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本編
20 新しい生活
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それからさらに一週間ほど経っただろうか。
男Aがなかなか帰ってこない日があった。
寝ていると、玄関ドアが開く音とともに、珍しく男以外の気配も感じた。
彼は頭と頬に酷い怪我をし、Cに肩を借りて帰ってきたのだ。
「…すまない。上からの命令で、凛の『生配信』と『派遣』をすることになった」
裸になったAの身体には腹や背中、腕、脚など、至る所に打撲の痕があった。
週に1・2回、Aとのセックスを配信する。
視聴者からのリクエストに応じて体位が決められ、クローゼットの玩具も使われた。
視聴者が悪ノリすると、内容はどんどんエスカレートしていく。時にはひとつの部位のみを時間いっぱい責められ、オレは気が狂いそうになり絶叫してしまうこともあった。
男達の欲望が高まるにつれて課金される額も増えていった。
時々荷物が届き、その玩具は増えているようだ。
また、週に一度、知らない男が迎えにくる。
高級そうなホテルへ連れていかれ、毎回違う男に抱かれるようになった。
時には複数の男が部屋に待っている事もあった。
変態的なプレイを好む客が多く、車から外に連れ出される度、なんとか逃げられないか探る。
『派遣』の日だけは、服を着せてもらえるのだ。下着はマトモではないが、部屋に着くまでは二足歩行を許される。
だがそのホテルの駐車場は地下にあり、エレベーターで直接部屋のある階に連れていかれてしまう。
しかも首輪から延びた鎖は男の手に繋がれており、逃げられそうにない。
初めて『派遣』された日に、知らない男の手が触れた瞬間、輪姦の記憶がフラッシュバックし暴れてしまったため、警戒が厳しくなっていた。
なにより、Aの酷い怪我を思い出す。
オレが逃げたら、彼がまたどんな目に遭わされるかわからない…。
出かける前は必ず、Aにナカを慣らされてから、ホテルの部屋に送られる。
Aにナカの感度を上げられてからのセックスは、どんな客が相手であってもなんとか耐えられるようになった。
心が麻痺するようになり、あんなに苦痛で死にそうだった二輪挿しさえも、抵抗せず受け入れられるようになっていた。
朝方になると男Aがホテルに迎えに来てくれる。
抱き上げられてアパートに帰ると、そのまま風呂場で『マーキング』され、優しく洗われた後、男の腕に抱かれて眠る。
時々男は部屋に帰らないことがあり、かと思えば、酷い怪我をして帰ることが度々あった。その週は『派遣』されないこともあり、おそらく男がオレの代わりに暴力を受けているのだと思う。
2人きりの部屋で、セックス以外の時間は、男Aと少しずつ話をするようになった。
彼と話をする時間だけは、オレも自分を『一人の人間』だと思うことができた。
男Aがなかなか帰ってこない日があった。
寝ていると、玄関ドアが開く音とともに、珍しく男以外の気配も感じた。
彼は頭と頬に酷い怪我をし、Cに肩を借りて帰ってきたのだ。
「…すまない。上からの命令で、凛の『生配信』と『派遣』をすることになった」
裸になったAの身体には腹や背中、腕、脚など、至る所に打撲の痕があった。
週に1・2回、Aとのセックスを配信する。
視聴者からのリクエストに応じて体位が決められ、クローゼットの玩具も使われた。
視聴者が悪ノリすると、内容はどんどんエスカレートしていく。時にはひとつの部位のみを時間いっぱい責められ、オレは気が狂いそうになり絶叫してしまうこともあった。
男達の欲望が高まるにつれて課金される額も増えていった。
時々荷物が届き、その玩具は増えているようだ。
また、週に一度、知らない男が迎えにくる。
高級そうなホテルへ連れていかれ、毎回違う男に抱かれるようになった。
時には複数の男が部屋に待っている事もあった。
変態的なプレイを好む客が多く、車から外に連れ出される度、なんとか逃げられないか探る。
『派遣』の日だけは、服を着せてもらえるのだ。下着はマトモではないが、部屋に着くまでは二足歩行を許される。
だがそのホテルの駐車場は地下にあり、エレベーターで直接部屋のある階に連れていかれてしまう。
しかも首輪から延びた鎖は男の手に繋がれており、逃げられそうにない。
初めて『派遣』された日に、知らない男の手が触れた瞬間、輪姦の記憶がフラッシュバックし暴れてしまったため、警戒が厳しくなっていた。
なにより、Aの酷い怪我を思い出す。
オレが逃げたら、彼がまたどんな目に遭わされるかわからない…。
出かける前は必ず、Aにナカを慣らされてから、ホテルの部屋に送られる。
Aにナカの感度を上げられてからのセックスは、どんな客が相手であってもなんとか耐えられるようになった。
心が麻痺するようになり、あんなに苦痛で死にそうだった二輪挿しさえも、抵抗せず受け入れられるようになっていた。
朝方になると男Aがホテルに迎えに来てくれる。
抱き上げられてアパートに帰ると、そのまま風呂場で『マーキング』され、優しく洗われた後、男の腕に抱かれて眠る。
時々男は部屋に帰らないことがあり、かと思えば、酷い怪我をして帰ることが度々あった。その週は『派遣』されないこともあり、おそらく男がオレの代わりに暴力を受けているのだと思う。
2人きりの部屋で、セックス以外の時間は、男Aと少しずつ話をするようになった。
彼と話をする時間だけは、オレも自分を『一人の人間』だと思うことができた。
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