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本編 1
4 待ち伏せ
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ショーが終わった。
オレ達『作品』は、ご主人様方の拍手を受けながら、オーナーに抱き上げられて控え室へ運んでもらう。
『作品10』のエイジさんと一緒に柔らかいマットの上で荒い息を整えていると、清掃スタッフがステージに向かうのが見えた。
まだ余韻でナカがヒクヒクと痙攣している。
明るい控え室にいると、『非日常の世界』から『日常』に戻ってきてしまう。
寂しく思いながら、まだ少し痺れてふらつく足でシャワーブースに向かった。
エイジさんはもう少しだけご主人様方から掛けてもらったザーメンの匂いを楽しむそうだ。
左目に垂れて入りそうなところだけ拭ってあげたら、その指を舐められながらお礼を言われた。
指で後ろの穴を開くだけで、腹が膨れて苦しいほど大量に注がれた精液がドロリドロリと流れ出した。できる限り掻き出した後、シャワーホースに専用のノズルを付け、ぬるま湯でナカを洗浄する。
熟れきったナカは腫れぼったく敏感になっていて、お湯の刺激でまた勃ち上がってしまう。鎮めるのに時間がかかってしまった。
汚れた身体をシャワーで清めると、地味なパーカーとズボンを身につけマスクで顔を隠す。
常連の『ご主人様』はオーナーの恐ろしさを知っているので安心だが、初めての客がたまに出待ちしていることがあるからだ。
時には、金がなくて買えなかったチケット分、昂まった性欲を暴力で無理矢理晴らそうとする男もいる。
(気持ちいいけど、足が攣るんだよな…)
失禁したくないせいで、どうしても水分を控えてしまう。汗で水分が不足すると、縛られた足が攣りやすくなる気がする。
前立腺を刺激され続けているうちに腫れて膀胱が圧迫されてくるのか、どうしても潮なのか尿意なのかわからない変な感覚に襲われるのだ。
オーナーは『お客様は喜んでくださるから潮吹きやお漏らしをしていいんだよ』と言ってくれるが、オレは『過去のトラウマ』があってどうしてもできなかった。
滑車で吊るされる日よりは疲れが少ないが、長時間、開かされていた脚と、数えきれないほど男達に抜き挿しされ続けたナカが歩くと鈍く痛む。まだ穴が閉じきらないから念のためティッシュを当てている。
今夜も一番最初にナカに来てくれた常連の5人組の挿入が最高に気持ち良かった。ちんぽの順番が絶妙なのだ。特に5人目の形が好みの場所に当たって、ずっとナカに入れていて欲しいくらいだった。
熱くなったナカに冷たいガラスのディルドを戻されて放置されたのがまた良くて、『ご主人様』達の視線が快感だった。精液で満たされたナカを『見られてる』と思うだけでさらに中イキした。
ガラスのブジーは久しぶりだったが、硬いせいで前立腺を前から突き刺されて気持ちよかった。
太くボコボコしているから穴がしっかり塞がれ、最後に引き抜いてもらう瞬間まで射精を許されなかった。
焦らされ続け、尿道をボコボコに擦られながら解放されたその時、快感が最高潮に達した。
彼等はオレが望んでいることを言葉にしなくても分かってくれる。
最初にホットローションたっぷりのディルドを使って焦らされたから、『ジンジンするナカにたくさん挿れてほしい』と思っていた。それを察したのか金色のチケットをたくさん買ってくれた。
オーナーと他のキャストに『お先に失礼します』と声をかける。
午前0時半、まだ店の営業は続く。
(さすが常連の『ご主人様』は違うな。……それに比べてあの男……)
「!」
帰ろうと店を出たところで、ちょうど頭の中にいた『男』の待ち伏せにあった。
客席でショーに参加しなかった唯一の男だった。
チケットを使ってもらうほど給料が上がるから、使ってくれないと正直困る。
だがそれ以上に、ショーに参加しない『冷やかし』の客にはいい気がしなかった。
最初から最後まで、この男は熱のない目でこちらを観察していたのだ。
「新島 奈津君、22歳だな?5回目のショーに『作品9』で出演していた」
フルネームと年齢を言い当てた男の言葉に緊張が高まる。
「この春、大学を卒業したばかり。この店の勤務歴は2年。そして……」
店に戻るか迷いつつ、警戒のためスマホを手にしたところで、男はオレの地雷を踏んだ。
「新島 美夜さんの弟」
思わず男の胸ぐらに掴みかかっていた。
ガタイがいいのに、オレにされるがままになっている。
その男は『今日で退職した元刑事の佐久間だ』と名乗った。
オーナーの古い知り合いらしい。
だからオレの情報を知っていたのかと安堵する。
40代くらいだろうか。
オレは男から手を離した。
その男はいきなりオレに言ったのだ。
「一緒に探偵をやらないか?」
と。
オレ達『作品』は、ご主人様方の拍手を受けながら、オーナーに抱き上げられて控え室へ運んでもらう。
『作品10』のエイジさんと一緒に柔らかいマットの上で荒い息を整えていると、清掃スタッフがステージに向かうのが見えた。
まだ余韻でナカがヒクヒクと痙攣している。
明るい控え室にいると、『非日常の世界』から『日常』に戻ってきてしまう。
寂しく思いながら、まだ少し痺れてふらつく足でシャワーブースに向かった。
エイジさんはもう少しだけご主人様方から掛けてもらったザーメンの匂いを楽しむそうだ。
左目に垂れて入りそうなところだけ拭ってあげたら、その指を舐められながらお礼を言われた。
指で後ろの穴を開くだけで、腹が膨れて苦しいほど大量に注がれた精液がドロリドロリと流れ出した。できる限り掻き出した後、シャワーホースに専用のノズルを付け、ぬるま湯でナカを洗浄する。
熟れきったナカは腫れぼったく敏感になっていて、お湯の刺激でまた勃ち上がってしまう。鎮めるのに時間がかかってしまった。
汚れた身体をシャワーで清めると、地味なパーカーとズボンを身につけマスクで顔を隠す。
常連の『ご主人様』はオーナーの恐ろしさを知っているので安心だが、初めての客がたまに出待ちしていることがあるからだ。
時には、金がなくて買えなかったチケット分、昂まった性欲を暴力で無理矢理晴らそうとする男もいる。
(気持ちいいけど、足が攣るんだよな…)
失禁したくないせいで、どうしても水分を控えてしまう。汗で水分が不足すると、縛られた足が攣りやすくなる気がする。
前立腺を刺激され続けているうちに腫れて膀胱が圧迫されてくるのか、どうしても潮なのか尿意なのかわからない変な感覚に襲われるのだ。
オーナーは『お客様は喜んでくださるから潮吹きやお漏らしをしていいんだよ』と言ってくれるが、オレは『過去のトラウマ』があってどうしてもできなかった。
滑車で吊るされる日よりは疲れが少ないが、長時間、開かされていた脚と、数えきれないほど男達に抜き挿しされ続けたナカが歩くと鈍く痛む。まだ穴が閉じきらないから念のためティッシュを当てている。
今夜も一番最初にナカに来てくれた常連の5人組の挿入が最高に気持ち良かった。ちんぽの順番が絶妙なのだ。特に5人目の形が好みの場所に当たって、ずっとナカに入れていて欲しいくらいだった。
熱くなったナカに冷たいガラスのディルドを戻されて放置されたのがまた良くて、『ご主人様』達の視線が快感だった。精液で満たされたナカを『見られてる』と思うだけでさらに中イキした。
ガラスのブジーは久しぶりだったが、硬いせいで前立腺を前から突き刺されて気持ちよかった。
太くボコボコしているから穴がしっかり塞がれ、最後に引き抜いてもらう瞬間まで射精を許されなかった。
焦らされ続け、尿道をボコボコに擦られながら解放されたその時、快感が最高潮に達した。
彼等はオレが望んでいることを言葉にしなくても分かってくれる。
最初にホットローションたっぷりのディルドを使って焦らされたから、『ジンジンするナカにたくさん挿れてほしい』と思っていた。それを察したのか金色のチケットをたくさん買ってくれた。
オーナーと他のキャストに『お先に失礼します』と声をかける。
午前0時半、まだ店の営業は続く。
(さすが常連の『ご主人様』は違うな。……それに比べてあの男……)
「!」
帰ろうと店を出たところで、ちょうど頭の中にいた『男』の待ち伏せにあった。
客席でショーに参加しなかった唯一の男だった。
チケットを使ってもらうほど給料が上がるから、使ってくれないと正直困る。
だがそれ以上に、ショーに参加しない『冷やかし』の客にはいい気がしなかった。
最初から最後まで、この男は熱のない目でこちらを観察していたのだ。
「新島 奈津君、22歳だな?5回目のショーに『作品9』で出演していた」
フルネームと年齢を言い当てた男の言葉に緊張が高まる。
「この春、大学を卒業したばかり。この店の勤務歴は2年。そして……」
店に戻るか迷いつつ、警戒のためスマホを手にしたところで、男はオレの地雷を踏んだ。
「新島 美夜さんの弟」
思わず男の胸ぐらに掴みかかっていた。
ガタイがいいのに、オレにされるがままになっている。
その男は『今日で退職した元刑事の佐久間だ』と名乗った。
オーナーの古い知り合いらしい。
だからオレの情報を知っていたのかと安堵する。
40代くらいだろうか。
オレは男から手を離した。
その男はいきなりオレに言ったのだ。
「一緒に探偵をやらないか?」
と。
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