132 / 132
本編 3 番外編
名前
しおりを挟む
仕事が驚くほどあっけなく終わり、慎一郎とディックの散歩に付いて行った夜。
春と夏の境目みたいな季節だからか、天気予報にもなかった急な雨に降られてしまった。
最近は2人でバスルームを使うことが多かったんだけど、慎一郎が『泥で汚れたディックの身体を洗う』と言い、オレにも一緒にお風呂へ入るよう勧めてきたので慌てて自室へ引き上げてきた。
鼻先を股へ差し込むように匂いを嗅いでくる、ディックの前で裸になるのは躊躇われたからだ。
最近のオレはおかしい。以前なら“そんな状況”すら楽しんでいた筈。
冷えた身体をシャワーで温めていると、ふいに海堂家の温室を思い出した。
すっかり部屋の置物と化していたシャワーブース。その壁は、透明なガラスで出来ていたからだ。
「湯気で曇らないって、ほんとに不思議だなぁ」
高柳さん達は、オレが使わなくても毎日欠かさず掃除をしてくれているらしく、埃はもちろん水垢ひとつない。
遠くの飾り棚までよく見える。
最近そこに宝物が増えた。それは瑠璃色と黄色が綺麗な長い2枚の羽。その色を褒めたら、慎一郎のお兄さんが『たくさんあるから』ってくれたんだ。
その落とし主、番の鳥を連想したところで、頭に浮かんだこと。
「そういえば、お兄さんの名前って…」
ずっと『慎一郎のお兄さん』って思っていたから意識していなかったけど。
『槙人』という名前を聞いてから、なんか知っている名前に似ているなぁって思ってたんだよね。
そうだ。お兄さんの名前。『まひと』さんと似てるんだ。
慎一郎の“慎”に“人”と書いて慎人さん…だった筈?
確か、初めて会った日に名刺を貰った気がする。
すごく気になったオレは、ほかほかした身体にバスタオルを巻きつけて机に急いだ。
引き出しに入れた名刺ファイル。プライベートや仕事で貰ったたくさんの名刺の中でも一際目立つ、シンプルでカッコいいデザイン。
「やっぱりそうか」
『海堂 慎人』。
すっごく紛らわしいけど、“木へん”じゃなくて“りっしんべん”。
『槙』ではなく、慎一郎や慎羅くんと同じ『慎む』という字だ。
槙人、慎人。
まきと、まひと。
漢字も響きもすごく似てる…。
「兄の名前ですか」
慎一郎のベッド。
エッチなことをしない日も、最近は一緒に眠ることが多いんだ。広いから2人並んで寝ても余裕。
今夜の慎一郎は、微かにディックの匂いがする。…犬用シャンプーの匂いかな。
「僕と慎羅は母親に名付けられたのですが、兄さんの名前だけは父親が付けたと聞いています」
慎一郎のお父さんが付けた名前。瑠璃さんとの間に生まれた子ども。どうしても“槙人”さんの名が頭をちらつく。
「僕の母は父が家を出た後、兄に向かって『本当は槙人の子ではないか』とよく喚き散らしていたそうです」
槙人さんが亡くなった時期を考えればありえない話らしいのだが、慎一郎の母親にはオレの母さんに似た狂気のようなものを感じるんだよな。
「見かねた祖父がDNAによる親子鑑定を依頼した結果、兄は父の子であることが無事に証明され、赤恥をかいたらしいですが」
うわぁ…。
「父が兄に槙人と似た名前を付けたのは“偶然”だったのか、“敢えて”だったのかは分かりません」
そっか。お父さんにしか分からないことなんだ。
それにしても、慎人、慎一郎、慎羅なんて。3人とも“慎”が入るのは何故だろ。
「慎一郎の家ってさ、『慎』って漢字を使う決まりでもあるの?」
「僕の父は慎一。祖父も“慎む”に“弦楽器の弦”と書いて慎弦ですからね」
お祖父さん…強そうな名前。
「ですが、7代前までは“真”の字を使っていた筈です」
