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本編 3 番外編
玩具
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慎一郎がプレゼントしてくれた『SM部屋』のベッドで。
「ハァ、ハァ、ハァ、」
唾液や涙、汗に濡れた光沢のあるシーツ。
オレを囲むように並べられた、使用済みドロドロの玩具たち。
それらは、今まで見たことのない『新作』だった。
6種類の『魚』を等身大で再現したものらしく、まるで生きているかのように細かく動き、声が枯れるほどナカをたっぷり苛めてくれた。
「どの子がお好みに合いましたか?」
未だ電気が走ったように痙攣する身体。
そこには『痴態に煽られた』という慎一郎が散らした、キスマークと歯型が数えきれない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大きなガラス棚いっぱいに飾られた玩具や、壁に吊るされた拘束具は、全部、あの会長がくれたそうだ。
『Opus』の最古参。
大人の玩具を作る会社の会長。
慎一郎によると、名前は黒田さんというらしい。
オーナーにとって大恩人なのだというその人は、その日のコンディションに合わせていつも最適な玩具を選んでくれる、ありがたいお客様だった。
使用後にオーナーを通して何度か感想を聴かれたことがあるから、商品開発の参考にしていたのだと思う。
オレだけじゃなくて、あの店に所属している全てのキャストの好みを把握しているというから、本当に凄い人だ。
しかも玩具は使い回しせず、一人ひとりに、それぞれ別のものを用意して使ってくれているらしい。
だから、キャストが卒業すると『お気に入りの玩具』をプレゼントしてくれるのが決まりなのだそうだ。
オレは『雌猫の日』や『雌犬の日』に毎回指名されるくらい気に入られていたから、見たことのない商品も追加で大量に送られてくるだろう、とオーナーが苦笑いしていた。
だが何故かそれらは全て、慎一郎の手に渡っていた。
会長とは知り合いだったらしい。
「『ナツの“大好物”や、好みに合いそうなものばかりを集めた』、とあの方は言っていましたよ」
慎一郎の顔は少し悔しそう?
「頂いたものは『コレクション』にして、全て新しく買い直そうと思いましたが、ほとんどがあなたの為に用意されたオリジナルで、一般販売されていませんでした」
まじか。何かお礼の品…は受け取ってもらえそうにないな。感想のメールか手紙を送った方がいいかな。
とりあえずオーナーに相談しようと決めた。
「この身体を、僕が開発したかった…」
慎一郎の温かい手のひら、親指が、オレの全てのパーツに触れて…撫で回していく。
唇、頬、耳、首筋、鎖骨、乳首、肩甲骨、背骨、脇腹の傷痕、腰骨、性器、尻たぶ、腿…。
ゾクリとして、ビクッ、と震える度に、
彼の唇が、舌が、手のひらの後を追っていく。
「んっ、ぁ……まだ、オレが知らない…快感を、…シンが教えて。玩具でたっぷり苛めて?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ベッドで仰向けにされ、脚はM字に開いた状態で縛られている。
『これから挿入されるもの』を6つ、順番にじっくり観察させられ、一つずつ胸の上に載せて、その動きを確認させられる。
それらは水族館にいるような珍しい『魚』ばかりで。
この1週間、慎一郎が妙にアナルビーズとアナルプラグでの拡張を強要してくるから何かと思えば…。異常な長さと太さの『魚』が多くて、震えた。
まずは、これから挿入される『魚』特有の、ぬたぬたしたヌメリが再現されたという『専用ローション』を腹に満たされる。
『魚たち』をナカで『泳がせる』ため、『一回分』だというその量は多かった。
粘性が高いからか、ボトルの口は太く長い。
それを尻の穴に差し込まれ、ボブッ、ボボボッ、と汚い音を立てながら注がれると、羞恥と期待でキュンキュン疼いてしまう。
1つ目は細くて短い、『ドジョウ』。
