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金精様の悩みの件
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無在を使用して女性達がいる場所に来た俺は様子がおかしいのに気がついた。まず、エーメイさんがエーメイさんじゃない。誰か(何か)に体を乗っ取られているようだ。
そして、真裸なのにもビックリした。ムスコのサイズは俺の方が少し上だと安心した。だが、中々立派なイチモツをお持ちだ。そして、女性達を見てみると、なんとツキミさんとフィオナが装備を外して服を脱ぎ出した。
うおーーー、これは凄い! フィオナは何て危険なモノを持っているんだ! バインバインじゃないか!
俺はフィオナの双丘に目を奪われつつも、次にツキミさんに目をむけた。
グワーーッ! けしからん、けしからんぞ!エーメイさん。小ぶりながらプリっとしたマシュマロのようなお尻に、推定Bの形良い双丘。引き締まり括れた腰回り。あんたはあの体を昨夜蹂躙したのか!?クゥーー、何てウラヤマシイ······
二人が最後の砦を脱ごうと動き出した時に正気に戻る俺。
ハッ! いかんいかん。後でサヤとマコトに怒られてしまう。早く何とかしないとと思いつつ、エルさんとアカネさんが装備を外し始めたのを見て更に興奮して鼻血がたれてきた。
たれた鼻血を拭いながら俺は皆に無在をかける。突然目の前にいた皆が見えなくなり、気配も無くなった事にエーメイさんを乗っ取った誰かが困惑する。
「な、何事じゃ! 何処に行った!」
しかし、俺は取り敢えずそれを無視してサヤやマコトの所に行き、話を聞こうとしたが逆に抱きつかれて装備を外されそうになる。そこに何故かエルさんやアカネさんが混ざり、フィオナとツキミさんも下着姿のままに迫って来ていた。最後の砦はまだ脱いでなかった······ 残念····· イヤ、違うか······
「トウジ! トウジ! 良かった。トウジになら幾らでも御奉仕するから!」
「トウジー! やっと来てくれた! さあ、御奉仕するから、脱いで!」
そこでエルさんが、アカネさんが加わろうとしながらも今の状態を説明してくれた。エーメイさんが金精様に乗っ取られていることも教えてくれた。金精様ってアレだよな? 日本の男根の形をした神様だよな? 元は道祖神の子宝の神様だよな。
そして、皆の今の状態はピンクの煙を吸ったら体の中の官能の波が止まらなくなったらしい。
それって無毒で消せるんじゃね。そう考えた俺は皆に無毒をかける。
すると、皆が官能の波から覚めたようで顔を赤らめて俺を見ていた。フィオナとツキミさんは悲鳴を上げる。
「キャー、トウジさん見ないで!」
「わ、私、旦那様以外の男性に迫るなんて。わ、忘れて下さい!」
正気に戻ったサヤとマコトの勘は鋭かった。俺の鼻の下に拭い忘れた鼻血を見つけた二人。
「トウジ、いつから見ていたの?」
「トウジ、フィオナの方を見ちゃダメ!」
うむ、まさか拭い忘れがあるとは······
そんなことを言っていると、エーメイさんを乗っ取った金精様が辺りに広範囲魔法を放つ。
「フンッ! 分かったぞ! トウジという男だな! この男の記憶から探りだしたわ! ならば姿を現すしかないようにしてやる! 風神!」
唱えた魔法は辺りを飲み込むような竜巻だ。皆が慌てるが俺は皆を落ち着かせた。
「大丈夫だから、そのままいてくれ。服を脱いだり、そして装備を外した人は今のうちに整えてくれ」
俺の説明にエルさんが疑う発言。傷付くなぁ······
「トウジさん、本当に大丈夫なの! こっちに来るわ! キャッ、アァ? 当たらない? どうして?」
ほらね、大丈夫って言ったでしょ。俺はドヤ顔でエルさんを見た。そこに、
「トウジさん、これはどうなってるのかしら?」
アカネさんに聞かれ、俺はスキルが進化して今の俺達は無在、在るのに無い、無いけど在る状態だと説明した。
服を着ながらフィオナが突っ込んでくる。
「何なんですか? そのデタラメな状態は?」
うん、俺に突っ込んでもしょうがないぞ、フィオナ。俺もこの禅問答のようなスキルには戸惑ってるからな。それより早くその破壊力抜群なバインバインな双丘を隠せ。俺の鼻がムズムズしているから。ツキミさんも驚いてないで、ズボンを早く上げてくれ。その途中で止まったズボンがかなりエロチックだから。
