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076話 お忍び
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問われたトウリはケレス陛下にこう答えたんだ。
「畏れながら申し上げます。将軍は人柄良く、行動力もあり、民の事を考えて新たな災害に強い農作物の研究を指示したり、また武士が徒らに下の者を傷つけたりしないように法を改正したりしておりますので、民衆からは慕われております。が、時に暴走する時もございます……」
「ほう? どのように暴走するのだ?」
ケレス陛下は再びトウリに尋ねた。
「はい、お忍びで城下町に行き偽名を使い町の悪人をお庭番を使って調べ、バッタバッタと斬って捨てるなど……」
前世のテレビでよく見てた暴れん○将軍そのままじゃないですか…… 一体何故?
「ハハハ、ナルホド。それは確かに暴走だな。将軍自らがそのような事をしているのか。家来の者たちはさぞかし困惑してるだろうな」
ケレス陛下はそう言った後に少し考えてから今度はダイジに聞いた。
「ダイジに聞こう。さきほど、トウリが言ったお庭番とはヤパンの諜報員の事になるのか?」
ああ、それなら僕がお答えしてもいいけど、僕の知識はテレビの知識だから違うかも知れないしなぁ。僕がそう考えていたらダイジが陛下に返答していた。
「直答、失礼いたします。諜報員というだけでなく、時には実力行使も行うヤパンでは【忍び】という職についている者の事にございます。お庭番とは将軍様に仕える忍びの者を指して言います」
ほら、テレビのままだったよ。もう暴○ん坊将軍確定でいいよね? というか時間軸が分からないけどこの世界の将軍から着想を得て日本でテレビドラマが始まったとか…… それはないか、ないよ…… ね?
「フム、それはお主たちとはまた違うのか?」
ケレス陛下がダイジにそう聞く。
「いえ、我らも忍びの者です。けれども、忍びにも色々とおりまして、トクセン家に仕える忍びはイカ者という忍びになります。我らはイーヨ県にダウテ家が来る前から居る忍びで脛巾と申します。が、我らの棟梁がダウテ家に仕える様に動きまして、今に至る次第にございます……」
ダイジがそう説明すると陛下は今度はルソン陛下に聞かれたよ。
「ルソン殿の所にも忍びの者が居るのか?」
「ケレス殿、我らは忍びとは呼んでおらぬな。調査、実行する者たちは我らの国では【情報員】と呼んでいる。忍びと呼んでいたのは我が国が建国されてから2~3年の間だけだな。ケレス殿の所は【影】であったかな?」
「いかにも。我が国では【影】と言っている。フーム、ハールよ、それでヤパンの忍びはどれ程我が国に入っておるのだ?」
ハール様は答えた。
「はい、我らが把握できた数はイーヨ県の脛巾の者が28名、ムツセーダイ県の黒脛巾の者が5名、オエードお庭番が15名、トーサ県の白比丘尼が8名、アーワ県の亀甲が5名ですな。恐らくですが、ナニワサカイ国にも同等の人数が潜り込んでおると推察しております」
「由々しき事態ではあるが、お庭番を通じてキッシュウ殿からは手出しを控えて欲しいと頼まれておるし、どうしたものか…… そう言えばトーヤよ、ハールに聞いたがトーヤも隠密部隊を作ると聞いたぞ。組織はもうできているのか?」
突然、僕に振ってきたよ。まあ僕は慌てず騒がず、まだですと首を横に振ってお伝えしたんだ。実際隠密部隊の話合いはついこの間だからね。
「そうか、まだか…… グレイハウ伯爵はどうだ?」
「陛下、私の所もまだでございます。ハイナイト伯爵と協力して組織を立ち上げる準備をしているところです」
ラウールさんの答えに苦い顔をするケレス陛下とルソン陛下。
「トーヤの隠密部隊に探って貰おうと思ったのだがなぁ…… そうか、まだならば無理は言えぬか」
うーん、いきなり期待されてたみたいだね。でも、僕は自分を慕って集まってくれた人たちを危険に晒すつもりはないから、万全の準備を整えてからじゃないと動かせません。そこは一歩も引く気はないです。
そうして、その日は結局、取り敢えずは影により監視をしつつ静観するという消極的な意見で話はまとまったんだ。
そして話合いの3日後にまた今度は至急、王宮に来るようにと呼び出されたんだよ。今回はトウリだけでいいから急いで来てくれと陛下の直筆の手紙が届いたんだ。そこで、僕はトウリを連れて屋敷の転移陣を使用して王宮に向かったんだ。
僕とトウリのすぐ後にラウールさんとダイジも転移してきたよ。
急ぎ、謁見の間に走る僕たち。普段ならば王宮の中を走っていたら止める筈の近衛の人たちも誰も止めないから本当に緊急なんだと分かる。何があったのかな?
