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領地発展
057話 木の選定と職人さん
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そして元気になったラウールさんと僕は木の選定を始めたんだ。僕はスギヒノとタカノマキ、サンワラの3種類すべてを仕入れるんだけど、ラウールさんはタカノマキとサンワラの2種類を選んだんだ。
サハーラさんがスギヒノの香りがあまり好きじゃないらしい。タカノマキの香りは好きらしいけどね。僕なんかはスギヒノのあのヒノキと同じ香りが好きなんだけどな。フェルも好きだって言ってたし。人によって好みは違うからしょうがないけどね。
そして僕とラウールさんは困っていた……
何故なら職人さんが大勢、キノクーニャ屋に押し掛けてきていたからなんだ。職人さんの多くはナニワサカイ国ではもうあまり仕事が無くて手が余ってる状態なんだって。それも浴槽関係に特化した職人さんが…… もちろんだけど特化してると言っても他の仕事が出来ない訳じゃないよ。大工仕事だって出来るし家具製作なんかも出来るんだけど……
考えたらそうだよね。1度浴槽を作って設置して1年に1回ごとに浴槽を変える人はそうそう居ないんだし…… 手入れさえ怠らなければ木の浴槽も長くもつからね。それ以外にも家なんかもそうだよね。リフォーム依頼なんてこの国にあるのかな?
そんなこんなで僕の領地やラウールさんの領地に移住を見込んでブンゴさんに職人さんを募集してもらったら、合計して35人の職人さんがやって来たんだよ。それでもナニワサカイ国にはまだまだ木材加工の職人さんは多く居るらしく、可能ならば全員を僕たちの領地に連れて行ってやって欲しいってブンさんやブンゴさんに頼まれたんだ。
職人さんたちは新たな温泉施設作りや、レンガや石壁じゃない木の家の良さをサーベル王国に広めたいって意欲に燃えてる人たちばかりなんだ。嬉しい反面、予定していた人数を大幅に超えるから僕もラウールさんも戸惑っているんだよ。
僕は10人ぐらい、ラウールさんは5人ぐらいって考えていたからどうしようかって相談している最中なんだ。そこで、僕はブンゴさんに紙に書いて提案してみた。
【来ている35人の職人さんを浴槽関係ばっかり作ってきた職人さんと、普通に木工加工や細工の出来る職人さんに別れて貰いたいんですけど?】
僕の文章を読んだブンゴさんが直ぐに職人さんを分けてくれたよ。
浴槽関係と言っても温泉施設も作った事がある人も多くて、お湯を運ぶ樋やそれの設置もした事がある人たちだったよ。勿論その人たちは桶や枡も作れるよ。簡易の四阿なんかもね。その人たちが12人居た。
残りの23人は普通に木工加工や細工、はたまた大工仕事も大丈夫って人たちだったよ。中には瓦を焼ける職人さんが居たのにはビックリしたよ。まあ瓦を焼けるのは3人だけだったけど。
ココで僕はフェルを交えてラウールさんとサハーラさんと相談する事にしたんだ。職人さんたちには少し待って貰う事にしたよ。
【ラウールさんはどうお考えですか? 僕としては浴槽関係の職人さんを6人、それ以外の職人さんを15人と考えているのですが】
「そうか、トーヤくん。僕も浴槽関係の職人さんは6人と思っていたんだ。で、それ以外の職人さんは腕の良い人を3人は僕のお抱え職人になってもらおうと思ってたんだ。残りは領地で工房を構えて貰えたらって思ってたんだけど、初期援助が出来るのが4人が限界なんだ。つまりうちの領地に来て欲しいのは13人になる」
うーん、僕が21人でラウールさんが13人だと1人来れなくなっちゃうね…… よし、それじゃその1人も僕の領地に来てもらおう。