「へぇ、そうなんだ。…でもなんで漢字を変えたんだろう?」
「先祖の恥を明かすようですが、」
慎一郎が話してくれたのを、ざっくりまとめるとこうだ。
7代前の海堂家には“真”の字を持つ名前の三兄弟がいたんだって。
でもそのうち2人が酷くて、1人は男女問わずの『色狂い』。もう1人は『賭け事狂い』。
あっという間に家の財産を食い潰しそうになったらしい。
でも末っ子がすごくて、1人で家を立て直したんだって。
その人は『慎みの人』って呼ばれるくらいストイックで、それから直系の子孫たちは『慎』の字を名前に付けるようになったのだとか。
分家の人たちも、『慎』でこそないけれど、未だに男の子の名には『真』が入る…例えば槙人さんの『槙』みたいな漢字を使って名付けることが多いらしい。
「ちなみに、海堂家の子が3人の男児を産むことを強要されるのは、その三兄弟によるものらしいです」
全く、迷惑な話ですね。と慎一郎はため息を吐いた。
「3人いれば、誰かは優秀ってこと?」
「ええ。科学的根拠を示していただきたいものですね」
「誰かどころか、慎人お兄さん、慎一郎、慎羅くんの三兄弟なんてみんな優秀だからなぁ…」
「確かに、兄も慎羅も、素晴らしい才能を持っています」
「慎一郎もね」
オレの中で、慎一郎は特別な存在だ。
「ありがとうございます。…それでも僕は、父が気の毒でなりません」
「…うん。…でもさ。そのお陰で、オレは慎一郎に会えたんだよね。…お父さんに感謝だなぁ」
オレが慎一郎の手を取ると、ギュッと握り指輪に口付けられた。
「そうですね。こうして僕があなたの手を取ることができるのも、父とその三兄弟のお陰と言えるかもしれませんね」
「そうだよ」
オレも慎一郎の指輪に口付けを返して、それから唇と唇を合わせたキスをした。
慎一郎のお父さんに会ってみたい。できればお祖父さんにも。
柚月ナホのファンだというお祖父さん。慎一郎と同じコレクターらしいけど、その『コレクション』を見てみたいような、見たくないような…。怖いものだったらどうしよう。オレはナホと似ているらしいから、慎一郎は会わせないようにしてるみたいなんだよな。
「奈津の名前は8月生まれだから、でしょうか?」
オレの誕生日は8月11日だ。
「うん。たぶんそうだと思う」
「漢字はやはり、奈津の叔母である“奈穂”からとったのでしょうか?」
母さんの名前が“美穂”、姉さんが“美夜”なのを考えると有り得ない話ではない。
でも、
「オレの母さん、妹のことが大嫌いだった筈だよ」
「嫌いな相手の名、その一部を自分が産んだ子に付けるでしょうか?」
うーん。言われてみれば確かに変だ。
「…父さんが柚月ナホのファンだったとか?」
結婚するなら、親族同士で集まることもあっただろう。父は母親の妹である奈穂とも会ったことがあるのではないだろうか。
「可能性はありますね」
「…父さんが子どものオレにあんなことをさせたのは、“奈穂の代わり”にしたかったのかも?」
父さんは性欲処理の相手に、妻の妹に似たオレを選んだ。ゾワゾワ気持ち悪いけど、今思えばそんな気がする。
「あの男は、この世から消し去るべきでした」
慎一郎が物騒な発言をする。こんなふうにオレの代わりに怒ってくれるから、オレ自身は父さんに対してもう何も思わない。
「それでもあなたの母親は、名付けに反対することができた筈ですよ」
「確かに…」
それこそ“夏”って名前にすることだって出来た筈だ。
母さんにとって妹は、ただ憎いばかりの存在ではなかったのだろうか?
オレが生まれる前日に若くして亡くなったという妹のことを、多少は好きだと思っていたのだろうか。
だからこそ、“妹の生まれ変わり”だと考えた?
