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その後の話
温泉 2
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ピピッ、ガチャッ、という音で目が覚めた。
引き戸の電子ロックが開く音らしい。
旅館の離れに戻ってきたようだ。
あの長い距離を、抱き上げられたまま運ばれてしまった。いつもこんなふうに山神先生を手伝っているんだろう。揺れない逞しい腕に、安心して身を任せられた。
玄関で下駄を脱がせてもらい、頭から顔を隠すように被らされていた丹前を外してもらった。
部屋の照明が点くと、急な眩しさで詩音の顔が見えない。
「あ…」
ありがとう、と言葉にしたいのに。
怖くて出てこない。
帯をするりと解かれて、浴衣をグイと引き下ろされると、簡単に下着一枚になってしまった。だがそれもすぐに奪われる。
詩音も同様に裸になると、オレはまた抱き上げられ、露天風呂へ連れて行かれた。
長い腕に後ろから包み込まれ、シャワーがお湯になったところで、2人同時に頭からかぶる。
その熱さで、自分達の身体が冷え切っていたことに気付かされた。
向かい合い、詩音の顔を見る。
ちゅ、
「んっ、」
ゆっくり顔が近づき、口付けをくれた。
そのままギュッと抱きしめられる。
「……間に合ってよかった…」
やっと言葉を発してくれた…。
彼はずっと無言だった。
声を発さないまま男達をボコボコにし、
そのまま抱き上げられて運ばれた。
……怒っているのかと怖かった。
涙が出そうだった。
お互いの身体をボディソープの泡で洗い合った後、肩を押されて椅子に座らされる。
足を取られ、アンクレットに口付けられた。
そのまま足首の傷痕と下駄の鼻緒に擦られた傷をベロリと舐められた。
ピリッとした痛みが快感に変わり、つま先がキュッと丸まってしまう。
ちゅっ、ちゅっ、と指を一本ずつ口に含まれて吸われるたび、腰に痺れが走った。
湯船に運んでもらい、そのまま2人で湯に浸かる。
足の指が湯の熱でジクジク痛んだが、詩音に正面から抱きしめられたオレはやっと身体の力を抜くことができた。
彼の腰に両脚を、首に両腕を回す。
「凛、お願い。今すぐオレを安心させて?」
詩音の指が湯の中でオレの尻を撫でる。
硬く勃ち上がった彼の肉棒が尻の狭間に擦り付けられた。
「んっ…」
血行が良くなり敏感になった身体に、その手を拒む理由なんてなかった。
「抱いて、詩音」
穴に指が入ってきた。
ぬるっとした泉質の温泉だからか、スムーズに呑み込むことができた。
指が増やされるとお湯がナカに入ってくる。
「あつい…」
体内をバラバラに動き回る複数の指とお湯の熱に、腹の中が溶けておかしくなりそうだ。
受け入れる準備が完了すると、太くて大きなモノがズブズブ侵入ってきた。
「はぁっ…」
身体が満たされていく。
昨晩もアパートで抱かれたから緩くなっていたらしい。簡単に奥まで到達してしまう。
腰を持ち上げられては引き寄せられる。
パチャ、パチャ、パチャ、
大きな波紋と水音を立てながら、抽挿の度に激しくお湯が揺れる。
深く浅く内壁の感じる部分を詩音の亀頭が擦ってくれる。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、っあ……まって、しおんっ……そこばっか…ダメ…、イクッ…、イッちゃう…からぁ…」
オレの嬌声に煽られたのか、ナカの詩音がビクビクと震えだした。
腰をグッグッと引き寄せられ、下からは肉棒に激しく突き上げられる。
「~~~~っ♡♡」
ピストンで押し込まれた湯と、詩音の噴射に負けた内部は勝手に蠢き、男根をはくはくと喰んでしまう。
ーーーその時、
『ピンポン』
聞き慣れない電子音が聞こえた。
「ぐぅっ!!」
思わずキューッと締めてしまうと、詩音が呻いた。
フーッ、フーッ、と息を整えている。
それは玄関チャイムの音だった。
夕食の時間が来たようだ。
詩音は眉間にシワを寄せながら、オレを抱えたまま長椅子に運ぶと、
