2 / 31
出会い編!
その後
しおりを挟む
「エヴァンソ……ドンキホーテか」
オークのレーデンスはしっかりと記憶するために、名前を繰り返す。するとドンキホーテは大仰に叫び出す。
「あ、ヤベェ! 早くいかねぇと! じゃあなオークの人!
ドンキホーテはレーデンスの名前も聞かずに走り出す。レーデンスは走っていくドンキホーテの背中に声をかけ、自分も名乗ろうとしたが急いでいる様なので遠慮をした。
――名前は知っている、それに冒険者ならまた会うこともあるだろう。
レーデンスは不思議と嫌な気分はしなかった、変に難癖をつけられて依頼を取ることもできなかったというのに。
とにかく依頼を受けるのは明日に回すことにして、レーデンスは下宿へと帰ることにした。
「ヤベェ! 速く速く!」
背の高い少年ドンキホーテは急いで、集合場所に向う。
「急がねぇと、またリーダーに怒られるぜ!」
ドンキホーテもまた冒険者だ、冒険者というのは、大抵、パーティを組むものなのだ。
パーティとはそのままの意味であり、冒険を共にする集団を指す言葉で、所謂、仲間だ。ドンキホーテも、もちろん、パーティを組んでいる。
そのパーティは名もついており、その名も「銀色の短剣」という。名前の由来はパーティのリーダーである、カールランドが持つ銀色の短剣からだ。
そのパーティはまあまあ優秀なであり、構成も攻撃の魔法を唱える魔法使いが一人、回復の祈りを唱えられる「僧侶」が一人、斧や剣を使える「戦士」が二人とバランスが取れたものた。
ちなみにドンキホーテはその「銀色の短剣」の中での役割は荷物持ちである。
そんな荷物持ちである彼が急いでいる理由は他でもない。もうすぐその「銀色の短剣」が前から決められていた。集合時間を過ぎてしまうからだ。
近道である路地裏を入り、集合場所である、街の広場までドンキホーテは全速力で走る。
「間に合えェェェ!」
ドンキホーテは薄暗い路地裏の出口から差す、光の中に飛び込んでいった。飛び込んだ先には街の広場が広がっていた。
ここは王都エポロでも有名な観光場所であり、有名な彫刻師が掘った複数の石像が飾られている。誰が名付けたか、「美の広場」と呼ばれている。
「よし! まだ間に合う!」
二千年前、魔王を打ち取ったと言われる英雄を模した、彫像「英雄の像」の下、そこがいつもの集合場所だった。ドンキホーテは急いでその像の元へ行く。
「英雄の像」はあいもかわらず、巨大で、畏怖を抱かせる様な重圧を放ち、立っていた。そして近くにドンキホーテの探し人である仲間達が辺りを見回し誰かを待っている。
「おーい!」
ドンキホーテは声をかけた。するとリーダのカールランドがドンキホーテを見ると怒りのこもった表情を見せた。
ドンキホーテは遅れたせいで怒っているんだと、思い込み。「ごめんな、リーダー!」と言いながらカールランドに近づく。
ドンキホーテはカールランドに怒鳴られた。
「ドンキホーテ、またやったな!」
「すまねぇ! 遅刻したことは謝るよ! でも――」
「遅刻じゃない! お前また喧嘩をしただろう!」
ドンキホーテは困惑した。なぜその事をリーダが知っているのか理解ができなかったのだ。
「なんで、リーダーが知って……」
「俺が直々に言ったからだよ」
すると像の陰からヌッと見慣れた男が姿を現した。あの酒臭い男だ。
「このジャックさんが教えてくれた、お前ジャックさんを殴ったんだってな!」
「いや、それはそうなんだが、これには理由が――」
「言い訳は聞きたくない! ドンキホーテお前は……」
カールランドは言い放つ。
「このパーティから追放する!」
その言葉に近くにいた仲間たちの女僧侶のエミーと男魔法使いのジェイルが驚く。
エミーは言った。
「リーダー、そんな! いくらなんでも!」
ジェイルも続いて言う。
「そうだよ、追放なんて……」
もう一人の無口な戦士ダリミヌスは何も言わない。カールランドは「しかしな」と仲間たちを説得する。
「みんな前から決めていただろう! ドンキホーテがまた問題を起こしたらパーティから除外すると! 今回、こいつはまた問題を起こした。俺たちの信頼を裏切ったんだ!」
「待ってくれよ、リーダー! じゃあ荷物持ちの役はどうするんだ。誰が戦利品を持ち運ぶんだよ!」
ドンキホーテは必死に食い下がるもカールランドの意思は変わらない。
「荷物は俺が持つ代わりが見つかるまでな」
カールランドはそう言った。ドンキホーテは完全に追放されたのだとを身をもって知るとショックを受ける。ドンキホーテは弁明をしようとするも、カールランドは聞き入れてはくれなかった。
ついにドンキホーテは諦め、カールランドの方を見てこう言った。
「わかったよ……リーダー……今までお世話になったな……」
ドンキホーテはそういうと下宿に戻るべく踵を返して広場に出ていった。
そんな様子を酒臭い男、ジャックはニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら見ていた。
――いいもん見れたぜ! ザマァ見やがれ、役立たずの荷物持ちが!