俺の心は懊悩していた······。
その頃、金精様は困惑していた。
「何故、現れん? 一体どう言うことだ? 久しぶりに封印が解かれ、これからと言う時に邪魔されたこの怒りを誰に向ければ良い?」
ブツブツと呟く金精様。このままだと、先に洞窟から出ようとしている男達の方に向かって行きそうだと思い、俺だけ無在を解除して金精様の前に姿を現した。
「むっ! 貴様、トウジだな! 我の花嫁達を何処にやった! 今なら許してやるから、早く花嫁達を差し出せ!」
俺は寝言を言ってる金精様に尋ねた。
「金精様は何故この世界に来られたんですか?」
「む、我にモノを尋ねるか。まあ良い、我も神だ。尋ねるならば教えてやろう。我はもう飽き飽きしたのだ。やたらと女子の手によって生殺しのようにナデナデされるのは。我とて元を辿れば人よ。その欲望もあるわ」
俺はそれを聞いて確信した。こいつ、ドウテーだなと。考えがドウテーの頃の俺と同じだったからだが。
「なるほど、撫で回されるだけで良い所で止められて、欲求が高まったまま放置されるのに嫌気が差してこの世界に来られたと」
俺がそう言うと金精様は反論する。
「愚か者め! 我はこの世界だけでなく、数多あるあらゆる世界に、我の分体を送り込んでおるわ! だが、地球以外では邪神と呼ばれ勇者を名乗る輩に封印されてしまっておるが······」
そりゃあ、自分の欲望を思うままに叶えようとしたら邪神扱いされるわな。これはアレだ。国王達とは無関係な迷惑神様だな。そう思ったが確認の為に一応聞いてみた。
「金精様はこの国の王達とは関わりがありますか?」
「ん? あの変な邪神達か。あんな奴らには一切関わりがないがどうかしたのか? 彼奴らは人が死なないように何処までいじめ抜く事が出来るかを追求しているバカ共だぞ」
やはり関わりは無いようだ。さて、そうするとどうやってエーメイさんから出ていって貰うかだが······。俺は考えに考えた。しかし答えが出ない。尋ねたら教えてくれるみたいなので、先ずは尋ねてみよう。
「そもそもどうしてエーメイさんに取り憑かれたんですか? それもいつの間に?」
「ふん、それはな、この男が我が封印されているこの洞窟にやって来てだな、我の産み出した眷属を倒して回ったからじゃ。利用して封印を解こうと思ったのと、人であった頃の我と同じように強靭な肉体を持っておったのでな。序でに我が肉体としても利用させて貰ったのよ。初めて来た時にそう考えて、二回目に洗脳を施した。今回が三回目じゃが、あんなにも沢山の我の花嫁を連れて来たのでな、さすがは我が見込んだ男よと褒めてやったぞ」
「洗脳って、どうやったんですか?」
「簡単な事よ。我は封印されておったが神力は失っておらなかったのでな、この男の頭に我の花嫁を連れて来いと念じただけよ。勿論、この洞窟から出たら我の洗脳の影響は深層意識に沈む故に誰にもバレる事はないぞ。どうだ? 我は凄いであろう!?」
うん、ドヤ顔で言うことじゃないです。確かに凄いが、そうするとこの魔境の洞窟に着いた時点でエーメイさんは本格的に操られていた訳だな。
俺はそう思ったが、それを顔に出さずに金精様を煽てながらこちらの要求を言ってみた。
「おお、さすが神様。でも、俺達にはエーメイさんが必要なんで出来れば返して貰えませんかねぇ······」
俺が煽てながらそう頼むと金精様はしばし考えこんだあとに、こう言った。
「なれば我にこの男の代わりとなる依代を用意せよ。勿論、この男のように強靭な肉体でなければならぬぞ! そして、我の花嫁も用意して貰わねばな! 出来なければこの男は返さん」
うーん、要求が凄いなぁ······ 依代自体は用意出来るが、花嫁って言ってもなぁ······ そうだ、こう言ってみようかな。俺は思い付いて金精様に言ってみた。
「金精様、依代はご用意します。しかし、折角なので花嫁はご自分でお探しになるのがよろしいのではないでしょうか? やはり、好いて好かれての方がより楽しい生活を送れますし、神様になられる前は人だったのでしたら、その頃を思い出しながら過ごされるのもまた、楽しいかと思います。如何でしょうか?」
俺の言葉に金精様は暫し考えてから言った。
「うむ、お主の言うことにも一理あるな。だがしかし、それはお主の用意する依代を我が気にいったらの話じゃ! 先ずは依代を見せてみい!」
