逆らえない欲求

くろねこや

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後編 分岐2

右隣の男

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男に抱き上げられ玄関を出ると、右隣の部屋に連れ込まれた。

バスタオルで包まれたままソファに降ろされると、

「!!」

座面に押し上げられたバイブが、抜け落ちないように巻かれたロープごと中に食い込んできた。

尻にロープの食い込む感触とひんやり冷たいソファの合皮が触れ、敏感になった中をバイブに突き上げられる。
与えられた刺激に驚き、腰を浮かせる。

「悪い。バイブを挿したままだったな」

シャツと、またに食い込んでいたロープの拘束を解かれると、ズルっと中まで押し込まれていたバイブが抜け、こぽりと大量のローションが流れ出す感覚に「あっ」と思わず声が漏れる。

慌ていると、男はティッシュでお尻とソファを拭いてくれた。体内に流し込まれたローションは体温で溶けて、身じろぐだけでさらに出てきてしまいそうだ。
恥ずかしさに顔を赤らめた僕に、クスッと笑うと、男はペットボトルの緑茶を渡してくれる。

手がしびれているせいで、震えてキャップを回せない僕に代わってフタを開けてくれると、汚れたシャツと床を拭いたタオルを持って部屋を出て行った。


乾いた喉に冷えたお茶がおいしくて、ゴクゴクと飲み干す。ようやく周りを見る余裕が出てきた。
余分な家具のないシンプルな部屋だか、片隅に段ボールがいくつも積んである。

洗濯機の扉を開閉する音がし、少し経ってから男が戻ってきた。

「『真山結人』くんは高校生くらいかな?」

僕が頷くと、男は微妙な表情になった。

「オレは黒田くろだ周吾しゅうご、会社員です。未成年を襲ってしまったオレなんかに言われたくないだろうけど、警戒心がなさすぎるよ…」

そう言って、僕の部屋の鍵をテーブルに置いてくれた。



黒田さんは、なんと大人のおもちゃを作る会社で新商品を企画開発する仕事をしているそうだ。

海外の工場に製造を委託しているが、時々その製造ラインをそのまま使って格安のコピー商品を作られてしまうらしい。
僕が買った安いバイブも、そういったコピー商品の一つらしく、つい怒りで頭に血が昇って僕に意地悪をしてしまったそうだ。
新商品の開発は我が子を産むように大変なことで、簡単にアイディアを盗まれてしまうのが腹立たしいという。


ちょうど新しい商品を考えている時に、参考に取り寄せた物が届くのを待っていて、僕の荷物が部屋の前に置いてあったのでうっかり開けてしまったらしい。『宛名を見ずに開けてゴメン』と謝られた。

ちなみに先ほどのロープは、アイディア探しに迷走した結果、「縛り」の本を読みながらラブドールで練習していたものらしい。
ちょうど僕という相手がいたので試してみたらしく、成果を写真や動画に残して参考にしようと思ったそうだ。


「バイブを初めて買った人は、ちゃんと慣らさないで使うと痛いばかりで気持ちよくないんだよ」

初心者向けの正規品には、慣らし方から正しい使い方の説明書や動画の案内が入っているそうだが、僕が買ったコピー商品にはスイッチや充電の説明など最低限のことしか書かれていないそうだ。

「ところで、トイレに行かなくて大丈夫?ローションをたくさん使ったからお腹を壊すかもしれないよ」

黒田さんの言葉でお腹の中を意識した途端、急に痛い気がしてきた。

「すみません…、トイレお借りします」

トイレに連れて行ってもらうと、ローションとドロドロになった…腸の内容物が…たくさん出ました。
トイレの音を消す機械が欲しかった…。


「もしよければだけど、お尻の奥の洗浄のしかたを教えようか?」

トイレから出た僕に黒田さんが、1リットルくらいの水が入ったポンプボトルを手に待っていた。
医者じゃないから、あくまで前戯ぜんぎの一環としてうちで取り扱っている商品の使い方説明になるけど…、と頬を掻く。

「簡単に説明すると、このチューブで温めた洗浄液を尻からなかに入れて、腹をマッサージして、少し我慢してから出す、という感じかな」

洗浄液は温めておいたよ、と笑顔で言われてしまうとかなり断りづらい。
僕はお願いすることにした。

ベッドルームに案内され(そこはうちの間取りを左右反転した僕の部屋の位置だった)、ベッドに防水シートを敷く。うつ伏せになり腰だけを上げるように言われる。
先ほど長時間同じ姿勢をしていたからか、身体が少し痛い。おそらく膝と縛られていた腕にアザが出来てしまうだろう。

照明で明るい部屋。身体に巻いていたバスタオルを下から捲られ、お尻を出した状態で、穴を至近距離から黒田さんに見られているのはひどく恥ずかしい。

僕に使い方を説明しながら、指をローションで濡らしてお尻の穴をぐりぐりされる。先ほどバイブで拡張されていたので、スルッと指が入ってしまう。ボトルに繋いだチューブからバケツに洗浄液を流し、チューブの空気を抜く。丸く加工された先端をお尻の穴に差し込み(逆流防止と、必要以上に入らないよう『かえし』が付いているそうだ)、洗浄液をゆっくり腸内に注入していく。

あったかい液体がお尻から入ってくるのは変な感じで、半分くらい入ったあたりからお腹が張るような感じになった。

「急に無理矢理たくさん入れると腸が破裂するらしいから気をつけて」

と恐ろしいことを聞かされる。
一度チューブを抜くと、お腹をマッサージし、身体の向きを動かして液を奥へ送る。
もう一度チューブを挿して、残りの液を注がれた。

「全部入ったね。じゃあ15分くらい我慢しようか」

水が漏れないように、と『アナルプラグ』という栓をお尻に差し込まれる。
黒い色のシリコン製だという蓮の花の蕾のような形をしたものだ。

つぷん、と蕾のような部分を中に差し込むと、お尻の谷間に沿った形の持ち手だけがお尻から出ている状態になる。

「トイレに行きたいです…」

プラグを押し込まれたことでさらにお腹が辛くなり、ゴロゴロと音がして脂汗が出てくる。情けない声を出すと、トイレに近い場所に椅子を置いて座らせてくれた。

「…っ」

座るとプラグが中に深く刺さり刺激を与えてくるが、トイレを我慢している状態なのでお尻が座面に押さえられて、堪えるのが少し楽になった気がする。すぐに駆け込める場所なのも気持ちが楽になる。