ジャックは心の中の声を、必死に抑えるので精一杯だった。下衆な男は思う、まさかここまでうまく行くとは、と。
遡ること数分前、ドンキホーテが広場に着く前のこと、ジャックは頬をさすっていた。
「いてぇ! ちくしょうなんだったんだあのガキ!」
そういえばと取り巻きの内一人の男が思い出したかの様に呟いた。
「あのガキ、あそこんところのガキじゃねぇか? ほらあの、「銀色の短剣」とこの荷物持ちのガキだよ、喧嘩っ早いって噂のガキだ」
その言葉を境に、「そういえば、そうだな」と男たちは言った。そこでジャックはニヤリと笑みを浮かべ言った。
「いい事、思いついちまった。おいお前ら「銀色の短剣」がよく見かける場所ってどこだ?」
そうしてジャックは「銀色の短剣」がよく待ち合わせ場所に利用している、街の広場に顔を出しドンキホーテよりも先に「銀色の短剣」を見つけ出したのだ。
ジャックはこの時ばかりは、「逃げ足のジャック」と笑われる、自分の足の速さに感謝した。
そしてジャックは事の顛末をうまく自分が被害者になる様に説明してカールランドを焚きつけたのである。
幸いにもドンキホーテが今までの素行の悪さもあり、事はジャックの思い通りに進んだ。
そして現在に至る。ジャックはトボトボ、歩くドンキホーテの背中を指を指して笑いたかったが、必死に我慢した。
しかもそれに加えて、リーダーのカールランドが何度も「申し訳ない」と謝ってくる、そのせいでジャックは余計に愉悦に浸り、吹き出すのを我慢するのが精一杯であった。
こうしてジャックは悦に浸りながら、「銀色の短剣」に別れを告げ、ドンキホーテ追放話を酒の肴にすべく、仲間たちの元へ帰って行った。
ドンキホーテはトボトボと歩き下宿に戻ってきた。
ドンキホーテの、住んでいる下宿は「冒険者の宿」と呼ばれ冒険者資格があるものならば誰でも入れる。
もちろん無料ではないが、高くもない冒険者にとっては住みやすい場所だ。
「はあ」とため息を吐く、いつもならこの時間は依頼に行って帰ってくる事はない、ここの下宿の美しい看板娘、ジェーンに「どうしたの」と言われるのが怖かった。
「でも、やる事ねぇしな……」
そうして「冒険者の宿」の目の前でドンキホーテが呆然としていると、ガチャリと扉が開き、中から栗色のそこそこ長い髪を持つ綺麗な少女が現れた。
「ドンキホーテどうしたの? 忘れ物?」
ジェーンだ。ドンキホーテは隠してもしょうがねぇ、とはっきり言うことにした。だってどうせ嘘ついたところで明日にはバレているだろうと。
「いやぁ、パーティ、クビになった!」
もはやドンキホーテ自身でも笑えてくる(実際に笑いながら言っていたが)、そのあっけらかんとした説明にジェーンは目を皿の様に丸くし、これから買い物に出かけるつもりだったのだろう買い物カゴを落としてしまう。
「えええ! ドンキホーテ大丈夫なのそれ!」
ドンキホーテは改めて言った。
「まあクビになったもんは、しょうがないだろ! 悔しいがリーダー達との約束を破っちまったのは確かだしな」
「……て言う事は、また喧嘩したのね」
睨むジェーンにドンキホーテは再び、返す。
「でもまあ、あの喧嘩はしょうがなかったと思うぜ」
「いっつも、それじゃない! リーダーにも言われたでしょ拳じゃなくて口を動かせって!」
怒るジェーンにドンキホーテは「いや、最初は口で喧嘩しようとしてたんだよ」と言い訳を繰り出すも、ジェーンの怒りは心配からくる怒り、収まりそうもない。
「で、どうするのドンキホーテ、クビになっちゃったんでしょ? パーティ組めないと依頼を受けられないこともあるらしいじゃない」
「まあそこら辺は考えるさ、新しい仲間を見つけるかなぁ」
「そんな仲間なんて、あなた! あなたの実力じゃ、誰も雇ってくれないわよ!」
何気にひどいことを言うがたしかにそれは事実だった、ドンキホーテはパーティに入りにくい理由があった。
「だから」とジェーンは顔を少しだけ赤らめ言う。
「一緒に「冒険者の宿」で働かない? お父さんもあなたならいいって言ってるから」
それを聞くドンキホーテは首を横に振る。
「悪いなジェーンありがたいけどよ、俺には夢があんだ」
ジェーンは肩を落とし、ため息を吐く「またか」と。
ドンキホーテは気にせず続けた。誰にも聞こえる様な大声で。
「俺は英雄になりてぇ!!」
オークのレーデンスはしっかりと記憶するために、名前を繰り返す。するとドンキホーテは大仰に叫び出す。
「あ、ヤベェ! 早くいかねぇと! じゃあなオークの人!
