上 下
24 / 25

第24稿

しおりを挟む
少年ってお前もそんなに年変わんないだろうが。別にお前に会いたかったわけじゃない。たまたまだろ。街歩いてて、こいつは久々にムカつく奴に会ったもんだ。ケンカしなくて良かったけど、よりによって俺が目指してた音楽業界で成功してる奴に助けられるとは、何の因果だ。この感情は中々どうして収まらなかった。家帰って、メシ食って、TV見て、風呂入って、ベットに入ろうとすると、携帯が鳴った。ったく誰だよ。こんな時間に。それも非通知かい。
「もしもし、どなた?」
「あっ俺っす。神田の楽器屋です。こないだはどうも」
「はっ楽器屋さんが何か?」
こいつ何で俺の携帯番号知ってんだよって、あっ分かった。アンケート用紙か、俺が客で彼が店員。
「どうしてこんな時間に楽器屋の兄ちゃんが、客の携帯にかけ来るんだよ。こんなのっておかしくないか?」
「何か口調が昨日と違うけど、それが地なんですか?」
「あん。朝で呂律が回っていないだけだよ」
「まあいいや。もう店員として電話したんじゃないし」
「分かったよ。で用件は何なん?」
「ああ、だから昨日の続きっていうか、俺とバンド組まないかって話」
「組まない」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

サクラサクキセキ

白騎雄
青春
新たなる物語が始まる、春。 桜舞うこの季節に、僕と君は出会った。 サクラサクとき、キセキは起こる

私たち、博麗学園おしがまクラブ(非公認)です! 〜特大膀胱JKたちのおしがま記録〜

赤髪命
青春
街のはずれ、最寄り駅からも少し離れたところにある私立高校、博麗学園。そのある新入生のクラスのお嬢様・高橋玲菜、清楚で真面目・内海栞、人懐っこいギャル・宮内愛海の3人には、膀胱が同年代の女子に比べて非常に大きいという特徴があった。 これは、そんな学校で普段はトイレにほとんど行かない彼女たちの爆尿おしがまの記録。 友情あり、恋愛あり、おしがまあり、そしておもらしもあり!? そんなおしがまクラブのドタバタ青春小説!

秘密基地には妖精がいる。

塵芥ゴミ
青春
これは僕が体験したとある夏休みの話。

かずのこ牧場→三人娘

パピコ吉田
青春
三人娘のドタバタ青春ストーリー。 ・内容 経営不振が続く谷藤牧場を建て直す為に奮闘中の美留來。 ある日、作業中の美留來の元に幼馴染の一人のびす子がやって来る。 びす子が言うには都会で頑張ってるはずのもう一人の幼馴染の花音が帰って来ると連絡が来たとの事だった。 いつも学生時代から三人で集まっていた蔵前カフェで花音と会う為に仕事を終わらせびす子と向かうと・・。

GIVEN〜与えられた者〜

菅田刈乃
青春
囲碁棋士になった女の子が『どこでもドア』を作るまでの話。

深海の星空

柴野日向
青春
「あなたが、少しでも笑っていてくれるなら、ぼくはもう、何もいらないんです」  ひねくれた孤高の少女と、真面目すぎる新聞配達の少年は、深い海の底で出会った。誰にも言えない秘密を抱え、塞がらない傷を見せ合い、ただ求めるのは、歩む深海に差し込む光。  少しずつ縮まる距離の中、明らかになるのは、少女の最も嫌う人間と、望まれなかった少年との残酷な繋がり。 やがて立ち塞がる絶望に、一縷の希望を見出す二人は、再び手を繋ぐことができるのか。 世界の片隅で、小さな幸福へと手を伸ばす、少年少女の物語。

冬の夕暮れに君のもとへ

まみはらまさゆき
青春
紘孝は偶然出会った同年代の少女に心を奪われ、そして彼女と付き合い始める。 しかし彼女は複雑な家庭環境にあり、ふたりの交際はそれをさらに複雑化させてしまう・・・。 インターネット普及以後・ケータイ普及以前の熊本を舞台に繰り広げられる、ある青春模様。 20年以上前に「774d」名義で楽天ブログで公表した小説を、改稿の上で再掲載します。 性的な場面はわずかしかありませんが、念のためR15としました。 改稿にあたり、具体的な地名は伏せて全国的に通用する舞台にしようと思いましたが、故郷・熊本への愛着と、方言の持つ味わいは捨てがたく、そのままにしました。 また同様に現在(2020年代)に時代を設定しようと思いましたが、熊本地震以後、いろいろと変わってしまった熊本の風景を心のなかでアップデートできず、1990年代後半のままとしました。

処理中です...