知らんが、前方の杏には容赦なく切り掛られ、
足元が覚束ないのでフラフラし、躓きながら応戦していると、何処からともなく
苦無が飛んできて、容赦なく体に突き刺さる。
痛みに正気を取り戻したのか、段々と木通が本調子になって行った。
「ちょっと!アンタ…達…ズルいでしょ。私…一人に…苦無なんて飛び…道具と、
おこちゃまに短刀…持たせ…て、切り込ませるな…んて、後輩の成…長を見守る
…気ないでしょ!」
木通は前後から繰り出される攻撃を話しながら、躱していった。
正に口八丁手八丁といった感じだ。柚子の苦無12本中5本のみ手足に刺さったが、杏の短刀は、全て見切って受け流していた。
アイツ見かけによらず、戦闘向きの式神だったんだな。
動きもキレがあるし、柔軟で無駄がない。幅広い格闘技を身に付けているようだ。
これは面白くなりそうだ。
オレも鴉山椒と一緒に、木通を挟み撃ちして攻めてみるかな…。
それにしても幻影から抜け出せず、ウロウロと同じような所を歩いているが、
いつかは出て来れるんだろうな?
今のうちに鴉山椒と打ち合わせして、準備して置くか…。
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