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年明け 館内放送
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拝殿に集まり、賑やかな夕食を終え、各々がくつろいでいる中、倉稲様と木通は、夜の女子会の事で、頭がいっぱいだった。
「うかっち、夜の女子会なんだから、お菓子とお酒とおつまみは欠かせないでしょ。だけど…どれも私じゃ用意出来ないのよぉ。用意だけなら朝姉にお願い出来るけど、食材やお酒が減っていれば、バレちゃうでしょ…。どうしたら良いと思う?」
『なるほど…そっちはわれが何とかしよう。それより…あけっち、細かい事じゃが〝夜の女子会〟はなかろう。人ではないが一応、男女故、〝夜会〟になってしまう。そのような怪しげな集いでは、篠辺狐に話し難いのじゃ。やはり〝寝巻の集い〟に
改めぬか?』
…今確かに、拝殿で各々くつろいでいますが、全部聞こえてるんですよ。
木通は日常だから誰も気にしないけど、倉稲様のは聞いちゃダメな気がする…。
何ていうか…二人の会話は、性能の良い館内放送なんだよね…。
それに、今までの会話だって〝夜の女子会〟から男女故に〝夜会〟になるので、
〝寝巻の集い〟に改めよう…って流れだったけど…。
一応、男女だという事に気付いたのは良かったけど、集いの名が問題なのではない。
ちなみに、もうお狐様に話さなくても聞こえちゃってますし、実際に拝殿で二人が、朝を迎えたとしても、二日酔いと寝ぐせ程度の変化しかない事は、誰もが容易に想像出来るんですよ。
この杏から言わせれば、倉稲様と木通は、寝巻もパジャマもお持ちでないので、
どの集会名も成立していません。
この事態を放置する訳にも行かず、何となく皆が〝誰が伝える⁈…〟みたいに
なり、顔を見合わせていた。
何れにせよ、伝えなければ館内放送が鳴り響く中、寝る事になるのだが何としてもそれだけは避けたい。
『左京、頼みたい事があるのじゃが、少し良いか?』
この一声で、倉稲様担当が決まった。
そんな左京に、夕霧と柚子が〝お酒やつまみは、お任せください〟と小声で言った。
左京の背中を見送りながら、夕霧が
「朝ちゃん、責任上、防音結界ぐらいの指導はしなさいよ!」
「ぁ…はぃ。」
有無を言わせぬ、完璧な笑顔で言い捨てると、柚子と二人で拝殿を後にした。
柚子を除く篠辺の式神達は、お茶室に集まり、明朝までの巡回と、緊急時の対応を
話し合った。そのまま、お茶室が式神達の詰め所となった。
「うかっち、夜の女子会なんだから、お菓子とお酒とおつまみは欠かせないでしょ。だけど…どれも私じゃ用意出来ないのよぉ。用意だけなら朝姉にお願い出来るけど、食材やお酒が減っていれば、バレちゃうでしょ…。どうしたら良いと思う?」
『なるほど…そっちはわれが何とかしよう。それより…あけっち、細かい事じゃが〝夜の女子会〟はなかろう。人ではないが一応、男女故、〝夜会〟になってしまう。そのような怪しげな集いでは、篠辺狐に話し難いのじゃ。やはり〝寝巻の集い〟に
改めぬか?』
…今確かに、拝殿で各々くつろいでいますが、全部聞こえてるんですよ。
木通は日常だから誰も気にしないけど、倉稲様のは聞いちゃダメな気がする…。
何ていうか…二人の会話は、性能の良い館内放送なんだよね…。
それに、今までの会話だって〝夜の女子会〟から男女故に〝夜会〟になるので、
〝寝巻の集い〟に改めよう…って流れだったけど…。
一応、男女だという事に気付いたのは良かったけど、集いの名が問題なのではない。
ちなみに、もうお狐様に話さなくても聞こえちゃってますし、実際に拝殿で二人が、朝を迎えたとしても、二日酔いと寝ぐせ程度の変化しかない事は、誰もが容易に想像出来るんですよ。
この杏から言わせれば、倉稲様と木通は、寝巻もパジャマもお持ちでないので、
どの集会名も成立していません。
この事態を放置する訳にも行かず、何となく皆が〝誰が伝える⁈…〟みたいに
なり、顔を見合わせていた。
何れにせよ、伝えなければ館内放送が鳴り響く中、寝る事になるのだが何としてもそれだけは避けたい。
『左京、頼みたい事があるのじゃが、少し良いか?』
この一声で、倉稲様担当が決まった。
そんな左京に、夕霧と柚子が〝お酒やつまみは、お任せください〟と小声で言った。
左京の背中を見送りながら、夕霧が
「朝ちゃん、責任上、防音結界ぐらいの指導はしなさいよ!」
「ぁ…はぃ。」
有無を言わせぬ、完璧な笑顔で言い捨てると、柚子と二人で拝殿を後にした。
柚子を除く篠辺の式神達は、お茶室に集まり、明朝までの巡回と、緊急時の対応を
話し合った。そのまま、お茶室が式神達の詰め所となった。
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