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グレン卿が失踪した、その衝撃的すぎる。情報にエイダは衝撃を隠すことができない。
「どういうことですか!?」
「そのままの意味だよ、エイダ君。恐らく先手を打たれた。グレン卿は、身を隠し自分の目的を実行しようとしているのさ。」
マリデはいかにも忌々しそうにいう。これからグレン卿を問企みを止めようと夢の中で準備をしてきた、しかしグレン卿の行く先がわからぬとあっては、もはやどうしようもない。
「誰も、気がつかなかったそうだ。1日ほど前から姿が見えないらしい。首都ではかなりの混乱が起きているようだね。」
ドンキホーテもまた難しそうな顔して、ため息をつきながら話を始める。
「どうする、グレン卿の行方が分からなくなっちまったのなら俺の騎士の立場を利用した、ツテも意味がなくなっちまう。」
マリデはドンキホーテの言葉に頷く。
「そうそこなんだ。どうしたものか。完全に姿を消してしまった以上、探すのは難しくなってしまった。そこで一つ提案がある。神の使者について調べてみないかい?」
エイダはその言葉にいち早く反応した。
「神の使者をですか…?」
エイダ自身、それを調べる機会があるなら調べたいと思っていた。
「なぜ今調べる必要があるのじゃ?今はグレン卿を追う方が先決ではないかの?」
エイダの思っていることをアレン先生が代弁してくれる。そう、果たして今、神の使者について調べる余裕はあるのだろうか。紅茶を注ぎつつマリデは答える。
「グレン卿は僕が探す。こう見えても王家や貴族との関わりはあるんだ。分身の魔法を使える僕はこういうのに適している。そして、神の使者を調べて欲しいのは、エイダ君の自身のこと理解するということは敵の目的を理解することではないかと思ってね。神の使者と名乗るエイダ君の夢の中に出てくる少年。そしてそれを狙う敵。神の使者を調べることで自ずとなにかが見えてくるかもしれない。僕たちは敵に対してあまりにも無知なんだ。わかることから調べていこう。それに…」
マリデはあのカルエ遺跡であった赤い光の翼を持つ青年を思い起こした。
「エイダ君、カルエ遺跡の光の翼を持つ青年のことどう思った?」
エイダは言い淀んだあと、「少し変かもしれませんが」と付け加え、話始める
「他人には思えませんでした。私、自分の光の翼見たことないのにあの人の光の翼を見たとき、なんとかなく私と同じだって思えたんです。同じ、神の使者の仲間だって…」
その言葉を聞くとマリデは確信を持ったようだ。
「ならばやはり、あの青年は神の使者なんだろう。そして敵は神の使者を仲間にしているということになる。」
そこでエイダは気がつく。
「じゃあもしかして、母さんの手紙に書いていた。ホムンクルスや魂たちの正体って!」
マリデは頷き、腕を組んだ。
「恐らく人工的に生み出された神の使者それがあの青年なのだろう。つまりエイダ君の兄弟、そして同じ転生者なのかもしれないね。」
エイダ、俯いてしまう。まさかそんな自分の兄弟達を助けたいと夢の中で誓ったのに、まさかその兄弟と争うことになるとは、エイダにとってその事実は衝撃的であった。
「君は、その青年と一度戦っているんだ。覚えているかな?」
マリデの問いに、俯いたままエイダは首を振る。
「そうか…ドンキホーテ、アレン先生、カルエでの戦いどう思った?」
初めに口を開いたのはアレン先生だ
「エイダは一方的にやられていたの。能力の相性差もあると思うのじゃが。とにかく相手が悪かったように感じるのぅ。」
ドンキホーテ頷きながら言う。
「アレン先生に同意だぜ。」
マリデは、二人の言葉を聞くと改めて話し始める。
「僕たちは相手のことをまるで知らない。知らないが故にあそこまで追い詰められた。ドンキホーテのアビリティがなければ恐らく敗北していただろう。」
「だからこそ」と、マリデは続けた。
「僕たちは、敵のことを知る必要があると思うんだ。神の使者のことをね。」
しかしアレン先生はまだ納得していないようだ。
「じゃがどうするんじゃ?神の使者のことを調べるといっても、グレン卿以上に調べるのは難しい気がするんじゃがのう。」
「それなら心当たりがあるぜ。」
ドンキホーテは、声を上げる。どうやらツテがあるようだ。
「メルジーナ先生だよ!メルジーナ先生!あの神の使者ものの小説を書いてる!先生なら何か知ってるかもしれねーぜ!」
「なるほど一理あるかもしれない。」
マリデは手を叩く。
「本気で言っておるのかマリデ?」
アレン先生はあまり信用をしていないようだ。
「メルジーナ先生は、著名な小説家であると同時に神の使者にも詳しい学者でもあるのさ。たしかに彼女なら何か知っているかもね。」
そう言うマリデに、ドンキホーテは同調し、「そうだぞアレン先生」と得意げに頷いていた。
「エイダはどう思う?」
ドンキホーテはエイダに問いを投げかける。
「私?私も…どちらかといえばメルジーナ先生にはあってみたいかな。前に少しだけ小説を読ませてもらった時、確かにすごい知識量だなって思ったし。」
それを聞くとドンキホーテはアレン先生に顔を合わせ、得意げにこう言った。
「どうだ。アレン先生、バカにできないだろ?」
アレン先生は「まいったよドンキホーテ。」といい。
「わかったではメルジーナとやらに会いに行くかの。」
そう言ってアレン先生は折れた。どうやらエイダ達一行が行く先は決まったようだ。ドンキホーテは部屋にあった地図を広げる。
「じゃあ決まりだな。俺たちが行くのはトーンレンスの街だ。そこにメルジーナ先生がいるはずだ。」
