愛を請うひと

くろねこや

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その後の話

ご褒美と駄犬(後編)

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疲れた身体は重いままだが、眠気はすっかり覚めていた。


凛が羽織ったシャツ。前を開くとある筈の、胸を飾る真っ赤な突起。その両方を虐めたくなった。

口内を舌で犯したままだから、手探りで親指と中指を使う。摘んで同時にギュッと引っ張ってやると、

「んンッ、」

色っぽい息が、凛の鼻から漏れ出す。

2本の指で摘んだまま、人差し指でくりくりと先端の穴を捏ね回す。

左は果実を摘み取ろうとするようにギュッと引っ張り、右は優しく労わるようにやわやわと。

時折爪を立てられる痛みと、もどかしさに襲われているからだろう。

凛の濡れたちんぽが揺れながら腹に擦り付けられてくるのが擽ったい。

下半身に伝わってくるのはそれだけではない。ブーッ、ブーッ、というくぐもった音と振動。

腹の中に収められた2つのローターだ。


凛の唇を解放してやると、

はぁ、はぁ、と熱い息。

「疲れ…てるだろ? 前戯は…しなくて…いいって…」

目尻に滲んだ涙をペロリと舐めれば、塩の味が甘く感じるほど蕩けた目がこちらを見てくれた。

愛おしくて、もう一度だけ口付けると、首、喉、鎖骨、そして胸で真っ赤に熟れた2粒のイチゴに唇を落として吸い付く。


虐めていた方の乳首を甘やかすように舌先でレロレロ舐め、優しくしていた方の乳首にはギッと歯を立てる。

両方、ジンジン疼くのだろう。

モジモジと逃げを打つ凛の腰を捕まえて、ジュッ、ジュッと片方ずつ強く吸ってやると、

「や…、」

イく瞬間、指やクリップで乳首を虐める躾をしてきた成果だろう。

「ぁ…、あああぁ!!」

ふるりと揺れた凛の花芯から、白い蜜がほとばしった。

オレの胸にかかったソレは、腹までトロリと垂れてくる。


「乳首イキ…気持ちよかった? 凛」

こくりと頷く潤んだ瞳。

手のひらで掬い、舌でベロリと舐めとると、そんな筈はないのにやはり甘くて幸せだと感じた。

ゴクリと飲み込むが、もっと欲しくなって凛のそこを直接舐めしゃぶることにする。

射精の名残で先端の穴をヒクつかせながら涎を垂らした亀頭。ジュッと吸ってやると、残っていた蜜も溢れてきた。

「はぁ、」

色っぽい吐息。

ちんぽを裏筋から舐め上げ、舌を腹へ向かって這わせていく。

へその穴を舐めながらローターで振動する腹を指で外から虐める。ナカでは、2個のローターがコツコツぶつかり合いながら、虫の羽音のような音を立てている。

シーツの上に転がっているピンクのコントローラー。

ダイヤルは2つ。

片方を回してやると、凛の腹から聞こえてくる振動音のリズムが変わり、もう片方を回すと激しさが増す。

「ああぁぁ!!や…それ、やだ」

仰け反り晒された白い喉に齧り付きたい衝動を堪える。


脚を持ち上げて大きく開かせ、腰の下にクッションを敷いて支える。もう何度もシてるのに、この瞬間は特に恥ずかしがって目を背けようとするのが可愛い。

「見ていて」

2本のコードを咥え込んだ狭間へ唇を寄せると、はくはく開閉を繰り返すシワを伸ばすように舌を差し入れる。

流れ出そうとするローションを押し込み、穴を唇で塞ぎ、唾液と凛の精液を混ぜ合わせたものをビューッと勢いよく吹き込んでやれば、堪らないのか凛の脚が跳ね上がった。

指を入れてヌルヌル、ヌチュヌチュ。既にローターを飲み込んでいるからスムーズだ。

「んッ、んッ、んンッ、」

耐えるようにシーツを握りしめた指。ギュッと丸めた爪先。時々、凛が好きなところをわざと押したり掠めたり。

「…しおん、…ぁ、もう、…いれて、」

焦らしが効いたか、弱々しい声が挿入を強請ねだってくる。


足首をそっと持ち上げ、揺れるアンクレットに口付けると、苦しそうに寄せられていた眉間が解ける。

コードを掴み、ローターを引き抜こうとして、最初に言われた『そのまま挿入していい』という言葉を思い出す。


指で開かせた穴に亀頭を当てると、蠢く媚肉がピンク色のコードと一緒にはくはく・・・・と喰むのをダイレクトに感じる。

「ぁ…だめ。…あ、あ、」

ヌチュ、ヌチュ、と往復させ、凛の入り口がオレのに慣れたところで

「やっぱり抜い…あああぁぁぁ!!!」

ローターを押し込むように一息で貫いた。


オレに飼い慣らされた結腸口は、久しぶりの暴挙にも関わらず、簡単に異物を受け入れてしまったらしい。

仰け反った凛は、まるで全身に電気を流されたかのように大きく跳ね上がり暴れた。


その間もギュウギュウ締め付けられるのが堪らない。

深く挿入したまま、凛の片脚を持ち上げるように身体を引き寄せ最奥までちんぽを押し込んでやると、時折痙攣しながら包み込んでくれる柔い肉筒、ローターのバイブレーションが先端に触れて気持ちいい。

