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その後の話
再会 〜久瀬家にて(後編)
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家の裏山には車がやっと一台通れるくらいの舗装された道が通っている。
久瀬家の山らしいが、草木を管理する時にしか車は通れないようにしているため、この辺りの住民にとっては安全な散歩コースとなっているそうだ。
散歩と言いながら、寛さんは大きなカゴを背負っている。そして、オレたちの手には軍手。
「たまに猫や狸がいるよ」
ベビーカーを押しながら、にこにこした優斗さんに比べて
「まぁ、マムシも出るけどな」
優馬は不穏なことを言う。
『マムシってなぁに?』と優斗さんに訊いている杏。毒があるヘビで、足元や木の上にいることがあるから注意するように、見つけても騒いだり触ったりせず、そっとその場を離れるようにと、分かりやすく教えてもらっている。
詩音も知らなかったらしく、興味深そうにその説明を聴いていた。
「お、フキノトウだ。杏、見てごらん」
寛さんがカゴを背負っていた理由はこれだ。
「あら、コシアブラがもう出てきてる。いつもは4月にならないと採れないのに」
今年の春は暖かいのかもしれない。
山菜がどんどん収穫されていく。
今夜はこれを天ぷらにする。たくさん採れればご近所さんへお裾分けが出来るので助かるのだと陽子さんは笑った。
「あ、ワラビ」
オレもカゴに追加。
「詩音、それも食べられるよ」
杏と詩音は、山の恵みを収穫し続けるオレたちの勢いに圧倒されているようだ。
「ほら、杏も採ってごらん」
「え? これも食べられるの? すごい!」
久しぶりの自然が嬉しくて、気持ちが上がっているのを感じる。その勢いで杏にも話しかけてみた。
「こっちは大きいけど、もう葉っぱを伸ばしているから硬くて食べられないんだよ。残してあげようね。こっちの小さくて食べられる方を採らせてもらおう」
子どもの頃、両親と祖父母の家に行った。その時に祖父が教えてくれたこと。
それを伝えられるのが嬉しかった。
「あ、タラの芽! 背が高い詩音くん! 出番よ!大志、教えてあげて」
陽子さんが詩音に声をかけてくれた。
◇
寛さんと優馬が外の水場で山菜を洗ってきてくれた。大志さんはお裾分けを届けに近所を回っているらしい。
包丁で硬い部分を取り除いてくれるのは陽子さん。出てきた細かい汚れをオレが洗い、詩音と杏に水気を拭き取ってもらう。
陽子さんが作ってくれた天ぷらの衣液へ、杏がトングで掴んだ山菜を入れて絡める。
それをボウルごと受け取ったオレが箸で摘んで油へ。熱い油が跳ねるから、杏には離れていてもらう。
揚げあがった天ぷらを油切りのバットに広げておけば、詩音が大皿へ綺麗に並べてくれる。
「いい連携だなぁ」
優斗さんが杏の作業をフォローしながら、オレたちを褒めてくれる。
陽子さんは杏のためか、サツマイモとカボチャを追加で切ってくれているようだ。
「美味しい! 春の味ね」
サクサクに仕上がった揚げたての天ぷらを、みんなで食べた。
柚くんは山から帰ってすぐミルクを飲んだ後、さっきまで優馬が変顔であやしていたからご機嫌だった。今は穏やかに眠ってくれている。
寛さんに勧められて、久しぶりにビールを飲んだ。今夜は絵本を読む約束があるから程々に。
「どうぞ」
優斗さんがオレにウーロン茶を注いでくれる。お酒に弱いことは詩音がさりげなく伝えてくれていた。
代わりに詩音が寛さんと優馬の餌食となった。連休の夜じゃないと飲まないから、詩音にとっても久しぶりのアルコールだ。強いから大丈夫だとは思うが、飲まされ過ぎてて心配になる。
「ダメ。ミイは食べられないよ」
猫のミイが杏の膝に手をかけて天ぷらの匂いを嗅いでいる。
山菜は苦味もあるし、まだ杏には早いかもしれないと思ったが、自分で採ってきて衣をつけたからか、サクサクと美味しそうに食べている。
大志さんは無言で食べ続けている。サツマイモとカボチャを揚げたものを。
陽子さんがそれをニコニコ見守っているので、先程準備していたのは彼のためでもあったようだ。
◇
3つ横に並べた布団。そこから少し離して赤ちゃん用の布団を敷いた。優斗さんとオレが杏を囲み、優斗さんの向こう側に柚くんが寝る形だ。
布団を離して赤ちゃんを寝かせるのは、寝返りで万が一の事故を起こさないため。
「…パパも寝ちゃった」
2冊目の絵本を読み終えた時、杏が小さな声で笑った。
先ほどまで楽しそうに聴いてくれていた柚くんと優斗さんだが、ついに睡魔に負けたようだ。並んで眠る2人の顔はとても穏やかで嬉しい。
「そろそろ寝ようか」
絵本を置き、部屋の照明を落とす。
布団へ入ったその時、杏がオレの近くへ身体を寄せてきた。
「お父さん」
どうしたんだろう。柚くんがパパを独占してるから寂しくなっちゃったか?
優斗さんを起こさない為か、オレの耳に口を近づけて手のひらで囲む、ひそひそと小さな声。
「僕ね。お父さんの声…すき」
その言葉に一瞬息が止まった。
好きだと言ってもらえるのが、こんなに嬉しいなんて。
近くに感じる杏の体温と声の響き。耳に触れる息が少しくすぐったくて。
「…あのね。パパにはないしょだけど、ママもお父さんのこと大すきだったって」
アズは打算だけでなく、ちゃんとオレのことを好きだと思ってくれていたのか。杏の言葉はまっすぐに胸へ届いてくる。
「パパもね、お父さんのこと、“強くてすごい人”だっていってたよ」
優斗さんも…。
「お父さん。会いにきてくれてありがとう」
あぁ。なんて優しくて、嬉しい言葉ばかりをくれるのだろう。
「…杏。…杏も、会ってくれてありがとう。嬉しい言葉をたくさんくれてありがとう」
ちゃんと伝えたいのに。声が震えてしまう。
涙が枕へ零れてしまいそうになり、慌てて袖口で拭う。
「杏…」
迷いながら広げた腕の中へ、杏が飛び込んできてくれた。
苦しくないように、そっと抱きしめる。
「大好きだよ」
胸にじわりと濡れた感覚。
「…お父さん」
柔らかな髪を、ゆっくり、ゆっくりと撫でた。
すぅ、すぅ、と健やかな寝息が聞こえてくるまで。
◇
翌朝、優馬は二日酔いだからと起きてこなかった。
そして、大志さんと詩音の距離が何故か近づいていた。
無言でお酒を飲むイメージの2人。一体何を話して仲良くなったのだろう。
泣きそうな目をした杏が手を伸ばしてくる。
詩音が運転してくれると言い、オレは助手席の窓から外に手を伸ばす。
「また来てもいい?」
握り合った暖かい手のひら。
「うん…。また来てね。約束だよ」
小指を絡める約束をした。
「とー、とー、」
優斗さんに抱かれた柚くんも、小さな手を伸ばしてくる。
「僕が“お父さん”って呼んでるからかな…」
お兄ちゃんの真似をしているのかもしれない。杏がオレを『お父さん』と呼んでくれる声は、すっかり柔らかなものに変わっているから。
「柚くんも、またね」
人差し指を差し出すと、きゅっと握ってくれた。
「次は唐揚げを教えてください。杏も手伝ってね」
優斗さんの言葉に
「うん!」
泣きそうだった杏の顔が明るく変わる。
「はい。必ず」
寛さんと陽子さんの間に杏が並び、柚くんを抱いた優斗さんがその後ろに立つ。
トランクには、また大量のお土産が積まれている。…オレたちが持ってきたものより多い気がする。
『優馬が心配だ』という大志さんは、荷物を積み終えると先に離れへ戻って行った。
動き出す車に、みんなで手を振ってくれる。
そういえば、祖父母の家から帰る時もこんな感じだったな、と子どもの頃の記憶が蘇った。
寂しいな。
詩音が運転してくれて良かった。
そうでなければ車から降りて、もう一度杏を抱きしめてしまいそうだ。
「「また来てね!!」」
陽子さんと杏の声が重なる。
「はい! 必ず!」
車の速度が上がっていく。
いつまでも、いつまでも、5人の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
青い空。太陽が少しだけ眩しい。
「なぁ詩音」
「ん?」
「杏がさ。机、ありがとうって」
朝起きてすぐ。
杏に手を引かれて行くと、『ここは僕の部屋なんだ』と内緒話をするように小さな声で言って、新しい机を見せてくれた。
デスクマットにプリントされた猫と犬のイラストが、ミイとフウスケに似ているところも気に入ったらしい。
机とセットの本棚には、誕生日やクリスマスにプレゼントしたもの、偶然見つけて買ったものまで、あの頃オレが杏に贈った絵本が全て収められていた。
『宝物なんだ』と嬉しそうに言ってくれた。
運転中の詩音は前を向いたまま、
「そうか。喜んでもらえて良かったな」
と一瞬だけオレの手を握り、
笑った。
久瀬家の山らしいが、草木を管理する時にしか車は通れないようにしているため、この辺りの住民にとっては安全な散歩コースとなっているそうだ。
散歩と言いながら、寛さんは大きなカゴを背負っている。そして、オレたちの手には軍手。
「たまに猫や狸がいるよ」
ベビーカーを押しながら、にこにこした優斗さんに比べて
「まぁ、マムシも出るけどな」
優馬は不穏なことを言う。
『マムシってなぁに?』と優斗さんに訊いている杏。毒があるヘビで、足元や木の上にいることがあるから注意するように、見つけても騒いだり触ったりせず、そっとその場を離れるようにと、分かりやすく教えてもらっている。
詩音も知らなかったらしく、興味深そうにその説明を聴いていた。
「お、フキノトウだ。杏、見てごらん」
寛さんがカゴを背負っていた理由はこれだ。
「あら、コシアブラがもう出てきてる。いつもは4月にならないと採れないのに」
今年の春は暖かいのかもしれない。
山菜がどんどん収穫されていく。
今夜はこれを天ぷらにする。たくさん採れればご近所さんへお裾分けが出来るので助かるのだと陽子さんは笑った。
「あ、ワラビ」
オレもカゴに追加。
「詩音、それも食べられるよ」
杏と詩音は、山の恵みを収穫し続けるオレたちの勢いに圧倒されているようだ。
「ほら、杏も採ってごらん」
「え? これも食べられるの? すごい!」
久しぶりの自然が嬉しくて、気持ちが上がっているのを感じる。その勢いで杏にも話しかけてみた。
「こっちは大きいけど、もう葉っぱを伸ばしているから硬くて食べられないんだよ。残してあげようね。こっちの小さくて食べられる方を採らせてもらおう」
子どもの頃、両親と祖父母の家に行った。その時に祖父が教えてくれたこと。
それを伝えられるのが嬉しかった。
「あ、タラの芽! 背が高い詩音くん! 出番よ!大志、教えてあげて」
陽子さんが詩音に声をかけてくれた。
◇
寛さんと優馬が外の水場で山菜を洗ってきてくれた。大志さんはお裾分けを届けに近所を回っているらしい。
包丁で硬い部分を取り除いてくれるのは陽子さん。出てきた細かい汚れをオレが洗い、詩音と杏に水気を拭き取ってもらう。
陽子さんが作ってくれた天ぷらの衣液へ、杏がトングで掴んだ山菜を入れて絡める。
それをボウルごと受け取ったオレが箸で摘んで油へ。熱い油が跳ねるから、杏には離れていてもらう。
揚げあがった天ぷらを油切りのバットに広げておけば、詩音が大皿へ綺麗に並べてくれる。
「いい連携だなぁ」
優斗さんが杏の作業をフォローしながら、オレたちを褒めてくれる。
陽子さんは杏のためか、サツマイモとカボチャを追加で切ってくれているようだ。
「美味しい! 春の味ね」
サクサクに仕上がった揚げたての天ぷらを、みんなで食べた。
柚くんは山から帰ってすぐミルクを飲んだ後、さっきまで優馬が変顔であやしていたからご機嫌だった。今は穏やかに眠ってくれている。
寛さんに勧められて、久しぶりにビールを飲んだ。今夜は絵本を読む約束があるから程々に。
「どうぞ」
優斗さんがオレにウーロン茶を注いでくれる。お酒に弱いことは詩音がさりげなく伝えてくれていた。
代わりに詩音が寛さんと優馬の餌食となった。連休の夜じゃないと飲まないから、詩音にとっても久しぶりのアルコールだ。強いから大丈夫だとは思うが、飲まされ過ぎてて心配になる。
「ダメ。ミイは食べられないよ」
猫のミイが杏の膝に手をかけて天ぷらの匂いを嗅いでいる。
山菜は苦味もあるし、まだ杏には早いかもしれないと思ったが、自分で採ってきて衣をつけたからか、サクサクと美味しそうに食べている。
大志さんは無言で食べ続けている。サツマイモとカボチャを揚げたものを。
陽子さんがそれをニコニコ見守っているので、先程準備していたのは彼のためでもあったようだ。
◇
3つ横に並べた布団。そこから少し離して赤ちゃん用の布団を敷いた。優斗さんとオレが杏を囲み、優斗さんの向こう側に柚くんが寝る形だ。
布団を離して赤ちゃんを寝かせるのは、寝返りで万が一の事故を起こさないため。
「…パパも寝ちゃった」
2冊目の絵本を読み終えた時、杏が小さな声で笑った。
先ほどまで楽しそうに聴いてくれていた柚くんと優斗さんだが、ついに睡魔に負けたようだ。並んで眠る2人の顔はとても穏やかで嬉しい。
「そろそろ寝ようか」
絵本を置き、部屋の照明を落とす。
布団へ入ったその時、杏がオレの近くへ身体を寄せてきた。
「お父さん」
どうしたんだろう。柚くんがパパを独占してるから寂しくなっちゃったか?