「っぁ!!!」
ゆっくり引き抜いた。
達する直前で止められ、勃ったままピクリピクリと動くオレの性器。
ヒクヒクと痙攣する開いたままの脚。
お湯と詩音のがコポリと溢れて濡れた穴。
それらを切なげに見ると、彼はカゴに用意されていたバスローブを手に取った。
ひとつはオレの身体に掛け、もうひとつは自身でさっと着ると、玄関に向かってくれた。
空を見上げると街の灯りのせいかぼんやり明るくて、二等星くらいまでの星がやっと見えた。
冷たい夜風がのぼせた身体を冷ましていく。
庭の木には雪が僅かに溶け残っている。
勃ち上がっていた前がようやく鎮まると、身体が冷えきる前にローブに袖を通し、詩音の待つ部屋に入った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
晩ご飯は地元の野菜、魚、肉をふんだんに使った豪華なものだった。品数はかなり多かったが、盛り付けが上品で彩りが美しいからか、いつもより多く食べられてしまう。
特に川魚のお刺身が美味しくてびっくりした。養殖したものらしく、臭みが全くなかった。
食後、お腹が少し落ち着いたところで、詩音に抱き上げられる。
両手が塞がった彼の代わりに襖を開けて、フカフカの和布団が2組仲良く並べられているのを見た瞬間の恥ずかしさは言葉にできない。
「凛? ナカ、濡れてる?」
指を差し込んで、ヌルリとしたのだろう。
さっきのオレは『なんとなく』彼が出してくれたものを洗い流したくない気分だった。
自分は『彼のもの』なのだという証拠を体内に留めておきたかったのかもしれない。
食事中、尻の中から流れ出そうとするソレを止めるため、なんどもソコを意識させられることになったのだが…。
詩音にその話をすると、
顔を手のひらで覆って唸っている。
「……煽った凛が悪いよ?」
食べたばかりのご馳走を吐きそうになるほど、それはもうたっぷりと、ねちっこく、身体中を舐め回され、中イキさせられ、射精され続けることになった…。
『ゆるして…、もう…おなか…やぶれちゃう…』
なんて、今夜は素面なのに『素面じゃ言えないセリフ』を吐かされることになった。
引き戸の電子ロックが開く音らしい。
旅館の離れに戻ってきたようだ。
あの長い距離を、抱き上げられたまま運ばれてしまった。いつもこんなふうに山神先生を手伝っているんだろう。揺れない逞しい腕に、安心して身を任せられた。
玄関で下駄を脱がせてもらい、頭から顔を隠すように被らされていた丹前を外してもらった。
部屋の照明が点くと、急な眩しさで詩音の顔が見えない。
「あ…」
ありがとう、と言葉にしたいのに。
怖くて出てこない。
帯をするりと解かれて、浴衣をグイと引き下ろされると、簡単に下着一枚になってしまった。だがそれもすぐに奪われる。
詩音も同様に裸になると、オレはまた抱き上げられ、露天風呂へ連れて行かれた。
長い腕に後ろから包み込まれ、シャワーがお湯になったところで、2人同時に頭からかぶる。
その熱さで、自分達の身体が冷え切っていたことに気付かされた。
向かい合い、詩音の顔を見る。
ちゅ、
「んっ、」
ゆっくり顔が近づき、口付けをくれた。
そのままギュッと抱きしめられる。
「……間に合ってよかった…」
やっと言葉を発してくれた…。
彼はずっと無言だった。
声を発さないまま男達をボコボコにし、
そのまま抱き上げられて運ばれた。
……怒っているのかと怖かった。
涙が出そうだった。
お互いの身体をボディソープの泡で洗い合った後、肩を押されて椅子に座らされる。
足を取られ、アンクレットに口付けられた。
そのまま足首の傷痕と下駄の鼻緒に擦られた傷をベロリと舐められた。
ピリッとした痛みが快感に変わり、つま先がキュッと丸まってしまう。
ちゅっ、ちゅっ、と指を一本ずつ口に含まれて吸われるたび、腰に痺れが走った。
湯船に運んでもらい、そのまま2人で湯に浸かる。
足の指が湯の熱でジクジク痛んだが、詩音に正面から抱きしめられたオレはやっと身体の力を抜くことができた。