僕は不安に思いながらも謁見の間の扉の前に到着して、息を整えたんだ。4人の息が整ったから僕は扉を守る近衛騎士に頷いた。
「陛下、ハイナイト伯爵、グレイハウ伯爵、並びにその従者が到着しました、通してもよろしいでしょうか?」
近衛騎士が中に向かってそう聞くとケレス陛下の返事が聞こえた。
「おう、やっと来たか。通してくれ!」
その声を聞き扉を開く近衛騎士。僕たちは頭を垂れ、正面を見ないように所定の位置まで進んだんだ。
「緊急の呼び出しに応じて貰い、ご苦労である。面を上げてくれ。紹介したい方が来られたのだ!」
ケレス陛下の言葉に僕たちは顔を上げる。そして、陛下の横に松○健さんが居るのを見て僕はビックリしたんだ。指を指さなかった自分を褒めて上げたいよ。
よーく、見ると違うと分かるけど本当にそっくりだよ。
「こちらはヤパン国を治めておられる将軍でトクセン・キッシュウ殿だ。急遽、お忍びで我が国へとやって来られたのだ。そして、ハイナイト伯爵とグレイハウ伯爵に会いたいと言われてな。それで至急の呼び出しをしたのだ」
そうケレス陛下が言うと将軍様が自己紹介を始めたよ。
「忙しいのにすまないな。余はヤパンにて天皇陛下より征夷大将軍に任じられたトクセン・キッシュウという。この度、サーベル王国にやって来たのはイーヨ県のダウテ家の件でなのだが、聞けばハイナイト伯爵殿とグレイハウ伯爵殿の領地には温泉があるそうではないか? もしも良ければ余も入りたいのだが、構わないだろうか?」
まさか、温泉に入りに来た訳じゃないでしょうね? 将軍様?
僕と同じ目をしてトウリが将軍様を見ていたよ。あ、ダイジも同じ目で見てたよ。ラウールさんだけ、どう返答したらいいのか迷ってるようだけどね。
「ハイナイト伯爵、グレイハウ伯爵、私からも頼む。勿論、私も一緒に行くからな」
はい、陛下から言われると僕たちは断れませんから。頷いた僕たちを見て嬉しそうに将軍様が言ったんだ。
「うむ、勝手にやってきて図々しい頼みで悪いな。だが、どうしてもその方らと語り合ってみたくてな。宜しく頼む」
うーん、将軍様は下の者にも素直に頼みごとをされたり、頭を下げられる方なんだね。そりゃ、民衆からも慕われてる筈だよ。僕は納得しながら、僕の領地が先なのかラウールさんの領地が先なのか、陛下に確認しなきゃと思って見たら陛下が先ずはグレイハウ伯爵領にご案内すると言ったんだ。
日にちは2日後。僕たちは陛下と将軍様の御前から退出して、お迎えの為に焦りに焦っているラウールさんを僕も手伝いますからと紙に書いて伝えて落ち着かせたんだよ。
そして、怒涛の準備期間を終えて、ケレス陛下と将軍様をグレイハウ伯爵領にお迎えする日が来たんだ。
でも、本当に突然やって来るなんて家来の人たちは知ってるのかな? 今頃ヤパンでは将軍様が居ないってアタフタしてるじゃない?