「あと5分だよ」

気が紛れるようにと、黒田さんが僕が買ったコピーバイブと、その正規品を比べて見せてくれた。
正規品はバリもないし、体温みたいに暖かくなる機能もあるそうだ。
他にも二回り大きな、ピストン機能が付いたモデルもあるそうだ。

「そろそろいいかな」

黒田さんのOKをもらい、
僕はまたトイレの住人になった、のだが。
お尻にがっちりとはまってしまったらしくアナルプラグが抜けない…。

どうしようもなくて、ドアを開け、情けない顔で黒田さんに助けを求める。

「さっき一度出してるから、風呂場でやるか」


腹痛で動けない僕を、ズボンの裾とシャツの袖を捲った彼がお風呂に運んでくれる。

バスタオルを外されてしまえば全裸で何も隠せない。浴室の照明が明るくて恥ずかしい。


「これは斜めに溝があるから、ネジを抜くみたいに回すと抜けやすい」

僕の手を持ち、後ろに持っていくと、反時計回りに捻って引く。

その瞬間、

ブシャーー!!

ほぼ透明な液体が僕のお尻から吹き出した。

僕の恥ずかしさを誤魔化すように、黒田さんは説明をしてくれる。

「やっぱり、さっきローションで出してるから大丈夫そうだね。普段はこれを2~3回繰り返すと綺麗になるはずだよ」

シャワーのお湯を出し、ソープの泡で汚れた身体を洗ってくれた。

『自分で洗えます』と言っても、黒田さんの手は止まらなかった。大きな手のひらで撫でるように洗われ、部分的にビクッと震えると、まるで小動物を見るように優しく微笑まれて恥ずかしかった…。


(黒田さんと同じ、落ち着く匂いがする)

新しいバスタオルを借りると、いい匂いがした。(好きだな…)と感じる不思議な香りだ。さっき借りたバスタオルや、黒田さん本人からも感じた。
身体を拭いていると、黒田さんが細長い箱を手に戻ってきた。
あまりおすすめはしないけど、と見せられたのはいくつも穴が空いた金属の棒だった。

シャワーヘッドを外し、この棒のようなものを取り付けて中に挿して水道のお湯で洗うという。

「まあ、面倒なら君は若いし、この方法でも整腸剤を飲めば大丈夫かなぁ」

ただし、腸内洗浄しすぎるとお腹に良くないし、金属のノズルをきちんとキレイに消毒しないといけないそうだ。

先ほどのチューブは先端だけ外して使い捨てすることもできるそうなので、おすすめとのこと。

「お尻でするのって大変なんですね」

と言うと、どうしようもないときはコンドームを使えばいいと教わる。

「性病も怖いからね。男とするなら相手が病気を持ってないかちゃんと確かめないと。相手の性器を口に入れるのでも感染るから気をつけて」

ちなみに黒田さんの会社は職業柄か、性病の検査が義務づけられているそう。
陰性の証明書を見せられた。
僕は女の子とは必ずゴムを着けてセックスしていたし、その後献血した時にもらったハガキにHIVに感染していないと書いてあったので大丈夫だと思う。

「さて、せっかく中をキレイにしたことだし、いくつか試してみるだろう?」

僕はベッドに戻された。


何をされているかちゃんと見えるようにと、仰向けで寝かせられ、腰の下にクッションを当て尻を持ち上げられる。足をずっと開いていると疲れるだろうと、擦れないよう内側がふわふわの枷で右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれ繋がれて閉じられないように固定された。ずっとM字に開脚している状態だ。ちんこもお尻の穴も丸見えですごく恥ずかしい…。

「さっきは前立腺で気持ち良くなれたことだし、『エネマグラ』はどうかな」

クネクネ曲がったT字のような形で、どうやって使うのかさっぱりわからない。

黒田さんは謎の道具から突き出た棒にローションを塗りつけると、先端で尻の穴を突き始めた。
やがてヒクヒクと震えた穴は、エネマグラを飲み込み始める。
ツルッと入ったので、そんなに異物感はないと思っていたが、全て押し込まれてしばらくすると、

「…ぇ…?」

なぜかジンジンしてきて、お尻をモジモジ振ってしまう。飲み込んだ中を意識すると、余計に尻が動いてしまい、動くことで外側からも刺激される。
外からトントンとエネマグラを動かされ、前立腺を刺激されると、中が気持ちよく、つい食い締めてしまう。締めるとさらに気持ちよくなる。