「すみません。答えの出ない質問をしてしまいましたね」
慎一郎がオレの頬に手を当てた。
あったかい。
「…母さんが妹のことを“嫌いなだけじゃなかった”のかもって思ったら、少し嬉しい」
そうしたら、オレのことも多少は好きでいてくれたのかなって希望が持てる気がする。
姉さんとオレの容姿を比較してくるヤツらさえいなければ。志麻が姉さんのお腹を刺さなければ、母さんは優しくしてくれたのかもしれない。
「ありがとう。慎一郎」
頬に触れた手のひらへ口付けると、慎一郎の唇がオレの額に触れ、鼻に触れ、唇に触れた。
ディックを洗ったシャンプーの匂いがするせいか、今夜の慎一郎は犬みたいに見えてしまう。
喉や鎖骨にまでチュッてするから、あまりの擽ったさに笑った後、
『優しく抱いてほしいなぁ』
って思った。
慎一郎はオレの心が読めるのかもしれない。
甘やかすみたいに、『愛してる』って気持ちを伝えるように、たっぷり快感だけを一晩かけて注いでもらった。
朝が来て、オレを後ろから抱いた慎一郎の左手が目の前に見えた。
自分の左手をそこに重ねてみる。
“ご主人様の名前が刻まれた首輪”を嵌められるのも好きだったけど、“2人の名前が刻まれた指輪”で繋ぎ合った関係も悪くない。
心からそう思った。
春と夏の境目みたいな季節だからか、天気予報にもなかった急な雨に降られてしまった。
最近は2人でバスルームを使うことが多かったんだけど、慎一郎が『泥で汚れたディックの身体を洗う』と言い、オレにも一緒にお風呂へ入るよう勧めてきたので慌てて自室へ引き上げてきた。
鼻先を股へ差し込むように匂いを嗅いでくる、ディックの前で裸になるのは躊躇われたからだ。
最近のオレはおかしい。以前なら“そんな状況”すら楽しんでいた筈。
冷えた身体をシャワーで温めていると、ふいに海堂家の温室を思い出した。
すっかり部屋の置物と化していたシャワーブース。その壁は、透明なガラスで出来ていたからだ。
「湯気で曇らないって、ほんとに不思議だなぁ」
高柳さん達は、オレが使わなくても毎日欠かさず掃除をしてくれているらしく、埃はもちろん水垢ひとつない。
遠くの飾り棚までよく見える。
最近そこに宝物が増えた。それは瑠璃色と黄色が綺麗な長い2枚の羽。その色を褒めたら、慎一郎のお兄さんが『たくさんあるから』ってくれたんだ。
その落とし主、番の鳥を連想したところで、頭に浮かんだこと。
「そういえば、お兄さんの名前って…」
ずっと『慎一郎のお兄さん』って思っていたから意識していなかったけど。
『槙人』という名前を聞いてから、なんか知っている名前に似ているなぁって思ってたんだよね。
そうだ。お兄さんの名前。『まひと』さんと似てるんだ。
慎一郎の“慎”に“人”と書いて慎人さん…だった筈?
確か、初めて会った日に名刺を貰った気がする。
すごく気になったオレは、ほかほかした身体にバスタオルを巻きつけて机に急いだ。
引き出しに入れた名刺ファイル。プライベートや仕事で貰ったたくさんの名刺の中でも一際目立つ、シンプルでカッコいいデザイン。
「やっぱりそうか」
『海堂 慎人』。
すっごく紛らわしいけど、“木へん”じゃなくて“りっしんべん”。
『槙』ではなく、慎一郎や慎羅くんと同じ『慎む』という字だ。
槙人、慎人。
まきと、まひと。
漢字も響きもすごく似てる…。
「兄の名前ですか」
慎一郎のベッド。
エッチなことをしない日も、最近は一緒に眠ることが多いんだ。広いから2人並んで寝ても余裕。
今夜の慎一郎は、微かにディックの匂いがする。…犬用シャンプーの匂いかな。
「僕と慎羅は母親に名付けられたのですが、兄さんの名前だけは父親が付けたと聞いています」
慎一郎のお父さんが付けた名前。瑠璃さんとの間に生まれた子ども。どうしても“槙人”さんの名が頭をちらつく。
「僕の母は父が家を出た後、兄に向かって『本当は槙人の子ではないか』とよく喚き散らしていたそうです」
槙人さんが亡くなった時期を考えればありえない話らしいのだが、慎一郎の母親にはオレの母さんに似た狂気のようなものを感じるんだよな。
「見かねた祖父がDNAによる親子鑑定を依頼した結果、兄は父の子であることが無事に証明され、赤恥をかいたらしいですが」
うわぁ…。
「父が兄に槙人と似た名前を付けたのは“偶然”だったのか、“敢えて”だったのかは分かりません」
そっか。お父さんにしか分からないことなんだ。
それにしても、慎人、慎一郎、慎羅なんて。3人とも“慎”が入るのは何故だろ。
「慎一郎の家ってさ、『慎』って漢字を使う決まりでもあるの?」
「僕の父は慎一。祖父も“慎む”に“弦楽器の弦”と書いて慎弦ですからね」
お祖父さん…強そうな名前。
「ですが、7代前までは“真”の字を使っていた筈です」
「へぇ、そうなんだ。…でもなんで漢字を変えたんだろう?」
「先祖の恥を明かすようですが、」
慎一郎が話してくれたのを、ざっくりまとめるとこうだ。