そう金精様に言われた俺は新たに生えた無スキルを使用して、依代を金精様の目の前に作り出した。
それを見た金精様は、うーむと一声を上げてから、エーメイさんから出ていき俺の用意した依代に移ったようだ。
何故ならエーメイさんが白目を剥いてぶっ倒れたからだ。急に出ていくから助けることも出来なかった。あれは大きなタンコブになるな······
しかし、ツキミさんの体を蹂躙したんだから、甘んじて受けて貰おう。イヤ、これは俺の勝手な考えだな······
バカな事を考えていたら、依代に移った金精様が大声を出して俺を褒め出した。
「凄いではないか! お主のこの依代はどうなっておるのだ? ここまで我にシックリ来るとは。神力の通りも完璧じゃし、その男よりも強靭な肉体じゃ! うむ、これは良い! 褒めてつかわすぞ、トウジよ!」
俺も出来れば地球の神様とは喧嘩なんかしたくなかったから、気に入って貰えて良かったと思う。そこで、機嫌の良さそうな金精様に俺は言った。
「気に入っていただけたようで良かったです。それでは、先の俺の提案を聞いて花嫁はご自分で探されますか?」
「うむ、約束じゃからな。その様にしよう。されば、我からトウジにこの洞窟の主の権利を授けよう。そして、我からの祝福をこの洞窟にいる皆に迷惑をかけた詫びに送ろう。隠している女性達も神力が完全に戻った故に居るのが分かるから案ずるでないぞ。さあ、受け取るが良い」
そう言った金精様から白い光が俺に向かって飛んできて俺の体にスゥっと入った。
その後にそれよりも小さな光が四方に飛んでいった。
「うむ、皆が無事に受け取ったようじゃな。では、サラバじゃ、トウジよ。また何処かで会おうぞ。その時には我も花嫁がおるじゃろうがな。ハッハッハッハッハッハッ······」
最後に高らかな笑い声を残して金精様は姿を消した。
俺はそれを確認してから女性達の無在を解除した。女性達からは非難されたが、俺はこれが最適解だと思うと説得した。そして、洞窟の主の権利を得た事により出来るようになった転移で、皆を連れて一気に入口に移動したのだった。
さあ、今夜はレベルが上がった事によるステータスやスキルをじっくり見るのと、金精様からいただいた祝福も確認しなきゃな! 楽しみだぜ!
しかし、俺は祝福を受け取った事をその夜に後悔する事になった······
そして、真裸なのにもビックリした。ムスコのサイズは俺の方が少し上だと安心した。だが、中々立派なイチモツをお持ちだ。そして、女性達を見てみると、なんとツキミさんとフィオナが装備を外して服を脱ぎ出した。
うおーーー、これは凄い! フィオナは何て危険なモノを持っているんだ! バインバインじゃないか!
俺はフィオナの双丘に目を奪われつつも、次にツキミさんに目をむけた。
グワーーッ! けしからん、けしからんぞ!エーメイさん。小ぶりながらプリっとしたマシュマロのようなお尻に、推定Bの形良い双丘。引き締まり括れた腰回り。あんたはあの体を昨夜蹂躙したのか!?クゥーー、何てウラヤマシイ······
二人が最後の砦を脱ごうと動き出した時に正気に戻る俺。
ハッ! いかんいかん。後でサヤとマコトに怒られてしまう。早く何とかしないとと思いつつ、エルさんとアカネさんが装備を外し始めたのを見て更に興奮して鼻血がたれてきた。
たれた鼻血を拭いながら俺は皆に無在をかける。突然目の前にいた皆が見えなくなり、気配も無くなった事にエーメイさんを乗っ取った誰かが困惑する。
「な、何事じゃ! 何処に行った!」
しかし、俺は取り敢えずそれを無視してサヤやマコトの所に行き、話を聞こうとしたが逆に抱きつかれて装備を外されそうになる。そこに何故かエルさんやアカネさんが混ざり、フィオナとツキミさんも下着姿のままに迫って来ていた。最後の砦はまだ脱いでなかった······ 残念····· イヤ、違うか······
「トウジ! トウジ! 良かった。トウジになら幾らでも御奉仕するから!」
「トウジー! やっと来てくれた! さあ、御奉仕するから、脱いで!」
そこでエルさんが、アカネさんが加わろうとしながらも今の状態を説明してくれた。エーメイさんが金精様に乗っ取られていることも教えてくれた。金精様ってアレだよな? 日本の男根の形をした神様だよな? 元は道祖神の子宝の神様だよな。
そして、皆の今の状態はピンクの煙を吸ったら体の中の官能の波が止まらなくなったらしい。
