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双子の七五三 11 特別なお守り
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「このお守りは神社で売っている物だけど、良いかな?皆とお揃いになっちゃうけど…。」
左京が言うと
「三歳のお祝いの時にも、貰ったから知ってる。何もないって思っていたのに、飴もお守りも貰えて嬉しいよ。」
素直に双子の兄が言うと、妹も
「ありがとう。」
そう嬉しそうに、はにかんだ。
「二人だけのお揃いが欲しかったんだろ?玉石はあげられないけど、皆と一緒じゃなくて、二人だけの特別なお揃いのお守りが欲しくない?」
「えっ!でも…。」
「どうすればいいの?」
双子は左京をじっと見た。
「お狐様と大神様に約束するんだけど…。」
少し勿体振った言い方をすると
「私達でも守れる約束?」
不安そうに妹が尋ねる。
「何処へ行くにも、必ずこのお守りを身につける事!約束できるかな…。」
「出来る!」
声を揃えて双子が言うと
「約束が守れるなら、特別なお守りにしてあげようかな!」
左京の言葉に、双子は目を輝かせた。
左京は双子からお守りを預かると、朝霧に丸い飴玉のような物と一緒に、お守りを一つ手渡し、二人は暫く背を向けて何かをしていた。
そして双子の方へ向き直った二人は
「これで、二人だけの特別なお守り。」
そう言って、お守りを双子の目の前に差し出した。
双子はじっと見た後、
「ほんとだ!特別なお守り。」
「可愛い鈴がついてる!」
手にして目を輝かせ、二つを見比べて微笑んだ。
「本当に困って、自分達じゃどうしようもない状態になった時に、この〝特別なお守り〟が助けてくれるから、必ず身につけているんだよ。約束だ。」
左京は真剣に話すと
「はい。約束します。」
「大切にします。」
双子はお守りを大事そうに両手で包んだ。
その頃、右京と夕霧は双子の両親と、いまだ押し問答をしていた。
「千歳飴は、私共から七五三で参拝されたお子様達にお渡ししているものですので、どなたからもお代は頂いておりません。」
「お守りは、陽くんと月ちゃんが元気で仲良く育ってくれることを願ってです。そして今日、家族の在り方をお二人から教えて頂きました。今までの無礼な言葉の謝罪と感謝を細やかですが、お守りとして受け取って頂けると嬉しいです。」
夕霧の言葉も、右京の言葉も聞いた上で
「親として、こんな嬉しい事はありません。神主さんや巫女さんが、私達親と同じようにあの子達を思っていてくれるなんて…ありがとうございます。見苦しい姿もありましたが、今は本当に同じことを思い、願っています。どうか親として、あの子達を祝わせては貰えませんか。この代金で祝った事にして済ませたい訳ではなく、今日は陽と月、妻と一緒に食事をし過ごしたいと考えています。千歳飴もお守りも、御祈祷して頂くと頂戴出来るのは存じております。失礼な話し、御祈祷料に含まれているのでしょうが、私共は御祈祷も申し込んではおらず、こちらのお品だけ頂戴する訳にはいきません。せめて、御祈祷料としてお納めください。」
夫婦揃って頭を下げる様子に、右京が折れ
「分かりました。…ですが、御祈祷料は頂けませんので、千歳飴とお守りの分だけ頂戴致します。今から祈祷は出来ませんが、ご家族揃って参拝して、ご自宅にて改めてご家族でお祝いしてあげてください。陽くんも月ちゃんも、きっと喜んでくれるでしょう。」
こちらも何とか落ち着いたようだ。
左京が言うと
「三歳のお祝いの時にも、貰ったから知ってる。何もないって思っていたのに、飴もお守りも貰えて嬉しいよ。」
素直に双子の兄が言うと、妹も
「ありがとう。」
そう嬉しそうに、はにかんだ。
「二人だけのお揃いが欲しかったんだろ?玉石はあげられないけど、皆と一緒じゃなくて、二人だけの特別なお揃いのお守りが欲しくない?」
「えっ!でも…。」
「どうすればいいの?」
双子は左京をじっと見た。
「お狐様と大神様に約束するんだけど…。」
少し勿体振った言い方をすると
「私達でも守れる約束?」
不安そうに妹が尋ねる。
「何処へ行くにも、必ずこのお守りを身につける事!約束できるかな…。」
「出来る!」
声を揃えて双子が言うと
「約束が守れるなら、特別なお守りにしてあげようかな!」
左京の言葉に、双子は目を輝かせた。
左京は双子からお守りを預かると、朝霧に丸い飴玉のような物と一緒に、お守りを一つ手渡し、二人は暫く背を向けて何かをしていた。
そして双子の方へ向き直った二人は
「これで、二人だけの特別なお守り。」
そう言って、お守りを双子の目の前に差し出した。
双子はじっと見た後、
「ほんとだ!特別なお守り。」
「可愛い鈴がついてる!」
手にして目を輝かせ、二つを見比べて微笑んだ。
「本当に困って、自分達じゃどうしようもない状態になった時に、この〝特別なお守り〟が助けてくれるから、必ず身につけているんだよ。約束だ。」
左京は真剣に話すと
「はい。約束します。」
「大切にします。」
双子はお守りを大事そうに両手で包んだ。
その頃、右京と夕霧は双子の両親と、いまだ押し問答をしていた。
「千歳飴は、私共から七五三で参拝されたお子様達にお渡ししているものですので、どなたからもお代は頂いておりません。」
「お守りは、陽くんと月ちゃんが元気で仲良く育ってくれることを願ってです。そして今日、家族の在り方をお二人から教えて頂きました。今までの無礼な言葉の謝罪と感謝を細やかですが、お守りとして受け取って頂けると嬉しいです。」
夕霧の言葉も、右京の言葉も聞いた上で
「親として、こんな嬉しい事はありません。神主さんや巫女さんが、私達親と同じようにあの子達を思っていてくれるなんて…ありがとうございます。見苦しい姿もありましたが、今は本当に同じことを思い、願っています。どうか親として、あの子達を祝わせては貰えませんか。この代金で祝った事にして済ませたい訳ではなく、今日は陽と月、妻と一緒に食事をし過ごしたいと考えています。千歳飴もお守りも、御祈祷して頂くと頂戴出来るのは存じております。失礼な話し、御祈祷料に含まれているのでしょうが、私共は御祈祷も申し込んではおらず、こちらのお品だけ頂戴する訳にはいきません。せめて、御祈祷料としてお納めください。」
夫婦揃って頭を下げる様子に、右京が折れ
「分かりました。…ですが、御祈祷料は頂けませんので、千歳飴とお守りの分だけ頂戴致します。今から祈祷は出来ませんが、ご家族揃って参拝して、ご自宅にて改めてご家族でお祝いしてあげてください。陽くんも月ちゃんも、きっと喜んでくれるでしょう。」
こちらも何とか落ち着いたようだ。
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