永遠に終わらない快感に怖くなる。

「どうしよう…気持ち…よくて……」

パニックになる僕の頭を安心させるように黒田さんが撫でてくれる。大きくて暖かい手のひらにホッとしたものの、じわりと汗をかき、快感からは逃れられない。

「前立腺を中と外から押されて気持ちイイだろ?しかも出そうとしても中に戻ってきてしまう形にデザインされてる」

刺激から逃れたくて出そうと力むと、なぜかより刺激が強くなってしまう。

「くろださ…っん…、たすけ…っぁ」

「周吾と呼んでくれ、結人」

僕のちんこは完全に立ち、トロトロとした液体を垂れ流し始めた。

「っぁ…、しゅうご…さん…、しゅうごさん、からだがおかしい…たすけ…っ」

周吾さんは手のひらにローションを塗ると、僕のちんこを包み込み擦ってくれる。

ヌルヌルヌル、

「ぁっ…ぁん、…ぁ」

自分でするのと全く違う。女の子みたいな喘ぎ声を出してしまうが、恥ずかしいと言っていられないほどの快感だった。

再びエネマグラをトントンと突かれると、それだけで身体の奥から今まで感じたことのなかった快感に襲われるのだ。

「ぁ…ぁ…ぬいて…、しゅうごさ…」

意識すればするほど頭に血が集まったように、かぁっと熱くなり、はぁはぁと呼吸が荒くなる。

「これで気持ちよくなれれば、もっとバイブが効くようになるから。もう少し我慢な」

そのまま部屋を出て行ってしまう。

「はぁ…、ぁっ…」

一人になると、気が紛れるものがなくて辛さが増した。壁に掛けられた時計の秒針の音がやけに響いて感じる。

少し経って周吾さんが戻ってくると、手に大きなダンボールを持っている。

「迷ったからいろいろ持ってきてみた」

床に下ろした箱からいくつかをベッドに並べたようだ。

「上半身はヒマだろうから、乳首を開発してみようか」

「…乳首?」

周吾さんはギシリとベッドの右側に座ると、僕の乳首に触れる。

「小さいから、大きく摘みやすい形に変えようね」

僕の返事を待たずに、両方の乳首を同時に人差し指でピンピンと弾くとコリコリと回し擦り始める。時折キュッと摘まれて、身体がビクッと跳ねてしまう。

「っ!!」

力が入ると同時にお尻を締めてしまい、エネマグラに刺激されてしまう。

ついには片方ずつ交互に乳首をジュッと吸われ、舌でペロペロ舐められ、時々歯を立てられる。

始めは何も感じなかったのに、徐々にジンジンして気持ちよくなってしまう。
僕の乳首は真っ赤にぷっくりと腫れ、唾液に濡れて卑猥な形に変えられていた。

「そろそろ付けられるかな?」

周吾さんの手には紫色の丸いものが握られていた。

「これは乳首開発用のローター。このクリップを…」

ギュッ

「痛い!」

僕の左乳首はクリップに噛みつかれていた。ローターがころっと落とされると、その重みで乳首が下に引っ張られる。

「主電源はここね。リモコンも電源を入れて、…で、スイッチオン」

ブブブブブ

「あっ!…っ」

腫れてジンジンしていた乳首は、ローターの重さと振動に刺激される。

「こっちにはこれ」

大きな透明の吸盤にピンクの丸い機械が付いている。

右の胸に装着された吸盤の内側には、ローションで濡らされた柔らかいブラシが付いているらしく乳首にペトリと張り付く。

「こちらも電源はここね。スイッチオン」

キューっと吸盤の中の空気が吸われたあと、内側のブラシが動き出し、ずっと優しく舌で舐められ続けられているようなもどかしい刺激が始まった。

「結人は『左の』と『右の』、どっちが好き?」

「っあ…、ぁ…、ぁ…」

乳首なんて感じるはずがないと思っていた。

ジンジンジンジン
熱を持ち、いっそ抓ってほしいと思うようなもどかしさだった。

「…っ、どっちも…や……」

「そう?けど、どちらか選んだ方がいいと思うよ」

見て、と周吾さんは僕の胸に触れる。

「左の乳首は引き伸ばされて長いメス牛みたいなおっぱい、右は吸われていっぱい舐められた女の子のおっぱいみたいになっちゃいそうだよ」

どっちがいい?

と周吾さんは、クリップに摘まれた左の乳首をペロリと舐める。

僕は快感に喘ぎながらも何度も首を振る。
メス牛や女の子みたいな乳首なんて嫌だ。

「じゃあ、下のお口に聞いてみよう」

長い前髪をかき上げると、少し垂れ目の整った顔が笑っていた。

(言ってることはオヤジっぽいのに、美形だと許されるのズルい!!)
僕は睨んでいるはずなのに、周吾さんはクスッと笑う。

「さっきから、エネマグラが揺れてお返事してくれてるの、気づいてる?」

(え?)

「両方同時だと選べないだろうから、片方ずつスイッチを点けてみようね」

右の乳首を覆う吸盤のスイッチを切る。
舐められる感覚から解放されるが、クリップに噛まれ重みに引き伸ばされた左の乳首と、与えられるローターの振動に尻がキュッとなる。

「じゃあ次ね」

今度はローターに代わり、右の胸を覆う吸盤とブラシが襲ってくる。キュウキュウと緩急をつけて吸われながら、本物の舌に舐められているような感覚がずっと続く。
今度は尻がヒクヒクとしてしまう。

「…決まりだね」

周吾さんは、僕の左胸からクリップを外すと、右胸と同じように別の吸盤にローションを塗り装着された。

「今日はバッテリーが切れるまでずっと着けておこうね」


やっとエネマグラを抜いてもらえた。
ずっと続く刺激を失って後ろがヒクついてしまう。


「じゃあ次は、『これ』使ってみようか」

「…これ、なんですか?」

それは、黒い直径3センチくらいの球が5つ連なったような形をしていた。

「初心者用のアナルビーズだよ。こっちとこっちはそのうち…ね…」

『こっち』と見せられた上級者向けはヤバそうだった。リング状の引き手が付いているが、とにかく長くて球の数が多い。長さは30cm以上あり、交互に大小の球が並んだそれを入れられたら、腸の奥まで入ってしまいそうだ。最後の球なんてかなり大きい。

もう一つは黒ネコのしっぽみたいなファーが付いたアナルビーズだった。かわいいフワフワの見た目に反して体内に入れる部分は抜けにくい仕様らしくえげつない大きさと形をしている。ネコ耳が付いたヘアピンと、金の鎖に繋がれた赤い首輪がセットらしい。

