愛を請うひと

くろねこや

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その後の話

休日(後編)

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指を挿入してみると、彼自身の指でほぐされたナカは既にトロトロだった。

オレの仕事が休みだと覚えていてくれたのだろう。どうやら、すぐに挿入できるよう、シャワー洗浄を済ませ、ローションで濡らしてくれていたようだ。

こんな状態で食事を作って、オレの帰りを待っていてくれたのか。


「ありがとう、凛」

膝の上、向かい合った体勢で。
紅潮した頬のまま、こくりと頷いてくれた彼の細い腰を持ち上げる。

力を抜く為にだろう。
凛がいつものように『はぁ、』と息を吐く。

緩く開いた穴を自身の肉杭へ導き、下から貫くよう重力に任せて落とす。

「あぁっ…!!」

衝撃に仰反のけぞる凛の声が甘く響いただけで、オレはまたイキそうになってしまう。

ゆっくり持ち上げては、落とす。

落とすと同時に下からも突き上げてやれば、一気に奥まで入り込むことができた。

「ぁっ!!」

ほとんど全部引き抜いては落とすから、
グプッ、と凛の腹の中に空気が押し込まれる音がする。

また引き抜いては、落とす。


グプッ、グプッ、グボッ、グボッ、グボッ、

「あっ、あっ、あぁっ、おなかっ、だめっ、」

繰り返されるピストンで少しずつ、結果として大量の空気を押し込まれて、腹が苦しいのだろう。

一度ちんぽを引き抜いて、2本の指で尻の穴を開いてやると、

ブボーッ、とおならのような音がして空気が出て行った。抽挿を繰り返した肛門は腫れぼったく、ローションで湿っているからだ。

「いやだ…っ!」

恥ずかしいのだろう。

再び挿入すると、ナカがギュッと締まった。


奥まで挿入したまま、今度は動かさない。

すると、肉襞が蠕動ぜんどうを始めて、貪欲にちんぽをしゃぶり始める。


「んっ、んぅっ、おねが…うごいて…」

凛の口からおねだりが聴けたところで、
彼の腰を持ち上げては落とす動きを
また繰り返した。


「もう…くうき…いれないで…」

と泣くから、今度は引き抜かずにイイトコロばかりを狙って突いてみる。

「あっ、あっ、あんっ、あっ、」

眉を寄せ、切ない表情で喘ぎ始めたのを見て、2人同時に達するまで抽挿を続けることにした。






ぐったりと脱力した彼の身体を抱き上げて、挿入したままベッドに運ぶ。


一歩ずつ歩く度にズンズン突かれるのが堪らないのか『んっ、んっ、』と小さく甘い声がする。


ベッドに下ろすと、一度ちんぽを引き抜いた。

引き留めるように絡む内部が名残惜しいが、今度は彼の上半身からやりなおすのだ。


はぁはぁ息を吐く、唇が色っぽい。
さっきオレのちんぽに擦られて、激しいキスで貪られたせいで、真っ赤になっている。

顔も紅潮して、瞳が潤んでいるのもエロい。


シャツを開くと、肥大化したエッチな乳首が顔を出す。

最近は早急に身体を繋げるばかりでいじっていなかったから、キレイなピンクに戻っている。


涼野さんは、触れなくても赤黒いほど濃い色になっていた。


あそこまで熟れた姿も魅力的だけど、この色もかなりイイ。




ーーー今朝、車椅子の涼野さんが、娘と男に付き添われて退所していった。

娘は彼にとてもよく似ていた。

男は少しでも早く連れて帰りたいらしく、面会時間前の早朝から彼の側にいた。


「お幸せに」

と他の職員に聞こえないよう囁くと、

「詩音くんも『連れ合い』の方とお幸せにね」

と微笑んでくれた。


あの施設では『終わりの時』を待つ人達ばかりだと思っていた。


よく晴れた朝。

元気な姿で送り出せるのは。

迎えに来た家族と幸せそうに笑うのは。

とても良い光景だった。




「こら。何を考えてる。集中しろよ」

ボーッとして、乳首に触れようとしないから、痺れを切らしたらしい。

お望み通り、2つの乳首を交互にペロペロ、ちゅっちゅっ、ジュルジュル、ガジガジして、最後はギュッとつねる。

凛は、クリップやローターも大好きだが、今日は唇、舌、歯、指、爪だけで苛め抜く。