優斗さんを起こさない為か、オレの耳に口を近づけて手のひらで囲む、ひそひそと小さな声。
「僕ね。お父さんの声…すき」
その言葉に一瞬息が止まった。
好きだと言ってもらえるのが、こんなに嬉しいなんて。
近くに感じる杏の体温と声の響き。耳に触れる息が少しくすぐったくて。
「…あのね。パパにはないしょだけど、ママもお父さんのこと大すきだったって」
アズは打算だけでなく、ちゃんとオレのことを好きだと思ってくれていたのか。杏の言葉はまっすぐに胸へ届いてくる。
「パパもね、お父さんのこと、“強くてすごい人”だっていってたよ」
優斗さんも…。
「お父さん。会いにきてくれてありがとう」
あぁ。なんて優しくて、嬉しい言葉ばかりをくれるのだろう。
「…杏。…杏も、会ってくれてありがとう。嬉しい言葉をたくさんくれてありがとう」
ちゃんと伝えたいのに。声が震えてしまう。
涙が枕へ零れてしまいそうになり、慌てて袖口で拭う。
「杏…」
迷いながら広げた腕の中へ、杏が飛び込んできてくれた。
苦しくないように、そっと抱きしめる。
「大好きだよ」
胸にじわりと濡れた感覚。
「…お父さん」
柔らかな髪を、ゆっくり、ゆっくりと撫でた。
すぅ、すぅ、と健やかな寝息が聞こえてくるまで。
◇
翌朝、優馬は二日酔いだからと起きてこなかった。
そして、大志さんと詩音の距離が何故か近づいていた。
無言でお酒を飲むイメージの2人。一体何を話して仲良くなったのだろう。
泣きそうな目をした杏が手を伸ばしてくる。
詩音が運転してくれると言い、オレは助手席の窓から外に手を伸ばす。
「また来てもいい?」
握り合った暖かい手のひら。
「うん…。また来てね。約束だよ」
小指を絡める約束をした。
「とー、とー、」
優斗さんに抱かれた柚くんも、小さな手を伸ばしてくる。
「僕が“お父さん”って呼んでるからかな…」
お兄ちゃんの真似をしているのかもしれない。杏がオレを『お父さん』と呼んでくれる声は、すっかり柔らかなものに変わっているから。
「柚くんも、またね」
人差し指を差し出すと、きゅっと握ってくれた。
「次は唐揚げを教えてください。杏も手伝ってね」
優斗さんの言葉に
「うん!」
泣きそうだった杏の顔が明るく変わる。
「はい。必ず」
寛さんと陽子さんの間に杏が並び、柚くんを抱いた優斗さんがその後ろに立つ。
トランクには、また大量のお土産が積まれている。…オレたちが持ってきたものより多い気がする。
『優馬が心配だ』という大志さんは、荷物を積み終えると先に離れへ戻って行った。
動き出す車に、みんなで手を振ってくれる。
そういえば、祖父母の家から帰る時もこんな感じだったな、と子どもの頃の記憶が蘇った。
寂しいな。
詩音が運転してくれて良かった。
そうでなければ車から降りて、もう一度杏を抱きしめてしまいそうだ。
「「また来てね!!」」
陽子さんと杏の声が重なる。
「はい! 必ず!」
車の速度が上がっていく。
いつまでも、いつまでも、5人の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
青い空。太陽が少しだけ眩しい。
「なぁ詩音」
「ん?」
「杏がさ。机、ありがとうって」
朝起きてすぐ。
杏に手を引かれて行くと、『ここは僕の部屋なんだ』と内緒話をするように小さな声で言って、新しい机を見せてくれた。
デスクマットにプリントされた猫と犬のイラストが、ミイとフウスケに似ているところも気に入ったらしい。
机とセットの本棚には、誕生日やクリスマスにプレゼントしたもの、偶然見つけて買ったものまで、あの頃オレが杏に贈った絵本が全て収められていた。
『宝物なんだ』と嬉しそうに言ってくれた。
運転中の詩音は前を向いたまま、
「そうか。喜んでもらえて良かったな」
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笑った。
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