たぶん13センチくらいの長さ。
少し拍子抜けしてしまった。
挿入の瞬間、たくさん生えたヒゲやパクパク動く口が入り口に当たるから擽ったい。
想像通りすんなりナカに入ったが、そこからが問題だった。
柔らかい素材でできたヒレや、うねる尻尾が『本物のように動く』せいで、ローションで満たされた腹の中を泳ぐように、奥の奥まで入り込んでしまったのだ。
取り出そうと慎一郎の指が追うが、『ヌルヌルと逃げてしまう』と言いながら腹の中を弄り回された。
深追いされた結果として、肛門がぽかっと開ききり、閉じられなくなった。拳全体を受け入れさせられたからだ。つまり、『フィストファック』状態になってしまった。
プラグで拡張してあったおかげで、流血するほど裂けずに済んだが、以前から何度も壊されてきた括約筋はまたバカになってしまった。
しばらくプラグを挿しておかないと、排泄を失敗してしまうだろう。
2つ目は細くて長い、『チンアナゴ』。
太さ1センチ、長さ40センチくらい。
事前に、同じくらい長いアナルビーズを使われたこともあり、それに比べればかなり細いから、余裕で受け入れることはできた。
スイッチを入れられるまでは。
首の辺りから尻尾まで続く背ビレは、柔らかい素材で出来ていて、まるで大量の筆で同時に撫でられているような感覚だった。柔らかいのにピンと立ったまま、波打つように蠢くから、それだけでゾワゾワして何度もナカイキした。
細やかに力強くニョロニョロうねりながら、穴を何度も出入りされると、思わず腰が逃げてしまうくらいゾクゾクした。慎一郎に何度も引き戻され、しまいには動けないようベルトで固定されてしまった。
3つ目はさらに少し太くて長い、『ハナヒゲウツボ』。
太さは2センチ、長さは1メートルないくらい。鮮やかなブルーとイエローで綺麗だ。
さすがに全部は入らなかった。
リボンのようにうねる体、『チンアナゴ』同様に長い背ビレ。
背ビレは『チンアナゴ』より少し硬い。
『ハナヒゲ』というだけに、花びら状になった先端の突起と、大きく開く口の動きが、最奥をモゾモゾコツコツパクパク突くから堪らなかった。
4つ目の『カワヤツメ』、別名『ヤツメウナギ』。長さは40センチくらい。
『ヤツメ』の名の通り、並んだ目のような柄に嫌悪感を覚えた。
円形の口はトゲトゲの吸盤状で、ゲームによく登場する『サンドワーム』を思い出させた。
吸引機能がついており、奥の壁にぢゅう、と吸いつかれて何度もイッた。
ナカでヌルヌル長い体をうねらせて、回転する動きは、以前『長期レンタル』で経験させられた『本物の生き物』を思い出させた。
慣れてきたところで、『ドジョウ』からやり直しさせられる。しかも、ゴムを着けた慎一郎も同時に挿入された。
抽挿すると壊れる可能性があるから、ナカでじっと動いてもらえない。それでも魚たちが蠢くから、堪らなく気持ちいい。
腹の中がやばいだけじゃない。
魚たちが内部で暴れる度に、慎一郎が『くっ…!』と色っぽく呻くのが、視覚と聴覚にきた。
最後の2種類は太すぎるから、慎一郎はさすがに挿入しない。
5つ目の、でっぷり太った『ナマズ』は長さ30センチくらい。
頭はかなり横幅があり、胸ビレがさらに左右に付いている。
腹が太ってぷにぷにして水袋のように重い。
『そんなの入らない!』と叫んだが、先ほどの『フィスト』で入り口が壊されていたから、結局受け入れてしまうことになった。
ぼってり太った体が前立腺を押しつぶす。
さらに、体外にはみ出した力強い尻尾が尻たぶをバシバシ叩く。
最奥をパクパク動く大きな口とエラが、壁面はヒレと長く太いたくさんあるヒゲが苛めてくれた。
体に沿って尻尾まで続くヒレと、口の周りにヒゲがある『魚』は本当に感じすぎてヤバい。
最後は、ありえない太さと長さの『ウツボ』。細かい斑点でできたシマ模様が何とも言えず生理的に気持ち悪い。
太さは10センチちょっとある。なんと長さは80センチ以上。
慎一郎の拳とぶっといナマズに慣らされた後だったが、やはり全体は長すぎて入らない。