本当に暴れん坊の将軍様の行動力を見て、僕はそう思ってたんだ。
「畏れながら申し上げます。将軍は人柄良く、行動力もあり、民の事を考えて新たな災害に強い農作物の研究を指示したり、また武士が徒らに下の者を傷つけたりしないように法を改正したりしておりますので、民衆からは慕われております。が、時に暴走する時もございます……」
「ほう? どのように暴走するのだ?」
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「はい、お忍びで城下町に行き偽名を使い町の悪人をお庭番を使って調べ、バッタバッタと斬って捨てるなど……」
前世のテレビでよく見てた暴れん○将軍そのままじゃないですか…… 一体何故?
「ハハハ、ナルホド。それは確かに暴走だな。将軍自らがそのような事をしているのか。家来の者たちはさぞかし困惑してるだろうな」
ケレス陛下はそう言った後に少し考えてから今度はダイジに聞いた。
「ダイジに聞こう。さきほど、トウリが言ったお庭番とはヤパンの諜報員の事になるのか?」
ああ、それなら僕がお答えしてもいいけど、僕の知識はテレビの知識だから違うかも知れないしなぁ。僕がそう考えていたらダイジが陛下に返答していた。
「直答、失礼いたします。諜報員というだけでなく、時には実力行使も行うヤパンでは【忍び】という職についている者の事にございます。お庭番とは将軍様に仕える忍びの者を指して言います」
ほら、テレビのままだったよ。もう暴○ん坊将軍確定でいいよね? というか時間軸が分からないけどこの世界の将軍から着想を得て日本でテレビドラマが始まったとか…… それはないか、ないよ…… ね?
「フム、それはお主たちとはまた違うのか?」
ケレス陛下がダイジにそう聞く。
「いえ、我らも忍びの者です。けれども、忍びにも色々とおりまして、トクセン家に仕える忍びはイカ者という忍びになります。我らはイーヨ県にダウテ家が来る前から居る忍びで脛巾と申します。が、我らの棟梁がダウテ家に仕える様に動きまして、今に至る次第にございます……」
ダイジがそう説明すると陛下は今度はルソン陛下に聞かれたよ。
「ルソン殿の所にも忍びの者が居るのか?」
「ケレス殿、我らは忍びとは呼んでおらぬな。調査、実行する者たちは我らの国では【情報員】と呼んでいる。忍びと呼んでいたのは我が国が建国されてから2~3年の間だけだな。ケレス殿の所は【影】であったかな?」
「いかにも。我が国では【影】と言っている。フーム、ハールよ、それでヤパンの忍びはどれ程我が国に入っておるのだ?」
ハール様は答えた。
「はい、我らが把握できた数はイーヨ県の脛巾の者が28名、ムツセーダイ県の黒脛巾の者が5名、オエードお庭番が15名、トーサ県の白比丘尼が8名、アーワ県の亀甲が5名ですな。恐らくですが、ナニワサカイ国にも同等の人数が潜り込んでおると推察しております」
「由々しき事態ではあるが、お庭番を通じてキッシュウ殿からは手出しを控えて欲しいと頼まれておるし、どうしたものか…… そう言えばトーヤよ、ハールに聞いたがトーヤも隠密部隊を作ると聞いたぞ。組織はもうできているのか?」
突然、僕に振ってきたよ。まあ僕は慌てず騒がず、まだですと首を横に振ってお伝えしたんだ。実際隠密部隊の話合いはついこの間だからね。
「そうか、まだか…… グレイハウ伯爵はどうだ?」
「陛下、私の所もまだでございます。ハイナイト伯爵と協力して組織を立ち上げる準備をしているところです」
ラウールさんの答えに苦い顔をするケレス陛下とルソン陛下。
「トーヤの隠密部隊に探って貰おうと思ったのだがなぁ…… そうか、まだならば無理は言えぬか」
うーん、いきなり期待されてたみたいだね。でも、僕は自分を慕って集まってくれた人たちを危険に晒すつもりはないから、万全の準備を整えてからじゃないと動かせません。そこは一歩も引く気はないです。
そうして、その日は結局、取り敢えずは影により監視をしつつ静観するという消極的な意見で話はまとまったんだ。
そして話合いの3日後にまた今度は至急、王宮に来るようにと呼び出されたんだよ。今回はトウリだけでいいから急いで来てくれと陛下の直筆の手紙が届いたんだ。そこで、僕はトウリを連れて屋敷の転移陣を使用して王宮に向かったんだ。
僕とトウリのすぐ後にラウールさんとダイジも転移してきたよ。
急ぎ、謁見の間に走る僕たち。普段ならば王宮の中を走っていたら止める筈の近衛の人たちも誰も止めないから本当に緊急なんだと分かる。何があったのかな?
