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その後の話
貞操帯(前編)
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温泉旅行から、詩音がおかしい。
妙に心配性で、夜の7時過ぎに歩いて1分ほどのコンビニに行くだけでも、オレを一人で行かせまいと付いてくる。
ある晩、『これを着ければ安心だから』と、『貞操帯』なるものを渡された。
どうやらネットで取り寄せたらしい。
オレの誕生祝いに『マッサージ用品』という名の大人の玩具を買ってから、すっかりアダルトグッズをネットで探すようになってしまったらしい。
詩音は『あの会社』から支払われた賠償金を、『オレのために』使おうと決めたそうだ。
しかし、『貞操帯』……。
言葉の響きから、男の独占欲によって『女性が着けさせられるもの』だと思っていたのだが、男性用もあるらしい。
黒い革の腰ベルトと、前から後ろに股を通る2本の細い革紐でできたパンツのようなもの。
そこに取り付けられた『金属のサック』をちんこに嵌め、『ボコボコした金属の棒』を尻穴に挿して、鍵をかけて外せないよう固定されるというものだ。
これ、SMグッズじゃないのか…?
どうやら外出時はオレに必ず装着してほしいと思っているらしい。……本気で。
『男に襲われても直接触られないし、ちんぽの挿入を防げる』と大真面目の詩音に言われたが、『んなもん着けてたら逆に変態が寄ってくるわアホッ!』と速攻で却下した。
毎日の装着を諦めてもらう代わりに、『試しに明日1日だけ』という約束で穿かせられることになった…。
やっぱりオレは、詩音の寂しい犬のような顔に弱かったみたいだ。
金曜の朝から何をやっているのだろう…。
出勤前の尻を開かれ、穴にヒヤリと冷たい金属棒の丸い先端を当てられる。連なった球の形を一つずつクプクプと挿入された。塗られたジェルで滑りがよく、アナルビーズに比べたらだいぶ細く小さいそれを、昨夜も詩音に抱かれた身体は簡単に呑み込むことができた。
ちんこに嵌められた金属製のサックは重くて、長さが短いせいでかなり窮屈だ。フニャフニャの時に収納されると、長さが圧縮されて短くなることを初めて知った。
その時、身体がギクリと硬直した。
ーーーいや、オレは『コレ』を知っている。
『メス奴隷には『おまんこ』があれば十分だろう』
仰向けにされたオレの手足を抑えつける2人の男。
そこに皺だらけの手が近づいてきて…。
「凛?」
詩音の声にはっと我に帰る。
「……なんでもない」
詩音の手がまた動き出した。
サックの先端には穴が開いていて、外から長い尿道プラグを挿された。そこから排尿できるよう、チューブ状になっている。チューブの先はネジのように回されて、サックの先端と一体化した。違和感しかない。
その感覚に、
襲ってくる記憶に、
震えながら堪えた。
「や……」
『やっぱりやめよう』と言い、外そうとした腰のベルトは南京錠にガチリとロックされてしまった。
たった1つしかない鍵は、長い鎖で詩音の首にかけられた。
『外せない』と思うとパニックになりそうで必死に深呼吸を繰り返した。
金属棒に塗られたジェルが『ホットタイプ』だと気づいたのは、貞操帯の鍵をかけられた後だった。ナカがジンジンする。
『今日は風が冷たいから、少しは暖かくなるだろ?』と詩音が邪気なく言う。
