愛を請うひと

くろねこや

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その後の話

すれ違い 〜その後

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ぐったりしたオレの身体を寝室に運んだ詩音は、ベッドに並んで置かれたさまざまなサイズのアナルプラグとローションに気づいたらしい。



ベッドに寝かされたオレの前には、床に土下座する詩音がいた。

「凛、ごめん。ごめんなさい」



「…言い訳があるなら聞いてやる」

怠い身体で横になったまま、詩音を見下ろす。

「…ずっと不安だったんだ。凛は綺麗で、色っぽくて。女やノンケの男さえ惹きつけるお前を1人にしたら、オレなんてあっという間に捨てられてしまうんじゃないかって…」

「…え?」

「お前には魅力しかない。毎朝キスだけして出勤するお前を、何度ベッドに引き摺り込み、縛り付けてしまいそうになったか…」

「…ちょっ」

「綺麗な髪、形の良い頭はとてもいい匂いだ。いくらでも嗅ぎたい。濡れたような美しい瞳は泣かせたくなるし、すっきり通った鼻と少し尖った耳には歯を立てたい」

「…っ」

「色っぽい唇や舌、熱い口の中を舐め回したい。…キスだけじゃ足りない…。思わずちんぽを突っ込んでしまいたくなる。首筋と鎖骨から腕、指先にはキスマークと噛み跡をたくさん付けたい」

「…おい」

「真っ赤に熟れてぷくりと膨れた乳首は吸ってかじりとって食べてしまいたくなるし、わきの下、へその穴は匂いをたっぷり嗅いでから舐めたい」

「や…」

「すべすべピンクの形のいい綺麗なちんぽ、陰嚢、会陰まで、真っ赤に腫れるまで舌で舐め転がして、指でぐにぐにした後、固定した電マで長時間放置して苛めたい」

「もう…やめ…」

「もっちりと吸い付くような色白の尻たぶは揉みしだいて顔を埋めたいほどだし、すらりとした脚は太腿からつま先まで舌を這わせてキスして齧りたい。縦割れのエロい穴もドロドロに舐め溶かし、玩具とちんぽを突っ込んで…」

「わかったから!!許す!許すから!頼むから、もう口を閉じてくれ!」


また言葉責め…。

恥ずかしい。この変態…。





「…詩音。落ち着いたか?」

「…あぁ」


詩音は施設での休憩時間中、頭の中でオレを何度も犯していたらしい。
そのうち、アパートに1人で眠るオレが誰かに犯される姿を想像してしまったそうだ。

しかも徹夜明けのおかしなテンションで、長期間禁欲生活が続いていたこともあり、オレの紅潮した顔を見た瞬間、暴走してしまったらしい。


「不安になったら夜中だって電話していい。そんなになるまで溜め込むな。事前に約束してくれたら平日でも、オレが出かける前の朝か、お前が出かける前の夕方に受け入れる準備をしておくから」

「……いいのか?」

詩音がオレに手を伸ばそうとして迷っている。


「っ…!!」

彼の手を取ろうとベッドから身体を起こそうとした瞬間、後ろから詩音に出された3回分の精液がドロリと流れ出しそうになった。

オレの様子がおかしかったからだろう。

恐る恐る、そばに近づいてきた。


「出かける前の…朝にする時は、…頼むからゴムをしてくれ」

「……わかった」


「…オレも、一度お前の浮気を疑ったことがあったからな。次こそ、ちゃんと話し合おう」

両手を伸ばすと、彼がようやく抱きしめて、口付けをくれた。

「んっ……」

チュッ、チュッ、クチュ、グチュ、

深まる口付けの合間に、今度こそ詩音の手がオレのシャツのボタンを外し始めた。

「優しくする…。だからもう一度やり直させて?」

オレが頷くと、彼は安心したように微笑んだ。

髪の匂いを嗅がれ、瞼にキスされた後、先ほど彼が口にした順番に溶かされることになった。

暖かい手のひら、唇、舌が肌を這い回り、時々キスマークと歯型を付けられて痛みが走る。

先ほど3回も中出ししたくせに、オレの身体を舐め溶かす間にまた興奮したらしく、新しい精を腹の中にドクドクと注がれた。

正面から詩音の顔を見て、抱きしめられ、キスしてもらいながらのセックスに、ようやく安心することができた。
心が満たされたからだろう。彼に出された瞬間、オレも達していた。
キュウキュウとナカを締め付けたせいで、彼の眉が切なげに寄せられて色っぽい。

大量の精液が溢れないか気にしていると、先程まで入れていた中で一番大きなアナルプラグを使って栓をされてしまった。

「緩くなるから、…っ」

オレは先ほどの詩音の言葉に思ったより傷ついていたみたいだ…。


『こんなガバまん、バイブとでも一緒にぶち込まないと気持ちよくねぇよ』
あざけり笑われた記憶が蘇ったからだ。

今となっては顔も覚えていない男の言葉。


「ごめん、凛!違うんだ!お前があまりに色っぽくて、アナルがぱくぱく開いてて、浮気されたと思い込んだら憎くなって、思わず嘘をついたんだ」

目の奥が熱い。何故か涙がポロッとオレの頬を零れ落ちていた。
ホッとしたのか、悲しかったからか。


「こんなに愛してるのに、傷つけてごめん…」

「ずっと夜勤だし、新しい環境で、知らない人達と一緒に、知らない人達の身体に触れてお世話をするんだ。身体も心も疲れてるんだろう」

「あぁ…そうだな。オレは、思っていたよりも気を張っていたみたいだ」

「守秘義務はあるだろうけど、お前自身の話なら聴くことはできるから。うちでは気を抜いていい」

「あぁ、お前と話したい。お前の話も聴かせてくれ。……本当にごめん。お前のナカから出たくないくらい気持ち良かったよ。準備してくれてありがとう、凛」


こんなふうになるまで頑張った彼をねぎらうように『お掃除フェラ』をしてやると、挿されたばかりのプラグを引き抜かれてせっかく綺麗にしたちんぽをまた突っ込まれてしまった。





行為の後。

汗が残る熱く気怠い身体で、互いのアンクレットへ、いつものように口付け合った。


「なぁ、凛。昼は?」

「え?」

「昼頃帰ってきて、これにキスしてくれただろう?」

「…起きてたのか?」

「昨日の昼」

起こしてしまったらしい。

「なぁ、どうだ。昼にもしていいか?」

「…昼はだめ」

「なんで?」

「寝不足で仕事して、ミスしたらまずいだろう」

生命を預かる大事な仕事だ。

「じゃあ、休みの前日ならいいんだな?」

「…え?…あぁ」

「楽しみにしておく」


詩音が休みになる前日、昼休みにセックスすることが確定してしまった…。

カレンダーに書かれた赤い丸印を見てソワソワすることになりそうだ。

『夜でもいいのではないか』と思ったが、彼のワクワクした顔を見たら言い出せなかった。


「約束だ」


詩音はオレの足首に嵌められたアンクレットへ、もう一度口付けた。





横たわったオレの上に詩音が覆い被さり、今度は唇に口付けられる。

「愛してる。詩音」

かすれた声で囁けば、彼の顔はうっとりと甘く蕩け、愛の言葉と共にもう一度口付けが降ってきた。




2人とも寝不足だったからだろう。

詩音に出されたものを掻き出さずにそのまま眠ってしまったせいで、オレは酷い腹痛を抱えて1日を過ごすことになった。
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