尖った口が時折ガバッと大きく開いたり閉じたりしながら、もっと奥に潜り込もうとゴツゴツ暴れる。その動きや、体の表面がボコボコシワシワしているせいで内壁がゾリゾリ擦られて痛い。
見かねた慎一郎の指が、伸び切った穴のフチをさらに引き伸ばして、ローションの注ぎ口を差し込み、4箇所から注ぎ足す。潤滑剤のおかげで動きやすくなった『ウツボ』が激しく出入りを始めた。
ギュッと目を瞑ってシーツを握りしめ、その感覚に必死で耐えていると、慎一郎がオレの腰を持ち上げてきた。圧迫された腹が苦しい。
「奈津、目を開けて」
声に恐る恐る目を開くと、オレの腹が『ウツボ』によってボコボコ動いていた。
「っ…!!!」
体内に収まらなかった部分が、シワもないほど大きく口を開けた自身の尻の穴から生えているのがよく見えた。自分の股の間を、『気色悪い模様の太くて長いもの』が、ウネウネビチビチ暴れる様が卑猥で、目が離せない。
「ああっ!!いやだ!!ああぁぁ!!」
気がつくとナカが勝手にギュウギュウ締まり、激しく痙攣し、達していた。
6つとも全部気持ち悪くて、全部気持ちよかった。
まだピクピクふわふわしている。
『気持ち悪いもの』を体内に挿入される行為が、こんなにも被虐心を感じて『気持ちいい』と思わなかった。
『作り物』だという罪悪感のなさと、相手が信頼している相手、慎一郎だったからこそ、心置きなく乱れることができたのだと思う。
彼は、オレの脚を拘束していたロープを解くと、上体を少し起こすように抱いた。
「んっ、」
水を口移しで飲ませてくれる。
ゴク、ゴク、と喉が鳴り、
乾いた身体に染み込んでいくようだ。
「どの子がお好みに合いましたか?」
慎一郎の問いに、
オレは目の前の男を指差した。
彼は予想外の答えに驚いたのか、
目を見開くと、顔を綻ばせて笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
8つのゴム…、慎一郎とオレの精液が封入されたコンドームがサイドテーブルに載せられている。
腹いっぱいに満たされていたローションは、慎一郎の指に掻き出してもらった。
精密機械の『魚たち』を保護するため、『ゴムを必ず装着するように』、『“専用ローション”を一回分、全量必ず使用するように』と注意書きが添えられていたらしい。
ずらっと一列に並べられている『ピンク色の水風船』を見て、急に思い出した。
「なぁ、あの部屋にある『コレクション』さ…」「嫌です」
『もう捨てない?』と言おうとした言葉は、まだ途中なのに、食い気味で『イヤ』って言われた…。
慎一郎が『独占欲』、という人間らしさを手に入れた今なら、『自分の物が他の男に汚された証拠品』など捨てたくならないのだろうか。
「なんであんなもの、…あんなに色々とっておく必要があるんだよ…」
『汚いだろう』と呟くと、
慎一郎はオレの身体を引き寄せて、正面からギュッと抱きしめた。
「あなたは『汚い』と言いますが、全ては『今のあなたに至るまでの歴史』です」
『汚れ』も『歴史』…。
「忘れないで。僕はあなたが思うよりずっとずっと、あなたに執着しているのですよ」
「……慎一郎」
「過去のあなた、今のあなた、未来のあなた…。僕は、『全てのあなた』を愛しているのです」
苦しいほどの抱擁が解かれると、真剣な眼差しがオレを見ていた。
「そして、これからもずっと、愛し続けると誓います」
「……そっか」
近づいてきた唇を受け入れ、目を閉じた。
………って、いやいや騙されないぞ。
これからも『コレクション』を増やす気か?
『オレ本体』だけ愛してくれればそれで満足だから。頼むからもうやめてくれ。
『ハナヒゲウツボ』という綺麗な色の魚が気になって、翌日ネットで全ての生き物を検索してみた。
全身をうねらせる動き、ヒレの細やかさ、口をぱくぱくさせる動き、エラの動き、表面のシワなどの質感や、細かい模様。
あの玩具は、本物そっくりで…。
快感を与え、安全面を考慮して作られているらしいのに、こんなに細やかに再現された玩具は、まるで芸術品のようだった。
おそらく想像できないほど高額だと思う。
ちなみに『ヤツメウナギ』は、『ウナギ』どころか『魚』でもないらしい?
しかも目のような模様に見えていたのは、呼吸のための『鰓孔』で、口の形やエサの食べ方が『グロ注意』すぎて、そっと検索をやめた。
「ハァ、ハァ、ハァ、」
唾液や涙、汗に濡れた光沢のあるシーツ。
オレを囲むように並べられた、使用済みドロドロの玩具たち。
それらは、今まで見たことのない『新作』だった。
6種類の『魚』を等身大で再現したものらしく、まるで生きているかのように細かく動き、声が枯れるほどナカをたっぷり苛めてくれた。
「どの子がお好みに合いましたか?」
未だ電気が走ったように痙攣する身体。
そこには『痴態に煽られた』という慎一郎が散らした、キスマークと歯型が数えきれない。
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大きなガラス棚いっぱいに飾られた玩具や、壁に吊るされた拘束具は、全部、あの会長がくれたそうだ。
『Opus』の最古参。
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しかも玩具は使い回しせず、一人ひとりに、それぞれ別のものを用意して使ってくれているらしい。
だから、キャストが卒業すると『お気に入りの玩具』をプレゼントしてくれるのが決まりなのだそうだ。
オレは『雌猫の日』や『雌犬の日』に毎回指名されるくらい気に入られていたから、見たことのない商品も追加で大量に送られてくるだろう、とオーナーが苦笑いしていた。
だが何故かそれらは全て、慎一郎の手に渡っていた。
会長とは知り合いだったらしい。
「『ナツの“大好物”や、好みに合いそうなものばかりを集めた』、とあの方は言っていましたよ」
慎一郎の顔は少し悔しそう?
「頂いたものは『コレクション』にして、全て新しく買い直そうと思いましたが、ほとんどがあなたの為に用意されたオリジナルで、一般販売されていませんでした」
まじか。何かお礼の品…は受け取ってもらえそうにないな。感想のメールか手紙を送った方がいいかな。
とりあえずオーナーに相談しようと決めた。
「この身体を、僕が開発したかった…」
慎一郎の温かい手のひら、親指が、オレの全てのパーツに触れて…撫で回していく。
唇、頬、耳、首筋、鎖骨、乳首、肩甲骨、背骨、脇腹の傷痕、腰骨、性器、尻たぶ、腿…。
ゾクリとして、ビクッ、と震える度に、
彼の唇が、舌が、手のひらの後を追っていく。
「んっ、ぁ……まだ、オレが知らない…快感を、…シンが教えて。玩具でたっぷり苛めて?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ベッドで仰向けにされ、脚はM字に開いた状態で縛られている。
『これから挿入されるもの』を6つ、順番にじっくり観察させられ、一つずつ胸の上に載せて、その動きを確認させられる。
それらは水族館にいるような珍しい『魚』ばかりで。
この1週間、慎一郎が妙にアナルビーズとアナルプラグでの拡張を強要してくるから何かと思えば…。異常な長さと太さの『魚』が多くて、震えた。
まずは、これから挿入される『魚』特有の、ぬたぬたしたヌメリが再現されたという『専用ローション』を腹に満たされる。
『魚たち』をナカで『泳がせる』ため、『一回分』だというその量は多かった。
粘性が高いからか、ボトルの口は太く長い。
それを尻の穴に差し込まれ、ボブッ、ボボボッ、と汚い音を立てながら注がれると、羞恥と期待でキュンキュン疼いてしまう。
1つ目は細くて短い、『ドジョウ』。
たぶん13センチくらいの長さ。
少し拍子抜けしてしまった。
挿入の瞬間、たくさん生えたヒゲやパクパク動く口が入り口に当たるから擽ったい。
想像通りすんなりナカに入ったが、そこからが問題だった。
柔らかい素材でできたヒレや、うねる尻尾が『本物のように動く』せいで、ローションで満たされた腹の中を泳ぐように、奥の奥まで入り込んでしまったのだ。
取り出そうと慎一郎の指が追うが、『ヌルヌルと逃げてしまう』と言いながら腹の中を弄り回された。
深追いされた結果として、肛門がぽかっと開ききり、閉じられなくなった。拳全体を受け入れさせられたからだ。つまり、『フィストファック』状態になってしまった。
プラグで拡張してあったおかげで、流血するほど裂けずに済んだが、以前から何度も壊されてきた括約筋はまたバカになってしまった。
しばらくプラグを挿しておかないと、排泄を失敗してしまうだろう。
2つ目は細くて長い、『チンアナゴ』。
太さ1センチ、長さ40センチくらい。
事前に、同じくらい長いアナルビーズを使われたこともあり、それに比べればかなり細いから、余裕で受け入れることはできた。
スイッチを入れられるまでは。
首の辺りから尻尾まで続く背ビレは、柔らかい素材で出来ていて、まるで大量の筆で同時に撫でられているような感覚だった。柔らかいのにピンと立ったまま、波打つように蠢くから、それだけでゾワゾワして何度もナカイキした。
細やかに力強くニョロニョロうねりながら、穴を何度も出入りされると、思わず腰が逃げてしまうくらいゾクゾクした。慎一郎に何度も引き戻され、しまいには動けないようベルトで固定されてしまった。
3つ目はさらに少し太くて長い、『ハナヒゲウツボ』。
太さは2センチ、長さは1メートルないくらい。鮮やかなブルーとイエローで綺麗だ。
さすがに全部は入らなかった。
リボンのようにうねる体、『チンアナゴ』同様に長い背ビレ。
背ビレは『チンアナゴ』より少し硬い。
『ハナヒゲ』というだけに、花びら状になった先端の突起と、大きく開く口の動きが、最奥をモゾモゾコツコツパクパク突くから堪らなかった。
4つ目の『カワヤツメ』、別名『ヤツメウナギ』。長さは40センチくらい。
『ヤツメ』の名の通り、並んだ目のような柄に嫌悪感を覚えた。
円形の口はトゲトゲの吸盤状で、ゲームによく登場する『サンドワーム』を思い出させた。
吸引機能がついており、奥の壁にぢゅう、と吸いつかれて何度もイッた。
ナカでヌルヌル長い体をうねらせて、回転する動きは、以前『長期レンタル』で経験させられた『本物の生き物』を思い出させた。
慣れてきたところで、『ドジョウ』からやり直しさせられる。しかも、ゴムを着けた慎一郎も同時に挿入された。
抽挿すると壊れる可能性があるから、ナカでじっと動いてもらえない。それでも魚たちが蠢くから、堪らなく気持ちいい。
腹の中がやばいだけじゃない。
魚たちが内部で暴れる度に、慎一郎が『くっ…!』と色っぽく呻くのが、視覚と聴覚にきた。
最後の2種類は太すぎるから、慎一郎はさすがに挿入しない。
5つ目の、でっぷり太った『ナマズ』は長さ30センチくらい。
頭はかなり横幅があり、胸ビレがさらに左右に付いている。
腹が太ってぷにぷにして水袋のように重い。
『そんなの入らない!』と叫んだが、先ほどの『フィスト』で入り口が壊されていたから、結局受け入れてしまうことになった。
ぼってり太った体が前立腺を押しつぶす。
さらに、体外にはみ出した力強い尻尾が尻たぶをバシバシ叩く。
最奥をパクパク動く大きな口とエラが、壁面はヒレと長く太いたくさんあるヒゲが苛めてくれた。
体に沿って尻尾まで続くヒレと、口の周りにヒゲがある『魚』は本当に感じすぎてヤバい。
最後は、ありえない太さと長さの『ウツボ』。細かい斑点でできたシマ模様が何とも言えず生理的に気持ち悪い。
太さは10センチちょっとある。なんと長さは80センチ以上。
慎一郎の拳とぶっといナマズに慣らされた後だったが、やはり全体は長すぎて入らない。
尖った口が時折ガバッと大きく開いたり閉じたりしながら、もっと奥に潜り込もうとゴツゴツ暴れる。その動きや、体の表面がボコボコシワシワしているせいで内壁がゾリゾリ擦られて痛い。
見かねた慎一郎の指が、伸び切った穴のフチをさらに引き伸ばして、ローションの注ぎ口を差し込み、4箇所から注ぎ足す。潤滑剤のおかげで動きやすくなった『ウツボ』が激しく出入りを始めた。
ギュッと目を瞑ってシーツを握りしめ、その感覚に必死で耐えていると、慎一郎がオレの腰を持ち上げてきた。圧迫された腹が苦しい。
「奈津、目を開けて」
声に恐る恐る目を開くと、オレの腹が『ウツボ』によってボコボコ動いていた。
「っ…!!!」
体内に収まらなかった部分が、シワもないほど大きく口を開けた自身の尻の穴から生えているのがよく見えた。自分の股の間を、『気色悪い模様の太くて長いもの』が、ウネウネビチビチ暴れる様が卑猥で、目が離せない。
「ああっ!!いやだ!!ああぁぁ!!」
気がつくとナカが勝手にギュウギュウ締まり、激しく痙攣し、達していた。
6つとも全部気持ち悪くて、全部気持ちよかった。
まだピクピクふわふわしている。
『気持ち悪いもの』を体内に挿入される行為が、こんなにも被虐心を感じて『気持ちいい』と思わなかった。
『作り物』だという罪悪感のなさと、相手が信頼している相手、慎一郎だったからこそ、心置きなく乱れることができたのだと思う。
彼は、オレの脚を拘束していたロープを解くと、上体を少し起こすように抱いた。
「んっ、」
水を口移しで飲ませてくれる。
ゴク、ゴク、と喉が鳴り、
乾いた身体に染み込んでいくようだ。
「どの子がお好みに合いましたか?」
慎一郎の問いに、
オレは目の前の男を指差した。
彼は予想外の答えに驚いたのか、
目を見開くと、顔を綻ばせて笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
8つのゴム…、慎一郎とオレの精液が封入されたコンドームがサイドテーブルに載せられている。
腹いっぱいに満たされていたローションは、慎一郎の指に掻き出してもらった。
精密機械の『魚たち』を保護するため、『ゴムを必ず装着するように』、『“専用ローション”を一回分、全量必ず使用するように』と注意書きが添えられていたらしい。
ずらっと一列に並べられている『ピンク色の水風船』を見て、急に思い出した。
「なぁ、あの部屋にある『コレクション』さ…」「嫌です」
『もう捨てない?』と言おうとした言葉は、まだ途中なのに、食い気味で『イヤ』って言われた…。
慎一郎が『独占欲』、という人間らしさを手に入れた今なら、『自分の物が他の男に汚された証拠品』など捨てたくならないのだろうか。
「なんであんなもの、…あんなに色々とっておく必要があるんだよ…」
『汚いだろう』と呟くと、
慎一郎はオレの身体を引き寄せて、正面からギュッと抱きしめた。
「あなたは『汚い』と言いますが、全ては『今のあなたに至るまでの歴史』です」
『汚れ』も『歴史』…。
「忘れないで。僕はあなたが思うよりずっとずっと、あなたに執着しているのですよ」
「……慎一郎」
「過去のあなた、今のあなた、未来のあなた…。僕は、『全てのあなた』を愛しているのです」
苦しいほどの抱擁が解かれると、真剣な眼差しがオレを見ていた。
「そして、これからもずっと、愛し続けると誓います」
「……そっか」
近づいてきた唇を受け入れ、目を閉じた。
………って、いやいや騙されないぞ。
これからも『コレクション』を増やす気か?
『オレ本体』だけ愛してくれればそれで満足だから。頼むからもうやめてくれ。
『ハナヒゲウツボ』という綺麗な色の魚が気になって、翌日ネットで全ての生き物を検索してみた。
全身をうねらせる動き、ヒレの細やかさ、口をぱくぱくさせる動き、エラの動き、表面のシワなどの質感や、細かい模様。
あの玩具は、本物そっくりで…。
快感を与え、安全面を考慮して作られているらしいのに、こんなに細やかに再現された玩具は、まるで芸術品のようだった。
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