痛みと快楽

くろねこや

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本編 3

1

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「オデドジンデグデヨォォ~」

気味が悪いガサついた低い声。
ゾンビが喋ったらこんな声だろうか。

ハァ、ハァ、とドブ臭くて荒い息が顔にかかる。
反射的に嘔吐えずきそうになるのを堪えていると、
ベロリと頬を舐め上げられて
ゾクリと背筋が震えた。

ぼんやりしていた意識がはっきりする。

まぶたを開いても暗闇のなか。
目隠しをされているのだろう。


息が苦しい。

ぐっ、ぐっ、と首を絞められている。

は力が入らないのか、何度もその手が緩むから、オレはまだ死なずにすんでいるのだろう。


身体中じくじく痛む。

特に、腹と尻が痛い。


身体は仰向けに寝かされており、男と結合・・させられた下半身からは、絶えずグボグボ濡れた酷い抽挿音がしている。

両手両脚とも開かされた状態で動けない。
ガンガン突き込まれるように揺さぶられる身体。

肌に張り付く感覚から、服を脱がされ、おそらくビニール素材か合成皮革の椅子に縛られているのがわかる。M字に大きく開脚させた状態で拘束できる変わった形の椅子に座らされているようだ。

腹の張りと尻の痛みから、おそらく長時間にわたり抽挿と内部への射精が続けられているようだ。


これは夢だろうか?


慎一郎といつもの週末を過ごしていた。
シャワーで清められた後、また挿入された。相変わらず身体を離してもらえないまま、口移しで食事を摂らされていたはずだ。

そうだ。

慎一郎のスマホに電話がかかってきて…彼はオレのナカから自身を引き抜くと、ダイニングの椅子に下ろして部屋を出て行った。

その後くらりとして、急激な眠気に襲われたんだ。
おそらく食事に薬が仕込まれていたのだろう。



酸素が足りない。



顔にぼたぼたと、オレに覆いかぶさっているのであろう男から何かが垂れてくる。

それは男の汗か、唾液かもしれず、吐き気が止まらない。


『オレと一緒に死んでくれ』

再び朦朧もうろうとしてきた意識のなかで、あるストーカー男にラブホで犯されながら首を絞められた夜の事を思い出した。

あの時の男か。

前回と変わらず、改造されたちんぽにはパールが埋め込まれており、内部をゴリゴリと擦ってくる。


「しん…っ、とうさ…っ、」

無意識に助けを求めた自身に、
思わず『はっ…』と笑いが漏れた。

あの時は2人が助けに来てくれた。

でも今日は、来てくれないようだ。



あぁ。これが最後か。

オレらしい、陵辱されたまま迎える最後。

もういい。

早く楽になりたい。

目尻から生理的な涙が耳の方へ流れていく。



「は…や…く…ころ…せ…」


オレの声に応えるように、今度は上から体重をかけたのだろう。喉がより強く圧迫された。

「ぐっ……」

突き込みが強まり、腰をぐっぐっと押し付けられるのを尻に感じる。最後にもう一度ナカに射精しながら殺す気だろう。

「しん……いち…ろ……」

慎一郎は、無事だろうか。

オレが死んだら泣くだろうか。

あのほとんど無表情の顔が、泣いているのを想像することは難しかった。

なるべく早く逝けるよう、どうしても強張って抵抗しようとする身体の力を抜いた。



その時、

「ストーップ!!」

「ぐごぁぁああ!!!」

男は何かをされたのだろう。
恐ろしい叫び声とともに、絞められていた首から手が離れ、オレを犯していたモノがずるりと抜け落ちた。

「っひゅ…、っかはっ…、げほっ…、」

急激に入ってきた酸素に咳き込む。

咳き込む度、腹に力が入るからだろう。
尻の穴からビュー、ビュー、と液体が噴き出してしまうが、どうしようもなかった。


「ちょっと!なんで簡単に死を受け入れちゃうのさ!少しは抵抗してよね!」

子どもっぽい男の声が理不尽に怒っている。


「はぁ、はぁ、」

と、苦しい呼吸の度に脳へ急激に血が巡り、頭がカァッと熱くなるのを感じた。
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