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本編 3 番外編
※補足資料
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・慎一郎の父『黒猫』こと海堂 慎一、使用人の男『白猫』こと冬島 雪が出会ったのは慎一5歳、雪9歳の頃。
互いに一目惚れしたのが両片思いの始まり。
天使のようだった慎一は、父親が施した教育のせいで成長するにつれて表情が乏しい人形のようになっていった。だがそれは見た目だけで、本人にも自覚はないが、かなり情に厚く優しい。
雪は生まれつき色素が薄く綺麗な顔をした子どもだった。幼い慎一が『雪の妖精』と言ったのはそのため。男女問わずモテるし、外面はいいがドライ。慎一以外に興味なし。
慎一もモテているのだが無自覚なため、雪はハラハラしている。極力家から出さない。
・慎一は生まれつき身体が弱く(病気ではないが骨は細く筋肉が付かない)、父の求める才能がない自分を恥じている。
『慎一』と名付けられた自身を、亡くなったお兄さん(慎壱)の身代わりだと思い込んでおり、あくまで『血を後世に継ぐための道具』だと思っているため、自己評価がありえないくらい低い。
外の世界を知らない。
・2人が暮らす家
『小さな家』と慎一は言っているが、屋敷と比べればの話。
慎一は、持っている画集の中に登場した一枚の絵を見て『縁側のある家』に憧れていた。
・女性たちとの関係
1人目の女性、瑠璃は従姉弟。
幼い頃から姉弟のように思い合っていた。彼女が愛した人のことも兄のように思っていた。実の兄姉は幼い頃に亡くなっているから、なおさら慕っていたのかもしれない。
2人目、3人目の女性からは恋愛的な意味で好かれていた。
2人目の好意はツンデレすぎて慎一に伝わらなかった。子ども(慎一郎)が母親である自分に似てしまった(と思い込んだ)上、慎一が使用人の男と家から逃げ出したことで『躾』と称した鞭を振るうようになった。彼女は籍に入れてもらえず次期当主候補の息子に縋るしかなかった。
慎一郎への虐待がバレ、屋敷から追い出される。
3人目に至っては子ども(慎羅)を連れ去るほど慎一が好きだった。夢見がちなところがあり、大事な子どもを連れて行けば慎一が必ず迎えに来てくれると信じていた。迎えに来ない慎一に絶望していたところ、養育費として海堂家から送られてくる金を目当てにした男に騙されて困窮。アルコールへの依存もあり、子をアパートに放置し外で遊び歩くようになってしまった。慎羅への虐待は、迎えに来ない慎一への復讐だったのかもしれない。
・猫について
慎一は自分で思っているよりも白猫の死に深いショックを受けている。
黒猫といつも一緒にいた木(ウロのあるケヤキの大樹)の下に、白猫の墓を作った。地面に埋め込むタイプの墓石は、黒猫がいない現在も屋敷に住み着いた猫たちのお昼寝スポットとなっている。
逃げ惑う猫たちの姿が目に焼き付いて離れない。あの日外に出て、カラスを追い払えなかった自分を責めつつも、白猫の肉を糧にして育ったであろうカラスの子を見て複雑な思いを抱く。絵にしたことで少しだけ落ち着いたが、白猫の死を心に刻んで生涯忘れることはないだろう。
雪が連れ帰ってきた黒猫は、絵を描くため椅子からあまり立たない慎一の膝が気に入ったらしく、よく彼の足を痺れさせた。
黒猫が腎臓の病で亡くなった後から、白猫と黒猫がモチーフの油彩画も多数描いており、猫好きの間で人気が高い。
最近は陶芸や羊毛フェルトにも手を伸ばし、ネットでの作品販売も好評。
・作家としての名
『Sin』は、『慎一』の『シン』と、『罪』という言葉を英語に訳したもの。少し外の世界を知って厨二病っぽいことに気付き、ダブルミーニングなのは秘密にすることにした。
・父様は執事の松岡を通して2人の暮らしを応援している。雪も定期的な挨拶と報告を欠かさない。
・絵に高値が付いているのは、初めこそ父様のお陰であったが、今は正当に評価されたものである。
・慎一が部屋の外に飾ったリナリアという花の絵。この花言葉『この恋に気付いて』は、もちろん雪へ向けたもの。
雪はその意味を『使用人の嗜み』として知っていた。主人に贈られた花の意味を確認するのも仕事だから。
主が自分に向けてそんなメッセージを送ってくれたのなら嬉しい、と思いつつ、まさかね、と思っていた。
親に捨てられた過去から、雪も自分に自信がない。
雪は慎一へ毎年誕生日にリナリアを贈っている。主が嬉しそうな顔をしてくれるから。込めたメッセージは同じく自己評価の低い彼の主にも届いていない。
いっそ赤い薔薇でも贈ればいい。
・慎羅が母親に捨てられ、屋敷へ保護されたことを知った雪は、自分の身に重ねて落ち込んだ。
慎一はそんな雪に愛を告白し、雪も想いを返した。
・慎一の素直じゃない性格と造形制作の才能、オムライスが好物なところは慎羅に受け継がれている。