僕は不安に思いながらも謁見の間の扉の前に到着して、息を整えたんだ。4人の息が整ったから僕は扉を守る近衛騎士に頷いた。
「陛下、ハイナイト伯爵、グレイハウ伯爵、並びにその従者が到着しました、通してもよろしいでしょうか?」
近衛騎士が中に向かってそう聞くとケレス陛下の返事が聞こえた。
「おう、やっと来たか。通してくれ!」
その声を聞き扉を開く近衛騎士。僕たちは頭を垂れ、正面を見ないように所定の位置まで進んだんだ。
「緊急の呼び出しに応じて貰い、ご苦労である。面を上げてくれ。紹介したい方が来られたのだ!」
ケレス陛下の言葉に僕たちは顔を上げる。そして、陛下の横に松○健さんが居るのを見て僕はビックリしたんだ。指を指さなかった自分を褒めて上げたいよ。
よーく、見ると違うと分かるけど本当にそっくりだよ。
「こちらはヤパン国を治めておられる将軍でトクセン・キッシュウ殿だ。急遽、お忍びで我が国へとやって来られたのだ。そして、ハイナイト伯爵とグレイハウ伯爵に会いたいと言われてな。それで至急の呼び出しをしたのだ」
そうケレス陛下が言うと将軍様が自己紹介を始めたよ。
「忙しいのにすまないな。余はヤパンにて天皇陛下より征夷大将軍に任じられたトクセン・キッシュウという。この度、サーベル王国にやって来たのはイーヨ県のダウテ家の件でなのだが、聞けばハイナイト伯爵殿とグレイハウ伯爵殿の領地には温泉があるそうではないか? もしも良ければ余も入りたいのだが、構わないだろうか?」
まさか、温泉に入りに来た訳じゃないでしょうね? 将軍様?
僕と同じ目をしてトウリが将軍様を見ていたよ。あ、ダイジも同じ目で見てたよ。ラウールさんだけ、どう返答したらいいのか迷ってるようだけどね。
「ハイナイト伯爵、グレイハウ伯爵、私からも頼む。勿論、私も一緒に行くからな」
はい、陛下から言われると僕たちは断れませんから。頷いた僕たちを見て嬉しそうに将軍様が言ったんだ。
「うむ、勝手にやってきて図々しい頼みで悪いな。だが、どうしてもその方らと語り合ってみたくてな。宜しく頼む」
うーん、将軍様は下の者にも素直に頼みごとをされたり、頭を下げられる方なんだね。そりゃ、民衆からも慕われてる筈だよ。僕は納得しながら、僕の領地が先なのかラウールさんの領地が先なのか、陛下に確認しなきゃと思って見たら陛下が先ずはグレイハウ伯爵領にご案内すると言ったんだ。
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そして、怒涛の準備期間を終えて、ケレス陛下と将軍様をグレイハウ伯爵領にお迎えする日が来たんだ。
でも、本当に突然やって来るなんて家来の人たちは知ってるのかな? 今頃ヤパンでは将軍様が居ないってアタフタしてるじゃない?
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