【分かりました。それじゃ、僕の領地に浴槽関係の職人さんを6人、それ以外の職人さんを16人の合計22人に来てもらいます。勿論、ご家族が居る方はそのご家族もですよね?】
僕がラウールさんにそう確認すると
「ああ、それは勿論だよ。家族と離れ離れになる必要は無いって最初に伝えないとね。それに、お抱え職人と言っても職人さんが了承したらと思っているからね。無理になって貰うつもりは僕もないから。それじゃ、僕の方は人数に変更無しでいいかな? ゴメンね、トーヤくんの負担が大きいね」
そう言って謝ってくれたけど、僕としては領地が益々栄えるだろうと思って、先行投資のつもりだから気にしないでという意を込めて、ラウールさんに頷いたんだ。
そして、話合いも終わったから職人さんたちの所に戻った僕たち。ラウールさんが代表して話をしてくれたよ。
「皆さん、集まってくれて有難う。僕はサーベル王国で伯爵位を陛下より賜っているラウールと言います。家名はグレイハウです。それから僕の隣に居るコチラの方も僕と同じ伯爵位のトーヤです。家名はハイナイトです。僕とトーヤとで話合いをした結果、浴槽関係の職人さんは6人が僕の領地に、もう6人はハイナイト家の領地に来て頂きたいと思います。それ以外の職人さんについては、僕の領地には7人。ハイナイト家に16人と決まりました。
ここで、1つお知らせがあります。ご家族の方も是非ご一緒に僕の領地とハイナイト家の領地に来て欲しいのです。住居、それから初期援助として工房を構える土地、家屋、資材などはそれぞれの領主である僕たちが用意しますので、後は皆さんで話合いをして僕の領地に来るのかハイナイト家の領地に来るのかを決めて貰えますか?」
ラウールさんがそう言うとブンゴさんが進み出てラウールさんに言ったんだ。
「ここに居る職人はこの国でもかなり腕の良い、そして人柄も良い職人ばかりです。今から、俺も混ざって皆と話合いをします。振り分けが決まったらお知らせしますので、このまま王都の観光に行かれて下さい。職人全員を連れて行って貰えること、そしてその家族までも連れて行って貰える事を、この国の木工組合の組合長として心から感謝いたします」
僕とラウールさんに頭を下げたブンゴさんにならって、職人さんたちも頭を下げてくれたよ。人からこんなにも感謝された事のないラウールさんは感動して涙目になってたよ。サハーラさんは泣いてたし…… でも、良かった。ブンゴさんがまとめてくれるなら安心だよ。
こうして、僕たちはカーズ義兄さんに再び案内をお願いして、王都観光に繰り出したんだ。
って、もう夕方だから先ずは夕食にしようって言ってオススメのお店に連れて行って貰ったんだけどね。あ、勿論トモジ爺ちゃんも一緒に来てるよ。
僕と一緒にいる方が安全だからね。
サハーラさんがスギヒノの香りがあまり好きじゃないらしい。タカノマキの香りは好きらしいけどね。僕なんかはスギヒノのあのヒノキと同じ香りが好きなんだけどな。フェルも好きだって言ってたし。人によって好みは違うからしょうがないけどね。
そして僕とラウールさんは困っていた……
何故なら職人さんが大勢、キノクーニャ屋に押し掛けてきていたからなんだ。職人さんの多くはナニワサカイ国ではもうあまり仕事が無くて手が余ってる状態なんだって。それも浴槽関係に特化した職人さんが…… もちろんだけど特化してると言っても他の仕事が出来ない訳じゃないよ。大工仕事だって出来るし家具製作なんかも出来るんだけど……
考えたらそうだよね。1度浴槽を作って設置して1年に1回ごとに浴槽を変える人はそうそう居ないんだし…… 手入れさえ怠らなければ木の浴槽も長くもつからね。それ以外にも家なんかもそうだよね。リフォーム依頼なんてこの国にあるのかな?