ドンキホーテはレーデンスの名前も聞かずに走り出す。レーデンスは走っていくドンキホーテの背中に声をかけ、自分も名乗ろうとしたが急いでいる様なので遠慮をした。
――名前は知っている、それに冒険者ならまた会うこともあるだろう。
レーデンスは不思議と嫌な気分はしなかった、変に難癖をつけられて依頼を取ることもできなかったというのに。
とにかく依頼を受けるのは明日に回すことにして、レーデンスは下宿へと帰ることにした。
「ヤベェ! 速く速く!」
背の高い少年ドンキホーテは急いで、集合場所に向う。
「急がねぇと、またリーダーに怒られるぜ!」
ドンキホーテもまた冒険者だ、冒険者というのは、大抵、パーティを組むものなのだ。
パーティとはそのままの意味であり、冒険を共にする集団を指す言葉で、所謂、仲間だ。ドンキホーテも、もちろん、パーティを組んでいる。
そのパーティは名もついており、その名も「銀色の短剣」という。名前の由来はパーティのリーダーである、カールランドが持つ銀色の短剣からだ。
そのパーティはまあまあ優秀なであり、構成も攻撃の魔法を唱える魔法使いが一人、回復の祈りを唱えられる「僧侶」が一人、斧や剣を使える「戦士」が二人とバランスが取れたものた。
ちなみにドンキホーテはその「銀色の短剣」の中での役割は荷物持ちである。
そんな荷物持ちである彼が急いでいる理由は他でもない。もうすぐその「銀色の短剣」が前から決められていた。集合時間を過ぎてしまうからだ。
近道である路地裏を入り、集合場所である、街の広場までドンキホーテは全速力で走る。
「間に合えェェェ!」
ドンキホーテは薄暗い路地裏の出口から差す、光の中に飛び込んでいった。飛び込んだ先には街の広場が広がっていた。
ここは王都エポロでも有名な観光場所であり、有名な彫刻師が掘った複数の石像が飾られている。誰が名付けたか、「美の広場」と呼ばれている。
「よし! まだ間に合う!」
二千年前、魔王を打ち取ったと言われる英雄を模した、彫像「英雄の像」の下、そこがいつもの集合場所だった。ドンキホーテは急いでその像の元へ行く。
「英雄の像」はあいもかわらず、巨大で、畏怖を抱かせる様な重圧を放ち、立っていた。そして近くにドンキホーテの探し人である仲間達が辺りを見回し誰かを待っている。
「おーい!」
ドンキホーテは声をかけた。するとリーダのカールランドがドンキホーテを見ると怒りのこもった表情を見せた。
ドンキホーテは遅れたせいで怒っているんだと、思い込み。「ごめんな、リーダー!」と言いながらカールランドに近づく。
ドンキホーテはカールランドに怒鳴られた。
「ドンキホーテ、またやったな!」
「すまねぇ! 遅刻したことは謝るよ! でも――」
「遅刻じゃない! お前また喧嘩をしただろう!」
ドンキホーテは困惑した。なぜその事をリーダが知っているのか理解ができなかったのだ。
「なんで、リーダーが知って……」
「俺が直々に言ったからだよ」
すると像の陰からヌッと見慣れた男が姿を現した。あの酒臭い男だ。
「このジャックさんが教えてくれた、お前ジャックさんを殴ったんだってな!」
「いや、それはそうなんだが、これには理由が――」
「言い訳は聞きたくない! ドンキホーテお前は……」
カールランドは言い放つ。
「このパーティから追放する!」
その言葉に近くにいた仲間たちの女僧侶のエミーと男魔法使いのジェイルが驚く。
エミーは言った。
「リーダー、そんな! いくらなんでも!」
ジェイルも続いて言う。
「そうだよ、追放なんて……」
もう一人の無口な戦士ダリミヌスは何も言わない。カールランドは「しかしな」と仲間たちを説得する。
「みんな前から決めていただろう! ドンキホーテがまた問題を起こしたらパーティから除外すると! 今回、こいつはまた問題を起こした。俺たちの信頼を裏切ったんだ!」
「待ってくれよ、リーダー! じゃあ荷物持ちの役はどうするんだ。誰が戦利品を持ち運ぶんだよ!」
ドンキホーテは必死に食い下がるもカールランドの意思は変わらない。
「荷物は俺が持つ代わりが見つかるまでな」
カールランドはそう言った。ドンキホーテは完全に追放されたのだとを身をもって知るとショックを受ける。ドンキホーテは弁明をしようとするも、カールランドは聞き入れてはくれなかった。
ついにドンキホーテは諦め、カールランドの方を見てこう言った。
「わかったよ……リーダー……今までお世話になったな……」
ドンキホーテはそういうと下宿に戻るべく踵を返して広場に出ていった。
そんな様子を酒臭い男、ジャックはニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら見ていた。
――いいもん見れたぜ! ザマァ見やがれ、役立たずの荷物持ちが!
ジャックは心の中の声を、必死に抑えるので精一杯だった。下衆な男は思う、まさかここまでうまく行くとは、と。
遡ること数分前、ドンキホーテが広場に着く前のこと、ジャックは頬をさすっていた。
「いてぇ! ちくしょうなんだったんだあのガキ!」
そういえばと取り巻きの内一人の男が思い出したかの様に呟いた。
「あのガキ、あそこんところのガキじゃねぇか? ほらあの、「銀色の短剣」とこの荷物持ちのガキだよ、喧嘩っ早いって噂のガキだ」
その言葉を境に、「そういえば、そうだな」と男たちは言った。そこでジャックはニヤリと笑みを浮かべ言った。
「いい事、思いついちまった。おいお前ら「銀色の短剣」がよく見かける場所ってどこだ?」
そうしてジャックは「銀色の短剣」がよく待ち合わせ場所に利用している、街の広場に顔を出しドンキホーテよりも先に「銀色の短剣」を見つけ出したのだ。
ジャックはこの時ばかりは、「逃げ足のジャック」と笑われる、自分の足の速さに感謝した。
そしてジャックは事の顛末をうまく自分が被害者になる様に説明してカールランドを焚きつけたのである。
幸いにもドンキホーテが今までの素行の悪さもあり、事はジャックの思い通りに進んだ。
そして現在に至る。ジャックはトボトボ、歩くドンキホーテの背中を指を指して笑いたかったが、必死に我慢した。
しかもそれに加えて、リーダーのカールランドが何度も「申し訳ない」と謝ってくる、そのせいでジャックは余計に愉悦に浸り、吹き出すのを我慢するのが精一杯であった。
こうしてジャックは悦に浸りながら、「銀色の短剣」に別れを告げ、ドンキホーテ追放話を酒の肴にすべく、仲間たちの元へ帰って行った。
ドンキホーテはトボトボと歩き下宿に戻ってきた。
ドンキホーテの、住んでいる下宿は「冒険者の宿」と呼ばれ冒険者資格があるものならば誰でも入れる。
もちろん無料ではないが、高くもない冒険者にとっては住みやすい場所だ。
「はあ」とため息を吐く、いつもならこの時間は依頼に行って帰ってくる事はない、ここの下宿の美しい看板娘、ジェーンに「どうしたの」と言われるのが怖かった。
「でも、やる事ねぇしな……」
そうして「冒険者の宿」の目の前でドンキホーテが呆然としていると、ガチャリと扉が開き、中から栗色のそこそこ長い髪を持つ綺麗な少女が現れた。
「ドンキホーテどうしたの? 忘れ物?」
ジェーンだ。ドンキホーテは隠してもしょうがねぇ、とはっきり言うことにした。だってどうせ嘘ついたところで明日にはバレているだろうと。
「いやぁ、パーティ、クビになった!」
もはやドンキホーテ自身でも笑えてくる(実際に笑いながら言っていたが)、そのあっけらかんとした説明にジェーンは目を皿の様に丸くし、これから買い物に出かけるつもりだったのだろう買い物カゴを落としてしまう。
「えええ! ドンキホーテ大丈夫なのそれ!」
ドンキホーテは改めて言った。
「まあクビになったもんは、しょうがないだろ! 悔しいがリーダー達との約束を破っちまったのは確かだしな」
「……て言う事は、また喧嘩したのね」
睨むジェーンにドンキホーテは再び、返す。
「でもまあ、あの喧嘩はしょうがなかったと思うぜ」
「いっつも、それじゃない! リーダーにも言われたでしょ拳じゃなくて口を動かせって!」