それって無毒で消せるんじゃね。そう考えた俺は皆に無毒をかける。
すると、皆が官能の波から覚めたようで顔を赤らめて俺を見ていた。フィオナとツキミさんは悲鳴を上げる。
「キャー、トウジさん見ないで!」
「わ、私、旦那様以外の男性に迫るなんて。わ、忘れて下さい!」
正気に戻ったサヤとマコトの勘は鋭かった。俺の鼻の下に拭い忘れた鼻血を見つけた二人。
「トウジ、いつから見ていたの?」
「トウジ、フィオナの方を見ちゃダメ!」
うむ、まさか拭い忘れがあるとは······
そんなことを言っていると、エーメイさんを乗っ取った金精様が辺りに広範囲魔法を放つ。
「フンッ! 分かったぞ! トウジという男だな! この男の記憶から探りだしたわ! ならば姿を現すしかないようにしてやる! 風神!」
唱えた魔法は辺りを飲み込むような竜巻だ。皆が慌てるが俺は皆を落ち着かせた。
「大丈夫だから、そのままいてくれ。服を脱いだり、そして装備を外した人は今のうちに整えてくれ」
俺の説明にエルさんが疑う発言。傷付くなぁ······
「トウジさん、本当に大丈夫なの! こっちに来るわ! キャッ、アァ? 当たらない? どうして?」
ほらね、大丈夫って言ったでしょ。俺はドヤ顔でエルさんを見た。そこに、
「トウジさん、これはどうなってるのかしら?」
アカネさんに聞かれ、俺はスキルが進化して今の俺達は無在、在るのに無い、無いけど在る状態だと説明した。
服を着ながらフィオナが突っ込んでくる。
「何なんですか? そのデタラメな状態は?」
うん、俺に突っ込んでもしょうがないぞ、フィオナ。俺もこの禅問答のようなスキルには戸惑ってるからな。それより早くその破壊力抜群なバインバインな双丘を隠せ。俺の鼻がムズムズしているから。ツキミさんも驚いてないで、ズボンを早く上げてくれ。その途中で止まったズボンがかなりエロチックだから。
俺の心は懊悩していた······。
その頃、金精様は困惑していた。
「何故、現れん? 一体どう言うことだ? 久しぶりに封印が解かれ、これからと言う時に邪魔されたこの怒りを誰に向ければ良い?」
ブツブツと呟く金精様。このままだと、先に洞窟から出ようとしている男達の方に向かって行きそうだと思い、俺だけ無在を解除して金精様の前に姿を現した。
「むっ! 貴様、トウジだな! 我の花嫁達を何処にやった! 今なら許してやるから、早く花嫁達を差し出せ!」
俺は寝言を言ってる金精様に尋ねた。
「金精様は何故この世界に来られたんですか?」
「む、我にモノを尋ねるか。まあ良い、我も神だ。尋ねるならば教えてやろう。我はもう飽き飽きしたのだ。やたらと女子の手によって生殺しのようにナデナデされるのは。我とて元を辿れば人よ。その欲望もあるわ」
俺はそれを聞いて確信した。こいつ、ドウテーだなと。考えがドウテーの頃の俺と同じだったからだが。
「なるほど、撫で回されるだけで良い所で止められて、欲求が高まったまま放置されるのに嫌気が差してこの世界に来られたと」
俺がそう言うと金精様は反論する。
「愚か者め! 我はこの世界だけでなく、数多あるあらゆる世界に、我の分体を送り込んでおるわ! だが、地球以外では邪神と呼ばれ勇者を名乗る輩に封印されてしまっておるが······」
そりゃあ、自分の欲望を思うままに叶えようとしたら邪神扱いされるわな。これはアレだ。国王達とは無関係な迷惑神様だな。そう思ったが確認の為に一応聞いてみた。
「金精様はこの国の王達とは関わりがありますか?」
「ん? あの変な邪神達か。あんな奴らには一切関わりがないがどうかしたのか? 彼奴らは人が死なないように何処までいじめ抜く事が出来るかを追求しているバカ共だぞ」
やはり関わりは無いようだ。さて、そうするとどうやってエーメイさんから出ていって貰うかだが······。俺は考えに考えた。しかし答えが出ない。尋ねたら教えてくれるみたいなので、先ずは尋ねてみよう。
「そもそもどうしてエーメイさんに取り憑かれたんですか? それもいつの間に?」
「ふん、それはな、この男が我が封印されているこの洞窟にやって来てだな、我の産み出した眷属を倒して回ったからじゃ。利用して封印を解こうと思ったのと、人であった頃の我と同じように強靭な肉体を持っておったのでな。序でに我が肉体としても利用させて貰ったのよ。初めて来た時にそう考えて、二回目に洗脳を施した。今回が三回目じゃが、あんなにも沢山の我の花嫁を連れて来たのでな、さすがは我が見込んだ男よと褒めてやったぞ」
「洗脳って、どうやったんですか?」
「簡単な事よ。我は封印されておったが神力は失っておらなかったのでな、この男の頭に我の花嫁を連れて来いと念じただけよ。勿論、この洞窟から出たら我の洗脳の影響は深層意識に沈む故に誰にもバレる事はないぞ。どうだ? 我は凄いであろう!?」
うん、ドヤ顔で言うことじゃないです。確かに凄いが、そうするとこの魔境の洞窟に着いた時点でエーメイさんは本格的に操られていた訳だな。
俺はそう思ったが、それを顔に出さずに金精様を煽てながらこちらの要求を言ってみた。
「おお、さすが神様。でも、俺達にはエーメイさんが必要なんで出来れば返して貰えませんかねぇ······」
俺が煽てながらそう頼むと金精様はしばし考えこんだあとに、こう言った。
「なれば我にこの男の代わりとなる依代を用意せよ。勿論、この男のように強靭な肉体でなければならぬぞ! そして、我の花嫁も用意して貰わねばな! 出来なければこの男は返さん」
うーん、要求が凄いなぁ······ 依代自体は用意出来るが、花嫁って言ってもなぁ······ そうだ、こう言ってみようかな。俺は思い付いて金精様に言ってみた。
「金精様、依代はご用意します。しかし、折角なので花嫁はご自分でお探しになるのがよろしいのではないでしょうか? やはり、好いて好かれての方がより楽しい生活を送れますし、神様になられる前は人だったのでしたら、その頃を思い出しながら過ごされるのもまた、楽しいかと思います。如何でしょうか?」
俺の言葉に金精様は暫し考えてから言った。
「うむ、お主の言うことにも一理あるな。だがしかし、それはお主の用意する依代を我が気にいったらの話じゃ! 先ずは依代を見せてみい!」
そう金精様に言われた俺は新たに生えた無スキルを使用して、依代を金精様の目の前に作り出した。
それを見た金精様は、うーむと一声を上げてから、エーメイさんから出ていき俺の用意した依代に移ったようだ。
何故ならエーメイさんが白目を剥いてぶっ倒れたからだ。急に出ていくから助けることも出来なかった。あれは大きなタンコブになるな······
しかし、ツキミさんの体を蹂躙したんだから、甘んじて受けて貰おう。イヤ、これは俺の勝手な考えだな······
バカな事を考えていたら、依代に移った金精様が大声を出して俺を褒め出した。
「凄いではないか! お主のこの依代はどうなっておるのだ? ここまで我にシックリ来るとは。神力の通りも完璧じゃし、その男よりも強靭な肉体じゃ! うむ、これは良い! 褒めてつかわすぞ、トウジよ!」
俺も出来れば地球の神様とは喧嘩なんかしたくなかったから、気に入って貰えて良かったと思う。そこで、機嫌の良さそうな金精様に俺は言った。
「気に入っていただけたようで良かったです。それでは、先の俺の提案を聞いて花嫁はご自分で探されますか?」
「うむ、約束じゃからな。その様にしよう。されば、我からトウジにこの洞窟の主の権利を授けよう。そして、我からの祝福をこの洞窟にいる皆に迷惑をかけた詫びに送ろう。隠している女性達も神力が完全に戻った故に居るのが分かるから案ずるでないぞ。さあ、受け取るが良い」
そう言った金精様から白い光が俺に向かって飛んできて俺の体にスゥっと入った。
その後にそれよりも小さな光が四方に飛んでいった。
「うむ、皆が無事に受け取ったようじゃな。では、サラバじゃ、トウジよ。また何処かで会おうぞ。その時には我も花嫁がおるじゃろうがな。ハッハッハッハッハッハッ······」
最後に高らかな笑い声を残して金精様は姿を消した。
俺はそれを確認してから女性達の無在を解除した。女性達からは非難されたが、俺はこれが最適解だと思うと説得した。そして、洞窟の主の権利を得た事により出来るようになった転移で、皆を連れて一気に入口に移動したのだった。
さあ、今夜はレベルが上がった事によるステータスやスキルをじっくり見るのと、金精様からいただいた祝福も確認しなきゃな! 楽しみだぜ!
しかし、俺は祝福を受け取った事をその夜に後悔する事になった······
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