愛を請うひと

くろねこや

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その後の話

シャッター(後編)

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凛を会社へ迎えに行き、部屋に帰ってくると、

さっそくシャッターを下ろして見せた。

リモコンは窓横の壁に設置してあり、操作も上下と停止ボタンしかないから分かりやすい。

「うわ! シャッター? これ…電動? すご…」

ボタン一つでウィーンと静かな音を立てて下りてくるから、楽しいらしい。

ガチャンと閉まったところでまた上げて、もう一度下ろしてみている。


「高かっただろう? オレも払うよ」

「いや、昔から世話になってる人と一緒に2人で取り付けたから、かなり安くしてくれたんだ。オレが安心したくて勝手に付けたものだから気にしないでほしい」

『せめて半分出す』という凛に、おっさんの話をした。


「そうか。オレも一度挨拶したいな」

オレはあまり会わせたくない。
おっさんは凛を絶対に気に入るだろうから。



「ありがとう! これで安心して夜を過ごせるよ」

嬉しそうに目を輝かせた凛が可愛すぎる。

思わず抱きしめていた。


「ああ。防音まではいかないが、外の音も違うらしい。台風とか、バイクの音とか気にしていただろう?」

雨風の音、深夜に住宅街を走るバイクや車の音は地味に気になるものだ。

「うん。それに、詩音が昼間に寝る時も暗く出来ていいな」

「あ、そうか…」

明るい時間帯にシャッターを閉めるという発想がなかった。

「凛は頭が良いな。全く思いつかなかった」

「大げさだ。…お前は、オレの事ばかりなんだよ。自分の事も考えろって」


ギュッと抱き返してくれていた凛が少し身体を離すと、オレの目を覗き込んでくる。

「なぁ。シャッターのお礼には足りないが、今夜はお前が食べたい物を作ってやる。何がいい?」


『食べたい物』…それなら、


「…じゃあ今から、電気を点けたまま凛とセックスしたい」

窓の外には塀がある。だが、葛谷が来たように庭側に人が入り込むことはできるのだ。

昼間はカーテンを引けば、故意に覗こうとしない限り外から見られる心配はなかったが、夜に電気を点けるとカーテンは透けて外から室内が見えてしまっていた。

だがこれからは外からの視線を気にしなくていい。


「…全くお前は。そういうことじゃないだろ」

リビングのシャッターは既に閉まっている。

天井のLED照明を最も強くしてみた。
まるで昼間の屋外のような明るさになる。

『抱かせて』

耳元で囁くと、凛の身体がぶるりと震えた。

白く強い光に、ギュッと閉じられたまぶた睫毛まつげが輝く。

「だから…、お前の声に、弱いんだって…」

オレの背中にしがみつく凛の身体を抱き上げて、ソファに座る。


「イヤか?」

「……いいよ」

こくりと頷いてくれたのが嬉しくて、シャツの前を開いていくと、寒いのかピンク色の乳首が尖っていた。その先端の穴から、白い肌の下を走る静脈までがよく見える。

ソファの座面に膝で立たせて、目の前の美味そうな果実にむしゃぶりつく。

「んっ…、んん、」

声を抑えようと口元を隠す凛を見て思いついた。

「……次は壁を防音にしようか」

凛の顔を見上げながら、乳首を責める舌と唇の動きを再開する。

「…工務店の人に、なんて…説明する…、つもり…だよ。いだっ…、」

がじっと齧ると、真っ赤に腫れた乳首に歯型が付いた。

「オレは大事な人の“声”を聴きたいし、もう二度と他人には聴かせたくないから」

「……ばか」

揺れる潤んだ瞳が綺麗だ。明るい茶色の虹彩も瞳孔もよく見える。


「…あんな閉塞感しかない部屋はイヤだ」

「!」

凛を監禁していた『あの部屋』を思い出させてしまったのだろう。

「…ごめん」