怒るジェーンにドンキホーテは「いや、最初は口で喧嘩しようとしてたんだよ」と言い訳を繰り出すも、ジェーンの怒りは心配からくる怒り、収まりそうもない。
「で、どうするのドンキホーテ、クビになっちゃったんでしょ? パーティ組めないと依頼を受けられないこともあるらしいじゃない」
「まあそこら辺は考えるさ、新しい仲間を見つけるかなぁ」
「そんな仲間なんて、あなた! あなたの実力じゃ、誰も雇ってくれないわよ!」
何気にひどいことを言うがたしかにそれは事実だった、ドンキホーテはパーティに入りにくい理由があった。
「だから」とジェーンは顔を少しだけ赤らめ言う。
「一緒に「冒険者の宿」で働かない? お父さんもあなたならいいって言ってるから」
それを聞くドンキホーテは首を横に振る。
「悪いなジェーンありがたいけどよ、俺には夢があんだ」
ジェーンは肩を落とし、ため息を吐く「またか」と。
ドンキホーテは気にせず続けた。誰にも聞こえる様な大声で。
「俺は英雄になりてぇ!!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
実家が没落したので、こうなったら落ちるところまで落ちてやります。
黒蜜きな粉
ファンタジー
ある日を境にタニヤの生活は変わってしまった。
実家は爵位を剥奪され、領地を没収された。
父は刑死、それにショックを受けた母は自ら命を絶った。
まだ学生だったタニヤは学費が払えなくなり学校を退学。
そんなタニヤが生活費を稼ぐために始めたのは冒険者だった。
しかし、どこへ行っても元貴族とバレると嫌がらせを受けてしまう。
いい加減にこんな生活はうんざりだと思っていたときに出会ったのは、商人だと名乗る怪しい者たちだった。
騙されていたって構わない。
もう金に困ることなくお腹いっぱい食べられるなら、裏家業だろうがなんでもやってやる。
タニヤは商人の元へ転職することを決意する。
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
勇者に恋人寝取られ、悪評付きでパーティーを追放された俺、燃えた実家の道具屋を世界一にして勇者共を見下す
大小判
ファンタジー
平民同然の男爵家嫡子にして魔道具職人のローランは、旅に不慣れな勇者と四人の聖女を支えるべく勇者パーティーに加入するが、いけ好かない勇者アレンに義妹である治癒の聖女は心を奪われ、恋人であり、魔術の聖女である幼馴染を寝取られてしまう。
その上、何の非もなくパーティーに貢献していたローランを追放するために、勇者たちによって役立たずで勇者の恋人を寝取る最低男の悪評を世間に流されてしまった。
地元以外の冒険者ギルドからの信頼を失い、怒りと失望、悲しみで頭の整理が追い付かず、抜け殻状態で帰郷した彼に更なる追い打ちとして、将来継ぐはずだった実家の道具屋が、爵位証明書と両親もろとも炎上。
失意のどん底に立たされたローランだったが、 両親の葬式の日に義妹と幼馴染が王都で呑気に勇者との結婚披露宴パレードなるものを開催していたと知って怒りが爆発。
「勇者パーティ―全員、俺に泣いて土下座するくらい成り上がってやる!!」
そんな決意を固めてから一年ちょっと。成人を迎えた日に希少な鉱物や植物が無限に湧き出る不思議な土地の権利書と、現在の魔道具製造技術を根底から覆す神秘の合成釜が父の遺産としてローランに継承されることとなる。
この二つを使って世界一の道具屋になってやると意気込むローラン。しかし、彼の自分自身も自覚していなかった能力と父の遺産は世界各地で目を付けられ、勇者に大国、魔王に女神と、ローランを引き込んだり排除したりする動きに巻き込まれる羽目に
これは世界一の道具屋を目指す青年が、爽快な生産チートで主に勇者とか聖女とかを嘲笑いながら邪魔する者を薙ぎ払い、栄光を掴む痛快な物語。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる