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実践と寂寞 〜アルト視点(後編)
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リゲルが感じるその場所を狙って、熱い肉の狭間で僕が指をヌチヌチ動かすと、すでに勃ち上がっていた前がヒクンヒクン揺れるようになってきた。
「…っ、なぁ。場所は、分かったから、オレは…もう…いいって、」
リゲルが怯えたような言葉を発する。
でもその声には、与えられる快感への期待も込められていることに僕は気付いているのだ。
潤んだ瞳は蕩け、前は萎えるどころが更に大きくなってるし、後ろはスリスリと指で刺激を与えるうち、その場所がぷくりと膨れてきてるから。
「リゲルの気持ちいい所が『もっと触って』って言ってるよ」
「んンッ…!」
手の甲で抑えようとしてるけど、どうしても声が漏れてしまうみたい。
「ね? 気持ちいいでしょう?」
僕の言葉にコクコクと頷くリゲル。
…おかしいな?
両脚を開いたまま、おっきな身体をキュウッて丸める姿がだんだん可愛く見えてきた。
恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、ふるふる震えてる。…うん。右目の下にあるほくろ、色気があるなぁ。
「慣れるまでは前も触るといいよ」
口元を押さえている手を引き寄せて、リゲルの聳り立つものに触れさせる。
僕がオイルで濡れた左手で緩く握って擦り上げると、誘われるように彼の大きな手もゆっくりと動き始めた。
「ん…っ、」
「指を増やすよ」
強張っていた身体が解けるのを待ち、後ろに挿入した指をもう1本追加する。
「オイルを注ぐから少し冷たいかも」
穴を2本の指でぐいっと開かせて、小瓶から直接オイルを垂らす。ビクッと入り口が閉まろうとしたのを指で阻止すると、再びぽかっと口を開いた。既に内部が熱くなってるから、トロリトロリと粘度の高い液体を注ぐだけで肉壁がキュウキュウうねる。
「美味しそうにゴクゴク飲み込んでるよ」
抽挿の動きを再開し、わざとグチュグチュいやらしい音を聴かせる。これから何をするのか予告したり、リゲルの身体がどんな状態なのか言葉で伝えてあげたりするのも大事。耳からの刺激で羞恥心を煽られて堪らない筈だ。
「そういうこと…言うなって、」
案の定、寄せれられた眉は困惑したように下がっているのに、こちらに向けられた視線は快感に蕩けている。
「あ…、んっ…、んっ…、」
「声を抑えなくていいよ。…ほら、」
「んあっ!!」
ヌチュヌチュ濡れた音を立てながら、見つけたリゲルの感じる場所をコリコリすると、堪らないのか尻が逃げを打つ。
「こら、逃げない」
閉じようとする膝を押さえて、もう1本増やした指をさらに動かすと、
「ひぁ…っ!」
慰めていた自身から手を離し、太くて長いちんぽをブルンブルン揺らしながらガクガクし始めた。
オイルで濡れててエロ…。
舐めてあげたいけど、表情の変化をチェックしたいから敢えて放置する。
「あっ、あっ、…イくっ、出るからっ、」
そろそろかな。
シーツを握りしめて眉を寄せたまま、濡れた瞳が揺れながら必死に僕へ助けを求めてくる。
左手の親指でリゲルの先っぽをクリクリ刺激しつつ、手のひらで受け止められるよう備える。
後ろを出し挿れする指の速度を早め、ぐっぐっとその場所を集中的に狙って押してあげると
間もなく、
「あ…、ああぁぁ!!」
ビュルビュルと大量の白濁液が迸った。
達する瞬間に脚がバタバタ暴れたせいで、僕の手からヌルリと逃げたリゲルのちんぽ。
放たれたものは、自身の反らされた腹や胸、顎どころか額のあたりまで飛距離を伸ばしてしまったらしい。
あ…溢れ落ちて目に入りそう。
ドロリと垂れるところを柔らかい布で拭ってあげる。
僕の指を食い締めるように力んだからだろう。後ろの穴からはオイルが漏れ出していた。
3本の指をズルリと引き抜き、閉じようとする穴を布で拭うと、その刺激でお尻がピクピクするのが可愛い。
「んっ…、自分で、する…から、」
大人になってから下半身を拭かれるのって、まるで粗相しちゃったような恥ずかしさがあるんだよね。
リゲルはギュッと目を瞑ってその感覚に耐えている。
はぁはぁ荒い息を整えながら、紅潮した顔、蕩けた瞳が僕の方へ戻ってきた。
「…はぁ、…後ろ、ヤバい」
脱力した身体は生成色のシャツを纏ったまま、下半身だけが無防備に晒されている。
リゲルのシャツは汗で濡れて張り付き、布地に擦られたのか2つの粒がぷくりと浮き出ていた。
僕の指は誘われるようにボタンを上から外してゆく。
「アルト?」
シャツを開き、発達した大胸筋に手のひらで触れてみると、リゲルの体毛は薄いからか肌がすべすべ柔らかくて気持ちいい。筋肉は力を込めればカチカチになるけど、脱力してるとふかふかしているのだ。
ちなみにギーウスは結構巨乳。胸毛が濃すぎて肌の柔らかさはあまり堪能できないけど、頬を寄せると何故かすっごく落ち着くんだよね…。胸に厚みがあって頼り甲斐があるからかな?
「リゲルって、性器だけじゃなくて乳首も綺麗なピンクだよね…」
胸をふにふにマッサージした後、先端にある2つの突起をきゅっと摘む。
「痛っ…!! なにを…、」
刺激で少し赤くなったそこへ、身を屈めて舌を這わせてみる。
先端の穴を抉るように舌先で突いたり、唇や歯で柔く食んだり、ちゅっちゅっと吸ってみたり、ネロネロと舐めてみたりして。
「っ…!」
ヴェダがいつも喜ぶ場所を責められるとリゲルも弱いみたい。やめさせようと僕の肩に触れていた手にギュッと力が篭る。
肌が薄いのか、初めての割に敏感で反応が楽しい。
その手が緩んだタイミングで、つうと唾液の糸を引きながら舌を離せば、ぷくりと真っ赤に育った果実がぬらりと濡れて、荒い呼吸で揺れていた。
涙に濡れたリゲルの瞳がこちらに向けられている。
これまで生きてきて、乳首など意識したこともなかった筈。与えられたツキリとした痛みを伴う知らない快感に困惑しているのだろう。
「慣れると気持ちいいでしょ」
再びリゲルの大きなものに手を伸ばし、ゆるゆると刺激しながら、胸の突起を責める。
片方は指で、もう片方は口で。
「ん…、んっ…、」
ほら、やっぱり敏感。声が甘くなってきた。
「あ…アルト、そこ…」
低く掠れた甘い声に名を呼ばれ、
「あ、こっちも…。はぁ…、ぁ…」
続きを強請られると嬉しい。
快楽に堕ちて涙と涎を零すほど、胸とちんぽを散々苛めた後、舐めていた舌をヘソや勃ち上がった性器、会陰、後ろの穴まで這わせてしまう。
可愛い。
目を潤ませ顔を真っ赤にして、爪先をキュウって丸めて、シーツを握りしめて刺激に耐えるのが堪らなく可愛く見えるんだ。
筋肉が発達した大きな身体の男なのに。
白い肌、赤くなった乳首と性器。
その姿に、何故かヴェダの姿が重なった。
「…グードゥヤ」
彼の唇から、ぽつりと溢れた名。
「!」
ああ。僕もヴェダとがいい。
我に返った僕はもう一度リゲルをイかせると、くったり脱力した彼の身体を濡らした布で拭って清める。
一階に下りて汲み置きの水で手と顔を洗い、口を濯ぐと、急いでヴェダの匂いがする部屋へ戻った。
◇
窓の外が明るくなってきた頃、ようやくヴェダが部屋に帰ってきた。
彼自身とギーウスの匂いに、僕はベッドの中で身を縮める。
「アルト。起きてるの?」
少し掠れたヴェダの声。
頭を撫でてくれる、優しい指。
「ん…。起きてる」
僕の寂しい気持ちを察したのか、額にチュッと口付けてくれた。
その唇が欲しくて、彼の瞳を見つめると、
「アルト、」
望み通りにキスしてくれる。
キスしながら彼の身体をベッドへ横たえると、シャツを手探りで開いて、胸に実った2つの果実を指で摘む。
「んっ!!」
ヴェダの塞いだ唇からくぐもった声。
ギーウスに執念く弄られて痛むのかもしれない。既にブクリと大きく育っていた。
それがなんだか悔しくて、ヴェダの唇に舌で触れて開いてもらい、そのまま口内に深く侵入した。
唇を離すと、顔を真っ赤にしたヴェダが僕の頭をもう一度撫でてくれた。
「アルト。僕に挿れる?」
絶倫のエロ髭を相手にしてきたから、彼の身体は限界だと思うのに。
僕はその優しくて甘い言葉に、こくりと頷いていた。
「ヴェダと繋がりたい」
「うん」
僕のはすっかり勃ち上がっているのに、ヴェダのはギーウスとの行為で出し尽くしてきたのかクッタリしたままだ。
「…疲れてるのにごめんね」
僕の小さな声に、彼はくすりと笑うと、
「アルト。甘えてくれて嬉しい。…きて」
ヴェダに身体を引き寄せられた。
彼はギーウスの匂いがする大きなシャツ一枚しか身に付けていなかった。
それを脱いでもらい、僕も纏っていた全てを脱ぎ捨てる。
「ヴェダ。綺麗だ」
乱れた白銀の髪に手櫛を通すと、睫毛は煌めき、赤銅色の瞳がとろりと潤んだ。
「ぁ…、」
さっきまでギーウスに嵌められていたからだろう。抵抗なく、ぬるりと受け入れてくれる熱い肉穴。湯で洗ってきたらしく、内部には精液の名残を感じなかった。
腕と脚を絡めるように引き寄せてくれるから、僕も彼の背中から腰を包み込むようにギュッと抱く。
ヴェダのなか。気持ちいい。
「アルトぉ…。好きぃ…」
蕩けたヴェダの甘い声に誘われて、
「ヴェダ。僕も大好き」
視線を合わせたまま再び唇を重ねていく。
「んんぅ…」
じわりとした多幸感に胸が温かくなった。
抽挿しなくてもキュウキュウと蠕動する熱い肉襞。
「んっ!!!」
あっという間に搾り取られてしまう。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
引き抜こうとした腰を、ヴェダが絡めた脚に力を込めて止められた。
「アルト…。このまま寝よう?」
「え…。そんなことをしたらヴェダのお腹が…」
「痛くなってもいいから」
ちゅっ、と可愛いキスをくれた。
僕たちは抱き合ったまま、窓から差してきた白い光の中でいつの間にか眠りに落ちていた。
◇
すっかり寝坊してしまった翌日の朝食…と昼食は、グードゥヤとリゲルが協力して作ってくれたみたい。
今日は休養日だ。少しだけ、2人の距離が近づいている気がした。
階段を下りる僕の足音に顔を上げたグードゥヤ。目が合った瞬間…その瞳が輝き、唇は嬉しそうに綻んだ。
「おはよう、アルト」
それを嬉しいと感じてしまったことは、僕だけの秘密にしておこうと思う。
お礼を言い2人分の食事を受け取ると、大好きなヴェダが待つ部屋へ早く戻ることにした。
「…っ、なぁ。場所は、分かったから、オレは…もう…いいって、」
リゲルが怯えたような言葉を発する。
でもその声には、与えられる快感への期待も込められていることに僕は気付いているのだ。
潤んだ瞳は蕩け、前は萎えるどころが更に大きくなってるし、後ろはスリスリと指で刺激を与えるうち、その場所がぷくりと膨れてきてるから。
「リゲルの気持ちいい所が『もっと触って』って言ってるよ」
「んンッ…!」
手の甲で抑えようとしてるけど、どうしても声が漏れてしまうみたい。
「ね? 気持ちいいでしょう?」
僕の言葉にコクコクと頷くリゲル。
…おかしいな?
両脚を開いたまま、おっきな身体をキュウッて丸める姿がだんだん可愛く見えてきた。
恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、ふるふる震えてる。…うん。右目の下にあるほくろ、色気があるなぁ。
「慣れるまでは前も触るといいよ」
口元を押さえている手を引き寄せて、リゲルの聳り立つものに触れさせる。
僕がオイルで濡れた左手で緩く握って擦り上げると、誘われるように彼の大きな手もゆっくりと動き始めた。
「ん…っ、」
「指を増やすよ」
強張っていた身体が解けるのを待ち、後ろに挿入した指をもう1本追加する。
「オイルを注ぐから少し冷たいかも」
穴を2本の指でぐいっと開かせて、小瓶から直接オイルを垂らす。ビクッと入り口が閉まろうとしたのを指で阻止すると、再びぽかっと口を開いた。既に内部が熱くなってるから、トロリトロリと粘度の高い液体を注ぐだけで肉壁がキュウキュウうねる。
「美味しそうにゴクゴク飲み込んでるよ」
抽挿の動きを再開し、わざとグチュグチュいやらしい音を聴かせる。これから何をするのか予告したり、リゲルの身体がどんな状態なのか言葉で伝えてあげたりするのも大事。耳からの刺激で羞恥心を煽られて堪らない筈だ。
「そういうこと…言うなって、」
案の定、寄せれられた眉は困惑したように下がっているのに、こちらに向けられた視線は快感に蕩けている。
「あ…、んっ…、んっ…、」
「声を抑えなくていいよ。…ほら、」
「んあっ!!」
ヌチュヌチュ濡れた音を立てながら、見つけたリゲルの感じる場所をコリコリすると、堪らないのか尻が逃げを打つ。
「こら、逃げない」
閉じようとする膝を押さえて、もう1本増やした指をさらに動かすと、
「ひぁ…っ!」
慰めていた自身から手を離し、太くて長いちんぽをブルンブルン揺らしながらガクガクし始めた。
オイルで濡れててエロ…。
舐めてあげたいけど、表情の変化をチェックしたいから敢えて放置する。
「あっ、あっ、…イくっ、出るからっ、」
そろそろかな。
シーツを握りしめて眉を寄せたまま、濡れた瞳が揺れながら必死に僕へ助けを求めてくる。
左手の親指でリゲルの先っぽをクリクリ刺激しつつ、手のひらで受け止められるよう備える。
後ろを出し挿れする指の速度を早め、ぐっぐっとその場所を集中的に狙って押してあげると
間もなく、
「あ…、ああぁぁ!!」
ビュルビュルと大量の白濁液が迸った。
達する瞬間に脚がバタバタ暴れたせいで、僕の手からヌルリと逃げたリゲルのちんぽ。
放たれたものは、自身の反らされた腹や胸、顎どころか額のあたりまで飛距離を伸ばしてしまったらしい。
あ…溢れ落ちて目に入りそう。
ドロリと垂れるところを柔らかい布で拭ってあげる。
僕の指を食い締めるように力んだからだろう。後ろの穴からはオイルが漏れ出していた。
3本の指をズルリと引き抜き、閉じようとする穴を布で拭うと、その刺激でお尻がピクピクするのが可愛い。
「んっ…、自分で、する…から、」
大人になってから下半身を拭かれるのって、まるで粗相しちゃったような恥ずかしさがあるんだよね。
リゲルはギュッと目を瞑ってその感覚に耐えている。
はぁはぁ荒い息を整えながら、紅潮した顔、蕩けた瞳が僕の方へ戻ってきた。
「…はぁ、…後ろ、ヤバい」
脱力した身体は生成色のシャツを纏ったまま、下半身だけが無防備に晒されている。
リゲルのシャツは汗で濡れて張り付き、布地に擦られたのか2つの粒がぷくりと浮き出ていた。
僕の指は誘われるようにボタンを上から外してゆく。
「アルト?」
シャツを開き、発達した大胸筋に手のひらで触れてみると、リゲルの体毛は薄いからか肌がすべすべ柔らかくて気持ちいい。筋肉は力を込めればカチカチになるけど、脱力してるとふかふかしているのだ。
ちなみにギーウスは結構巨乳。胸毛が濃すぎて肌の柔らかさはあまり堪能できないけど、頬を寄せると何故かすっごく落ち着くんだよね…。胸に厚みがあって頼り甲斐があるからかな?
「リゲルって、性器だけじゃなくて乳首も綺麗なピンクだよね…」
胸をふにふにマッサージした後、先端にある2つの突起をきゅっと摘む。
「痛っ…!! なにを…、」
刺激で少し赤くなったそこへ、身を屈めて舌を這わせてみる。
先端の穴を抉るように舌先で突いたり、唇や歯で柔く食んだり、ちゅっちゅっと吸ってみたり、ネロネロと舐めてみたりして。
「っ…!」
ヴェダがいつも喜ぶ場所を責められるとリゲルも弱いみたい。やめさせようと僕の肩に触れていた手にギュッと力が篭る。
肌が薄いのか、初めての割に敏感で反応が楽しい。
その手が緩んだタイミングで、つうと唾液の糸を引きながら舌を離せば、ぷくりと真っ赤に育った果実がぬらりと濡れて、荒い呼吸で揺れていた。
涙に濡れたリゲルの瞳がこちらに向けられている。
これまで生きてきて、乳首など意識したこともなかった筈。与えられたツキリとした痛みを伴う知らない快感に困惑しているのだろう。
「慣れると気持ちいいでしょ」
再びリゲルの大きなものに手を伸ばし、ゆるゆると刺激しながら、胸の突起を責める。
片方は指で、もう片方は口で。
「ん…、んっ…、」
ほら、やっぱり敏感。声が甘くなってきた。
「あ…アルト、そこ…」
低く掠れた甘い声に名を呼ばれ、
「あ、こっちも…。はぁ…、ぁ…」
続きを強請られると嬉しい。
快楽に堕ちて涙と涎を零すほど、胸とちんぽを散々苛めた後、舐めていた舌をヘソや勃ち上がった性器、会陰、後ろの穴まで這わせてしまう。
可愛い。
目を潤ませ顔を真っ赤にして、爪先をキュウって丸めて、シーツを握りしめて刺激に耐えるのが堪らなく可愛く見えるんだ。
筋肉が発達した大きな身体の男なのに。
白い肌、赤くなった乳首と性器。
その姿に、何故かヴェダの姿が重なった。
「…グードゥヤ」
彼の唇から、ぽつりと溢れた名。
「!」
ああ。僕もヴェダとがいい。
我に返った僕はもう一度リゲルをイかせると、くったり脱力した彼の身体を濡らした布で拭って清める。
一階に下りて汲み置きの水で手と顔を洗い、口を濯ぐと、急いでヴェダの匂いがする部屋へ戻った。
◇
窓の外が明るくなってきた頃、ようやくヴェダが部屋に帰ってきた。
彼自身とギーウスの匂いに、僕はベッドの中で身を縮める。
「アルト。起きてるの?」
少し掠れたヴェダの声。
頭を撫でてくれる、優しい指。
「ん…。起きてる」
僕の寂しい気持ちを察したのか、額にチュッと口付けてくれた。
その唇が欲しくて、彼の瞳を見つめると、
「アルト、」
望み通りにキスしてくれる。
キスしながら彼の身体をベッドへ横たえると、シャツを手探りで開いて、胸に実った2つの果実を指で摘む。
「んっ!!」
ヴェダの塞いだ唇からくぐもった声。
ギーウスに執念く弄られて痛むのかもしれない。既にブクリと大きく育っていた。
それがなんだか悔しくて、ヴェダの唇に舌で触れて開いてもらい、そのまま口内に深く侵入した。
唇を離すと、顔を真っ赤にしたヴェダが僕の頭をもう一度撫でてくれた。
「アルト。僕に挿れる?」
絶倫のエロ髭を相手にしてきたから、彼の身体は限界だと思うのに。
僕はその優しくて甘い言葉に、こくりと頷いていた。
「ヴェダと繋がりたい」
「うん」
僕のはすっかり勃ち上がっているのに、ヴェダのはギーウスとの行為で出し尽くしてきたのかクッタリしたままだ。
「…疲れてるのにごめんね」
僕の小さな声に、彼はくすりと笑うと、
「アルト。甘えてくれて嬉しい。…きて」
ヴェダに身体を引き寄せられた。
彼はギーウスの匂いがする大きなシャツ一枚しか身に付けていなかった。
それを脱いでもらい、僕も纏っていた全てを脱ぎ捨てる。
「ヴェダ。綺麗だ」
乱れた白銀の髪に手櫛を通すと、睫毛は煌めき、赤銅色の瞳がとろりと潤んだ。
「ぁ…、」
さっきまでギーウスに嵌められていたからだろう。抵抗なく、ぬるりと受け入れてくれる熱い肉穴。湯で洗ってきたらしく、内部には精液の名残を感じなかった。
腕と脚を絡めるように引き寄せてくれるから、僕も彼の背中から腰を包み込むようにギュッと抱く。
ヴェダのなか。気持ちいい。
「アルトぉ…。好きぃ…」
蕩けたヴェダの甘い声に誘われて、
「ヴェダ。僕も大好き」
視線を合わせたまま再び唇を重ねていく。
「んんぅ…」
じわりとした多幸感に胸が温かくなった。
抽挿しなくてもキュウキュウと蠕動する熱い肉襞。
「んっ!!!」
あっという間に搾り取られてしまう。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
引き抜こうとした腰を、ヴェダが絡めた脚に力を込めて止められた。
「アルト…。このまま寝よう?」
「え…。そんなことをしたらヴェダのお腹が…」
「痛くなってもいいから」
ちゅっ、と可愛いキスをくれた。
僕たちは抱き合ったまま、窓から差してきた白い光の中でいつの間にか眠りに落ちていた。
◇
すっかり寝坊してしまった翌日の朝食…と昼食は、グードゥヤとリゲルが協力して作ってくれたみたい。
今日は休養日だ。少しだけ、2人の距離が近づいている気がした。
階段を下りる僕の足音に顔を上げたグードゥヤ。目が合った瞬間…その瞳が輝き、唇は嬉しそうに綻んだ。
「おはよう、アルト」
それを嬉しいと感じてしまったことは、僕だけの秘密にしておこうと思う。
お礼を言い2人分の食事を受け取ると、大好きなヴェダが待つ部屋へ早く戻ることにした。
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