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第3稿

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 「おつかれしたー」と一言挨拶してバイトを終える。でもここからが一日で真に大事な時間。ギリギリの収入で生活する。その中で充実の生活を送る為にはタイムコントロールが重要な鍵を握る。時間の奴隷になるかはたまた主人になるか、すべては自分次第。時を制する者が人生を制す。平にご容赦を。さあ、いざ参ろうぞ。我が戦場へ。
 スタジオ到着。俺が一番乗りかと思いつつ、ドアを開けると
「よう、楽希、ちょっと今、いい感じでサビのリフ出来たとこ。早速お前に聞かせてやるよ、あっそうだ。ナオさん、バイトシフトチェンジしたとかで今日練習、来れないらしいぞ。さっき携帯にメール来てた。そういうことだから各自パート練習長めにやって、それとダットでナオさんのドラムの音、スクリーミングしといたから、それ使って、ナオさん抜きで最後、通し練習やって閉めようぜ」
タク。こいつはいっつも俺より早く来てる。で、こいつんちは金持ってる。親父さんはパイロット。国内だけどリッチな家の子だ。バイトなんかやってない、ある意味、超幸せな奴。
「どうした、楽希。何、キョトンとしてんだよ。早くやろうぜ」
お前はいいよな。このボンボン息子。
 「お前はどうしていつもそうなんだ。タク。このせっかち男が」
「はあ、なんだよそれ、お前が来んの遅いからだろ」
そうじゃねえよ、俺がいいたいのはなあ……(お前はある意味羨ましい」
ジャジャーん。で終了。
「今日はこのぐらいでいいじゃねえか。もうあがろうぜ、おつかれー」とそのタクが言った。
「おつかれー」
自信が過信に陥ると足元をすくわれる。
そしてそれが、前触れもなくやって来るとはこういうのを言う。
「ちょっと聞いてくれ皆、俺、バンド辞めるわ」
と急にタクが言った。その一言が全ての始まりを意味していた。ベースのアツが
「マジかよ。何でそんな急に。俺達これからだろうが」
「俺、親父と約束してたんだ。3年やって芽が出なかったら、実家帰って家業継ぐって」
「家業ってお前んち何かやってんの?」
「農家なんだ。俺、これでも、農業大学出てんだぜ」
「農業?初耳だぜ。お前そういう大事なこと、なんで今まで一言も言わなかったんだよ」
「誰も聞かねえからじゃん。そんなもんワザワザ自分から言うかよ。家業継ぐとか。でも、まあそう言うわけだ。本と皆、すまない」
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