痛みと快楽

くろねこや

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本編 1

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気がつくとシンは側にいなくて、知らない男の治療を受けていた。
近づくだけでタバコくさいがおそらく医者だろう。

精液と血の匂いがしないから、どうやら身体を洗ってもらえたみたいだ。

尻の中はズキズキと腫れて熱を持っている。
背中から尻たぶまで激しく鞭を食らった部分も感覚がおかしい。

ナカは薬を塗ってもらい、傷には大判のシートを貼ってもらうと、痛みは少しマシになった気がする。

オーナーに縛ってもらうためストレッチは欠かさなかったから、おかしな体位で犯されても関節や筋は傷めずに済んだようだ。

乳首とちんぽも腫れて、変な色になっている。
よく見ると腕や胸、腹や脚にも気持ち悪いほど縄跡やキスマ、歯形がついている。




『奴隷部屋』に戻された直後、倒れた。
弱っていたのか発熱したらしい。

情けないが身体が重くて動くことができず、さっきの医者が持たせてくれた薬を唾液だけで飲みこむ。

薫くんはオレに泣いて謝りながら、タオルを水道水で冷やして額に載せてくれた。
ひんやり気持ちいいそれがぬるくなると、また冷やしてきてくれる。
そうか、冷却シート…氷もないのか…。


優しい彼をこんな目に遭わせずにすんで本当に良かった……。


目が覚めると、いつもの弁当が差し入れられていたが食欲がない。お粥代わりにご飯をペットボトルの水でふやかして胃に流し込む。
薬を飲んで、またなんとか眠る。

足首の鎖が邪魔だ。
寝返りを打つたびにジャラジャラ重い。



次に目覚めた時、熱が下がったのか怠さがマシになっていた。



数日経って身体中の怪我が落ち着いてくると、ようやくシャワーを浴びることができた。


久しぶりにさっぱりして部屋に戻った時。
……そこに、薫くんはいなかった。


さっきまでオレの怪我を心配してくれていたのに。


オレが寝込んで身代わりになれなかったせいで、どこかに連れて行かれてしまったのだろうか。




食事の差し入れから計算すると一週間は経っただろうか。ようやく尻や背中の傷が治ってきた。

彼は戻ってこない。


1人になった部屋は気が狂いそうなほど『何もなかった』。窓もテレビない。ただ空調の音がするだけだ。食事の差し入れだけが人間と会う唯一の時間だった。


突然バンッと音を立てて『奴隷部屋』のドアが開いた。静寂に慣れていた耳が痛い。

「よかったな!お前は今日から毎日ご主人様に可愛がっていただけるぞ」

先輩の手下の1人だ。薫くんの安否が知りたい。

「『派遣』と『イベント』でお前を気に入ってくださった2人のスポンサー様が、1カ月ずつの『長期レンタル』をご所望だ」

「あの、一緒の部屋にいた方はどこに行ったかわかりますか?」

「知らねーよ。社長がどこかへ連れて行ったのは見たけどな。それより! 2ヶ月分もご主人様が決まるなんてすごいぞ!」

おそらく大金が入るのだろう。男は上機嫌だ。



オレは膝丈の白いシャツを一枚だけ着せられている。薄い生地に乳首が透けて見える。

下半身は黒い下着のみ。
合皮でできており、ピッチリとキツく、やけに股間が強調されている。

ちんぽの下に小さく一つ、もう一つは尻の部分にぽっかりと大きく穴が開いている。
いわゆるOバックというものだろう。
おそらく下着を着用したまま、アナルへの挿入ができるデザインだ。

廊下を四つん這いで歩かされているから、シャツをまくられるまでもなく尻の谷間が丸見えになっていると思う。
穴の周りには謎の金具が6つ付いている。

足枷から鎖は外されているが、首輪には革製のリードが付けられ、知らないスーツの男の手と繋がっている。
まるで犬の散歩のようだ。

連れて行かれた豪華そうな部屋には、ハゲていて小さい、腹が出た男が立っていた。
以前『派遣』でセックスした男だった。
今日はスーツを着ている。


「まずは、長期契約の印にご主人様の形を刻んでいただきます」

オレのリードを持った社長の部下らしき男が、そう言ってオレを低めの台に四つん這いのまま乗らせた。

尻たぶを開かされ、穴をヌルついた指でグリグリ拡げられる。

後ろでジッパーを開く『ジー』という音がした。

「入れるよ?」

『ご主人様』が声をかけてくれる。
相変わらず優しいな。
返事を待ってくれてる。

「はい。来てください、ご主人様」

ズプ、ズププ、

「んっ…」

不意打ちで『あの男』に挿入されることがあるため、普段から『準備』してあったナカに、ちょうどいい大きさのペニスがスムーズに入っていく。

「ふぅ…」

全て納め終えると、ご主人様が気持ちよさそうな息を吐いた。

ギッ、ギッ、ギッ、ギッ、

木の台がきしむ。

「んっ、んっ、んっ、んぅ、」


「声を出しなさい」

リードを持った男がオレの唇を開かせる。


「っあ、あっ、あん、そこ…きもちい…です」

相性ぴったりのちんぽだ。
気持ちいいところによく当たる。

ーーーシンと『5人目のご主人様』ほどではないが。

『あの店』に来てくれる5人組が恋しい。


「イクよっ、イクッ、出すよっ、ナカで飲んで!」

ビュルルルル、ビュル、ビュク、

激しく噴射しながら、奥へ、奥へ、押し込まれる。

前がピッチリして伸縮性のない下着に邪魔されて、勃つことが許されない。

そのままご主人様のペニスが引き抜かれると、『ご主人様のモノと同じ形のディルド』が余韻に震えるナカに収められた。

カチャ、カチャ、カチャ、カチャ…

下着に開けられた大穴の周りに、6つも付けられた金具の使い途がわかった。

ディルドを下着に固定するためのものだったのだ。
念入りにロックされ、ご主人様の手に渡された鍵がないと引き抜けないようにされたらしい。
そのせいで多分、下着自体脱ぐことができない。

排泄さえもご主人様に許してもらわないと出来ないのだろう。

(いやだ…)

ピンポン球を押し込まれ、一晩放置されたあの日から、失禁が怖くて仕方ない。

震えてしまう身体に、ご主人様が耳元で囁く。

「安心して。家に着いたら外してあげる」

優しい声だ。
コクリと頷き応える。


『出荷』の決まりだといって、目隠しとヘッドフォンをされて運ばれた。
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