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猿豆の独り言 2
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それを聞いた皆が言葉を失い、夕霧さん自身も呆然自失だった。
そんな時、柚子だけが瞬時に大神様に、処置方法、治療方法の教えを乞うた。
最初から治癒能力を備えた式神なら話は分かるが、柚子は戦闘能力の高い式神で、
治療や治癒に関しては、全く経験も知識もなかったので、難しいと誰もが考えた。
夕霧さんが柚子を式神にする時〝自分は未熟で、非力だから、貴方は男性であって
欲しい〟と願われた。故に、柚子は戦闘時を想定してイメージされていたのだろう。
だから柚子は、基本的な能力が高い。戦闘も含めた運動能力、日常を熟す器用さ、
知識や情報処理能力と様々あるが、能力が高いというだけではない。
式神になる時、柚子は夕霧さんに必要とされた事が〝嬉しかった〟と以前、オレに
話した事があった。柚子は夕霧さんに、ずっと必要とされる式神で居たいという思い
から、常に、並々ならぬ努力と集中力を持って、多くの事に向き合ってきた。
そういった事の積み重ねが、柚子の能力を高めているのだろう。
大神様も、柚子が本来持ち合わせていない能力を、身に付けた事に驚かれていた。
柚子は習得した方法を、こまめに夕霧さんの腕に施した。
一気にすれば負担になるので、日に何回も、ゆっくりと時間を掛けて、体と心に寄り
添った治療を行っていき、一か月ぐらいかけて完治させた。
その間も勿論、庵の掃除、洗濯、料理、身の周りの事も含めて、熟していた。
夕霧さんの体調や、気持ち次第で、一緒に日常を熟しながら、仕事のサポートもし、
空いた時間に、自らを戒めるように戦闘技術を上げていた。
持ち前の高い能力、努力と集中力、そして潔癖で、自分に厳しく完璧主義だから、
過去の失敗というか過ちが許せなかったのだろう。
何よりも誰よりも大切で、大事な存在の夕霧さんに傷を負わせてしまった事で、
柚子は自らを追い込んで、鋭利に研ぎ澄ましていった。
そんな柚子を見ているのが辛くなるほどだった。
夕霧さんのケガを完治させて、夕霧さんから〝独りで責任を感じて、自らを追い込ま
ないで〟と言われるまで、それは続いていたが、今は落ち着いている。
しかしトラウマが消える訳ではない。
故に、オレと1対1をやっても、みっちりと徹底的に、納得がいくまでやり続ける。
オレなら柚子の質も、トラウマも理解してるから良いが、杏や鴉山椒に最初からは
無理だ。ついて行けないだろう。
だから、巡回指導や警護、実戦練習は、引き続きオレが担当した。
必然的に柚子は、篠辺庵と夕霧さんの身の周り、緊急時の対応のみが担当になった。
今回、主たちの不在という事、次年度の交替を考えて…という事から、直ぐに実戦
練習の準備を整えてくれた柚子。下準備、練習内容、当然、怪我を想定しての準備、
両主祭神へ連絡と協力の根回し…柚子が犬枇杷の話を聞いて、オレが連絡を受けるま
で、僅かな時間だった。
短時間の準備だったとしても、柚子は手抜きも、妥協もしない。
オレが今まで行ってきた実戦練習とは、全く違ったものになる事は確実だ。
オレ自身も、柚子には負けたくねぇ。色んな意味で、良いキッカケになって欲しい。
そんな時、柚子だけが瞬時に大神様に、処置方法、治療方法の教えを乞うた。
最初から治癒能力を備えた式神なら話は分かるが、柚子は戦闘能力の高い式神で、
治療や治癒に関しては、全く経験も知識もなかったので、難しいと誰もが考えた。
夕霧さんが柚子を式神にする時〝自分は未熟で、非力だから、貴方は男性であって
欲しい〟と願われた。故に、柚子は戦闘時を想定してイメージされていたのだろう。
だから柚子は、基本的な能力が高い。戦闘も含めた運動能力、日常を熟す器用さ、
知識や情報処理能力と様々あるが、能力が高いというだけではない。
式神になる時、柚子は夕霧さんに必要とされた事が〝嬉しかった〟と以前、オレに
話した事があった。柚子は夕霧さんに、ずっと必要とされる式神で居たいという思い
から、常に、並々ならぬ努力と集中力を持って、多くの事に向き合ってきた。
そういった事の積み重ねが、柚子の能力を高めているのだろう。
大神様も、柚子が本来持ち合わせていない能力を、身に付けた事に驚かれていた。
柚子は習得した方法を、こまめに夕霧さんの腕に施した。
一気にすれば負担になるので、日に何回も、ゆっくりと時間を掛けて、体と心に寄り
添った治療を行っていき、一か月ぐらいかけて完治させた。
その間も勿論、庵の掃除、洗濯、料理、身の周りの事も含めて、熟していた。
夕霧さんの体調や、気持ち次第で、一緒に日常を熟しながら、仕事のサポートもし、
空いた時間に、自らを戒めるように戦闘技術を上げていた。
持ち前の高い能力、努力と集中力、そして潔癖で、自分に厳しく完璧主義だから、
過去の失敗というか過ちが許せなかったのだろう。
何よりも誰よりも大切で、大事な存在の夕霧さんに傷を負わせてしまった事で、
柚子は自らを追い込んで、鋭利に研ぎ澄ましていった。
そんな柚子を見ているのが辛くなるほどだった。
夕霧さんのケガを完治させて、夕霧さんから〝独りで責任を感じて、自らを追い込ま
ないで〟と言われるまで、それは続いていたが、今は落ち着いている。
しかしトラウマが消える訳ではない。
故に、オレと1対1をやっても、みっちりと徹底的に、納得がいくまでやり続ける。
オレなら柚子の質も、トラウマも理解してるから良いが、杏や鴉山椒に最初からは
無理だ。ついて行けないだろう。
だから、巡回指導や警護、実戦練習は、引き続きオレが担当した。
必然的に柚子は、篠辺庵と夕霧さんの身の周り、緊急時の対応のみが担当になった。
今回、主たちの不在という事、次年度の交替を考えて…という事から、直ぐに実戦
練習の準備を整えてくれた柚子。下準備、練習内容、当然、怪我を想定しての準備、
両主祭神へ連絡と協力の根回し…柚子が犬枇杷の話を聞いて、オレが連絡を受けるま
で、僅かな時間だった。
短時間の準備だったとしても、柚子は手抜きも、妥協もしない。
オレが今まで行ってきた実戦練習とは、全く違ったものになる事は確実だ。
オレ自身も、柚子には負けたくねぇ。色んな意味で、良いキッカケになって欲しい。
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