『後ろ』に集中すれば、『あの記憶』のことを忘れられるかもしれない。
念入りに浣腸されたお陰でウンコしたくなる心配はなかったが、腹の中の棒と尿道のプラグ、窮屈なちんこ、会陰を挟むように喰い込む2本の革紐が気になって、仕事中は椅子に座っているだけで落ち着かない。
『あの日』のことを思い出さないよう仕事に集中しようとするが、気がつくと考えてしまう。
資料を探しに狭いところを通ろうとしたら、金属のサックが金属の書棚に当たり、『カンッ』という大きな金属音が響いた。先輩社員たちが一斉にこちらを見たが、何事もないフリをして会釈で誤魔化す。
尿道プラグごとサック越しのちんこが衝撃を受け、あまりの痛みに涙目になった。
ーーー『あの日』も揶揄うように老人の爪が『コツコツ』と弾いてきた。
排尿できるとは言っても、チューブのせいで思い切り出せない。ショロショロと少しずつしかできずにストレスが溜まりそうだ。
便座に座らないと小便を出せない上、絶対に他の人に見られないよう、毎回個室を使うことになった。動きはぎこちなく、顔が真っ赤だったからか、腹痛を伴う体調不良だと勘違いされて会社を早退させられた。
急ぎの仕事がなかったのは幸いだった。
「お大事にね」
と会社の人達から優しく労られて、忍びなかった。
まだ午後3時。
早く帰宅したものの、肝心の鍵は詩音が持っていて外せない。
テレビをつけて気を紛らわせようとしても、身体が熱くてどうしようもなかった。
自慰をしようと手が勝手に性器に伸びてしまうが、金属のサックに指が当たるばかりで直接触れない。
後ろに刺さった棒でナカを擦りたくても、会陰に食い込む革紐に余裕なくピッチリと固定されているせいで少しも動いてくれない。
もどかしくて思わず会陰を摩ってしまったのが間違いだった。2本の革紐に挟み込まれているせいで、ぷっくりと膨れてしまっている部分。そこを押すと前が反応してしまうのだ。
前はガチガチに圧縮されているせいで、勃ちそうになると激痛が走る。
また、外側から前立腺を刺激してしまったことで、ナカがもっと切なくなり、棒をキュウキュウと食い締めてしまう。
ソファに横になり、目を瞑って、ハァハァと荒い息を吐きながら、会陰に触れるのを我慢する。
だが、気がつくとまた触ってしまう悪循環だった。
思わず脚を擦り合わせ、尻がモジモジとイヤらしく動いてしまう。
何時に帰るかわからない詩音を待つ時間は、まるで拷問のようだ。
(早く帰ってきて、詩音っ…! 早く!)
妙に心配性で、夜の7時過ぎに歩いて1分ほどのコンビニに行くだけでも、オレを一人で行かせまいと付いてくる。
ある晩、『これを着ければ安心だから』と、『貞操帯』なるものを渡された。
どうやらネットで取り寄せたらしい。
オレの誕生祝いに『マッサージ用品』という名の大人の玩具を買ってから、すっかりアダルトグッズをネットで探すようになってしまったらしい。
詩音は『あの会社』から支払われた賠償金を、『オレのために』使おうと決めたそうだ。
しかし、『貞操帯』……。
言葉の響きから、男の独占欲によって『女性が着けさせられるもの』だと思っていたのだが、男性用もあるらしい。
黒い革の腰ベルトと、前から後ろに股を通る2本の細い革紐でできたパンツのようなもの。
そこに取り付けられた『金属のサック』をちんこに嵌め、『ボコボコした金属の棒』を尻穴に挿して、鍵をかけて外せないよう固定されるというものだ。
これ、SMグッズじゃないのか…?