7代前の海堂家には“真”の字を持つ名前の三兄弟がいたんだって。
でもそのうち2人が酷くて、1人は男女問わずの『色狂い』。もう1人は『賭け事狂い』。
あっという間に家の財産を食い潰しそうになったらしい。
でも末っ子がすごくて、1人で家を立て直したんだって。
その人は『慎みの人』って呼ばれるくらいストイックで、それから直系の子孫たちは『慎』の字を名前に付けるようになったのだとか。
分家の人たちも、『慎』でこそないけれど、未だに男の子の名には『真』が入る…例えば槙人さんの『槙』みたいな漢字を使って名付けることが多いらしい。
「ちなみに、海堂家の子が3人の男児を産むことを強要されるのは、その三兄弟によるものらしいです」
全く、迷惑な話ですね。と慎一郎はため息を吐いた。
「3人いれば、誰かは優秀ってこと?」
「ええ。科学的根拠を示していただきたいものですね」
「誰かどころか、慎人お兄さん、慎一郎、慎羅くんの三兄弟なんてみんな優秀だからなぁ…」
「確かに、兄も慎羅も、素晴らしい才能を持っています」
「慎一郎もね」
オレの中で、慎一郎は特別な存在だ。
「ありがとうございます。…それでも僕は、父が気の毒でなりません」
「…うん。…でもさ。そのお陰で、オレは慎一郎に会えたんだよね。…お父さんに感謝だなぁ」
オレが慎一郎の手を取ると、ギュッと握り指輪に口付けられた。
「そうですね。こうして僕があなたの手を取ることができるのも、父とその三兄弟のお陰と言えるかもしれませんね」
「そうだよ」
オレも慎一郎の指輪に口付けを返して、それから唇と唇を合わせたキスをした。
慎一郎のお父さんに会ってみたい。できればお祖父さんにも。
柚月ナホのファンだというお祖父さん。慎一郎と同じコレクターらしいけど、その『コレクション』を見てみたいような、見たくないような…。怖いものだったらどうしよう。オレはナホと似ているらしいから、慎一郎は会わせないようにしてるみたいなんだよな。
「奈津の名前は8月生まれだから、でしょうか?」
オレの誕生日は8月11日だ。
「うん。たぶんそうだと思う」
「漢字はやはり、奈津の叔母である“奈穂”からとったのでしょうか?」
母さんの名前が“美穂”、姉さんが“美夜”なのを考えると有り得ない話ではない。
でも、
「オレの母さん、妹のことが大嫌いだった筈だよ」
「嫌いな相手の名、その一部を自分が産んだ子に付けるでしょうか?」
うーん。言われてみれば確かに変だ。
「…父さんが柚月ナホのファンだったとか?」
結婚するなら、親族同士で集まることもあっただろう。父は母親の妹である奈穂とも会ったことがあるのではないだろうか。
「可能性はありますね」
「…父さんが子どものオレにあんなことをさせたのは、“奈穂の代わり”にしたかったのかも?」
父さんは性欲処理の相手に、妻の妹に似たオレを選んだ。ゾワゾワ気持ち悪いけど、今思えばそんな気がする。
「あの男は、この世から消し去るべきでした」
慎一郎が物騒な発言をする。こんなふうにオレの代わりに怒ってくれるから、オレ自身は父さんに対してもう何も思わない。
「それでもあなたの母親は、名付けに反対することができた筈ですよ」
「確かに…」
それこそ“夏”って名前にすることだって出来た筈だ。
母さんにとって妹は、ただ憎いばかりの存在ではなかったのだろうか?
オレが生まれる前日に若くして亡くなったという妹のことを、多少は好きだと思っていたのだろうか。
だからこそ、“妹の生まれ変わり”だと考えた?
「すみません。答えの出ない質問をしてしまいましたね」
慎一郎がオレの頬に手を当てた。
あったかい。
「…母さんが妹のことを“嫌いなだけじゃなかった”のかもって思ったら、少し嬉しい」
そうしたら、オレのことも多少は好きでいてくれたのかなって希望が持てる気がする。
姉さんとオレの容姿を比較してくるヤツらさえいなければ。志麻が姉さんのお腹を刺さなければ、母さんは優しくしてくれたのかもしれない。
「ありがとう。慎一郎」
頬に触れた手のひらへ口付けると、慎一郎の唇がオレの額に触れ、鼻に触れ、唇に触れた。
ディックを洗ったシャンプーの匂いがするせいか、今夜の慎一郎は犬みたいに見えてしまう。
喉や鎖骨にまでチュッてするから、あまりの擽ったさに笑った後、
『優しく抱いてほしいなぁ』
って思った。
慎一郎はオレの心が読めるのかもしれない。
甘やかすみたいに、『愛してる』って気持ちを伝えるように、たっぷり快感だけを一晩かけて注いでもらった。
朝が来て、オレを後ろから抱いた慎一郎の左手が目の前に見えた。
自分の左手をそこに重ねてみる。
“ご主人様の名前が刻まれた首輪”を嵌められるのも好きだったけど、“2人の名前が刻まれた指輪”で繋ぎ合った関係も悪くない。
心からそう思った。
1
お気に入りに追加
111
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる