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本編 2
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「あれ? 美夜は男の子だったんだね」
男の手が止まった。
一瞬だけ動きを止めたものの、また何事もなかったように動き出した。
『まぁ、これから女の子にすればいいか…』という言葉の後、ピチャピチャ濡れた音がした。
ズブ、
ヌメリとしたものが尻の穴に押し込まれた。唾液で濡らした男の指だろう。
「……これ。なに?」
冷たい声。
男はオレの尻穴から出たヒモに気づいたようだ。
この前の依頼を終えた後から、シンに毎朝埋め込まれる…ローターだ。
時々、身震いするみたいにブルブルッと振動していたのだが、バッテリー切れか先ほどのスタンガンのせいかピクリとも動かなくなっていた。
実家で両親に睨まれていた時、こいつが振動したせいで2人の話を聴いている余裕がなかった。何か怒鳴られた気がするのに記憶がない。
『…オレの彼氏、執着が深いんだよ。朝出かけるときに必ず嵌められてさ』
なんて言ったら逆上されるだろう。
男が納得する答えを返さないと『危ない』気がした。
腹の痛みで頭が働かない…。
「……最近、尿もれが酷くてさ。コレを嵌めとくと筋肉が鍛えられていいらしいんだよ…」
我ながらヒドい言い訳だ。
お店の先輩が言っていた言葉だった。
あれ? 言ってたの女の人だったか?
ヒモを引かれ、
ズルリ、と腹奥に埋め込まれたモノが引き抜かれる。
出そうになった声は堪えた。
「ふぅん?」
ゴトッと床に投げ捨てられた。
苦し紛れの言い訳を信じてくれたらしい。
危ねぇ…。
コイツはキレると何をするかわからない。
再び指を『ヌチュ、ヌチュ、』と慣らすように出し入れされる。
「美夜は淫乱なんだね。指を3本もすぐ飲み込んだよ。さっきのオモチャのせいだけじゃないな。…あの4人? それ以上? 一体何人の男を咥え込んだの?」
ズボッと指を引き抜かれ、脚を持ち上げられると、ナイフを自身の腿で押し込んでしまう。
「!!」
「じゃまだなぁ」
「ぐっ!!」
簡単にナイフが引き抜かれた。
確かにコイツは『頭がおかしい』。
先ほどと言葉が一貫していない。
ナイフが短かったのか、刺された場所か、覚悟していたほどの急激な出血はなさそうだ。
だが、このまま治療を受けなければ、遠くない未来、死ぬだろうことはわかる。
もう一度、脚を持ち上げられ、臭う男の身体がいっそう近づく。
ズブブブ、と
尻の穴に男が侵入ってきた。
こんなの慣れてる。ただの『暴力』だ。
体臭の酷さから、汚いちんぽなのだと想像したら吐き気がした。
『あの頃』、チンカスと小便が付いたちんぽを押し込まれ、擦り付けられたのを思い出したからだ。
わざと限界まで不潔にしてきたというソレを、『キレイに舐めろ』と口に含まされ、フェラさせられ、飲み込まされた。ツンとするアンモニアと体臭、精液の混じり合った酷い臭いと味だった。
身体が男に激しく揺さぶられると、
後頭部や背中が、砂でザラザラの床に擦られて痛む。
脚を開かされているせいで、引き攣った傷口から血液が溢れ出す。
すえたような臭い、吐きそうだ。
血の匂い。
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、
ナカにビュルル、ビュル、ビュル、と射精されている感覚が続く。腹の痛みで汗が止まらない。
「さっきからペチペチと邪魔だなぁ。男の子はお嫁さんにできないし、女の子には要らないものだよね。コレ、切っちゃおうね」
奥にちんぽを突き刺したままの男が、力なく揺れていたオレのちんぽを掴んでいる。
オレの腹から引き抜いてあったナイフを、男が手に取った。
「っ!!」
コイツは本当にやるだろう。
助けに来いよ!
どこかで見てるんじゃないのか、
お前の好きな『可哀想なオレ』を!
「シン!」
オレの口は、勝手にその名前を呼んでいた。
彼を求めた自分自身に驚いた。
「シン? 他の男の名前を呼ぶなんて…。ひどいよ美夜」
凍りついた声。
お前こそ、ずっと他の女の名前を呼んでいるくせに。
あぁ。殺されるな。と静かに思った。
その瞬間、
すーっと頭が冷えた。
オレは闇に紛れて、男の肩に載せられていた両脚を、尻ごとそっと持ち上げる。
腹は痛むし、結合が深まり気持ち悪い。
「べぶっ!!」
揃えた両脚を、思いっきり男の頭頂から顔面に蹴り下ろしてやった。
油断していたからか、一発で気を失ったらしい。男の身体はグラグラ前後に揺れた後、こっちに倒れ込んできた。
臭い。
重い。
腹がクソ痛い。
気持ち悪い。
涙が自然に零れだす。
バリンッ、
近くでガラスが割れる音。
ほぼ同時に、ガチャン、と
遠くでドアが開く音が聞こえた。
その瞬間、暗闇のなかの割と近くに『人の気配』を感じた。
「奈津!!」
シンの声がした。
叫ぶ彼の声を初めて聞いた気がする。
ピカっと眩しい白光が射す。LEDライトだ。
暗闇に慣れていた目が痛い。
「ナツ! 無事か!?」
ボスの声だ。
「シン、ボス。オレの…右の部屋に…誰かいる」
『捕まえて』と言う前に、バタバタ音を立て、逃げ出そうとする音とそれを引き倒す音が響いた。
「いたい…ひびく…」
床の振動と、気絶させた男にのし掛かられたままの重み。
腹の傷と、ナカにぶち込まれたままの汚いモノ。
「奈津! 血の匂いが…」
光がオレに当てられた。
男に開かされた脚を見たのだろう。
その瞬間、ドカッと音がして、オレの上から重みが消え、ちんぽが引き抜かれた。
「っ!!」
オレの腹から流れ出す血に気づき、何かの布越しに傷を強く圧迫された。
「い…だ…ぃ」
「ボス! 救急車を呼んでくれ! 奈津が腹に深い傷を負っていて手が離せない!」
あぁ、シンもこんな話し方することあるのか…と、どうでもいいことを考える。
まるで焦っているみたいだ。
2人が来てくれたらホッとして、頭がぼーっとしてきた。
「坂本! 来たか。コイツに手錠頼む」
もう1人、警察か?
カチャッという音。
「応援と救急車は今呼んだ。あと20分くらいで到着するはずだ」
その時、
「このままじゃ、ソイツ、また無罪になるぞ!!」
手錠をかけられた男が叫んだ。
「……お前、西原 佳奈の兄か?」
ボスが呟くと、坂本と呼ばれた男が、その男の名前を口にした。
「確か、西原 司」
「ツカサ…さん?」
オレはこの男を知っていた。
「……あぁ。そうだ」
『Opus』で清掃スタッフとして働く男だ。
男の手が止まった。
一瞬だけ動きを止めたものの、また何事もなかったように動き出した。
『まぁ、これから女の子にすればいいか…』という言葉の後、ピチャピチャ濡れた音がした。
ズブ、
ヌメリとしたものが尻の穴に押し込まれた。唾液で濡らした男の指だろう。
「……これ。なに?」
冷たい声。
男はオレの尻穴から出たヒモに気づいたようだ。
この前の依頼を終えた後から、シンに毎朝埋め込まれる…ローターだ。
時々、身震いするみたいにブルブルッと振動していたのだが、バッテリー切れか先ほどのスタンガンのせいかピクリとも動かなくなっていた。
実家で両親に睨まれていた時、こいつが振動したせいで2人の話を聴いている余裕がなかった。何か怒鳴られた気がするのに記憶がない。
『…オレの彼氏、執着が深いんだよ。朝出かけるときに必ず嵌められてさ』
なんて言ったら逆上されるだろう。
男が納得する答えを返さないと『危ない』気がした。
腹の痛みで頭が働かない…。
「……最近、尿もれが酷くてさ。コレを嵌めとくと筋肉が鍛えられていいらしいんだよ…」
我ながらヒドい言い訳だ。
お店の先輩が言っていた言葉だった。
あれ? 言ってたの女の人だったか?
ヒモを引かれ、
ズルリ、と腹奥に埋め込まれたモノが引き抜かれる。
出そうになった声は堪えた。
「ふぅん?」
ゴトッと床に投げ捨てられた。
苦し紛れの言い訳を信じてくれたらしい。
危ねぇ…。
コイツはキレると何をするかわからない。
再び指を『ヌチュ、ヌチュ、』と慣らすように出し入れされる。
「美夜は淫乱なんだね。指を3本もすぐ飲み込んだよ。さっきのオモチャのせいだけじゃないな。…あの4人? それ以上? 一体何人の男を咥え込んだの?」
ズボッと指を引き抜かれ、脚を持ち上げられると、ナイフを自身の腿で押し込んでしまう。
「!!」
「じゃまだなぁ」
「ぐっ!!」
簡単にナイフが引き抜かれた。
確かにコイツは『頭がおかしい』。
先ほどと言葉が一貫していない。
ナイフが短かったのか、刺された場所か、覚悟していたほどの急激な出血はなさそうだ。
だが、このまま治療を受けなければ、遠くない未来、死ぬだろうことはわかる。
もう一度、脚を持ち上げられ、臭う男の身体がいっそう近づく。
ズブブブ、と
尻の穴に男が侵入ってきた。
こんなの慣れてる。ただの『暴力』だ。
体臭の酷さから、汚いちんぽなのだと想像したら吐き気がした。
『あの頃』、チンカスと小便が付いたちんぽを押し込まれ、擦り付けられたのを思い出したからだ。
わざと限界まで不潔にしてきたというソレを、『キレイに舐めろ』と口に含まされ、フェラさせられ、飲み込まされた。ツンとするアンモニアと体臭、精液の混じり合った酷い臭いと味だった。
身体が男に激しく揺さぶられると、
後頭部や背中が、砂でザラザラの床に擦られて痛む。
脚を開かされているせいで、引き攣った傷口から血液が溢れ出す。
すえたような臭い、吐きそうだ。
血の匂い。
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、
ナカにビュルル、ビュル、ビュル、と射精されている感覚が続く。腹の痛みで汗が止まらない。
「さっきからペチペチと邪魔だなぁ。男の子はお嫁さんにできないし、女の子には要らないものだよね。コレ、切っちゃおうね」
奥にちんぽを突き刺したままの男が、力なく揺れていたオレのちんぽを掴んでいる。
オレの腹から引き抜いてあったナイフを、男が手に取った。
「っ!!」
コイツは本当にやるだろう。
助けに来いよ!
どこかで見てるんじゃないのか、
お前の好きな『可哀想なオレ』を!
「シン!」
オレの口は、勝手にその名前を呼んでいた。
彼を求めた自分自身に驚いた。
「シン? 他の男の名前を呼ぶなんて…。ひどいよ美夜」
凍りついた声。
お前こそ、ずっと他の女の名前を呼んでいるくせに。
あぁ。殺されるな。と静かに思った。
その瞬間、
すーっと頭が冷えた。
オレは闇に紛れて、男の肩に載せられていた両脚を、尻ごとそっと持ち上げる。
腹は痛むし、結合が深まり気持ち悪い。
「べぶっ!!」
揃えた両脚を、思いっきり男の頭頂から顔面に蹴り下ろしてやった。
油断していたからか、一発で気を失ったらしい。男の身体はグラグラ前後に揺れた後、こっちに倒れ込んできた。
臭い。
重い。
腹がクソ痛い。
気持ち悪い。
涙が自然に零れだす。
バリンッ、
近くでガラスが割れる音。
ほぼ同時に、ガチャン、と
遠くでドアが開く音が聞こえた。
その瞬間、暗闇のなかの割と近くに『人の気配』を感じた。
「奈津!!」
シンの声がした。
叫ぶ彼の声を初めて聞いた気がする。
ピカっと眩しい白光が射す。LEDライトだ。
暗闇に慣れていた目が痛い。
「ナツ! 無事か!?」
ボスの声だ。
「シン、ボス。オレの…右の部屋に…誰かいる」
『捕まえて』と言う前に、バタバタ音を立て、逃げ出そうとする音とそれを引き倒す音が響いた。
「いたい…ひびく…」
床の振動と、気絶させた男にのし掛かられたままの重み。
腹の傷と、ナカにぶち込まれたままの汚いモノ。
「奈津! 血の匂いが…」
光がオレに当てられた。
男に開かされた脚を見たのだろう。
その瞬間、ドカッと音がして、オレの上から重みが消え、ちんぽが引き抜かれた。
「っ!!」
オレの腹から流れ出す血に気づき、何かの布越しに傷を強く圧迫された。
「い…だ…ぃ」
「ボス! 救急車を呼んでくれ! 奈津が腹に深い傷を負っていて手が離せない!」
あぁ、シンもこんな話し方することあるのか…と、どうでもいいことを考える。
まるで焦っているみたいだ。
2人が来てくれたらホッとして、頭がぼーっとしてきた。
「坂本! 来たか。コイツに手錠頼む」
もう1人、警察か?
カチャッという音。
「応援と救急車は今呼んだ。あと20分くらいで到着するはずだ」
その時、
「このままじゃ、ソイツ、また無罪になるぞ!!」
手錠をかけられた男が叫んだ。
「……お前、西原 佳奈の兄か?」
ボスが呟くと、坂本と呼ばれた男が、その男の名前を口にした。
「確か、西原 司」
「ツカサ…さん?」
オレはこの男を知っていた。
「……あぁ。そうだ」
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