ダイヤルを回して、振動のバリエーションと強さを調整する。

互いが一番気持ちよくなれるよう、長く楽しめるよう、強すぎず、飽きのこない動きがいい。







凛は気を失っているのかもしれない。

気がつくと叫び声は止み、暴れていた身体が大人しくなっていた。

『おねがい、うごいて…』

『も…ゆるして…、』

『らめ(だめ)…、らめ…、』

甘い声で泣きながら、弱々しく首を振る凛が可愛くて。

ついやりすぎてしまった。

オレの身体を気遣い、挿入するだけでイかせてくれようと使ってくれたローターだったのだろうが。


この機種は稼働時間が長くていい。

最弱にすれば、凛が目覚めるまで保つだろう。


繋がったまま力の抜けた両脚を肩に掛けると、くったりした身体を抱え上げ、下に敷いていたクッションを引き抜く。

片脚のみ持ち上げたままグルリと腰を回すと、正常位から背面側位に変えて凛の背中を包み込むようにぴたりとくっつく。

「んぅ…、」

凛の唇から漏れ出た声。

体内の熱さ。

汗に濡れた背中や胸。

いい匂い。


「愛してる」

身じろぐとグチュッと泥濘ぬかるんだ音。

意識はない筈なのに最奥に飲み込ませたままのローターが振動のパターンを変える度にヒクつくのが可愛い。

凛がくれる全てが気持ちいい。


目の前には汗ばんで紅潮したままの首筋。


「オレの、」

がぶりと噛み付いてから、明日は月曜日だと思い出す。

ナカに放ったままだから、洗ってやらないと。

でも、腹が痛む度に、首筋の噛み跡が疼く度に、昼間も会社でオレのことを思い出してくれるだろうか。


いや…、凛の腹が痛いのはダメだ。

少し眠ってから、もう一度だけシて、

洗って…、







いつの間にか寝落ちしていたオレは、気持ちのいい熱が腕の中から逃げようとしているのを無意識にグイッと引き戻した。

「あ…、ダメ…!!」

凛の悲鳴。

ショロショロという水音。

じわりと腰や脇腹が温かくなり、むわっと鼻に届いた匂いで、腕の中に捕えていた凛の身に何が起きたのか分かった。

吸水シートが敷いてあるから大丈夫だ。

腰に触れている尻たぶを開かせて、さらに目の前の身体を引き寄せると、

「凛」

「え…? まさか…、やめ…、」

オレも挿入したまま腹の中に出させてもらった。

勢いよくジョボジョボ放出したから、ローターに奥の奥まで開かれ、熾火おきびで炙られるように長時間虐め尽くされていたナカにとっては堪らない刺激なのだろう。

「!!!」

逃れようと暴れる腰を引き戻し、オレの出したもので膨れていく腹をグッと押してやれば、

「ゃ…、ぁ…、あぁぁ…!!」

弱々しくも甘やかな悲鳴が上がった。







「ごめん…、凛」


腹へ注いだ大量の液体を床に溢さないよう、挿入したまま風呂場へ直行。

凛の身体を指とシャワーの湯で奥まで清めた。

ローターは防水だから無事だったし、重くなった吸水シートを捨て、シーツは洗濯機の中へ。


凛はベッドの上で尿意と戦いながら、オレを起こさないように尻からちんぽを引き抜こうとしてくれたらしい。

オレの腕に引き戻されてしまったせいでお漏らし。

しかも体内にローターを挿れたまま、放尿されたのは快感が過ぎてキツかったらしい。


あと、意識を失ってからもローターで結腸責めし続けたのもアウトだった。


何故なら明日は月曜日だからだ。


血が滲む首筋の噛み跡も、引き攣れる痛みで気付かれてしまった。


「…暴走して、ごめん」

反省して床に座り、ソファの上にいる凛に謝っているのが今の状況だ。


「…明日がオレも休み…って日なら、また…シてもいい」

下げた頭に降ってきたのは、弱々しい凛の許しの声だった。

プレイ自体は嫌いではなかったらしい。


「分かった。凛、ありがとう」


見上げた顔は真っ赤だった。


「愛してる。こんなオレを受け入れてくれて…嬉しい」

目の前にある足首を手に取り、アンクレットに口付けると、凛が頬を撫でてくれた。

「お前のも…」

ソファの背もたれに片脚を乗せれば、凛もオレのに口付けてくれた。


「…オレが、…漏らす…とか、恥ずかしい姿を見せるのは…、お前に…だけだ」

赤く染まったままの頬。

「それにだな…。わざわざマーキングなんかしなくたって、オレはお前だけのものだし、お前はオレだけの…ッ、」

愛おしさに、思わず唇を奪っていた。

「ンッ、」

言われて気付く。

確かにマーキングだ。


『家族』という言葉が好きなお前。


オレの匂いをお前の腹の奥まで染み込ませたい。

オレのものだとお前に分からせたい。

本当はあの頃みたいに頭の上から注いで、口の中、胃の中にも注いでやりたい。



愛してる。

愛してるんだ。


オレは、疲労が限界に達すると理性を失うらしい。

『もうしないって!!』

『ダメ!!』

と叫ぶ唇を宥めながら、

オレの暴走した身体はソファの上で凛に再び襲いかかる。


『やらぁ…』

『もっとぉ…』

叫び声が甘えた声に変わるのは、すぐのこと。


完全にんでしまった凛が『ごしゅじんさまの、きもちぃ』とか『おちんぽさま』とか卑猥な言葉を口にし始めるから、さらに突き上げる腰を止められなかった。







「これから1か月、セックス…いや、オレへの接触禁止だ。この駄犬…」

再び反省の土下座をするのも、すぐのこと。


なお、夕食にシーフードリゾットを作って食べさせたところ、一緒のベッドへ入り、抱きしめて眠ることまでは許してもらえた。


それから、翌朝のキス。

腰を支える手も許された。


セックス禁止が解かれるのは、10日後。




凛はオレに甘いのだ。
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