どうやら外出時はオレに必ず装着してほしいと思っているらしい。……本気で。
『男に襲われても直接触られないし、ちんぽの挿入を防げる』と大真面目の詩音に言われたが、『んなもん着けてたら逆に変態が寄ってくるわアホッ!』と速攻で却下した。
毎日の装着を諦めてもらう代わりに、『試しに明日1日だけ』という約束で穿かせられることになった…。
やっぱりオレは、詩音の寂しい犬のような顔に弱かったみたいだ。
金曜の朝から何をやっているのだろう…。
出勤前の尻を開かれ、穴にヒヤリと冷たい金属棒の丸い先端を当てられる。連なった球の形を一つずつクプクプと挿入された。塗られたジェルで滑りがよく、アナルビーズに比べたらだいぶ細く小さいそれを、昨夜も詩音に抱かれた身体は簡単に呑み込むことができた。
ちんこに嵌められた金属製のサックは重くて、長さが短いせいでかなり窮屈だ。フニャフニャの時に収納されると、長さが圧縮されて短くなることを初めて知った。
その時、身体がギクリと硬直した。
ーーーいや、オレは『コレ』を知っている。
『メス奴隷には『おまんこ』があれば十分だろう』
仰向けにされたオレの手足を抑えつける2人の男。
そこに皺だらけの手が近づいてきて…。
「凛?」
詩音の声にはっと我に帰る。
「……なんでもない」
詩音の手がまた動き出した。
サックの先端には穴が開いていて、外から長い尿道プラグを挿された。そこから排尿できるよう、チューブ状になっている。チューブの先はネジのように回されて、サックの先端と一体化した。違和感しかない。
その感覚に、
襲ってくる記憶に、
震えながら堪えた。
「や……」
『やっぱりやめよう』と言い、外そうとした腰のベルトは南京錠にガチリとロックされてしまった。
たった1つしかない鍵は、長い鎖で詩音の首にかけられた。
『外せない』と思うとパニックになりそうで必死に深呼吸を繰り返した。
金属棒に塗られたジェルが『ホットタイプ』だと気づいたのは、貞操帯の鍵をかけられた後だった。ナカがジンジンする。
『今日は風が冷たいから、少しは暖かくなるだろ?』と詩音が邪気なく言う。
『後ろ』に集中すれば、『あの記憶』のことを忘れられるかもしれない。
念入りに浣腸されたお陰でウンコしたくなる心配はなかったが、腹の中の棒と尿道のプラグ、窮屈なちんこ、会陰を挟むように喰い込む2本の革紐が気になって、仕事中は椅子に座っているだけで落ち着かない。
『あの日』のことを思い出さないよう仕事に集中しようとするが、気がつくと考えてしまう。
資料を探しに狭いところを通ろうとしたら、金属のサックが金属の書棚に当たり、『カンッ』という大きな金属音が響いた。先輩社員たちが一斉にこちらを見たが、何事もないフリをして会釈で誤魔化す。
尿道プラグごとサック越しのちんこが衝撃を受け、あまりの痛みに涙目になった。
ーーー『あの日』も揶揄うように老人の爪が『コツコツ』と弾いてきた。
排尿できるとは言っても、チューブのせいで思い切り出せない。ショロショロと少しずつしかできずにストレスが溜まりそうだ。
便座に座らないと小便を出せない上、絶対に他の人に見られないよう、毎回個室を使うことになった。動きはぎこちなく、顔が真っ赤だったからか、腹痛を伴う体調不良だと勘違いされて会社を早退させられた。
急ぎの仕事がなかったのは幸いだった。
「お大事にね」
と会社の人達から優しく労られて、忍びなかった。
まだ午後3時。
早く帰宅したものの、肝心の鍵は詩音が持っていて外せない。
テレビをつけて気を紛らわせようとしても、身体が熱くてどうしようもなかった。
自慰をしようと手が勝手に性器に伸びてしまうが、金属のサックに指が当たるばかりで直接触れない。
後ろに刺さった棒でナカを擦りたくても、会陰に食い込む革紐に余裕なくピッチリと固定されているせいで少しも動いてくれない。
もどかしくて思わず会陰を摩ってしまったのが間違いだった。2本の革紐に挟み込まれているせいで、ぷっくりと膨れてしまっている部分。そこを押すと前が反応してしまうのだ。
前はガチガチに圧縮されているせいで、勃ちそうになると激痛が走る。
また、外側から前立腺を刺激してしまったことで、ナカがもっと切なくなり、棒をキュウキュウと食い締めてしまう。
ソファに横になり、目を瞑って、ハァハァと荒い息を吐きながら、会陰に触れるのを我慢する。
だが、気がつくとまた触ってしまう悪循環だった。
思わず脚を擦り合わせ、尻がモジモジとイヤらしく動いてしまう。
何時に帰るかわからない詩音を待つ時間は、まるで拷問のようだ。
(早く帰ってきて、詩音っ…! 早く!)
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