「どういうことですか!?」
「そのままの意味だよ、エイダ君。恐らく先手を打たれた。グレン卿は、身を隠し自分の目的を実行しようとしているのさ。」
マリデはいかにも忌々しそうにいう。これからグレン卿を問企みを止めようと夢の中で準備をしてきた、しかしグレン卿の行く先がわからぬとあっては、もはやどうしようもない。
「誰も、気がつかなかったそうだ。1日ほど前から姿が見えないらしい。首都ではかなりの混乱が起きているようだね。」
ドンキホーテもまた難しそうな顔して、ため息をつきながら話を始める。
「どうする、グレン卿の行方が分からなくなっちまったのなら俺の騎士の立場を利用した、ツテも意味がなくなっちまう。」
マリデはドンキホーテの言葉に頷く。
「そうそこなんだ。どうしたものか。完全に姿を消してしまった以上、探すのは難しくなってしまった。そこで一つ提案がある。神の使者について調べてみないかい?」
エイダはその言葉にいち早く反応した。
「神の使者をですか…?」
エイダ自身、それを調べる機会があるなら調べたいと思っていた。
「なぜ今調べる必要があるのじゃ?今はグレン卿を追う方が先決ではないかの?」
エイダの思っていることをアレン先生が代弁してくれる。そう、果たして今、神の使者について調べる余裕はあるのだろうか。紅茶を注ぎつつマリデは答える。
「グレン卿は僕が探す。こう見えても王家や貴族との関わりはあるんだ。分身の魔法を使える僕はこういうのに適している。そして、神の使者を調べて欲しいのは、エイダ君の自身のこと理解するということは敵の目的を理解することではないかと思ってね。神の使者と名乗るエイダ君の夢の中に出てくる少年。そしてそれを狙う敵。神の使者を調べることで自ずとなにかが見えてくるかもしれない。僕たちは敵に対してあまりにも無知なんだ。わかることから調べていこう。それに…」
マリデはあのカルエ遺跡であった赤い光の翼を持つ青年を思い起こした。
「エイダ君、カルエ遺跡の光の翼を持つ青年のことどう思った?」
エイダは言い淀んだあと、「少し変かもしれませんが」と付け加え、話始める
「他人には思えませんでした。私、自分の光の翼見たことないのにあの人の光の翼を見たとき、なんとかなく私と同じだって思えたんです。同じ、神の使者の仲間だって…」
その言葉を聞くとマリデは確信を持ったようだ。
「ならばやはり、あの青年は神の使者なんだろう。そして敵は神の使者を仲間にしているということになる。」
そこでエイダは気がつく。
「じゃあもしかして、母さんの手紙に書いていた。ホムンクルスや魂たちの正体って!」
マリデは頷き、腕を組んだ。
「恐らく人工的に生み出された神の使者それがあの青年なのだろう。つまりエイダ君の兄弟、そして同じ転生者なのかもしれないね。」
エイダ、俯いてしまう。まさかそんな自分の兄弟達を助けたいと夢の中で誓ったのに、まさかその兄弟と争うことになるとは、エイダにとってその事実は衝撃的であった。
「君は、その青年と一度戦っているんだ。覚えているかな?」
マリデの問いに、俯いたままエイダは首を振る。
「そうか…ドンキホーテ、アレン先生、カルエでの戦いどう思った?」
初めに口を開いたのはアレン先生だ
「エイダは一方的にやられていたの。能力の相性差もあると思うのじゃが。とにかく相手が悪かったように感じるのぅ。」
ドンキホーテ頷きながら言う。
「アレン先生に同意だぜ。」
マリデは、二人の言葉を聞くと改めて話し始める。
「僕たちは相手のことをまるで知らない。知らないが故にあそこまで追い詰められた。ドンキホーテのアビリティがなければ恐らく敗北していただろう。」
「だからこそ」と、マリデは続けた。
「僕たちは、敵のことを知る必要があると思うんだ。神の使者のことをね。」
しかしアレン先生はまだ納得していないようだ。
「じゃがどうするんじゃ?神の使者のことを調べるといっても、グレン卿以上に調べるのは難しい気がするんじゃがのう。」
「それなら心当たりがあるぜ。」
ドンキホーテは、声を上げる。どうやらツテがあるようだ。
「メルジーナ先生だよ!メルジーナ先生!あの神の使者ものの小説を書いてる!先生なら何か知ってるかもしれねーぜ!」
「なるほど一理あるかもしれない。」
マリデは手を叩く。
「本気で言っておるのかマリデ?」
アレン先生はあまり信用をしていないようだ。
「メルジーナ先生は、著名な小説家であると同時に神の使者にも詳しい学者でもあるのさ。たしかに彼女なら何か知っているかもね。」
そう言うマリデに、ドンキホーテは同調し、「そうだぞアレン先生」と得意げに頷いていた。
「エイダはどう思う?」
ドンキホーテはエイダに問いを投げかける。
「私?私も…どちらかといえばメルジーナ先生にはあってみたいかな。前に少しだけ小説を読ませてもらった時、確かにすごい知識量だなって思ったし。」
それを聞くとドンキホーテはアレン先生に顔を合わせ、得意げにこう言った。
「どうだ。アレン先生、バカにできないだろ?」
アレン先生は「まいったよドンキホーテ。」といい。
「わかったではメルジーナとやらに会いに行くかの。」
そう言ってアレン先生は折れた。どうやらエイダ達一行が行く先は決まったようだ。ドンキホーテは部屋にあった地図を広げる。
「じゃあ決まりだな。俺たちが行くのはトーンレンスの街だ。そこにメルジーナ先生がいるはずだ。」
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