仕事柄、爪は短くしているから、傷をつけることはない。


「あああぁ!!」

すでにトロトロになっていた凛は、
オレの唾液に濡れて、真っ赤に染まった乳首だけで絶叫して達した。


また苛め過ぎたか。

はぁはぁと荒い息で、涙を零して痙攣けいれんしている。


彼は耳も弱いから、かじって、くんくん匂いを嗅いで、ふーっと息を吹きかけて、首ごとベローッと舐め上げる。

「んっっ!」


オレの舌は再び乳首を経由し、脇腹を伝って、彼のちんぽに辿り着く。

ピンク色のそれは、既に何度も達しているのに、またピクピク震えながら屹立している。

幹を白濁液で濡らした、綺麗なちんぽだ。
食べてしまいたい。




ーーー涼野さんに会ってから、
10代だった頃のことを思い出してしまう。

あの『会社』で、男のちんぽや、女のまんこを数えきれないほど舐めさせられた。

臭くて、ヌルヌルして、気持ち悪くて。
吐き気から早く解放されるには、さっさと相手をイかせるしかなかった。

何度も口をすすいで、うがいして、

そのうち心が死んで、
何とも思わなくなっていった。




自分から『しゃぶりたい』と思ったのは凛のだけだった。

口に含んで舌を這わせ、頬をすぼめてしごく。

彼がしてくれたように喉を開き、ガボガボ音がするほど激しく頭を動かすと、

「ぁっ…、あぁっ…、」

人間の言葉を忘れたように喘ぐ声が聴こえて嬉しい。

彼がオレの頭をグシャグシャに掻き乱す。

声を出すみたいに喉を振るわせると、堪らないのか、ビュルルッ、と出してくれた。

ゴキュッと飲み込み、喉から引き抜きながら舌の上で擦るようにズロリと刺激してやると、追加でビュッ、ビュッ、と吐き出されてくる。ジュッと最後に吸引すると、彼の身体が大きく跳ねた。


今度は飲み込まずに口を開き、舌の上にある『彼の』を凛に見せつけてから、彼の尻を持ち上げ脚を開かせる。

トロリと『オレの』をこぼそうとするその穴を、左右の人差し指で開くと、

口の中に溜まっていたザーメンを唾液ごと、ドローッとそこに垂らす。

ヒクつく穴が呑み込みきれず、溢れてしまったものは舌で舐め取る。今度は指で開かせた穴に唇を付け、舌で送り込むように内部へ白濁液を戻してやる。




ーーー命令でも強制でもない。

自分から『排泄口』に口付けて、舌を挿れたいと思うのだって、凛が相手だからだ。




「受精させような?」

と囁くと彼の顔が恥ずかしそうに、さらに蕩けた。


「んっ…」

コクッと頷いてくれたのを確認し、

『凛の』と『オレの』をぐちゃぐちゃに指で掻き混ぜ、再びちんぽを挿しこむ。


奥へ、奥へ。

太腿を掴み、凛の脚を大きく開かせたまま腰を打ち付ければ、混ざり合った2人の精液は腹の奥深くへ押し込まれていく。


「やらっ、くるし…い…」

先ほどの空気がまだ奥に残っていたのだろう。

凛の腹がぽこりと膨らんでいる気がして、
興奮した。




ーーーこのままはらんでくれたらいいのに。

オレ達の子どもがいてくれたら、彼を残して突然死んだとしても安心できるかもしれない。

凛には息子がいたんだっけ?

でも『あの女』の息子には、凛を任せたくないな。


やっぱり一緒に連れて逝きたい。




ーーーあぁ、まただ。

あの施設で働いていると、
どうしても、
何度でも、何度でも、
いつか来る『最後の日』のことを考えてしまう。




『死』を考えたくない。

生きている『今』を楽しみたい。

そうだ。また2人で旅行に行こう。

旅館に一泊して、
温泉に入って、
うまいものを食べる。

露天風呂で2人きりだったあの夜。
あんなにたくさんの星を見たのは
生まれて初めてだった。

もう一度見たい。

連休が貰えたら、
今度はオレから誘ってみようか。

あの日、凛が誘ってくれたみたいに。




目の前で、抽挿のたび揺れる細い足首。

彼の右足首には、オレとお揃いのアンクレットが輝いている。


凛の体温が移った『それ』にチュッと口付けると、彼は快感に飛んだ顔のまま幸せそうに微笑んでくれた。
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