そんなこんなで僕の領地やラウールさんの領地に移住を見込んでブンゴさんに職人さんを募集してもらったら、合計して35人の職人さんがやって来たんだよ。それでもナニワサカイ国にはまだまだ木材加工の職人さんは多く居るらしく、可能ならば全員を僕たちの領地に連れて行ってやって欲しいってブンさんやブンゴさんに頼まれたんだ。
職人さんたちは新たな温泉施設作りや、レンガや石壁じゃない木の家の良さをサーベル王国に広めたいって意欲に燃えてる人たちばかりなんだ。嬉しい反面、予定していた人数を大幅に超えるから僕もラウールさんも戸惑っているんだよ。
僕は10人ぐらい、ラウールさんは5人ぐらいって考えていたからどうしようかって相談している最中なんだ。そこで、僕はブンゴさんに紙に書いて提案してみた。
【来ている35人の職人さんを浴槽関係ばっかり作ってきた職人さんと、普通に木工加工や細工の出来る職人さんに別れて貰いたいんですけど?】
僕の文章を読んだブンゴさんが直ぐに職人さんを分けてくれたよ。
浴槽関係と言っても温泉施設も作った事がある人も多くて、お湯を運ぶ樋やそれの設置もした事がある人たちだったよ。勿論その人たちは桶や枡も作れるよ。簡易の四阿なんかもね。その人たちが12人居た。
残りの23人は普通に木工加工や細工、はたまた大工仕事も大丈夫って人たちだったよ。中には瓦を焼ける職人さんが居たのにはビックリしたよ。まあ瓦を焼けるのは3人だけだったけど。
ココで僕はフェルを交えてラウールさんとサハーラさんと相談する事にしたんだ。職人さんたちには少し待って貰う事にしたよ。
【ラウールさんはどうお考えですか? 僕としては浴槽関係の職人さんを6人、それ以外の職人さんを15人と考えているのですが】
「そうか、トーヤくん。僕も浴槽関係の職人さんは6人と思っていたんだ。で、それ以外の職人さんは腕の良い人を3人は僕のお抱え職人になってもらおうと思ってたんだ。残りは領地で工房を構えて貰えたらって思ってたんだけど、初期援助が出来るのが4人が限界なんだ。つまりうちの領地に来て欲しいのは13人になる」
うーん、僕が21人でラウールさんが13人だと1人来れなくなっちゃうね…… よし、それじゃその1人も僕の領地に来てもらおう。
【分かりました。それじゃ、僕の領地に浴槽関係の職人さんを6人、それ以外の職人さんを16人の合計22人に来てもらいます。勿論、ご家族が居る方はそのご家族もですよね?】
僕がラウールさんにそう確認すると
「ああ、それは勿論だよ。家族と離れ離れになる必要は無いって最初に伝えないとね。それに、お抱え職人と言っても職人さんが了承したらと思っているからね。無理になって貰うつもりは僕もないから。それじゃ、僕の方は人数に変更無しでいいかな? ゴメンね、トーヤくんの負担が大きいね」
そう言って謝ってくれたけど、僕としては領地が益々栄えるだろうと思って、先行投資のつもりだから気にしないでという意を込めて、ラウールさんに頷いたんだ。
そして、話合いも終わったから職人さんたちの所に戻った僕たち。ラウールさんが代表して話をしてくれたよ。
「皆さん、集まってくれて有難う。僕はサーベル王国で伯爵位を陛下より賜っているラウールと言います。家名はグレイハウです。それから僕の隣に居るコチラの方も僕と同じ伯爵位のトーヤです。家名はハイナイトです。僕とトーヤとで話合いをした結果、浴槽関係の職人さんは6人が僕の領地に、もう6人はハイナイト家の領地に来て頂きたいと思います。それ以外の職人さんについては、僕の領地には7人。ハイナイト家に16人と決まりました。
ここで、1つお知らせがあります。ご家族の方も是非ご一緒に僕の領地とハイナイト家の領地に来て欲しいのです。住居、それから初期援助として工房を構える土地、家屋、資材などはそれぞれの領主である僕たちが用意しますので、後は皆さんで話合いをして僕の領地に来るのかハイナイト家の領地に来るのかを決めて貰えますか?」
ラウールさんがそう言うとブンゴさんが進み出てラウールさんに言ったんだ。
「ここに居る職人はこの国でもかなり腕の良い、そして人柄も良い職人ばかりです。今から、俺も混ざって皆と話合いをします。振り分けが決まったらお知らせしますので、このまま王都の観光に行かれて下さい。職人全員を連れて行って貰えること、そしてその家族までも連れて行って貰える事を、この国の木工組合の組合長として心から感謝いたします」
僕とラウールさんに頭を下げたブンゴさんにならって、職人さんたちも頭を下げてくれたよ。人からこんなにも感謝された事のないラウールさんは感動して涙目になってたよ。サハーラさんは泣いてたし…… でも、良かった。ブンゴさんがまとめてくれるなら安心だよ。
こうして、僕たちはカーズ義兄さんに再び案内をお願いして、王都観光に繰り出したんだ。
って、もう夕方だから先ずは夕食にしようって言ってオススメのお店に連れて行って貰ったんだけどね。あ、勿論トモジ爺ちゃんも一緒に来てるよ。
僕と一緒にいる方が安全だからね。
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