彼の腰に両脚を、首に両腕を回す。
「凛、お願い。今すぐオレを安心させて?」
詩音の指が湯の中でオレの尻を撫でる。
硬く勃ち上がった彼の肉棒が尻の狭間に擦り付けられた。
「んっ…」
血行が良くなり敏感になった身体に、その手を拒む理由なんてなかった。
「抱いて、詩音」
穴に指が入ってきた。
ぬるっとした泉質の温泉だからか、スムーズに呑み込むことができた。
指が増やされるとお湯がナカに入ってくる。
「あつい…」
体内をバラバラに動き回る複数の指とお湯の熱に、腹の中が溶けておかしくなりそうだ。
受け入れる準備が完了すると、太くて大きなモノがズブズブ侵入ってきた。
「はぁっ…」
身体が満たされていく。
昨晩もアパートで抱かれたから緩くなっていたらしい。簡単に奥まで到達してしまう。
腰を持ち上げられては引き寄せられる。
パチャ、パチャ、パチャ、
大きな波紋と水音を立てながら、抽挿の度に激しくお湯が揺れる。
深く浅く内壁の感じる部分を詩音の亀頭が擦ってくれる。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、っあ……まって、しおんっ……そこばっか…ダメ…、イクッ…、イッちゃう…からぁ…」
オレの嬌声に煽られたのか、ナカの詩音がビクビクと震えだした。
腰をグッグッと引き寄せられ、下からは肉棒に激しく突き上げられる。
「~~~~っ♡♡」
ピストンで押し込まれた湯と、詩音の噴射に負けた内部は勝手に蠢き、男根をはくはくと喰んでしまう。
ーーーその時、
『ピンポン』
聞き慣れない電子音が聞こえた。
「ぐぅっ!!」
思わずキューッと締めてしまうと、詩音が呻いた。
フーッ、フーッ、と息を整えている。
それは玄関チャイムの音だった。
夕食の時間が来たようだ。
詩音は眉間にシワを寄せながら、オレを抱えたまま長椅子に運ぶと、
「っぁ!!!」
ゆっくり引き抜いた。
達する直前で止められ、勃ったままピクリピクリと動くオレの性器。
ヒクヒクと痙攣する開いたままの脚。
お湯と詩音のがコポリと溢れて濡れた穴。
それらを切なげに見ると、彼はカゴに用意されていたバスローブを手に取った。
ひとつはオレの身体に掛け、もうひとつは自身でさっと着ると、玄関に向かってくれた。
空を見上げると街の灯りのせいかぼんやり明るくて、二等星くらいまでの星がやっと見えた。
冷たい夜風がのぼせた身体を冷ましていく。
庭の木には雪が僅かに溶け残っている。
勃ち上がっていた前がようやく鎮まると、身体が冷えきる前にローブに袖を通し、詩音の待つ部屋に入った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
晩ご飯は地元の野菜、魚、肉をふんだんに使った豪華なものだった。品数はかなり多かったが、盛り付けが上品で彩りが美しいからか、いつもより多く食べられてしまう。
特に川魚のお刺身が美味しくてびっくりした。養殖したものらしく、臭みが全くなかった。
食後、お腹が少し落ち着いたところで、詩音に抱き上げられる。
両手が塞がった彼の代わりに襖を開けて、フカフカの和布団が2組仲良く並べられているのを見た瞬間の恥ずかしさは言葉にできない。
「凛? ナカ、濡れてる?」
指を差し込んで、ヌルリとしたのだろう。
さっきのオレは『なんとなく』彼が出してくれたものを洗い流したくない気分だった。
自分は『彼のもの』なのだという証拠を体内に留めておきたかったのかもしれない。
食事中、尻の中から流れ出そうとするソレを止めるため、なんどもソコを意識させられることになったのだが…。
詩音にその話をすると、
顔を手のひらで覆って唸っている。
「……煽った凛が悪いよ?」
食べたばかりのご馳走を吐きそうになるほど、それはもうたっぷりと、ねちっこく、身体中を舐め回され、中イキさせられ、射精され続けることになった…。
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