・慎一の父(慎一郎の祖父)が赤ちゃんの頃に引き離された母親は、『愛を請うひと(その後の話)』に2度登場している。ピアノの先生として暮らし、菓子作りとレコードを聴くことが好きだった。
互いに一目惚れしたのが両片思いの始まり。
天使のようだった慎一は、父親が施した教育のせいで成長するにつれて表情が乏しい人形のようになっていった。だがそれは見た目だけで、本人にも自覚はないが、かなり情に厚く優しい。
雪は生まれつき色素が薄く綺麗な顔をした子どもだった。幼い慎一が『雪の妖精』と言ったのはそのため。男女問わずモテるし、外面はいいがドライ。慎一以外に興味なし。
慎一もモテているのだが無自覚なため、雪はハラハラしている。極力家から出さない。
・慎一は生まれつき身体が弱く(病気ではないが骨は細く筋肉が付かない)、父の求める才能がない自分を恥じている。
『慎一』と名付けられた自身を、亡くなったお兄さん(慎壱)の身代わりだと思い込んでおり、あくまで『血を後世に継ぐための道具』だと思っているため、自己評価がありえないくらい低い。
外の世界を知らない。
・2人が暮らす家
『小さな家』と慎一は言っているが、屋敷と比べればの話。
慎一は、持っている画集の中に登場した一枚の絵を見て『縁側のある家』に憧れていた。
・女性たちとの関係
1人目の女性、瑠璃は従姉弟。
幼い頃から姉弟のように思い合っていた。彼女が愛した人のことも兄のように思っていた。実の兄姉は幼い頃に亡くなっているから、なおさら慕っていたのかもしれない。
2人目、3人目の女性からは恋愛的な意味で好かれていた。
2人目の好意はツンデレすぎて慎一に伝わらなかった。子ども(慎一郎)が母親である自分に似てしまった(と思い込んだ)上、慎一が使用人の男と家から逃げ出したことで『躾』と称した鞭を振るうようになった。彼女は籍に入れてもらえず次期当主候補の息子に縋るしかなかった。
慎一郎への虐待がバレ、屋敷から追い出される。
3人目に至っては子ども(慎羅)を連れ去るほど慎一が好きだった。夢見がちなところがあり、大事な子どもを連れて行けば慎一が必ず迎えに来てくれると信じていた。迎えに来ない慎一に絶望していたところ、養育費として海堂家から送られてくる金を目当てにした男に騙されて困窮。アルコールへの依存もあり、子をアパートに放置し外で遊び歩くようになってしまった。慎羅への虐待は、迎えに来ない慎一への復讐だったのかもしれない。
・猫について
慎一は自分で思っているよりも白猫の死に深いショックを受けている。
黒猫といつも一緒にいた木(ウロのあるケヤキの大樹)の下に、白猫の墓を作った。地面に埋め込むタイプの墓石は、黒猫がいない現在も屋敷に住み着いた猫たちのお昼寝スポットとなっている。
逃げ惑う猫たちの姿が目に焼き付いて離れない。あの日外に出て、カラスを追い払えなかった自分を責めつつも、白猫の肉を糧にして育ったであろうカラスの子を見て複雑な思いを抱く。絵にしたことで少しだけ落ち着いたが、白猫の死を心に刻んで生涯忘れることはないだろう。
雪が連れ帰ってきた黒猫は、絵を描くため椅子からあまり立たない慎一の膝が気に入ったらしく、よく彼の足を痺れさせた。
黒猫が腎臓の病で亡くなった後から、白猫と黒猫がモチーフの油彩画も多数描いており、猫好きの間で人気が高い。
最近は陶芸や羊毛フェルトにも手を伸ばし、ネットでの作品販売も好評。
・作家としての名
『Sin』は、『慎一』の『シン』と、『罪』という言葉を英語に訳したもの。少し外の世界を知って厨二病っぽいことに気付き、ダブルミーニングなのは秘密にすることにした。
・父様は執事の松岡を通して2人の暮らしを応援している。雪も定期的な挨拶と報告を欠かさない。
・絵に高値が付いているのは、初めこそ父様のお陰であったが、今は正当に評価されたものである。
・慎一が部屋の外に飾ったリナリアという花の絵。この花言葉『この恋に気付いて』は、もちろん雪へ向けたもの。
雪はその意味を『使用人の嗜み』として知っていた。主人に贈られた花の意味を確認するのも仕事だから。
主が自分に向けてそんなメッセージを送ってくれたのなら嬉しい、と思いつつ、まさかね、と思っていた。
親に捨てられた過去から、雪も自分に自信がない。
雪は慎一へ毎年誕生日にリナリアを贈っている。主が嬉しそうな顔をしてくれるから。込めたメッセージは同じく自己評価の低い彼の主にも届いていない。
いっそ赤い薔薇でも贈ればいい。
・慎羅が母親に捨てられ、屋敷へ保護されたことを知った雪は、自分の身に重ねて落ち込んだ。
慎一はそんな雪に愛を告白し、雪も想いを返した。
・慎一の素直じゃない性格と造形制作の才能、オムライスが好物なところは慎羅に受け継がれている。
・慎一の父(慎一郎の祖父)が赤ちゃんの頃に引き離された母親は、『愛を請うひと(その後の話)』に2度登場している。ピアノの先生として暮らし、菓子作りとレコードを聴くことが好きだった。
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