ブルっと震えると

「まあ、まずは初心者用を試してみて」

と、
最初の球をひとつ、つぷりと入れられる。

思ったより違和感は少なかった。しばらくすると、中がじわじわ暖かく感じる。

「これ…なに…?」

オレンジ色のチューブを見せられる。

「ホットタイプのジェルだよ。水分に反応してだんだん中が熱くなる。媚薬びやくとかあやしい薬じゃないから安心して」

さらに2つ、3つ…、ついには5つ目を中に入れられる。さすがに5つはきつい。

「で、これを引っ張ると…」

「んっ…、んっ…、やっ…」

ヒモを引き、
くぽん、くぽん、くぽん、と引き抜かれる。

気持ちよかった。排泄感のような、前立腺を擦られる快感。

また中に戻され、引き抜くことを繰り返される。

「そろそろ自分で出せるかな?」

中に収められた球を手で引かず、自力で出すように言われる。

「卵を産むみたいに出してごらん」

ほらがんばって、と腹を撫でられる。
かなり奥に押し込まれたそれは、体にはまり込んだように簡単に出てこない。

「…っ、む…り…です、でない…」

尻を下にすれば重さで出せそうなのに、仰向けにされているせいか、先が丸いヒモがしっぽのように揺れるばかりで球が出てこない。

「お腹のなかに入っている球を意識してごらん。ほら…」

ブブブブブ…

突然、中の球たちが振動を始めた。
ヒモの先にスイッチがついていたのだ。
ジェルのせいか、中が過敏になっている。

「…っ、お腹…へんっ…、やっ…」

「お尻の穴がひくひく開き始めたよ」

周吾さんは僕の穴を見て、会陰をすうっと撫でる。快感に暴れた僕の手首と足首の枷がカチャカチャと鳴る。

「やっ…、それ…やめっ…」

先ほど何度も出し入れされたせいで『通り道』ができていたのか、振動で球が下りてきた。

「んっ…、もうすこし…」

排便するように腹に力を入れると、

つぷっと球が穴から少し見えた。それなのに…

「あっ…」

エネマグラにすっかり気持ちよさを教え込まれた前立腺を球の振動で刺激されると、穴がピクピクとしてまた球を飲み込んでしまう。

「…なんで…」

もう一度腹に力を入れて、

「あっ…、ンッ…」

ヅルッ、ボトッ、ボトッ、ボトッ、

ようやくひとつ抜け落ちるとその重みで、他の球も全部外に出せた。
シーツの上に落ちても球は振動し続けている。

はぁはぁと荒い息を吐く僕の頭を褒めるように撫でると、周吾さんは抜け落ちたアナルビーズのスイッチを切ると、また尻の中にまた埋め込んでくる。

「ぇ…、ぁ?」

「もう一度だよ」

意地悪に笑う周吾さんは、ぐいと奥に押し込むと、すぐにスイッチを入れる。

「ぁ…あ…」

さっきより、振動が強い。球同士が中でカチカチぶつかり合いながらナカを激しく刺激される。

「ほら、力んでごらん」

出すために腹に力を入れると、中を締め付けてしまい、腰がガクガクと揺れてしまう。
思わず身体を反らすと、両胸に貼り付く吸盤と乳首を舐め回すブラシの刺激に意識を持っていかれる。

「んっ……」

それでも僕の尻は先ほどのやり方を覚えていたのか、穴が拡張されたからか、すぐにアナルビーズを出すことができた。

「上手に出せたね」

排泄感に似た気持ちよさと、周吾さんにまた頭を撫でられ褒められた喜びに、

ぐーーー、

ホッとした僕のお腹がなったのだった。


「そういえばもう7時だねぇ」

お腹も空くわけだ、と、かわいい動物を見るような目で、僕を見つめてくる。そういえば、お昼を食べたきりだった。

「周吾さん、煮物と唐揚げは好きですか?」

昨日多めに作り置きしたものを、目の前の男に食べてもらいたくなった。何度か頭を撫でられただけで、優しくされた犬のように慕わしい気持ちになっていたのだ。
煮物は冷蔵庫で味がしみているはずだから温め直すだけだし、唐揚げは一度揚げてから冷凍してあるので高温の油でカリッと仕上げるだけだ。
一人じゃない食事になるかもと、期待がふくらむ。

「大好きだ」

周吾さんは今までで一番カッコいい顔で笑った。



枷を外してもらい、再びバスタオルに包まれた僕は抱き上げられて、慣れた調理器具がある僕の部屋に戻る。

ローションに濡れたままの尻を拭くことを許されないまま、周吾さんの希望で、裸にエプロンだけを身につけさせられた。
いつも使っているエプロンなのに、素肌に触れると布地の質感を敏感に感じてしまう。
ホットジェルを塗られたナカはジンジンしており、両方の胸にはまだ吸盤が取り付けられたままでかなり卑猥だ。ブラシに舐められ続けているせいで、乳首はおそらく真っ赤になっているだろう。『女の子みたいな乳首』になってしまっているのか、外された時が怖い。

キッチンでさっそく唐揚げを揚げ始める。エプロンの丈は長いが後ろの布は割れているので、屈むとローションで濡れたままのお尻が見えそうで落ち着かない。液体が垂れそうで尻を意識して締める。
時折、素肌に油が跳ねて熱い。

「いい匂いだ」

周吾さんは僕の様子を見ながら、何やら紙袋をゴソゴソして、ダイニングで何かをしているようだ。

炊飯器は早炊きでセットしてある。
冷蔵庫から出した煮物と味噌汁はタッパーから器に移してレンジで温めるだけだった。

「できましたよ」

大皿にじゅわじゅわと熱い唐揚げと煮物を盛り付け、茶碗に炊き立ての米と味噌汁をよそう。

エプロンを外そうとすると、周吾さんに止められる。皿や茶碗を運ぶため近くにいた彼の手が、僕の胸元に伸びる。
いつの間にか乳首を刺激していたブラシがバッテリー切れで止まっていたようだ。チュポンと音を立て吸盤を外されると、ジンジンと痺れるほど赤く肥大化した乳首が現れた。吸われ続けたせいで、胸も少しふっくらして見える。

「んんっ…!」

周吾さんは僕の乳首をキュッと摘むと、そのままエプロンを戻された。

「ピンクで可愛かった乳首がこんなに真っ赤に熟れて大きくなっちゃったね。女の子みたいなおっぱいがエプロンで隠れて、かなりエロい」

夏休みの間に治らないと、人前で着替えられないし、プールにも入れない。
乳首が擦れて、わずかに身じろぐだけで掻きむしりたくなるほどのもどかしい刺激になる。

「~~~っ!」

痒みに思わず自分でもギュッと摘んでしまい、ツキンとした痺れが全身に走る。

「すっかり乳首で感じられるようになったね」

布が乳首に触れないように、前屈みになってしまう。いつの間にか僕のちんこも勃っていて、敏感になってしまった身体は食器を運ぼうとするとどうしてもエプロンの硬い布地に擦れて感じてしまう。下着を穿くことが許されていないので、剥き出しのそこはエプロンを持ち上げ染みを作っていた。

「…っ、しゅうご…さん、お皿運んでくださ…」

たまらず周吾さんにテーブルへ運んでもらった。


いつもの椅子に座ろうとして、座面の違和感に気づく。
ぬらぬらと濡れた肌色のディルドが、吸盤で椅子の上にそそり立っていたのだ。タマはなく、棒の部分のみの『それ』。
太さはあまりないが、かなり長い。全体に反っており、エラの張った亀頭や、浮いた血管まで再現されたそれは、まるで椅子という生き物から男根が生えているようで異様だった。

「座らないの?」

周吾さんは、せっかくの唐揚げが冷めちゃうよ、と笑う。

僕は覚悟を決める。左手で尻たぶを開きながら、座面を跨ぐように足をガニ股に開くと、息を吐きながら右手で支えたディルドに身を沈めた。

「……っく…」

先ほどまでローションで濡らされ、散々アナルビーズを飲み込まされていた『そこ』は、グヂュと卑猥な音を立てながらディルドの先端を咥え込んでいく。

腫れぼったくなっているであろう前立腺を、エラが擦って刺激してくる。

肌色のせいか、『男』に犯されているような錯覚をしてしまいそうになり、呼吸が荒く顔が赤くなった。長い長いディルドは、ほとんど飲み込めたものの、座面に最後まで座ろうとすると途中で突き当たりに止まってしまう。深呼吸しながら緩くナカで抽挿し続けているとさらに『奥』へぐっぽり亀頭が嵌まり込み、ついには座面に尻が着いた。

「っは……」

目の前の男は、僕の状況を楽しむように全てを見ていた。

「ちゃんと結腸まで入ったかな?」

「はっ…、はっ…、けっちょ…う?……おちついたら、ぼくもたべるので…っ、先にっ…食べて…ください…」

ディルドが突き刺さった奥から背骨、尻から足の先までが痺れて力が入らずたまらない。
はっ、はっ、と浅く呼吸を繰り返すうちに、なんとかナカが馴染んできた。


揚げたてだった唐揚げは、ちょうど火傷しない温度に冷めていた。肉汁がじゅわっとした鶏肉や、味の染みた煮物は我ながら美味しくできていた。
周吾さんも姉ちゃん直伝の味を気に入ってくれたようだ。


「…っあ!」

食後にお茶を入れるため立ち上がろうと、身体の奥までぐっぽりと嵌まり込んだディルドを引き抜こうとする。
マシになっていた痺れる快感がまた襲ってきて、やっぱり足に力が入らない。
周吾さんに視線で助けを求めると、ギュポッと座面から吸盤を剥がし、引き抜いて……くれなかった。吸盤が剥がれた反動で、今までで一番奥に突き刺さりイッてしまった。

僕から精液で汚れたエプロンを脱がせると、そのまま黒い革ベルトのようなものを下半身に穿かされ、ディルドが入ったまま抜けないように固定されてしまう。ちんこにもリングを嵌められ、そのベルトに鎖で繋がれ、小さな鍵をかけられてしまった。
乳首には小さな鈴が付いたクリップを装着される。ジンジンと痛痒かったところにクリップが噛みつき、思わずチリチリと鈴がなるほど身体が震えてしまった。

周吾さんに腰を支えられながら、震える手でお茶を入れると、バスタオルを敷いたリビングのソファに座らせられた。
座ったことで、また一番奥までディルドが戻ってきた。

「!!!!」

突然、ナカがブルブルと振動に襲われる。

周吾さんはリモコンを僕から届かないテーブルに置くと、キッチンに行ってしまった。
食器を洗ってくれるようだ。

胸で鈴が鳴ってしまう。
リングを嵌められたちんこは苦しげに先端から透明な汁を溢しており、腹の中では長いものが奥に突き刺さりブルブルと振動し頭を振っている。
身体は震え、呼吸することがつらい。

ギシッとソファが揺れ、隣に周吾さんが座ったのを感じた。その僅かな振動でさえ大きな刺激を与えてくる。

周吾さんはお茶を飲むと、一冊の文庫本を手にニヤッと笑った。

「こういうの読むんだ」

それは、夏休みの暇つぶしに夏弥なつや(卓球部の友人)から押しつけられたものだった。
女騎士やら聖女やらがゴブリンやオーク、触手などに陵辱りょうじょくされるシリーズらしい。最後は化け物に嫁にされて終わる。
宅配便が届くまで、なんとなく読んでいたものだ。

「初めて買ったバイブもグロい系ってことは、こういう性癖なのかな?」

いつの間にか周吾さんの手には、僕が買った卑猥な形のバイブが握られていた。

「もう一度、オレの部屋においで。結人が好きそうなおもちゃを見せてあげるよ」



それは、悪趣味なほどにカラフルなグラデーションの、大きな舌のような形をしていた。
舌といっても、かなり大きく、表面は密集したブドウの房のように、大小さまざまな球体の集合体になっている。集合体恐怖症の斗真とうま(バスケ部の友人)が見たら絶叫しそうな気持ち悪さだ。

「これは他社の商品なんだけど、『ドラゴンの舌』をイメージしたものらしい」

周吾さんの家のソファ。吸水シートを敷いたから、いくらでも漏らしていいよ、と不吉なことを言われる。

さらに、中太りした円柱状の根元に大きな膨らみがある見たことのないもの。血管のような凹凸があって男性器にも見えるけど少し違う?

「これは『狼のペニス』を模したもの。こっちは『ヘビにムカデが巻き付いたもの』だね。」

狼のペニスは雌の中に入ると、長い射精のあいだ性器が抜けないように根元に瘤が出てくるそうだ。
もう一つはリアルなムカデが3匹、ヘビに巻き付くように動くもの、らしい。脈打つように蠢くムカデの節とたくさんの脚まで細かく再現されていて非常に気持ち悪い。おぞましい物を身体の中に入れられるという興奮が快感に変わるのだとか。

他にも変わり種として、反り返った形の皮を剥いたバナナとか表面がボコボコしたキュウリやトウモロコシとか、5つセットの鶏の卵やみかんとか、大人のおもちゃとは思えない形のものを見せてくれた。

「本物の野菜や果物を使って遊ぶ人もいるみたいだけど、最近は衛生面や、食べ物で楽しむことに罪悪感を感じる人も多いらしくて、こういうおもちゃを買う人もいるんだって。まぁ、羞恥心は快感に繋がりやすいし、バナナで気持ちよくされちゃったら、バナナを口にするたびに思い出して快感を感じてしまうのだろうね」

僕は最初に見せられた『ドラゴンの舌』と『狼のペニス』に興味が出た。尻の穴、アナルに使うディルドらしく、一見硬そうでいて、触ると案外ふにふにと柔らかかった。
太さはだいぶ違うが、狼の方の長さは…今、お腹の中に入れられて振動しているものと同じくらいだ…。

(化け物や動物に無理矢理されるのって気持ちいいのかな…。いや…、)

さんざん慣らされてから、気持ちよさを教え込まれた。周吾さんが上手いから気持ちよくなっちゃっているだけだろう。
いきなりこんなの突っ込まれても痛いだけだし、むしろ入らないかもしれない。
実際に竜がいたとしたら鱗でかなり硬そうだし、狼は毛むくじゃらでフカフカ…ちょっといいかもしれない。
本ではモンスターの体液が媚薬になる設定が多いくらいだし、筋弛緩剤きんしかんざいみたいな効果もあるって書いてあったな。

夏弥に借りた本にはゴブリンやオークの性器などが文章で具体的に描かれていて、実際に入れられたらどうなってしまうのだろうと思っていたのだが、そんな玩具を売っていたら好奇心で買ってしまうかも。

周吾さんに伝えると、

「緑色で長大、ボコボコと凹凸があり、不潔で臭いのか…」

周吾さんはゴブリンの性器について、本と挿絵を参考にして、スケッチブックに鉛筆を走らせ始めた。

「こんな感じかな?臭いのはとりあえず却下で、塗装を不潔そうな色にするのはアリか。ランダムにカラーを変えれば、ゴブリンに囲まれプレイも…」

見せられたリアルなイラストに、思わず唾を飲み込んでいた。
実寸と思われる大きさで描かれたそれは、グロテスクで卑猥、嫌悪感があるのに、何故か目が離せない。

「著作権もあるし、この作品に人気があるなら、作者とコラボすれば面白いかもしれない」

女の子のキャラクターをイメージしたオナホやラブドールは既に商品化されているそうだ。

「…でも、オークキング…とかになるとっ…グロいだけじゃなくて…大きすぎて怖くて買えないかも…」

挿絵を見る限り、『竜の舌』よりも大きそうだ。

「それならゴブリン、コボルト、細い触手を初心者向けにして、太い触手、オークとか、オークジェネラルとか、オークキングとか、サイクロプスとか、巨根なキャラクターを上級者向けに設定すればいけるか?」

本をパラパラとめくりながら、時々スマホで調べてイラストを完成させていく。

「モンスター姦ってジャンルなのか」

ふと動きをとめると、思い出したようにポケットに手を入れ、

ブーーーー、

ナカの振動が最強にされ、ディルドはさらに激しく首を振り始めた。

「がぁっ!かひゅ…」

結腸を強く刺激された僕は何も考えられなくなった。

「つまらないだろうから、一人で遊んでてね」


「しゅ…ごさ…、…やめ…、たすけ…」


ソファの上、身を捩りながら長い時間が経った。

周吾さんは僕の事を忘れてしまったように、イラストを描いてはスキャンしたり、『竜の舌』を撫でたり、本を読んだりしながらタブレットやパソコンで作業している。

椅子の背もたれごと後ろにぐーっと背伸びをすると、ノートパソコンを閉じた。

「ふぅ、お待たせ。おかげで明後日のブレストにいい企画書を出せそうだ」

振り返った周吾さんの目に映った僕の姿は酷いものだったろう。

ソファにうずくまった僕は、乳首の鈴を鳴らしながら震え、ちんこに嵌められたリングと、後ろに埋め込まれたディルドを外そうと藻搔いていたから。鍵をかけられたベルトは外れず、勃たせることが許されない拘束されたちんこからはおしっこと潮が混じったものがチョロロと漏れ、腰はガクガクと動いており、人とは思えない声を出していたと思う。

「がぁ…、ぁ…た…しゅけ…、しゅご…さ…、も…はずしてぇ…」

周吾さんはようやくディルドのスイッチを切ってくれた。

「はぁ…、はぁ…、ごほっ」

声を出しすぎて喉がおかしい。

顎を引かれると、口を開かされ舌を差し込む深い口付けを受ける。水を口移しされ喉に沁みる。

「ゴクッ、んちゅ…、ちゅ…、」

そのまま舌を絡められ、上顎を舐められ、頭がボーッとする。

男の大きな口や長い舌から与えられる深い口付けは気持ちよかった。やっぱりいい匂いがする。
生理的な涙が滲み、高められた身体はピクンピクンと痙攣してしまう。

ようやくベルトを外し、ディルドを抜くことが許された。
奥の奥からズルッと引き抜かれる気持ちよさは、先ほどのアナルビーズに教え込まれたものだろう。

ちんこからリングを外されると、さらに尿とも精液とも言えないトロトロとしたものが漏れ出した。じっとりとした吸水シートを取り替えてもらい、汚れた腿をタオルで拭かれる。


「はぁ…はぁ…はぁ」


僕はベッドに運ばれていた。
周吾さんの手には一冊の本。

夏弥に借りた本は『クリーチャーズマリッジ』、通称『クリ嫁』と呼ばれているシリーズの1巻だ。
僕はまだ2巻の途中までしか読んでいないが、1巻の最後は確か、聖女が魔力を封じられ、オオダコの化け物に性器を拡張され媚薬漬けにされた後、ドラゴンに舌を入れられて腹に淫紋を刻まれ、嫁にされて終わるんだ。

目の前には大きな舌の形。ボコボコとした球体の集合体、緑色から紫色のグラデーションの派手な蛍光色。こんな大きなものに、今もヒクつきが止まらないトロトロにされたナカを犯されたらどうなってしまうのだろう。
周吾さんは粘度の高そうなローションを『竜の舌』に塗りつけている。
とろりと糸を引くそれは、まさに涎を垂らした『竜の舌』そのものだと思った。