「…オレの声なんて聴いてどうする。誰にも聴かせたくないなら、お前が口を塞いでいてくれ」

オレの頭を優しく撫でてから、凛は口付けをねだるように目を閉じた。

「ん」

堪らない。可愛い。

チュッと合わせた凛の唇が、オレの舌を受け入れようと開かれる。

思わずその身体を抱き上げ、キスしたまま寝室へ向かった。


ベッドに凛を下ろすと、リビングと同じようにシャッターを閉めて電気を点ける。


「全部見せて」

強いLEDの光が、オレの唾液にぬるりと濡れた乳首を照らす。


「…恥ずかしいから、もう少しだけ暗くしてくれ」

視線を逸らす様が色っぽくて、

「イヤだ。最後まで、凛の全部が見たい」

服を全て脱がせてしまった。

ふるりと震えたから、やはり寒いのかもしれない。


「すぐに熱くしてやる」

たかぶった凛のちんぽをベロリと舐め上げれば、

「…もう、好きにして」

枕の端をキュッと握りしめて、真っ赤に染まった顔が色っぽい。

ピクピクと揺れるちんぽのピンク色と、口を開く先端の穴もよく見える。


「あっ、…んっ、…んっ、…んぁっ、」

両脚を開くように凛自身に持たせて、後孔をふやけそうなほどにジュボジュボ舐め溶かす。

『ゆるして』と凛が泣くくらい、散々苛め尽くして舌を抜いた瞬間、ぽかっと空いた穴から濡れた赤い粘膜が見えた。


「も…、おねがい…、いれて、」

閉じようとする蕾を左右から指でグニッと開かせると、物欲しそうにヒクヒクするのが見えた。

「可愛い。もう少し奥も見せて」

「や…、しおん、も…、はやく、はやくほしい、」



凛もオレも限界みたいだ。


ヌプッ、

「あぁっ!」

指で開かせたままの穴に、亀頭を呑み込ませるだけで内壁が歓迎するように蠢く。

再び深いキスで唇を塞ぐと、そのまま全部を埋め込む。

「~~~!!」



「…はぁ。気持ちいい」

凛のナカはあったかくて、動かなくてもキュウキュウ締め付けてくれる。

奥まで埋め込んだままじっとしていると、

「うごいて、はやく、おねがい、」

焦れたような凛のねだる声。

紅潮した頬、濡れた唇。

潤んだ瞳から、涙が零れ落ちるのを見た。


「…あぁ、綺麗だ」

そう呟いたオレの顔を見た凛が、こちらを見て固まった。

「…どうした?」



凛の両手がオレの頬に伸ばされる。

「おまえ、…オレを抱きながら、こんな顔で見てくれてたんだな」

いつも薄暗く照明を落とした夜か、朝や昼は時間に追われて余裕がなかったから、ゆっくり顔を見ながら抱き合えるのは久しぶりだった。


「あぁ…、なんだよ詩音。愛おしいなぁ」


オレも思うよ。

なんて優しい顔で笑うんだ。

愛おしい。

堪らない。


オレの顔を見つめる凛に、

「愛してる」

囁いた瞬間、

ギュウッと内部が絞られた。

「ああぁぁぁ!」「ぐっ…、ぁ…!」


一度も抽挿しないまま

2人とも同時にイッてしまった。





「オレ達、互いの顔が好きなんだな…」


ぐったりと横たわる凛の身体には、いつもより多いキスマークと歯型。

白い肌に、赤く所有の印が増えていくのが嬉しくて、ついつい付けすぎてしまった。


「うん。凛の顔。大好きだ」

額に口付けると、

「オレもお前の顔、大好き」

凛もオレの額に口付けを返してくれた。


「顔だけじゃない。ここも、ここも、ここも、」

まだ下は繋がったまま。

「んっ…、んぅ…、ぁ…、」

首から鎖骨へ付けた痕を辿るように舐めていくと、綺麗な顔がまた蕩けていく。


「あと、ここ」

「~~~!!!」

グイと腰を押し付ければ、ぐちゅっと結合部から粘着質な音がして、凛の脚がピンと伸びる。





限界を超えた凛が理性を飛ばし、奔放ほんぽうに声を上げるようになるまで。

そして、2人が喉の渇きと空腹を思い出すまで。

明るい光の中で何度も何度も愛を交わした。
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