周吾さんは僕の尻をぐにぐにと揉み、そのまま親指で穴を開く。

「『竜の舌』試してみる?」


僕は好奇心に負けて頷いた。


雰囲気が大事だということで、本のシーンを参考に、僕は作中の聖女のように手首を金属の枷で縛られ、四つん這いにされている。獣の交尾の体勢で足を開かされると、まるで『竜の舌』で舐められているように、ちんこから会陰を通って尻の穴までを何度も擦り、ゆっくりと往復される。

いつ中に入れられてしまうのかドキドキしていると、思ったより細くボコボコしたものが入ってきた。
振り返ると、たくさん吸盤の付いた大きなタコの足の張型を入れられていた。3本の足が束ねられ、全ての吸盤が外向きになるように絡み合ったものだ。
黒めの赤紫色をしたシワっぽい皮と、白い吸盤が大きいものから小さいものまで規則正しく並んでいる、ゾクっとするほどおぞましく精巧なそれ。

竜の配下であるオオダコが聖女を味見がてら「下拵え」するシーンから再現するようだ。

『聖女といえど、魔力を封じられればただの肉穴よな』

周吾さんは本を片手にノリノリでオオダコのセリフを読む。
タコの足で僕のナカをジュプジュプと往復させながら、穴との隙間からホットジェルをブジューっと出された。媚薬を注入されるシーンだ。

「あっ、あっ、あっ、」

吸盤の凹凸に前立腺を、細い足先に先ほど嬲られ続けた結腸を犯される。
僕はセリフを忘れて喘いでしまう。

『おまんこ気持ちいい、と言え』

オオダコのセリフだ。

「……おまんこ、きもちい…です」

僕は恥ずかしいセリフを自分の言葉で口に出していた。尻の穴を『おまんこ』だなんて、普段なら絶対に言えない。

『気持ちいい』と口に出すと、言葉からもさらに快感が増していく。
オオダコの足が引き抜かれると、いよいよ『竜の舌』の番だ。

後ろにピトリと先端が当たり、ぐっと押し込まれる感覚。と、何故か離れていく。

「ごめん、結人。やわらかい素材だから行けるかもって思ってたけど、今日は『オオダコのお嫁さん』までで我慢して」

僕は仰向けに身体を返された。

「『フィスト』できるくらい拡張しないと、デカすぎて入らないみたいだ」

「フィスト?」

「『フィストファック』の略、簡単に言うと、拳を抜き差しするやつ」

僕はサーっと青ざめたと思う。
周吾さんの拳と『竜の舌』を見比べる。
確かに言われてから見てみれば同じか、それ以上に太くて大きい。

本の中の聖女はあくまで『フィクション』だ。入れられる穴も違う。
たぶんやられたら痔になる。

「バルーンで拡張するか、アナルプラグを少しずつ大きくしていくか、だな」

周吾さんに再びオオダコの足を挿入される。

「っんぁ!」

(だから『オオダコの嫁』か…)

わずかに冷静さを取り戻した僕は、ふと周吾さんの前が膨らんでいることに気づいた。
僕が気持ちよくされるばかりで、一度も周吾さんはイッてない。

(周吾さんも気持ちよくなってほしい…)

「それなら、今夜はオオダコなんかじゃなくて、周吾さんのお嫁さんにして」

いや、僕は冷静ではなかった。

周吾さんの目が驚きで大きくなってる。

(引かれたかな…)

急に恥ずかしくなる。
と、次の瞬間、

「ん~~!!!」

僕の口は、周吾さんの唇に塞がれていた。

オオダコはズボッと引き抜かれると、床に投げ捨てられ、周吾さんはズボンのジッパーを下ろす。

そのまま僕の中に入ってきた。
まるで『待て』を解かれてエサを貪る犬のような速さ。

オオダコもなかなかの太さだったのに、周吾さんはそれ以上だった。

だが、すでに結腸まで開発され、未だヒクつく僕のナカは奥の奥まで簡単に侵入を許してしまう。

「結人の『おまんこ』トロトロで気持ちいい」

温泉に浸かったみたいに気持ち良さそうな顔だった。
締め付けと痙攣を楽しむように、奥まで入れてしばらく動かないまま、僕の身体を抱きしめてくる。ふわりと、またいい匂い。

男とするならゴムを着けろって言ってたのに、ナマで入れられている。
生きた熱い肉棒は、今までの玩具のどれよりも気持ちいい。
やがて周吾さんはオスの顔で腰を前後に振り始めた。僕のナカや頭の中はメスになり、すっかり熔けていた。

「きもちい…しゅうごさん…、…おまんこきもちい…」

「結人、かわいい。オレの嫁。『おまんこ』って言葉が恥ずかしいのかな?ナカが締め付けてくる」

手首の枷ごと、腕を周吾さんの背中に回させられる。抱きしめられると、安心してもっと気持ちいい。徐々に速くなるピストンに身体を激しく揺さぶられながら、心が満たされたセックスはこんなにいいんだと思う。

「あっ、あっ、あっ、あっ、」

意識しないままエロ動画みたいに喘いでしまう。

「結人の、奥の奥まで精子をたっぷり注いで孕ませたいな」


周吾さんはよっぽど溜まっていたのか、僕は朝になるまで解放されなかった。僕の喉は恥ずかしいセリフをたくさん言わされてガサガサに、中出しされたまま抜いてもらえなかったためお腹を壊し、手首は金属の枷による擦り傷が酷いことになり、周吾さんの背中も枷の鎖で傷だらけになったので、日曜日は二人で何もせずゆっくり過ごした。

その日の夜、周吾さんに「好きだ、付き合ってほしい」と告白された。何故か彼に抱きしめられると、匂いといい、体温といい『ぴったりきた』という感じがして、僕はすぐに「僕も好き」だと応えた。


それからは毎日、ご飯を調理器具が揃った僕の家で食べ、夜は周吾さんの家で一緒に寝るようになった。器用な周吾さんは、僕と一緒にご飯を作るようになってすぐ料理を覚えると、仕事が休みの日には作ってくれるようになった。二人で食べるとご飯は美味しいし、動画なんか見なくても良く眠れるようになった。
特に夏休みの間はほとんど家にいたから、周吾さんから毎日渡され、どんどん直径が大きくなっていくアナルプラグを一日中入れたまま過ごした。毎日、プラグを入れるところ、引き抜いたところ、性器を挿入されたところ、抜かれて精液をこぼすところまで写真と動画に記録されている。
乳首にもクリップを付けられていたから、かなり肥大化してる。夏休み明けにアナルプラグを外して元の日常に戻る時、肛門がちゃんと閉じるか心配だ。正直、人前で裸になるのが恥ずかしい身体になっていると思う。

途中、買い物や、登校日に学校へ行ったり、夏弥と斗真の3人で映画に行ったりしたが、その時もキラキラしたストーンが付いたアナルプラグとクリップを『お出かけ用』だと言って嵌められた。ちんこにも鍵で外せないようにされた貞操帯を付けられた。
参考に取り寄せているという大人のおもちゃが多すぎて困る。僕にいろいろな道具を試しては、恥ずかしがり、快感に立てなくなる僕の反応をメモしてるんだ。こちらも必ず装着した身体で、いろんなポーズを取らされ、写真や動画をいろんな角度から撮られるし。

無意識らしいが、周吾さんは独占欲が強いみたいだ。
友人の話をすると、必ず言葉でいじめられながら酷く抱かれるのだ。誰だ周吾さんに言葉責めを教えたの。


さて、『竜の舌』の話をしよう。
ようやく一番大きな、周吾さんの拳サイズのアナルプラグを入れられるようになった日、『竜の舌』に再チャレンジした。

やっぱりオオダコの足からスタートして、さんざん奥を熱くされ、焦らされた後、『竜の舌』のボコボコした極太を挿入された。『やっと入った』という達成感もあり、何回もイッてしまった。
確かに気持ち良かったけど、やっぱり抱きしめられ彼の香りに包まれながら、周吾さん自身を挿れてもらうのが一番好きだと思った。




あれから4年、大学4年生の夏を迎え、二人で出会った時の話をしていたのだが…

「すっかり結人は、縦割れのエッチなおまんこになったねぇ」

僕はうつ伏せにされ、赤いロープで全身を拘束されて動けなくされている。
ロープで強調された乳首とちんこがシーツに触れて気持ちいい。たまにロープで擦られるのもいい。
尻のロープを持ち上げずらし、すっかり拡張された僕の穴を指でなぞるから、フチが指を飲み込もうとヒクヒクしてしまう。ロープが引っ張られたことで、ゴツゴツした結び目がグイグイと会陰を押す。

周吾さんはスマホを手に取る。僕は身動きできないながら、『いつも』のように彼が撮りやすいように身体の力を抜いた。
背後から何枚も様々な角度の写真を撮られ、またはヒクつく様子を動画で撮られた。彼のパソコンには僕の『成長の記録』がたくさん残っている。

ちなみに周吾さんが若いのに時々オヤジっぽい事を言うのは、勤めている会社の社長(新商品が発売された後紹介されたが、周吾さんのお兄さんだそうだ)の影響と、夏弥に借りてから自分で買い揃えたらしい『クリ嫁』シリーズのせいみたい。周吾さんの香りに包まれながら、本の恥ずかしいセリフを僕の好きな低音ボイスで言われると、ナカがビクビク反応してしまうのも悪いのかもしれない。

僕が好きな周吾さんの香りは、体臭の相性のようなものかもしれなかった。洗剤や柔軟剤の匂いが変わっても、変わらず好きだから。
周吾さんも、僕の匂いが好きだと言う。


『クリ嫁』シリーズとのコラボは大ヒットした。社内でもどんどんアイディアが出て盛り上がり、そのまま発売になったそうだ。受注生産ながら、出版業界とアダルトグッズ業界の枠を超えた商品は好評で、二次販売では男性だけでなく意外と女性からも売れたらしい。もちろん夏弥も買っていたみたいだ。
異形とのセックスを疑似体験できるのは、とても好奇心が擽られるからね。
『クリーチャーの性器』シリーズに続けて、『舌』シリーズ、『指』シリーズ、『体液風ローション』シリーズも発売された。さらに新型の『性器』シリーズは『体液風ローション』をセットするとピストンしながら先端から噴出させる『種付けモード』が使える優れものだ。
作者もノリノリで開発協力してくれたそうで、こちらも今だに売れ続けているらしい。

当時は商品開発にあたり、試作品から完成品まで僕も全種類試されたから、それぞれの特徴と気持ちよさをよく知っている。一つ目の巨人『サイクロプス』は『竜の舌』以上のサイズで、あの時は本当に壊れると思った。本体の大きさだけでなく、『種付けモード』で注がれる『体液風ローション』の量がすごかった。また、ピストンはしないものの、側面が波打つように膨張するのもたまらなかった。
社長や開発担当者のパートナーたちも、男女問わず僕と同じ目に遭ったとか。

『竜の楔(仮)』という商品も試作されたが、どんなに拡張しようと僕にもパートナーさんたちにも入らなかったため中止された…。『サイクロプス』がワインボトルサイズだとすると、『竜の楔(仮)』は一升瓶だったのだ。
結局、アダルトグッズイベント用の展示物として使われたそうだ。どう使うのか販売希望の声があるとか。


僕は大学を卒業したら周吾さんの会社に入ることになっている。社長に気に入られて、在学中から新商品開発にさんざん『協力』させられていたから予感はしてた。両親と姉に周吾さんを紹介したら、拍子抜けするほどあっさり受け入れられ、僕はそのまま隣の部屋で暮らすことになった。両親はアパートにたまにしか帰れないので、部屋の管理を任せられているから、今までとあまり変わらないのだけど。

ちなみに大学の民俗学のゼミでは、古来の信仰について研究した。男根を崇拝する文化は世界中にあって、教授がコレクションしているいろんなおもしろい性具を見せてもらった。複製品を教授から貰い周吾さんに見せると、目をキラキラさせて試されたり、旅行先で変わったお祭りに二人で参加したりしたのは、まあ、別のお話。


【HAPPY END】
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